「上条当麻がその鬱展開(げんそう)をぶち殺しにいくようです。1話」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

上条当麻がその鬱展開(げんそう)をぶち殺しにいくようです。1話」(2011/06/07 (火) 18:37:57) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

次元の壁にて隔絶された、後のエースオブエースを産み出した地球とはまた別の『地球』。 その世界には、『魔法』とは別種のベクトルにて発展した『科学』があった。 その世界には、『魔法』とは別種のベクトルにて発展した『魔術』があった。 そんな『科学』と『魔術』が交差する混沌の世界に、その青年はいた。 名は上条当麻。 『科学』と『魔術』が交差する物語の、その渦中に居続けた男である。 上条当麻は数多の戦いを乗り越えてきた。 全ての異能を打ち消す『右手』と、決して揺るがぬ信念を武器にして、己の信じる道を突き進む。 上条からすれば、ただ自分の思いに任せて行動しただけ。 だがしかし、上条の行動は数多の人物に影響を与え、その生き方に変化を与えてきた。 かつては敵だった者すらも味方に引き込み、その生き方にすらも変化を与える。 何時しか上条当麻は、その世界に於いてキーマンとされる存在にすらなっていた。 そして、上条当麻は世界の中心に立つ。 『魔術』と『科学』が交差して執り行われた第三次世界大戦。 世界大戦の首謀者である右方のフィアンマとの戦い。 『神上』の力を振るうフィアンマは、絶対的という言葉を絵に描いたかのような実力であった。 だが、上条当麻は怯まなかった。 とある少女を救う為、そして自分の信念に突き動かされて、ただ右腕を振るう。 結果は、奇跡と言えた。 上条当麻の右手が『神上』なるフィアンマの頬を捉え、吹き飛ばす。 一介の高校生たる上条当麻の勝利により、第三次世界大戦は終焉を迎えた。 第三次世界大戦は終戦と向かった。 だが、世界大戦が終われど世界の危機は去らなかった。 フィアンマが計画の最中で発現させた天使。 暴走状態へと陥った天使は、世界を滅ぼしかねない勢いで行動を開始していた。 上条当麻は、一人天使に立ち向かう。 ただ自分の想いに従って、上条当麻が『上条当麻』たる唯一の証に従って、天使へと右腕を振り上げる。 そして、天使は消滅した。 だが、仲間達による大捜索も虚しく、上条当麻の姿もまた忽然と消えていた。 こうして『上条当麻』は二度目の死を迎える事となり―――新たな物語が始まる。 本来ならば起こる筈のない物語。 それは天使が引き起こした気紛れなのかもしれない。 鍵となる人物は上条当麻。 そして、大魔導師の手により『造られた』一つの命。 『幻想殺し』と『造られし命』が交わる時、新たな物語が始まる―――。 ◇ 時の庭園。 ミッドチルダの魔法技術によって作られた、次元間航行すらも可能な巨大庭園。 庭園の片隅には巨大な屋敷が一つ建っている。 庭園の大きさからすればちっぽけな、だが居宅として見れば壮大な屋敷。 現在の住人はたったの二人と一匹。 その大きさからすれば何とも淋しい限りの邸宅に、フェイト・テスタロッサはいた。 ベッドへと横になり、ボンヤリと天井を見つめている。 フェイトの表情からは疲労の色がありありと見て取れた。 (母さんに、怒られちゃった……) 寝返りを打ったフェイトの視線が、机の上の菓子箱を捉える。 管理外世界で母へのお土産にと買ってきた菓子。 でも、母はそのお菓子に一切手を付ける事はなかった。 自分が言い付けを守れなかったからだ、とフェイトは思う。 母に命じられた『ジュエルシード』の確保。 自分は、全部で21個ある『ジュエルシード』の内のたった4つしか入手できなかった。 母が激怒して当然だ。 折檻をされても仕方がない。 お土産なんて受け取ってくれる訳がない。 (もっと、頑張らなくちゃ……) 痛む身体を無理矢理に起こして、フェイトは自分の役目を果たすべく動き出す。 管理外世界へと飛び立ち、ジュエルシードを収集しなくては。 休んでる暇なんて、無い。 泣き言を言ってる暇なんて、無い。 早くジュエルシードを集めて、優しい母さんに戻って貰わなくちゃ。 ただそれだけの想いを胸に、フェイトはベッドから起き上がる。 相変わらずの疲れた表情で、だがその瞳だけが強固な意志に輝いていた。 菓子箱の横に置いてある相棒を握り、部屋の出口へと歩いていく。 その時だった。 空間が割れ、その隙間から男が転がり落ちてきた。 男は、つい一瞬前にフェイトが立ち上がったベッドへと、墜落した。 後方から聞こえたドサッという音に、フェイトが反射的に振り返る。 紺色の学生服に身を包んだ、何故だか全身がびちょ濡れの男。 ぐっしょりと塗れているにも関わらずツンツンに逆立った髪の毛。 全く見覚えのない男が、フェイトのベッドを支配していた。 突然の事態にポカンと口を開け、立ち尽くすフェイト。 ふかふかのベッドに沈み込む、全身ずぶ濡れの男。 これが始まりだった。 『幻想殺し』と『造られた命』との。 『上条当麻』と『フェイト・ハラオウン』との。 本来ならば有り得る筈のない、邂逅。 それが、物語の始まりであった。 上条当麻がその鬱展開(げんそう)をぶち殺しにいくそうです。無印編、始まります。 [[目次へ>リリカルTRIGUN氏]] [[次へ>上条当麻がその鬱展開(げんそう)をぶち殺しにいくようです。2話]]
次元の壁にて隔絶された、後のエースオブエースを産み出した地球とはまた別の『地球』。 その世界には、『魔法』とは別種のベクトルにて発展した『科学』があった。 その世界には、『魔法』とは別種のベクトルにて発展した『魔術』があった。 そんな『科学』と『魔術』が交差する混沌の世界に、その青年はいた。 名は上条当麻。 『科学』と『魔術』が交差する物語の、その渦中に居続けた男である。 上条当麻は数多の戦いを乗り越えてきた。 全ての異能を打ち消す『右手』と、決して揺るがぬ信念を武器にして、己の信じる道を突き進む。 上条からすれば、ただ自分の思いに任せて行動しただけ。 だがしかし、上条の行動は数多の人物に影響を与え、その生き方に変化を与えてきた。 かつては敵だった者すらも味方に引き込み、その生き方にすらも変化を与える。 何時しか上条当麻は、その世界に於いてキーマンとされる存在にすらなっていた。 そして、上条当麻は世界の中心に立つ。 『魔術』と『科学』が交差して執り行われた第三次世界大戦。 世界大戦の首謀者である右方のフィアンマとの戦い。 『神上』の力を振るうフィアンマは、絶対的という言葉を絵に描いたかのような実力であった。 だが、上条当麻は怯まなかった。 とある少女を救う為、そして自分の信念に突き動かされて、ただ右腕を振るう。 結果は、奇跡と言えた。 上条当麻の右手が『神上』なるフィアンマの頬を捉え、吹き飛ばす。 一介の高校生たる上条当麻の勝利により、第三次世界大戦は終焉を迎えた。 第三次世界大戦は終戦と向かった。 だが、世界大戦が終われど世界の危機は去らなかった。 フィアンマが計画の最中で発現させた天使。 暴走状態へと陥った天使は、世界を滅ぼしかねない勢いで行動を開始していた。 上条当麻は、一人天使に立ち向かう。 ただ自分の想いに従って、上条当麻が『上条当麻』たる唯一の証に従って、天使へと右腕を振り上げる。 そして、天使は消滅した。 だが、仲間達による大捜索も虚しく、上条当麻の姿もまた忽然と消えていた。 こうして『上条当麻』は二度目の死を迎える事となり―――新たな物語が始まる。 本来ならば起こる筈のない物語。 それは天使が引き起こした気紛れなのかもしれない。 鍵となる人物は上条当麻。 そして、大魔導師の手により『造られた』一つの命。 『幻想殺し』と『造られし命』が交わる時、新たな物語が始まる―――。 ◇ 時の庭園。 ミッドチルダの魔法技術によって作られた、次元間航行すらも可能な巨大庭園。 庭園の片隅には巨大な屋敷が一つ建っている。 庭園の大きさからすればちっぽけな、だが居宅として見れば壮大な屋敷。 現在の住人はたったの二人と一匹。 その大きさからすれば何とも淋しい限りの邸宅に、フェイト・テスタロッサはいた。 ベッドへと横になり、ボンヤリと天井を見つめている。 フェイトの表情からは疲労の色がありありと見て取れた。 (母さんに、怒られちゃった……) 寝返りを打ったフェイトの視線が、机の上の菓子箱を捉える。 管理外世界で母へのお土産にと買ってきた菓子。 でも、母はそのお菓子に一切手を付ける事はなかった。 自分が言い付けを守れなかったからだ、とフェイトは思う。 母に命じられた『ジュエルシード』の確保。 自分は、全部で21個ある『ジュエルシード』の内のたった4つしか入手できなかった。 母が激怒して当然だ。 折檻をされても仕方がない。 お土産なんて受け取ってくれる訳がない。 (もっと、頑張らなくちゃ……) 痛む身体を無理矢理に起こして、フェイトは自分の役目を果たすべく動き出す。 管理外世界へと飛び立ち、ジュエルシードを収集しなくては。 休んでる暇なんて、無い。 泣き言を言ってる暇なんて、無い。 早くジュエルシードを集めて、優しい母さんに戻って貰わなくちゃ。 ただそれだけの想いを胸に、フェイトはベッドから起き上がる。 相変わらずの疲れた表情で、だがその瞳だけが強固な意志に輝いていた。 菓子箱の横に置いてある相棒を握り、部屋の出口へと歩いていく。 その時だった。 空間が割れ、その隙間から男が転がり落ちてきた。 男は、つい一瞬前にフェイトが立ち上がったベッドへと、墜落した。 後方から聞こえたドサッという音に、フェイトが反射的に振り返る。 紺色の学生服に身を包んだ、何故だか全身がびちょ濡れの男。 ぐっしょりと塗れているにも関わらずツンツンに逆立った髪の毛。 全く見覚えのない男が、フェイトのベッドを支配していた。 突然の事態にポカンと口を開け、立ち尽くすフェイト。 ふかふかのベッドに沈み込む、全身ずぶ濡れの男。 これが始まりだった。 『幻想殺し』と『造られた命』との。 『上条当麻』と『フェイト・テスタロッサ』との。 本来ならば有り得る筈のない、邂逅。 それが、物語の始まりであった。 上条当麻がその鬱展開(げんそう)をぶち殺しにいくそうです。無印編、始まります。 [[目次へ>リリカルTRIGUN氏]] [[次へ>上条当麻がその鬱展開(げんそう)をぶち殺しにいくようです。2話]]

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: