なのは:「う、うわっ・・・!」

ユーノ:「なんでそんなに驚くの? そのデバイスの元所持者、スクライア一族の魔導師、ユーノ・スクライアだよ」
ユーノ:「その様子だと、もう『魔法』なんていうなんでもありの概念が実在するのは分かってるんだろ?」

なのは:「・・・・・・」
なのは:「フェレットに変身できる魔法使いか・・・」
なのは:「・・・驚いてないよ、ユーノ君」
なのは:「・・・・・・いや・・・待ってたよ、ユーノ君・・・」

ユーノ:「ほう・・・」

なのは:「魔法少女ものに付き物のマスコット役まで来てくれるとは・・・親切だね・・・」
なのは:「私はすでに「魔法」を現実のものだと疑ってなかったけど、
こうして色んな事を直視することでますます確信を持って行動できる」
なのは:「それに聞きたい事もあるの」

ユーノ:「ははっ・・・これは凄い! 逆にこっちが驚かされた!」
ユーノ:「過去にデバイスが管理外世界に出回った話は何度か聞いたけど、
たった五日でここまで魔法を覚えたのは君が初めてだ! 並じゃここまでできない」

なのは:「ユーノ君・・・私は魔法使いの道具を分かっていて使った・・・
そしてユーノ君がその魔導師だった・・・」
なのは:「私はどうなるの・・・? 魂をとられるの?」

ユーノ:「ん? 何それ? 管理外世界人の作った勝手なイメージ?」
ユーノ:「僕は君に何もしない」
ユーノ:「この世界の幼女が手にした時点で、レイジングハートはその人物の物になる」
ユーノ:「もう君の物だ」

なのは:「・・・・・・私の物」

ユーノ:「いらなきゃ君の親友だっていう、二人の内のどっちかにでも回してよ。
その時は君の魔法に関する記憶だけ消させてもらう」
ユーノ:「そして、元僕のデバイスを使った君しか、この世界で僕の正体を知る者はいない」
ユーノ:「もちろん念話も君にしか聞こえない」
ユーノ:「レイジングハートが、魔法少女・なのはと相棒のマスコット役・ユーノを繋ぐ絆さ」

なのは:「絆・・・」
なのは:「じゃあ本当にレイジングハートを得た代償って何もないんだね?」

ユーノ:「・・・強いて言えば、これからジュエルシードを集めなければならない事を始めとして、
魔法を手にした人間にしか訪れない苦労や恐怖・・・」
ユーノ:「そして、魔法を使う戦闘に関する君の訓練や思考は、攻撃魔法の使えない僕に代わって
レイジングハートが指導していく事になるけど・・・」
ユーノ:「レイジングハートを所持者した子が、真っ当な魔法少女になんてなれると思うな」
ユーノ:「それだけだよ」

なのは:「・・・・・・」
なのは:「ふっ・・・ふふ」

ユーノ:「クックック・・・なってからのお楽しみだよ」

なのは:「じ・・・じゃあもう一つ」
なのは:「なんで私を選んだの?」

ユーノ:「はぁ?」
ユーノ:「アハハッ、自惚れないでよ。僕は、ただここに落ちて来ただけだよ。
賢い自分が選ばれたとでも思ったの?」
ユーノ:「たまたま暴走したジュエルシードがこの辺に落ち・・・たまたま魔導師の素質があった君が、
たまたま僕の念話が聞こえる範囲内にいた・・・ただそれだけの事さ」
ユーノ:「だからレイジングハートの使用言語設定も、この世界で
一番ポピュラーだっていう英語に設定したんだよ?」

なのは:「じゃあ、何でこの世界の住人にデバイスを渡そうとしたの!?」
なのは:「丁寧にそんな設定までして、間違ったなんて言わないでね」

ユーノ:「何でって・・・」
ユーノ:「退屈だったから」
ユーノ:「魔導師がこんな事言うのもおかしいけど、僕の元居た世界の魔導師は、全然魔法使いって感じがしなくてね・・・」
ユーノ:「実際僕の居た世界で、現在の魔法の主流っていうのは戦闘技術や兵器みたいな扱いでね。
みんな殴ったり、蹴ったり、斬ったり、撃ったりしてるかだ」
ユーノ:「下手にまともな魔法らしい魔法の勉強なんかしてると、「何頑張っちゃってるの?」って笑われる」
ユーノ:「自分の魔導師としてのスキルを高めようにも、攻撃魔法の使えない僕にとって
ほとんど戦闘手段として扱われてる、管理局の魔法を勉強したって面白くもなんともない」
ユーノ:「だからといって自分が居た世界で、自分の得意な魔法を教えて広めるにも、
管理局はそんな事、とっくの昔にやってるから無意味だしね」
ユーノ:「管理外世界(こっち)に居た方が面白いと僕は踏んだ」

なのは:「・・・」

ユーノ:「それにしても随分自主学習したんだね」

なのは:「・・・私も」

ユーノ:「?」

なのは:「退屈だったから・・・」
なのは:「勿論最初は信じなかった。でも、そのデバイスには人間なら誰でも
一度は試してみたくなる魔力がある・・・」

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2008年01月17日 19:51