仮面ライダーリリカル電王sts第五話
「泣きっ面にクマ」

「ハァ~ッ。」

キャロはため息をついていた。理由は簡単なものでエリオである。ウラタロスが憑いてから、エリオの周りには女性がたくさん集まるようになったからだ。
「何か、エリオ君が遠い存在になっちゃったなぁ。」

キャロはエリオの事を思い浮かべていた。

「キャロ、今日の君は一段と可愛い。まるで輝きに満ちているみたいだ。」

「ヒャッ!な、何思い出してるの、あんな恥ずかしい事。」

しかしその顔は心なしか赤くなっていた事に気づく者は誰もいなかった。
物思いにふけるキャロは自分に迫る金色の光に気付かなかった。
そして、その光はキャロに近づいていき、

「ヒャッ!」
激突した。

「び、ビックリした。な、何なの?」

「イタタ~、なんや何が起こったんや。」

「あ、あなたは誰!
何処にいるの。」

「うお、お、女の子!?俺は良太郎に憑いたはずなんやけど。しゃ~ない。俺はキンタロスていう名前や。お嬢ちゃんはなんていうんや。」

「私の名前は、キャロ・ル・ルシエです。あの何でこんなことになったんですか?。」

「俺も知らん。俺は只、良太郎に憑こうとしただけや。」

「良太郎さん?もしかして良太郎さんの仲間のイマジンの方ですか?」

「何や良太郎を知っとるんか。じゃあ何処に居るんか教えてくれや。」

「待ってください。今、案内しますね。」

「おおきに!優しいお嬢ちゃんやな。」

「そんなことないですってホントに。」

キャロとキンタロスがそんなことを話ながら歩いていると、目の前の階段から人が落ちて来たのだ。

「あ、危ない。」

キャロがそういうとキンタロスがキャロの体に憑依し、落ちてきた人をキャッチした。

「大丈夫か、ハナ。」

落ちてきた人、ハナにKキャロは言った。すると、ハナが答えた。

「あ、ありがとうキャロちゃん。」

「キャロやない俺や。」

「え、もしかしてキンタロス?」

「そうや。」

「えぇ!」

ハナは驚いた。まさかキンタロスまで来ていたとは思わないからだ。その後、一通り説明した後、良太郎が何処にいるか聞いた。

「良太郎なら、スバル達と一緒にいるわ。」
「おおきに!」

そう言って向かおうとした時にアラートが鳴り響いた。イマジンが現れたのである。
アラートを聞きその場所に行くと、全て片付いた後だったらしい。片付けをしていた、スバルが駆けよってくる。

「遅いよキャロ。何してたの。」

「良太郎はどこに居るんや。」

「えっと確か向こうに居ると思うよ。それにしても何で、八神隊長喋り方が似てるの?モノマネ?」

「違う、そいつはキャロって奴じゃねぇ。イマジンだ。」

「キンタロス言うんや。」

「じゃあキャロも同じなの?」

スバルの質問に答えるモモタロス達。だが、危険が迫っていた。

「オイッスバル!近くにイマジンが居るぜ!しかもニ体居やがる!」

スバル達がモモタロスが言った場所に着くとオウルイマジンとライノイマジンが待っていた。

「人間ごときにニ体とは警戒しすぎだ。」

「まぁいいどうせ消すからな。」

「行くよモモ、マッハキャリバー。セットアップ!」

「ケリュケイオンセットアップ!」

スバルはオウルイマジンへと攻撃を仕掛けた。
「フッいくぞ。」

オウルイマジンはスバルに、ライノイマジンはキャロに襲いかかる。

「蒼穹を駆ける白き閃光我が翼となりて…。」

「させん。」

「キャアァ!」

フリードを解放しようとした瞬間ライノイマジンの攻撃により、吹き飛ばされたキャロ。
「事前のデータ通りの行動だな。お前自身に戦う力の無いことはな。」

「クッ、ウィングシュート。」

キャロは必死に攻撃するが一切効かなかなった。

「泣き喚きながら死ぬをだな。」

ライノイマジンはそういい拳を振り下ろしたその時、キャロがその拳を素手で受け止めたのだ。

「泣けるで!キャロ後は任しとき。」

「うん、ヌオッお、オワアァァ。」

ライノイマジンを投げ飛ばすKキャロ。懐紙吹きが舞ったかと思うと高らかに叫んだ。

「俺の強さにお前が泣いた。涙はこれで拭いときや。」

「ふざけるなぁ!」

そう言ってライノイマジンが突進してきた。
「フンッ!」

Kキャロはそれを受け止めると、

「フンッフンッフンッオリュアァァ。」

上手投げで地面に叩きつけた。

Kキャロはライノイマジンを投げ飛ばした後、魔力を集中させた。すると、空気中の魔力が集まりキンタロスの武器、《キンタアックス》が現れ、それを掴み、起き上がったライノイマジンを斬りつけた。
ライノイマジンは攻撃するがBJも強化されたらしく全く効かず逆に全て受けられた後の隙を攻撃された。

「決めるで、キャロ!」

「うんっ!自己ブースト全開!」

そう言った後、魔力をキンタアックスに注ぎ、上に放り投げ、相撲の立ち会いの姿勢で気合いを込め、自分も飛んだのである。
そして、キンタアックスを空中で掴み金色の懐紙吹雪を散らしながら落下。自由落下の勢いでライノイマジンを斬り裂くとこう言った。

「ダイナミックチョップ。」

「後で言うんだ…。」
キャロはかつて良太郎が言った事と同じ事を言った。


その頃、スバルは中々一撃を決められずにいた。なんせ、相手は自由に飛べるし、自分の技は溜めが大きいのだこのままでは埒が開かないそう思ったスバルは、ある賭けにでた。何とスバルは、敵に向かってジャンプしたのだ。

「バカだな。」

そう思い、スバルを避ける。すると、スバルは笑った。

「お前何か勘違いしてないか。こうすればいいんだよ。」

「何を言って、うん、羽が動かん何故だ。」
羽が動かない理由は簡単である。羽をスバルが掴んでいるからだ。
そして、Mスバルは目の前の空間から赤い剣《モモスォード》を引き抜き構えると連続で斬りつけ、遂には片方の羽を切り落とした。
「グッ、グアァァ!」
「さて、決めるぜ。」
そう言うとモモスォードに膨大な魔力を注ぎこむ。そして炎を纏わせ構えると一気に距離をつめた。

「俺の必殺技ァ!」

と叫び一撃で切り裂いたのだった。


ここはデンライナー食堂車。そこで一人の女性がくつろいでいた。目深に被ったキャップと長い銀髪が印象的な女性である。その女性に近づく人影があった。それは、リュウタロスである。

「ネェネェ、最近よく見るけど何してんの。ネェってば。」

「見守っている。」

「見守る?誰を?分かった大切な人でしょ。」

「当たりだ。私は、もう一緒にいられない。だから、見守ってるんだ。」

「フーン。ネェネェ、一つ聞いていい?名前なんて言うの?」

「そうだな。アイン。アインと呼んでくれ。」

「フーン、アインか。キレイな名前だね。僕はリュウタロスだよ。ヨロシク。あ、そろそろ行こっかな。じゃあねアイン!」

「ああ、じゃあなリュウタロス。」

「バイバーイ。」

この出会いが後に新たな力となること誰がしるだろう。銀髪の女性アイン。悲しき別れを知る女性。そして、イマジンの目的は、何故良太郎を襲うのか、まだ、誰も解らない。


次回予告
キンタ「今日は大活躍やったな。」

キャロ「もはや、超人。ハァ~ッ。」

キンタ「ま、気にするこたぁないで。」

キャロ「う、うん。」

キンタ「次回仮面ライダーリリカル電王sts第六話
「必然の出会い!」や。」

キャロ「お楽しみに!」

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最終更新:2008年01月23日 21:34