仮面ライダーリリカル電王sts外伝第三話
「続リリカル電王珍道中物語~リンディさんの暴走~」
私はアイン。時の列車デンライナーで旅をしている。
今日はオーナーの知り合いの方が来るらしい。
しかし何だ?この嫌な予感は。まるで自らの命の危険を感じたような…。
数分後、私はこの予感が自らの未来だと感じた。
「私の知り合いで管理局に勤めているリンディ・ハラオウンさんです」
「ご紹介に預かりました、リンディ・ハラオウンです。よろしく」
「リンディってまさか!?」
「ああ、あのお茶の送り主だ!!」
「エェー!」
「今日は皆さんにお茶をご馳走してくれるそうですね」
「ええ。それじゃあ、食堂で待っていてくださいね」
そんな笑顔で言われても私には死神の微笑みにしか見えない…。
(頼む、夢であってくれ)
しかし現実は甘くなかった。私とナオミは甘い匂いのする食堂を覗いた。そこには大きな鍋と湯飲みが四つあった。
「さて、頑張りますか」
ドンッ!そんな音がしたかと思うとそこにあったのは商業用の砂糖(しかも六キロ)が置かれていた。
(まさか、まさかな)
そう思った矢先にリンディはソレを鍋へと投入し始めたのだった。
(それはない。頼むこれ以上は)
どうやら神は見捨てたらしい。リンディは砂糖を全て入れると、少し味見をしていた。
「う~ん味が単調ねぇ。黒砂糖を入れるのもいいわね!」
(止めてくれ、それ以上は死人が出る)
しかし、無情にも投入される黒砂糖(もちろん六キロ)であった。
さらに追い討ちをかけるようにリンディは次々とチョコレートを投入していった…。
(それはお茶ではないホットチョコだ!!)
虚しいかな、この気持ち、リンディさんには届かず、調理台の上にはボトルの様な物が置かれたのだった。
「オーナーさんも言ってたからこれも入れましょうか」
ドボッドボッドボッ、投入される液体。唖然としながら、
(もう、どうにでもなれ)
アインは隣でフリーズしているナオミを見ながらそう思った。
「お待ちどうさま。はい、どうぞ」
渡された液体はもはやお茶ではなかった。アイン苦笑いをしながらナオミの方を向いた。
「お、お先にどうぞ…」
「やっぱ、私ですか~、では逝きます!」
飲んだ、がしかし何も起きない。ホッとしたその時、
「スゥーッ、スゥーッムニャ」
眠っているナオミがいた。
「それでは私も。ンクッ、ンクッ、ンクッ…ああ、美味しい…ヒック!」
「ヒック?まさか…」
「アインさんも飲みましょうよ~、気持ちいいですよ~、ヒック」
「止めろ、止めてくれ、ヤメロォォ!」
アインの絶叫がデンライナーに響き渡った。
「何が起こったの、うわっ、酒臭ッ!」
アインの絶叫を聞き、急いで駆けつけたハナだったが余りの酒臭さに鼻を摘まんでしまった。
そして、その場の光景に絶句した。そこには下着姿の二人の酔っ払いがいたのだから…。
「グルングルン、気持ちいいなぁ、ヒック」
「原因はなに?うん、何かしらこれ?」
そこにあったのは一本のボトルとチョコレートの箱。チョコレートの箱とボトルに書いてあるものをみてハナは驚愕した。
「ウィスキーボンボンにスピリタスってこれお酒じゃない!」
そんなことはお構い無しにアインは更に脱ごうとしたが突如ふらついた。
「もう眠いから寝る~おやすみなさ~い」
そう言って、奥に行くアイン。そして、入れ替わりに現れた人が一人。
「うわ、なんやこれ。酒臭っ」
ハナを見つけ、追いかけて来た、はやてであった。
「あ、はやてさ~ん、捕まえたぁ♪」
「うわ、な、何するん、リンディさん。それに、その格好…」
「え~い、飲みなさ~い!」
そう言ってはやてに無理矢理、アルコール入りリンディ茶を飲ますリンディ。
そして顔を伏せたその次の瞬間、笑い声が響いた。
「はは、アハハ。やったるでぇ、揉みまくったるでぇぇ!」
酔っ払いがもう一人。ハナは身の危険を感じた。手をワキワキと動かしながら接近するはやて。もはや万事休す。その時、
「すまない、はやて」
「ギャッ!」
白き影が現れたかと思うとはやてをチョップで気絶させたのだ。
「うそ、ジーク!?」
「姫、お見苦しい所を。では」
そう言って消えたジーク。ハナは何かを思ったらしく右手に何かを握りしめた。
そしてリンディの方を向くと右手のハリセンを大きく振りかぶると全力でひっぱたいた。
「グッ!」
その一言と共に気絶するリンディ。こうしてデンライナーでの騒ぎは収まった。
数時間後はやては目を覚ますと6課の施設内を歩いていた。二日酔いになりながら。
「うぅ、頭が痛い、気持ち悪い…」
そしてブラブラ歩いていると、なのはの姿を見つけた。
その様子を見ているとなのははR良太郎に抱きつかれ、びっくりしていたのが面白くてからかうことにしたのだった。
さて、後は皆さんもご存知の本編。時の列車は暫し未来へと走りましょう。
最終更新:2008年02月28日 22:15