中谷敏夫

プロデューサー:中谷敏夫



ネウロアニメを改善したい【跡地】の管理人と中谷敏夫プロデュ-サーの会話内容

中谷敏夫プロデュ-サー

投書をご覧いただくとおわかりと存じますが、原作とあまりにも違うのではないでしょうか。
皆さんの言うようにアニメとマンガは確かに違いますが、
アニメにするプロセスにおいては、限られた2クールの中でテーマを出さないといけないんです。
そうなるとネウロに限らず、話の入れ替えが発生する場合が多いんですよ。

しかし原作ファンとしては、なぜ原作の通りに進行していただけないのかと不満があります。
デスノのように連載が終了しているものではなく、ネウロも弥子ちゃんも今後がどうなるかわからない中で、
たとえばネウロが死ぬかも知れないじゃないですか。

それはどうかと思いますが、そういう可能性もありますね。
アニメ2クール終了後も連載は続くと思いますけどアニメは単体で成立するように作らなければならないんです。
なのでコナンのように1話1話しっかり原作どおり、とはいかないんですよ。

単体で成立させるためには、原作を改変したりオリジナルを入れたりしても、やむを得ないのですか。
いいですか、テレビアニメってのは、公共の電波の中で、
ごく一部のファンのために作っているわけではないんですよ。

ごく一部のファンというのは、原作ファンのことでしょうか。
そうです。これOVAなら別なんですが、テレビなんですよ。
テレビってのは、ごく一部のファンのために作っているわけではないんですよ。

はい。
OVAならV社とかBV社とか、ですか?DVD屋さんが作ればいい。でもテレビなんですよ。

よりテレビ的に広い層へアピールするために、あえて原作を離れたということですか。
そうです。


日本テレビ・中谷敏夫プロデューサー「爆発する可能性がある作品、トレンディードラマでもやれるような作品で市民権を」

  • 中谷さんは、「NANA」「デスノート」と深夜帯のアニメで次々と話題作を手掛けていますが、そのきっかけは
97年に「剣風伝奇ベルセルク」で深夜アニメを立ち上げたのが最初ですね。当時、神戸の
連続児童殺傷事件があって、暴力的な描写がある「ベルセルク」は企画段階で批判が
多かったんです。でも、規制する必要のないものまで、〝表現狩り〟に走っていると感じたので、
子供だましではないアニメというものを作りたかった。文字通りクビを懸けて、どこまで
作品のコンセプトを掘り下げられるかに挑戦しました。その後もアニメ班では、「はじめの
一歩」や「花田少年史」など、ゴールデンでもやれるような作品を送り出すことをコンセプトに
して、枠のイメージを作っていきました。おかげで他の作品でも、原作者の方々が、
「『ベルセルク』のチームが作ってくれるなら」とアニメ化を承諾してくれるようになりました。
  • ヒット作だけでなく、マージャンを描いた「闘牌伝説アカギ」のようなユニークな作品を見つけ出しているという感があります
「アカギ」は、「ギャンブルだろう」ってみんなに反対されました。でも、「ルパン三世」
だって泥棒だし、作品の裏側にあるコンセプトがよかったので、これもクビを懸けて通しました。
アカギの「死ねば楽になるのに……」っていうセリフがあるんですが、これは「死ぬほど
がんばれば道が開ける」って意味なんですね。対戦相手がどんどん強くなる中で、アカギも
人間的に成長していく。ポジティブなメッセージが込められているんですよ。それが通じて
高視聴率を取ることができました。
  • 少女マンガが原作の「桜蘭高校ホスト部」は男性にも人気が出ました
少女マンガにも面白い作品があるってことをアニメで伝えたかった。演出では、原作よりも
「恋愛線」を強くして、ホスト部長で主人公の環を三枚目の線に飛ばしたんです。原作でも
その要素はあるんですが、少女マンガでは、あまり主人公に〝三の線〟をやらせないので、
アニメではフォーマットを明確にしました。ただ、あの笑いには、チャップリンと同じで
「泣き」があるんです。それを声優の宮野真守くんが見事に演じてくれました。あの演技で、
その次の「デスノート」の主人公・夜神月は「彼しかいない」と思ったぐらいです。
  • 他局でも深夜帯のアニメは花盛りですね
06年は年間150本とか160本といわれるアニメが放送されましたが、これが臨界点でしょう。
ファンド化などアニメが産業化されて、アニメの質が空洞化していると危ぐしています。
民放では、アニメはオタクを相手にしていて、ドラマと違ってスポンサーが付きにくく、
DVD販売などの「放送外収入」というもので支えられている“鬼っ子”扱いを受けています。

でも「NANA」のように、掲載誌の「Cookie」は30万部ぐらいだけど、コミックスは3900万部も
出ている。そんな一度見てもらえれば、爆発する可能性がある作品、トレンディードラマでも
やれるような作品を出していけば、“市民権”を得られると思っています。
  • “粗製乱造”が続いて、作品の質が落ちれば、アニメブームも去ってしまう危険性があるということですか
フジテレビの日曜日夜7時台のアニメがなくなって、アニメは戦国時代に入ったと思っています。
「世界名作劇場」など何十年もゴールデンタイムで放送され、アニメといえば、「夜7時台で
子供が相手」という時代は終わったのだと思います。「NANA」が夜11時台のプライムタイムで、
新しい切り口を見せたように、アニメは変わっていかなきゃならない。しかも、アニメの
本数が増えたおかげで、制作を韓国や中国に出しているため、特に韓国のレベルがものすごく
上がっています。ここ2、3年で追いつかれるかも知れない。そうすると「アニメは日本固有の
産業だ」なんて言っていられなくなりますよ。
  • アニメ業界を目指す人に必要なものは
目指していること以外に掘り下げているものを持つことでしょう。バラエティーをアニメで
やってみたらとか、エンターテインメントは変形の発想が必要ですからね。
  • 4月から新作「クレイモア」が始まります
集英社、日本テレビ、マッドハウスという「ヒットのトライアングル」が放つファンタジーです。
原作の知名度は低いかもしれませんが、「生きる」というテーマに、愛や友情といった
メッセージがしっかり込められている上に、妖魔などが登場する「ファイナルファンタジー」の
ようないま風のアニメでもあります。クオリティーは4月スタートのアニメでは1、2を争うと
自負していますので、ご期待ください。

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最終更新:2012年05月26日 16:08
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