2009年、エレクバイトが数年間の沈黙(だいたい7年)を破り復活した事により、改造版ではない正規の新バージョン「MUGEN 1.0」が登場。
一年ぐらいRCのリリースが続いていたが、2011年の初頭に正式版MUGEN 1.0がリリース。
13/08/07現在の最新バージョンはMUGEN 1.1 Beta1。
(※変更点が多いので、このページの内容は大まかな物のみ記載していますが、古かったり間違っていたりする可能性もあります)
変更点
画面表示に関して
一番大きな変更点ともいえるのがこれ。
今までの最大が640×480の4:3の比率(いわゆる
D4)であったのに対し、
「1280×720」のハイデフサイズや、「1920x1080」のフルHDサイズのような、テレビやPCモニタ等と同じ16:9の設定が可能になった。
これによりサイズの関係上、参戦の難しかったHD画質のゲームのキャラも製作しやすくなった。
それに伴って1データ単位でスプライトの解像度を決める項目である「
localcoord(Local Coordinate spaceの略)」がdefファイルに追加されている。
この項目はキャラの基準となる解像度を設定できる項目で、ウィンドウサイズとこの設定を合わせて画質が決まる事になるのである。
「320,240」ならば従来通りのローレゾ、「640,480」ならばギルティギアXXのようなハイレゾ、「1280,720」ならばハーフHDとなる。
現時点では実際に読み込まれるのは左(横幅)の数値のみだが、いずれ右(縦幅)の数値も読みこむようになるかもしれないのでしっかり記述しておいたほうがいいだろう。
ちなみに上記3種類以外の数値でも自由に設定できるので、16:9で遊びたいけどディスプレイ幅が1280も無いという場合は適当に縮小しよう。
従来のD0キャラを640,480以上に設定すると小さくなる恐れがあるので、キャラやステージごとに最適な解像度を設定する必要がある。
WinMUGENでもlocalcoordを使ったキャラはエラーにならずそのまま読み込めるが、
記述自体は無視されるため強制的にlocalcoord=320,240のキャラとなってしまう。
ちなみに高解像度キャラはlocalcoordを使わずにscaleをD4の半分(0.25)にすることでも製作可能。
こちらはWinMUGENでも普通のサイズになる。
- 日本語にも対応。ディスプレイネームを日本語表示する事が可能となった。
「ISO 639-1」の規格が採用された事により、日本語にも完全対応。
mugen.cfgの[Config]の項目にある「Language」のパラメータを「ja」にすれば日本語表示になる。
ただし実際に日本語表示にするためには、cns等の保存時に文字コードを「UTF-8」に設定しなくてはならない(これは「名前をつけて保存」でいつでも設定できる)。
- 勝利台詞も標準で追加されている(設定で無くす事も可能)。
しかも多言語に対応させることも可能。
- ストーリーボードにフォントと効果音が使えるようになった
コンプゲーならともかく、ニコMUGENでこの機能が使われる事は無いだろう。
しかしこれによりコンプゲー等では、文章用の画像を用意する必要もなくなり演出面が大幅に強化できるようになった。
1.1からはOpenGLにも対応。誤差程度ではあるがRenderModeの中では最も画質が良い。
Elecbyteは今後このOpenGLを基本として開発を進めていくと明言しており、
既に1.1の新機能の中にはOpenGLモードでしか動作しないものが存在する。
特に問題がなければRenderModeはOpenGLに固定しておくべきだろう。
サウンド関連
- OGGにも対応
-
ステージBGMのループ再生の終始点を設定できるようになった
-
WavChannelsの上限が廃止。
同時に17個以上の効果音を鳴らせるようになった。
- それに伴い1.1では初期値が32に変更。1.0でもconfig.cfg内には16が上限と書かれているが、それ以上にしても問題ない模様。
- 音量を定義する
BGVolume
は
BGMVolume
に変更。書き直さないと正常に機能しない。
- KOボイスとヒット・ガード時の効果音の聞こえる位置がおかしくなっており、
左側の場合に中央に鳴る
という結構目立つバグがある。
スプライトに関して
sff自体が仕様変更。今までのが「SFF v1」なのに対し、今回から
「SFF v2」が採用されている。
これにより、
mcmなどの従来のsff編集ソフトでは編集できなくなっているので注意。
従来、SFFへのファイル登録時には、今までpcxだけが使用可能(bmpでも可能なツールも存在するが)だったのが、
pngでも可能になっている。
更に、
カラーパレットを構成するために使用していたactファイルが無くなっており、
カラーパレットもsffファイルにまとめられるようになった。(その反面、第三者製作のパレットが自由に使いにくくなる。)
12種類を超えるカラーパレットを搭載できるようになった。
これによりCPU専用カラーが実装可能になった。
ボタンごとにパレットの番号を1〜12の間で自由に振り分けられるようになった
(これまではxボタンカラーは4pカラー扱いだったが、この機能により1pカラー扱いすることができる。さらに
従来のsffでも可能
)。
1.1からはフルカラー画像を扱えるようになった。さらにアルファチャンネルも使用可能。
従来の256色より綺麗な表示が可能だが、当然ながら処理や容量は相応に重くなる。
大分圧縮が高まっており、旧来のものよりも容量を軽くする事に成功している。
また、ラウンド中にパレットを変更できることを生かして
パワーアップ中は顔を変化させる
といった使い方もできる。
SFF v2を生成するために「sprmake2.exe」も同梱されている。
これを利用してキャラ一つずつにバッチ処理してsffを作成する事になる。
この他、「Fighter Factory 3」ならSFF v1からSFF v2まで対応しているほか、日本語化パッチも公開されている。
アニメーション関連
1.1からアニメを定義するAIRファイルに新しいオプションパラメータが追加され、
向きと透過処理を書き込む場所の後ろに縦横スケールと角度を書き込めるようになった。
例
0, 0, 0, 0, 1, HV, AS256D256, 0.5, 0.5, 90
左からSFFのグループ番号、SFFのイメージ番号、X軸オフセット、Y軸オフセット、フレーム数、向き、透過処理、スケールX、スケールY、角度
ただし角度はXYスケールも一緒に書き込む必要がある(省略できない)
LoopStartと同じ場所に挿入できるパラメータも追加された
いずれもフレーム間のパラメータ増減を滑らかにする効果がある
- Interpolate Offset:オフセット(表示位置)移動が滑らかになる
- Interpolate Blend:透過処理が滑らかになる
- Interpolate Scale:スケール変更が滑らかになる
- Interpolate Angle:角度変更が滑らかになる
AIRファイルの書式はキャラ以外にもステージやアドオン、コモンエフェクトなど幅広く使用されており、
当然そちらでも使用可能。見た目の自由度が大幅に向上している。
ステート関連
新ステート、新トリガーが追加された事により、ようやくAIがゲームオプションの難易度を参照できる様になった。
とはいえWatchモードでバランスをとる場合、従来通り手動で設定する事になるだろう。
というのは1P側を高レベル、2P側を低レベル(またはその逆)という具合に各々で設定ができないためである。
他にもズームインやExplodの回転など、winmugenにない機能が目白押しである。
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追加されたステート・トリガー一覧 |
- ステート
- RemapPal:バトル中にSFFv2に登録したACTファイルの分だけキャラのカラーパレットを自由に変えられる。SFFv1でも12種類の範囲で変更可能
- VictoryQuote:勝利メッセージ画面のセリフを指定出来る。VarRandomとの組み合わせで相手によるメッセージ判別も可能。
- トリガー
- GameWidth:localcoordを基準に画面の横幅を測る。1.1ではズーム倍率によって変化。
- GameHeight:localcoordを基準に画面の縦幅を測る。1.1での変化も同上。
上記二つのトリガーはなぜかwinmugen用キャラに使ってもエラーにならないため、winmugen用キャラをズーム対応させる際に役立つ。 例えばHelper式カットインをズームアウトさせないようにするにはsize.xscale=GameWidth/320といった簡単な記述を加える事で対応可能。
- AILevel:ゲームオプションの難易度を参照するようになった。CPUになった瞬間にAIが起動する。むしろAI起動用スイッチとしての使い方が主になる。
- StageVar:ステージの名前と著者をチェックする。バルログにスペインステージでのみ金網をよじ登らせるといった事が可能。
- Const***P:***には基本的に240、480、720の3つが入る。縦の解像度がその数字だったら、という事のようである。ただし240と480は4:3準拠だが、720は16:9準拠で240の4倍なので注意。
- Cond(*,*,*):単なる条件式。基本的な使い方はifelseと全く同じだが、その真価はCondにリダイレクトを使用するとその間だけ処理がリダイレクト先で行われるという仕様にある。
この仕様を利用してリダイレクト中にさらにリダイレクトを行う多重リダイレクトができたり、 トリガー用変数代入式を組み込んで、リダイレクト先の変数を自由に書き換えるという便利な機能が使える。
以下は1.1専用。mugenversionを1.1にしないと使用できない
- ステート
- Zoom:倍率を指定して画面をズームインさせる。ズームアウトは不可能。機能はするが正式に実装されたステートではないので、今後仕様が変更される可能性が高い。
- トリガー
- CameraPos:画面がステージのどの辺りを映しているのかを取得する。
- CameraZoom:画面のズーム倍率。
- ScreenWidth:GameWidthと似ているが、こちらはズーム倍率によって変化しない。
- ScreenHeight:同上
- BackEdge, FrontEdge, LeftEdge, RightEdge, TopEdge, BottomEdge:各種画面端までの距離を測る。
ここに挙げた機能を使用する場合は、defファイル内でバージョンを指定しないと使用できないので注意。
1.1で実装された機能なら1.1、1.0で実装された機能なら1.0あるいは1.1でなければエラーが出る。
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また従来のステートやトリガーにも仕様の変更や新機能の追加がされたものがある。
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変更されたステート・トリガー一覧 |
- ステート
- PlaySnd:音量を指定するvolumeはvolumescaleに書き直さないと機能しなくなった。[Data]のvolumeパラメータも同様。
パーセンテージ、標準値は100。mugen.cfgのMasterVolumeによって最大値が変わる仕様になっており、MasterVolumeが100なら最大値は100、MasterVolumeを減らすとvolumescaleの最大値が増える。(100以上の値が反映されるようになる)
freqmulは使用できなくなっている。
以下は1.1専用。新規ステートと違いmugenversionを1.1にしなくても使用できる模様
- ステート
- Explod:多数の新しいパラメータが追加され、Helperを使わずとも多彩なエフェクト表現が可能になった。
- space:画面ズームの影響を受けるかどうか選択できる
- bindID:プレイヤーIDを指定して拘束元を変更できる
- remappal:SFFv2で指定したパレットを読み込む
- angle:角度を指定して回転させる
- xangle:横方向の角度を指定して立体的に回転させる
- yangle:縦方向の角度を指定して立体的に回転させる
- これら3つのangleを駆使する事によって、Explodを3D的に扱う事ができる。
- DestroySelf:オブジェクト消失用にパラメータが追加。管理が少し楽になった
- recursive:1にするとHelperが出したHelperも道連れで消す
- removeexplods:1にするとHelperが出したExplodを全て消す
- AllPalFX:色を反転させるinvertallが利かない不具合を確認。(PalFX、BGPalFXのは正常に作動する)
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他にもProjectileステートのOwnpalが機能するようになった等の修正がある。
ステージ関連
「localcoord」によって好きな解像度でステージを作れるようになった。
ハイレゾ、HDといった高解像度はもちろん、通常とハイレゾの中間のような解像度にもできる。
また、[PlayerInfo]にp3startx,p3starty,p3facing,p4startx,p4starty,p4facingが追加されたことにより、タッグ(Simul)の相方(p3、p4)の初期位置を自由に設定できる様になった。
実は、水平解像度320(旧MUGENの標準)以外のステージ向けの調整用であり、省略するとメインキャラ(p1、p2)の25ピクセル後ろに配置される。
1.1では目玉要素として、
ステージのズームイン・ズームアウトが実装されている。
これにより『
アルカナハート』や『
龍虎の拳』といったカメラのズーム機能があるゲームも再現できるようになった。
国内では伊吹川氏がこのズーム機能に対応したステージを公開しており、柊竹梅氏も代理公開されている他、様々なサイトでKOFや東方のアレンジステージが新MUGEN用に制作されている。
pngやアルファチャンネル、AIRファイル用書式を使った拡大縮小回転もステージで使えるようになり、何気に不便の多かったステージの製作環境が大幅に改善された。
アドオンの変更
- デフォルトのアドオンが格好良くなった。
- ただし従来のアドオンの互換性はキャラクター等に比べ低い模様。これには様々な要因がある。詳しくは後述。
system.def(タイトル・キャラセレ等)の変更
- [Info]
- 「versiondate」「mugenversion」「localcoord」が追加されている。
- 特に「localcoord」が重要で、これは上でも説明したように解像度に影響する。ここでアドオン全体の解像度の設定をする。
- ライフバーのfight.defも解像度はこれに依存するので、これの設定を誤ると正しく表示されないので注意。
- [Files]
- 言語毎に設定できるようになっている。
- 設定するには[Files]の前に対応する国のコードを入れる事により設定できる。
- 日本語に設定する時は[ja.Files]とすればよい。
- キャラのcnsファイルの[Quotes]部分も、同様にして設定する。
- 繰り返すがファイルに日本語を入力した場合、保存時に文字コードを「UTF-8」に指定すること。
- ちなみに[Quotes]においてメッセージを改行するには「\n」を入力する。
- 例
victory1 = "お前の動きは見破りやすすぎる。\nなに、カンフー突き手が覚えたいんだと?\n素人には無理だぞ"
- ↓
-
また、フォントの設定Defで入力した値を無視して表示することもできるようだ。
そしてこの勝利メッセージ、MugenVersionに関係なく設定可能であり、旧MUGEN専用キャラにも付け足すことができる。
その上[Quotes]の記述はWinMUGENではエラーにならず、そのまま読み込める。
つまり、キャラの仕様はWinMUGEN専用だが、新MUGENの勝利メッセージ対応、といった形にする事が可能なのである。
もちろん相手によってメッセージを変えるVictoryQuoteは使用できないが、
新MUGENでの使用も想定しているキャラには勝利メッセージを付け足しておくといいだろう
- [Music]
- victory.bgmで、勝利メッセージ演出の時のBGMを設定できる。
- ループするかどうかの設定も可能。
- [VS Screen]
- アーケード・チームアーケードでのvs画面は、次が何試合目かを表示するようになった。
- match.text以降の記述でこれを設定できる。
- ドットにHD(720p)相当のものが追加。
- ただし従来のドットをぼかしただけなので粗いと言えば粗いが。
- HDキャラの素体としても使える。
- ブロッキング(?)技の「カンフーブロッキング」と、どうみても鉄山靠な「カンフー山靠」の二つの技が追加。
- ただし新技が追加されただけなので、喰らい判定の薄さやぶっ壊れたしゃがみ弱パンチによる永久、コマンドの優先順位などは変わっていない。むしろそっちを直すべきだったのではないのだろうか。
互換性
多分多くの人が一番気にしているのはここであろう。
旧バージョンのキャラクターやステージの数が多すぎるので検証が足りないと思うが、
キャラについては殆どのキャラは問題なく動作する。
互換モードが内蔵されており、初期は正直良好とは言いがたかったが、
更新により大体問題ないと言うレベルまで来ているようだ。
ただ、一部のキャラについてはエラーが出て動作しない場合がある。
これが起きるのは、cnsやsndファイル等に余白があって読み込めないというケースがほとんどである。
これらの余白を全て削除してやれば、大抵の場合は動作するので試してみると良い。
他によくある事例として%nバグを引き起こすような記述でエラーとなってしまう場合がある。
これはDisplayToClipboardというデバッグ用のステートが原因のため、普通に遊ぶ分にはそのDisplayToClipboardは丸ごと削除してしまっても何も問題はない。
とりあえず動かしたいだけであれば、そのまま入れても大丈夫な程度には互換性が向上しているようである。
defファイル内の「MugenVersion = ○○」を「MugenVersion = 1.0(1.1)」にしない限り、前述のエラーはほぼ発生しない。
一部、Z軸関連の記述ではエラーになるが、それ以外ではほぼ問題無くなったと考えていいかもしれない。
また、コメントアウトする際に「;」と間違えて「:」を打っていた場合も同様に
WinMUGENでは動作し、MUGEN1.0に読み込んだ際にエラーが出る原因となる。
(実際には:を打っていても「動いてしまう」WinMUGENの不具合とも言えるのだが…)
よく「WinMUGEN用に作られたキャラがMUGEN1.0では動かない」と勘違いしている人がいるが、
WinMUGEN→MUGEN1.0に移行した際に仕様として弾かれるのはWinMUGENでは許されていたこうしたルーズな省略記述や、ステータス指定の無記述(デフォ値を使用する)等である。
そのため、WinMUGEN用のキャラクターでもコンバート作業なしで動くキャラは非常に多い。
ただし、これは画面の縦横比が同じであることが前提で、異なる画面サイズに合わせてlocalcoordを変更して使用すると、
カットインや背景演出がずれるどころか、重力加速度やキャラクターのサイズまで変わってしまうため、
既存のコンボができなくなるなどの不具合が生じる。
互換性を優先するならワイド画面にするべきではないというのが現状の結論と言えよう。
もちろん、画像の拡大・調整など、使用する画面サイズに合わせた設定をすれば問題は抑えられるのだが、
相応の知識と時間が要求される、初心者にはとてもオススメできない修羅の道でもある。
また、特殊な処理を使いまくっている
神キャラも1.0以降では正常に動かない場合が多い。
神キャラとはシステムの穴を利用することに特化したキャラでもあるため、その穴が塞がれた1.0以降ではどうしてもバグってしまうのだ。
こればっかりはどうしようもないため、1.0以降で使うのは諦めるべきだろう。
新MUGEN→WinMUGENへのコンバートも手作業で新MUGEN用のトリガーやステコンを書き換えてやることで可能な場合もあるが、
パレットのリマップや二重リダイレクト等どうやってもWinMUGENでは再現できない処理が存在するため非推奨。
製作者によっては記述の一部を弄る事でWin版⇔1.0版or1.1版の切替が可能となっている場合や、
Win専用版と1.0版or1.1版専用版を分けて公開しているものもあり、後者はGM氏やKAZ氏がそれに該当する。
その他の互換性は以下の通り。
互換性は十分。
Hi-resにも対応しているが、あくまでもハックからの逆輸入のため、基本的には推奨できない。
また従来のMUGENにあったZ軸関連やscaling等は廃止されているので注意が必要。
ちなみに、MugenVersionに関係なくズーム関連などの新しい記述はそのまま書き込める。
互換性は低いが、手作業で調整すれば使用できる。
従来のMUGENは320x240に合わせて作られているが、新MUGENではsystem.defのLocalCoordで指定したサイズが基本となっている。
このため、使用するにはライフバー内の「fight.def」を開き、各座標やサイズを、640,480なら2倍、1280,720なら4倍にしていく。
また、新MUGENでは[FightFx]の項目が追加されているので、ライフバー側のヒットエフェクト(fightfx.sff)のサイズを変えることができる。
640,480ならscale=2、1280,720ならscale=4を書き込んでおくこと。
少々面倒だが、こうしないと使用できないのである。
1.0に限り互換性はほぼ完全に消滅。
一応1.1では調整すれば使用できる。
ただし旧来のMUGENでできなかった「キャラセレ以外のシステム画面の高解像度化」に対応し、
ヴィジュアル的には間違いなく自由度が向上したといえる。
WinMUGENでも不完全ながら残されていた最初期のDOS版との互換は完全に消滅している。
どうしても1.0以降で使いたい場合は記述を大幅に書き直す必要があるだろう。
対応OS
- WindowsXP(SP2)以降のすべてのWindowsに対応。
この他にもかなり多くの変更点がある。
現在国外では1.0/1.1が主流となっており、1.0/1.1専用キャラも数多いが、
国内では1.0登場から約5年以上経った今でもwinmugenが主流になっている。
この現象はいくら日付が経過しても変わる気配はなさそうである。
この先、2016年現在最新OSであるWindows10より先のさらに新型となるWindowsに「WinMugenが非対応」となるという事態が起こらない限りこれは今後も続くものと思われ、
逆を言えばそれが何年先になるかは未定だが、もし現実となれば否が応でもWinMugenから新バージョンに乗り換えなければならない時代が来ることも検討しなければならない。
実際に旧OSであるXP以前で使えていたアプリケーションが7以降は使えなくなったという事例が存在する。
特に神キャラ系の製作者にとってはwinmugen版では可能であったバグや不正な攻撃方法が1.0以降では修正・封印されてしまったというのが1.0以降版を敬遠している最大の要因であるといっても過言ではない。
よく似た事例として
ストIII 3rdでバグの存在した初期版でよく大会が行われており逆に修正された新バージョンではあまり行われなかったというこれと全く同じ境遇であろう。
一応1.0以降でも『
真空投げ』、『
OTHキラー』といった攻撃方法は使用可能であり、Win版限定である『「%nバグ」、「直死」、「親変更」、「親捏造」』といったより高度な攻撃手段が使えなくなるだけで、心情的な問題を別にすれば何ら問題は無いと思われるが、しかし逆に神キャラ製作者側にとってはこれらができなくなる事自体が既に『
死活問題
とまでいわれる』程であり、それが1.0以降版に乗り換えない揺ぎ無い事実であろう。
また、「SFFv2」に対応したsff編集ソフトも出回りだしてはいるが、これも(国内・海外問わず)従来通りのSFFが圧倒的に多いのが現状である。
とはいえ従来のSFFと新トリガーの併用も可能なので、sffv2は作らなくても問題はない。
海外勢の1.0専用キャラが数多く存在しているので、念のため1.0か1.1は持っておくといいだろう。
なお、フルカラーの画像データは1.1でOpenGLモードにしないと表示されない。
WINMUGENと新MUGENを判別するトリガー
例
triggerall = 2**9 = 4096 ;WINMUGENならば1
上記は明らかに間違った式だが、WINMUGENでは累乗の計算にバグがあるため、この結果で正となる。
新MUGENでは修正済みなので512という正常な値を返す。この違いを利用してキャラ側からWINMUGENと新MUGENを判別することが可能なのだ。
役立ちそうな外部リンク
新Mugenで遊ぼう!
新MUGENの基本情報やメリット・デメリットがわかりやすくまとめられている。
新MUGEN環境に移行する際には一通り目を通しておくことを推奨。
MugenのVersionについてのコラム
互換モードにおける詳細な変更点がまとめられている。
バグへの対策や両バージョン対応の推奨記述も載っているため、製作者なら新MUGENに移行する気がなくても読んでおいた方がいいだろう。
WinMUGENキャラの挙動がおかしくなったり、バグが出たりした場合はここを見れば原因が見つかるかもしれない。
余談
バイナリエディタである部分を弄ると
3vs3や4vs4の同時対戦ができる
ようになる。詳しくは
4人制タッグにて。