有名な分布

Bernoulli分布
標本空間 Ω
確率変数 X : Ω → {0,1}
Xに対する分布のこと。
P(X=1):=p; \quad P(X=0):=1-p
パラメータは唯一 p のみである。
二項分布
ベルヌーイ分布に従う独立な確率変数の列を {Xn} として,その和が従う分布
Y := \sum_{k=1}^n X_k \sim B(n,p)
P(Y=k) = \begin{pmatrix} n \\ k \end{pmatrix} p^k (1-p)^{n-k}
n 個の独立なベルヌーイ試行の「成功」の数 が従う分布である。
多項分布
各試行において,確率変数の値域を{0,1,...,k}にまで拡張したときの,合計の分布
ポワソン分布
単位時間あたり平均Λ回生起する事象が,ちょうどk回生起する確率。

[導出]
単位時間をn個の微小区間に区切って,各区間で生起する回数が高々1回であるようにして,
さらにそれらの区間で生起する確率は等しくp=Λ/n であると仮定する。
このとき単位時間のうちにちょうどk回生起する確率は,二項分布B(n,p)に従うと考えてよく,以下で与えられる。
P(k) = \begin{pmatrix} n \\ k \end{pmatrix} \left( \frac{\lambda}{n} \right)^k (1-\frac{\lambda}{n})
ここで n→∞ とすれば,求める分布が得られる。
指数分布
単位時間あたり平均Λ回生起する事象が初めて生起するまでの待ち時間τの分布。
Weibull分布
指数分布の変形版。機械の故障率が時間で変化することを想定したもの。
ある機械が単位時間τに1回壊れるとき、時刻tまでに壊れる確率分布
F(t) = 1 - \exp \left( - \left( \frac{t}{\tau}\right)^\alpha \right)
α<1 のとき初期故障型
α=1 のとき偶発故障型(故障率が時間によらないモデル。指数分布)
α>1 のとき摩耗故障型
ガンマ分布
単位時間に1回起こる独立な事象がちょうどa回起こるまでの時間tの分布
f(t) =\frac{1}{\Gamma(a)} t^{a-1} \exp( -t ) 
下限のある分布としてモデリングに使われる。
ベータ分布
f(x) = \frac{\Gamma(a+b)}{\Gamma(a) \Gamma(b)} x^{a-1} (1-x)^{b-1} \quad x \in [0,1], \quad a,b >0
特に a,b>1 のとき f(0)=f(1)=0なる単峰型分布
a=b=1 のときは一様分布になる。
有界区間上の分布(試験の点数など)として使われる。
ディリクレ分布
ベータ分布の多変数版
コーシー分布
\mathrm{Cauchy}(x; \mu, \gamma) := \frac{1}{\pi} \frac{\gamma}{\gamma^2 + (x-\mu)^2}
平均を持たない。従って分散を含めた高次のモーメントも定義されない。
一様乱数をタンジェントで飛ばすと表れる。
U \sim \mathrm{Uniform}(0,1)
T := \tan \frac{\pi}{2} U \sim \mathrm{Cauchy}(0, 1)
あるいは,2つの独立な標準正規乱数の商として表れる。
<marh>X_1, X_2 \sim \mathcal{N}(0, 1)</math>
T := \frac{X_1}{X_2} \sim \mathrm{Cauchy}(0, 1)

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最終更新:2011年10月22日 23:57
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