新約聖書

ノストラダムス wiki : ノストラダムスの大事典内検索 / 「新約聖書」で検索した結果

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  • 新約聖書
     『新約聖書』はキリスト教の教典。正典は西暦1世紀半ばから2世紀にかけて作成された27の文書によって構成されている。 成立  個々の文書のうち、最も早い時期に属するパウロ書簡(第一テサロニケ書)は西暦50年前後に書かれたと考えられているが、もともとの聖書(現在のキリスト教徒が言うところの旧約聖書)に対し、キリスト教徒が独自の聖典をまとめようとする動きは鈍かった。  それを促した大きな契機がマルキオン聖書であった。マルキオンは現在では異端とされているが、彼は独自の基準によって、ルカ福音書と一部のパウロ書簡のみをまとめた「聖書」を2世紀半ばに作成したのである。これは異端として排除されたが、正統派も何らかの基準で正典を作成すべき必要が徐々に認識されていくようになったのである。  しかしながら、現在の27文書を正典とすることが最終的に認められたのはようやく4世紀末になっての...
  • 聖書
    ...のみを聖典と認め、『新約聖書』は聖典とは認めていない。キリスト教徒は旧約・新約の双方を認めるが、カトリックだけはユダヤ教徒やプロテスタントが認めていない部分(第二正典。新共同訳の「旧約聖書続編」)を認めているため、『旧約聖書』(ヘブライ語聖書)に含む範囲が異なる。  イスラームにおいても、旧約の律法書(モーセ五書)と詩篇、新約の四福音書は、クルアーン(コーラン)とともに四大啓典として認められている。ただし、その教義上の位置づけは当然異なり、イエス(イーサー)にしても、あくまでも預言者の一人とされている。 【画像】 『聖書(旧約聖書続編付き) 聖書協会共同訳 』 構成 旧約聖書 新約聖書  旧約、新約という分類はキリスト教徒によるものであり、新約を認めないユダヤ教徒にはそのような区分はない。 ノストラダムス関連  かつて信奉者たちは、ノストラダムスと聖...
  • リュキア
    ...1)。  『新約聖書』では、パウロがローマに移送される際の寄港地ミュラが所在する地名として言及されている(『使徒言行録』27章5節)。また、リュキアへの直接的言及ではないが、第3回伝道旅行の帰途の通過点の一つとしてパタラへの言及がある(『使徒言行録』21章1節)(*2)。日本語訳聖書では、岩波委員会訳や田川建三訳のように「リュキア」と表記しているものもあるが、新共同訳・フランシスコ会訳では「リキア」、口語訳・新改訳では「ルキヤ」と表記されている。 【画像】岩波書店新約聖書翻訳委員会 『新約聖書2 ルカ文書 - ルカによる福音書・使徒行伝』 ノストラダムス関連  ノストラダムスの『予言集』での登場箇所は詩百篇第3巻60番のみで、ミュシア、パンピュリアとひとまとめになっている。  暦書の方では、リュデア、パンピュリアとともに登場している箇所がある(詩...
  • ノストラダムスは知っていた
    ...ィルソン)(*3) 新約聖書は拘束力を持つキリスト教教説の総和のようなものである(略)という、通俗的な意味での教義学的見解を退けておかなければならない。このような錯覚に屈するものは、必然的に、四福音書内部にある(特にいわゆる共観福音書とヨハネとの)著しい相違、使徒行伝とパウロとの著しい相違、パウロとヤコブとの著しい相違等々を無視し、新約聖書の著者たちが皆およそ同じことを述べていると見るまでにテキストを磨滅させてしまうに違いない。(G.ボルンカム)(*4) 正典の第三の原理は「統一性」である。しかしこれが一番無理をしている。(略)はじめから統一性に配慮して正典たるために書かれた文書ならともかく、もともと異なる著者たちがそれぞれ異なることを記した、時代的にもかなり広がりのある多くの文書を集めてきて、みんな相互にまったく矛盾なく同じ福音の真理を表現している、などと言い張るのは、いかにも無理...
  • みことば
    ...る。  ことに、『新約聖書』中の『ヨハネによる福音書』冒頭での登場 (ロゴス論、ロゴス讃歌)は、キリスト教の三位一体説において第二位格のイエス・キリストを指す語として理解される根拠となった(*1)。  なお、『ヨハネによる福音書』のロゴス論は、もともと福音書の原著者 (ヨハネ福音書は文体や思想の齟齬から、単一の著者によるものではなく、原著者の作品を別人が大きく加筆したという説がある(*2)) が参照した別の資料にあったものと考えられており(*3)、洗礼者ヨハネの支持者の間で流布していたロゴス讃歌に対し、その解釈を正す目的で冒頭に引用されているという説もある(*4)。 【画像】 田川建三 『新約聖書 訳と註・第五巻 ヨハネ福音書』 訳語について  『ヨハネによる福音書』冒頭の Logos の訳語は、 フランシスコ会訳では「み言葉」 バルバロ訳および共同訳で...
  • アンティオキア
    ...の重要な拠点として『新約聖書』にもその名が登場する。同書の使徒行伝(使徒言行録)では、最初の異邦人(非ユダヤ人)キリスト教会が設立された都市とされ、パウロの第1回・第2回伝道旅行の出発点になった。また、マタイによる福音書のように、アンティオキアでの作成を有力視されている文書も『新約聖書』に含まれている。  しかし、6世紀以降、外敵の侵入や天災によって衰亡した(*1)。 ノストラダムス関連  『予言集』では詩百篇第1巻74番のみに登場する。 ※記事へのお問い合わせ等がある場合、最上部のタブの「ツール」>「管理者に連絡」をご活用ください。
  • エフェソス
    ...簡を送った。それは、新約聖書に「エフェソの信徒への手紙」として収録されているが、全面的にパウロの真筆かには異説もある。  エフェソスの教会は発展し、『ヨハネの黙示録』でもアシア州の七つの教会の筆頭にその名が挙がっている。なお、黙示録の成立場所としてパトモス島に否定的な研究者たちは、エフェソスの可能性を指摘している(*1)。  エフェソスはその後カイステル川の埋積にともなって勢力を失い、7世紀以降に度重なる侵略を受けて壊滅した(*2)。 【画像】エフェソスのアルテミス神殿(16世紀の絵画)(*3) ノストラダムス関連  詩百篇第2巻52番と第3巻3番で登場している。いずれも地震に関する詩篇であり、コリントスとセットで登場している点も共通している。 【画像】『新約聖書〈5〉パウロの名による書簡・公同書簡・ヨハネの黙示録』 ※記...
  • ミュシア
    ...れた。  『新約聖書』では、パウロの第2回伝道旅行の際にトロアスに赴く際に通過した土地として『使徒言行録』(使徒行伝)16章7・8節で言及がある(ただし、古来の地方名であるミュシアの境界は曖昧で、トロアスをミュシアに含むことがある)。トロアスは、パウロがマケドニアへの(つまりはヨーロッパへの)伝道を決意した土地である。また、『ヨハネの黙示録』で挙げられた7つの教会の一つであるペルガモンなどは、このミュシア地方に含まれる(*1)。日本語訳聖書では、岩波委員会訳や田川建三訳のように「ミュシア」と表記しているものもあるが、新共同訳・フランシスコ会訳では「ミシア」、口語訳・新改訳・塚本虎二訳では「ムシヤ」と表記されている。 【画像】塚本虎二訳 『新約聖書 使徒のはたらき』 ノストラダムス関連  ノストラダムスの『予言集』での登場箇所は詩百篇第3巻60番のみで、リ...
  • 神々の予定表
    ...と考えられている」「新約聖書全体の中でも、もっとも古い文書」で、「定説では、著者はイエスの弟子の一人で元徴税人、十二使徒のマタイ」だから、ということである(*4)。  マタイ福音書の著者については確かに保守的な見解では使徒マタイが定説化しているといってよい(*5)。  しかし、逆にリベラル派の間では使徒マタイではないということが定説化している(*6)。  これは成立年代とも関わるが、伝承上は使徒マタイがアラム語で福音書を書き、それがギリシア語に訳されたといわれていた。  バルバロのように、その伝承をそのまま受容した保守的見解もあったが、フランシスコ会訳聖書がかつてそれを支持しつつも、最新版ではそれを否定しているように、この伝承自体が疑われ、最初からギリシア語で書かれたものと考えられている。  現在リベラル派の定説と化している二資料仮説(とその変形)では、マ...
  • ve
    ...*4)。  新約聖書のウルガータ(カトリック公認ラテン語訳)では、ヨハネの黙示録第8章13節、第18章10・16・19節での嘆きの言葉に vae が繰り返されている。  これは新共同訳では「不幸だ、不幸だ」、佐竹明訳では「わざわいだ、わざわいだ」(フランシスコ会訳「災いだ、災いだ」、小河陽訳「禍いだ、禍いだ」)などと訳されている。  なお、文語訳(大正改訳)では「禍害(わざわい)なるかな、禍害なるかな」であった。  vae を2回(以上)反復するのは、新約では黙示録だけである。旧約だとエゼキエル書、アモス書などにも見られる。  なお、新約聖書は元々ギリシア語で書かれているが、ラテン語訳 vae の原語は ouai である。  これは与格を取ると「~に禍いあれ」が本来の意味だというが、マルコ福音書やヨハネ黙示録では「~にとって禍いがある」という意味合いで使...
  • パンピュリア
    ...2)。  『新約聖書』ではパウロの第1回伝道旅行の宣教の地として、パンピュリアのアッタリアとペルゲに言及されている(『使徒言行録』13章13節、14章24・25節)。また、ペルゲはヨハネ・マルコ(『マルコによる福音書』の著者とされる人物)がパウロと別れて帰途に着いた場所としても言及されている(*3)(『使徒言行録』13章13節。田川建三はこの別れについて、他の記述と関連付けつつ、パウロとヨハネ・マルコの見解の対立が原因だったと推測している(*4))。新共同訳・フランシスコ会訳・岩波委員会訳では「パンフィリア」、口語訳・新改訳・塚本虎二訳では「パンフリヤ」、田川訳では「パンフュリア」となっている。 【画像】田川建三 『新約聖書 訳と註・第二巻下 - 使徒行伝』 ノストラダムス関連  ノストラダムスの『予言集』での登場箇所は詩百篇第3巻60番のみで、ミュシア...
  • シリア
    ...」というモチーフは、新約聖書の福音書で、イエスの語る終末の様相にも登場することとなる。  『ダニエル書』ではその期間は「一時期、二時期、そして半時期」(12章7節。新共同訳)とされている。この場合の「時期」は「年」と同じであり、すなわち3年半ということである。エピファネスの実際の冒瀆の期間は3年と10日であるが(*3)、3年半という期間は完全数「7」の半分として、悪の支配する期間を象徴すると同時に、それが限られた期間でしかないことの象徴となった。新約聖書の『ヨハネの黙示録』では、その期間は「四十二か月」(11章2節、13章5節)、「千二百六十日」(42か月×30日。11章3節)などとして頻出する(*4)。  なお、『ダニエル書』12章(カトリックの第二正典を除けば同書最終章)には、1290日と1335日という日付も登場する。しかし、これらの期間が登場する11節以降は、...
  • アンフィポリス
    ...れ、衰亡した。  新約聖書ではパウロが第2回伝道旅行でフィリピからテサロニケに赴いた際に通過した都市として、『使徒言行録』(使徒行伝)17章1節で言及されている(*2)。 ノストラダムス関連  『予言集』ではフランス語式に綴ったアンフィポル(Amphipolle)が、詩百篇第9巻91番のみに登場している。 ※記事へのお問い合わせ等がある場合、最上部のタブの「ツール」>「管理者に連絡」をご活用ください。
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    ... 聖書旧約聖書 新約聖書ヨハネの黙示録 ミラビリス・リベル偽メトディウス ティブルのシビュラ リシャール・ルーサ イスラム 主として信奉者が関連付けてきたもの カピトーリウム神託集 聖マラキの予言 ファティマ第三の秘密 ジーン・ディクソン 2012年世界終末説 新型コロナウイルス 闇の3日間 ノストラダムス現象 ノストラダムス現象日本のノストラダムス現象 関連書一覧(海外)日本の関連書一覧日本の関連書刊行年順 フィクションの一覧 関連人物一覧 関連雑貨一覧 その他 用語集 関連地名一覧 出典・参考文献 今日は何の日 リンク集 最近更新した50件 総アクセス数: - 今日のアクセス数: - 昨日のアクセス数: - 超能力事件クロニクル 昭和・平成オカルト研究読本 検証 予言はどこまで当たるのか ...
  • バビロン
    ...*3)。  新約聖書においては、バビロン捕囚への言及のほか、キリスト教を迫害していた「最も腐敗した異教都市」(*4)であるローマへの隠喩として使われているらしき場面がある(第一ペトロ書、ヨハネの黙示録)。  その理解が正しい場合、黙示録におけるバビロンの滅亡は「神に敵対するこの世の権勢と罪に対する神のさばき」を含意していることになる(*5)。 【画像】 ファミリーコンピュータ バベルの塔 ノストラダムス関連  バビロンおよびバベルは、ノストラダムス『予言集』では以下の登場例がある。なお、少なくとも現代フランス語ではバビロンのことは Babylone と綴る。 Babylon詩百篇第8巻96番 詩百篇第10巻86番 Babylonneアンリ2世への手紙 Babylonique詩百篇第1巻55番 Babel詩百篇第2巻30番 ※記事へのお問...
  • 詩百篇第1巻30番
    ...想させる。これは、『新約聖書』の『ヨハネ福音書』第12章12節から13節に出てくる表現に由来する。 翌日、祭に来た多くの群衆が、イエスがエルサレムに来ると聞いて、椰子の葉をとり、彼を迎えに出て、叫んだ、「ホサナ、主の名において来たる者に祝福あれ。そしてイスラエルの王に」。(田川建三訳)(*10)  この「椰子の葉」は従来の訳では 「しゅろの枝」(文語訳、口語訳、バルバロ訳、共同訳、新改訳第3版。漢字か仮名かといった区別は省く。以下同じ) 「なつめやしの枝」(新共同訳、塚本虎二訳、岩波書店新約聖書翻訳委員会訳、フランシスコ会聖書研究所訳、新改訳2017) などと訳されていた。田川建三によると、原語の phoinikes と baïa はともに「椰子」を表しており、直訳すると「椰子の椰子」となるという。ただし、田川は後者を椰子の葉を表す語と理解し、全体を「椰子の葉」と訳し...
  • August 1999 (Frank Stuckert)
    ...estament) 新約聖書の預言者たち(Prophets of the New Testament) ヨハネの黙示録(The Revelations of St. John) ノストラダムスの予言集(The Prophecies of Nostradamus) ノストラダムスの生涯(The Life of Nostradamus) Book Twoバイエルンの大予言者(The Great Bavarian Prophet) 第三次世界大戦の予言(Prophecies of World War III) 戦前の時代(The Time Before the War) 共産主義者たちが行進するだろう(The Reds Will March) 激しい戦いが巻き起こる(Great Battles Rage) 核による破壊(Nuclear Destruction) 闇の三日間(Three D...
  • ハルマゲドン
     ハルマゲドン(Ἁρμαγεδών)とは、新約聖書の『ヨハネの黙示録』16章16節に登場する語。アルマゲドンとも表記される。  フランス語訳聖書では Harmaguédon (スゴン訳)、Harmagedôn (エルサレム聖書)、Harmagedon (laTOB)などと綴られている。  オックスフォード英仏辞典では、英語と同じ Armageddon という綴りで載っている。  世界最終戦争を意味する語として特に通俗的な終末論で引き合いに出され、ノストラダムス関連書籍でも頻出するが、実際にはノストラダムス予言での直接的言及は一度もない。 【画像】『ハルマゲドン』(DVD、2011年) 黙示録での登場箇所  黙示録では以下の箇所で登場する(佐竹明・訳)。 12 また第六の者が彼の鉢を大ユーフラテス川に注いだ。するとその水は、日の出る方からの王たちの道が...
  • ニコポリス
    ...*2)。  新約聖書に含まれるパウロ書簡『テトスへの手紙』(テトス書)では、パウロはニコポリスで越冬する予定であることをテトスに告げている。このニコポリスが7つ(以上)あったどのニコポリスかは定かではないが、現在ではエペイロスのニコポリスが有力視されている(*3)。ほかに、キリキアのニコポリス(シリアのアンティオキア近郊)、トラキアのニコポリス(現ブルガリア国境近く)なども可能性があるという。ことに、トラキアのニコポリスは中世の写本家たちが有力視していたらしい(*4)。  この叙述から、聖書信仰の立場では、パウロがテトスとともにギリシアで伝道する際の拠点にする意図だったとも推測されている(*5)。他方で、リベラル派に拠ればテトス書はパウロの名を借りて別人が作成した擬似パウロ書簡であることを疑われているので、その立場からはパウロ自身の言かどうかが疑われている(*6)。 ...
  • コリントス
    ...を聞いて送ったものが新約聖書の「コリントの信徒への手紙 一」である。パウロはこのあと「コリントの信徒への手紙 二」を送った。  15世紀以降は、1682年から1715年にヴェネツィア共和国領となったことを除けば、オスマン帝国に属した。1822年にギリシア独立戦争に伴いギリシア領となったが、1858年の地震で都市は破壊され、北東3 km の場所に新都市を再建し、現在のコリントス市になっている(*1)。 ノストラダムス関連  詩百篇第2巻52番と第3巻3番で登場している。いずれも地震に関する詩篇であり、エフェソスとセットで登場している点も共通している。 大きな地図で見る ※記事へのお問い合わせ等がある場合、最上部のタブの「ツール」>「管理者に連絡」をご活用ください。
  • Mammer
    ...ン(Mammon, 新約聖書に登場する富を具象化した邪神。もとはオリエントの福の神)と理解するヘンリー・C・ロバーツ(*4)、ネマン川(未作成)のドイツ語名称メメル(Memmel(*5))と理解するジャン=シャルル・ド・フォンブリュヌ(*6)などがいる。 外部リンク ウィキペディア日本語版の「マメルティニ」の項 コメントらん 以下のコメント欄はコメントの著作権および削除基準を了解の上でご使用ください。 マモンとドイツ語の槌(ハンメル)との合成語。 -- とある信奉者 (2010-03-28 23 07 09) 名前 コメント
  • マギ
    ...。  マギは新約聖書では『マタイによる福音書』にも登場する。 イエスがヘロデ王の時代にユダヤのベツレヘムでお生まれになったとき、東方の博士たちがエルサレムにやって来て、言った(第2章1節・2節途中、聖書協会共同訳)  いわゆる「東方の三博士」である。新共同訳では「占星術の学者たち」と訳していたが、田川建三は占星術のみに特化していたわけではないとして単に「博士」としている(*3)(上記の通り、聖書協会共同訳では「占星術の学者」は欄外注に回され、本文は「博士」に戻された。口語訳も含め、フランシスコ会訳ほか、新共同訳以前にはむしろ「博士」と訳す方が一般的であった)。  原語に3人とあるわけではないが、贈り物が3種類であったことから、一般に3人と解釈される(*4)。  なお、短編小説の名手O・ヘンリの傑作 『賢者の贈りもの』 も原題は The Gift of the...
  • 黙示録の十字
    ...の黙示録(岩波書店 新約聖書翻訳委員会) コメント  『ヨハネの黙示録』の該当箇所をグランド・クロスと結びつけるのは無理がありすぎる。それは占星術、聖書学のいずれの側面からも言えることである。 占星術の面から  「黙示録の十字」という位置づけは伝統的な占星術にないものらしい。現在では海外でも同種の主張をする者はいるが(*3)、そもそも蠍座と「飛ぶ鷲」を結びつける解釈自体が伝統的には見当たらないものだという(*4)。  実際、西洋の星座の元になった古代メソポタミアの星座には、確かに現在とシンボルの異なるものがあり、たとえば、2匹の魚として描かれる魚座は、片方がツバメと思われる鳥になっている場合があった(*5)。そのほか、乙女座は本来「畝」を示す星座であったりしたが、さそり座は古代メソポタミアの時点でもサソリとして描かれており(*6)、鷲とのつながりを示唆するもの...
  • 災厄の三要素
    ...よる口語訳』 新約聖書  新約聖書では、『ヨハネの黙示録』に登場する四頭の馬とその乗り手(いわゆる「黙示録の四騎士」)が、そうしたモチーフの投影であるといわれる。(以下の訳文は佐竹明訳)(*7) 小羊が七つの封印の一つを開いたとき、わたしは見た。そして、四頭の生き物の一頭が雷のような声で「出て来い」と言うのを聞いた。そしてわたしは見た。すると見よ、白い馬と、それに座り、弓を持っている者がいた。彼には冠が与えられた。そして彼は勝利しながら、勝利するために出て行った。(6章1・2節) 彼が第二の封印を開いたとき、わたしは第二の生き物が「出て来い」と言うのを聞いた。すると赤い別の馬が出て来た。そして、それに座っている者に、彼に、人々が互いに屠り合うよう、地から平和をとり去る〔権能〕が与えられた。また彼に大きな刀が与えられた。(6章3・4節) 彼が第三の封印を開いたとき、わたし...
  • ラッパ
    ...れる(*8)。  新約聖書における「らっぱ」は、軍事的用法あるいは宗教的用法で引き合いに出され、『コリント前書』『テサロニケ前書』などでは終末の合図としても用いられているほか、『ヨハネの黙示録』にも「らっぱ」を携えた天使たちが登場している。 【画像】YAMAHA YTR-2330 Bbトランペット ノストラダムス関連  ノストラダムス『予言集』には、らっぱの訳語をあてうる単語がいくつか登場している。まずは trombe ないし trompe で、trompe は現代語でも「らっぱ」「らっぱ状の鳴り物」(*9)などの意味である。DMFには trompette という意味が載っている(*10)。語源はフランク語の擬音語 trumpa とされる(*11)。DFEには trompe の訳語として trump (らっぱ) と trumpet の二通りの英訳が掲載されてい...
  • 反キリスト
    ... 【画像】 新約聖書翻訳委員会 『ヨハネ文書』 岩波書店 起源  反キリストという概念は、ユダヤ教の時点で存在していた偽メシアに起源があるとされる(*5)。 派生  もともとは上述のように、正統派の信仰と異なるものたちを指す言葉であったが、共観福音書で語られる終末に現れる「偽キリスト」(偽メシア)、『第二テサロニケ書』(テサロニケの信徒への手紙二)で、終末の前に現れて神の宮(神殿)に君臨するとされた「不法の者」や、『ヨハネの黙示録』に描かれた獣のモチーフと重ねあわされることで、偽りの奇跡で人々を惑わし、真のキリスト者たちを迫害する一個の人格としての反キリスト像が形成されていった。  ルターが教皇を反キリスト呼ばわりしたのはよく知られているが、しばしばそうした実在の人物を反キリストと位置づける試みも様々な人物によって展開されていた(*6)。  反...
  • 出典・参考文献
    ...2011年 岩波書店新約聖書翻訳委員会『新約聖書』全5巻、岩波書店、1995年-1996年同『新約聖書』(合冊版)、2004年 岩波書店旧約聖書翻訳委員会 『旧約聖書』(合冊版)第1巻-第3巻、2005年 関根正雄 『新訳 旧約聖書』全4巻、教文館、1993年-1995年 田川建三 『新約聖書 訳と註』 全7巻8冊、2007年-2017年 『新共同訳 聖書辞典』 キリスト新聞社、1995年 『新共同訳聖書辞典』 第2版、新教出版社、2005年 『新聖書辞典』 いのちのことば社、1985年 『新共同訳 旧約聖書略解』 日本基督教団出版局、2001年 『新共同訳 新約聖書略解』 日本基督教団出版局、2001年 『新実用聖書注解』 いのちのことば社、2008年 『「聖書 新共同訳」準拠聖書地図 バイブルアトラス』 日本聖書協会、1999年 文学・人名その他の事典・辞典類 Ale...
  • 百詩篇第6巻18番
    ...表現されているのは、新約聖書「マタイによる福音書」によるものだろう。 ピラトは手の付けようがなく、かえって騒動になりそうなのを見て、水を取り、群衆の前で手を洗って言った。「この人〔引用者註:イエス〕の血について、私には責任がない。お前たちの問題だ。」(27章24節) 民〔引用者註:ユダヤ人の群衆〕はこぞって答えた。「その血は、我々と我々の子らの上にかかってもいい。」(同25節。訳文はいずれも聖書協会共同訳による) ※記事へのお問い合わせ等がある場合、最上部のタブの「ツール」>「管理者に連絡」をご活用ください。
  • セザールへの手紙 全文
    ...からの借用。引用句は新約聖書『マタイによる福音書』第7章6節、上記は田川健三訳〕 9. そして私は、未来の出来事も、喫緊の出来事も、私が見たものも(すべて)、曖昧模糊とした詩句によって、共通の出来事のために〔=全世界に向けて〕語るべしと、自らに枷をはめることを企図したのである。繊細な耳を憤慨させる、来るべきいくつかの変転をはじめとするあらゆる物事は、全くの予言的なるものよりも、適した形態の下で書かれるのである。 10. 「あなた〔=神〕はこれらのことを賢者や慎重な者、つまりは権力者や王たちには隠し、小さき人々や貧しき人々」そして預言者たち「に明らかにした」のだから。〔『マタイによる福音書』第11章25節の翻案〕 11. (預言者たちは)不死なる神や善き天使たちを通じて予言の精髄を受け取り、それによって遠く離れた物事や未来の出来事を見たのである。という...
  • ネロ
    ...*2)。  新約聖書の『ヨハネの黙示録』にも、「再来のネロ」のモチーフが現れているという説は、広く知られている。 ヨハネの黙示録第13章1~3節(一部略)(2種の訳を並べる) また私は、一匹の獣が海から〔陸地へと〕上がってくるのを見た。その獣は十本の角と七つの頭を持っており、その角の上には十の王冠を戴き、またその各々の頭には神を冒瀆する[さまざまな]名前が記されていた。(略)獣の頭の一つは傷を受けて死にかけているように見えたが、その致命的な傷が治ってしまった(小河陽訳)(*3) そして私は海から獣が上って来るのを見た。その獣は十の角と七つの頭を持ち、その角の上には十の帯冠、頭の上には冒瀆の名前。(略)そして(私は)その獣の頭の一つが屠られて死んだのを(見た)。そしてその死の打撃は癒された(田川健三訳)(*4)  この致命傷が治る獣の頭については諸説あるが、「再来のネ...
  • 詩百篇第9巻91番
    ...ロの宣教の道であり、新約聖書のパウロ書簡『ローマの信徒への手紙』(ローマ書)、『コリント人への手紙』(コリント前・後書)、『テサロニケの信徒への手紙』(テサロニケ前・後書)に込められた放縦な生活への戒めや最後の審判への警告を象徴しているとした。  そして、9巻91番という詩番号は1991年を指している可能性が高いとして、エイズ(AIDS)の流行や、今後現れるであろうより悪質な「新エイズ」について警告を発したと解釈した。 懐疑的な視点  五島の解釈のみについてコメントしておく。  五島の地名解釈はそのほとんどがデタラメである。  ペリントスがコリントスの古語などという話は、調べている範囲では見当たらない。上述のガランシエールのように、誤記・誤植の可能性を疑う論者がいるにすぎない。  ゆえに、ペリントスをコリント前・後書と結びつけるのは的外れであろう。  テ...
  • 詩百篇第1巻64番
    ...  五島は「豚」を『新約聖書』「ペトロの手紙二」に基づく比喩と見て、抜本的な反省のないまま環境汚染を繰り返す現代人と解釈した。また、「野獣」は『新約聖書』「ヨハネの黙示録」に登場する「十本の角と七つの頭を持つ獣」を踏まえたもので、終末に現れる白人連合と解釈した。他方で、1行目の「太陽」は、太陽エネルギーか日本の暗示で、日本が終末を覆せる希望が込められている可能性があるとした(*18)。 同時代的な視点  ピエール・ブランダムール、ピーター・ラメジャラー、ロジェ・プレヴォ、高田勇・伊藤進らは、ここに挙げられている「夜の太陽」「半人の豚」「空から聞こえる戦闘音」「話す獣」は、いずれも古代ローマ時代から多くの論者によって書きとめられてきた驚異としている(*19)。  古代ローマのユリウス・オブセクエンスの『驚異について』から引用すると、以下のとおりである(*20)。 「カ...
  • 百詩篇第5巻32番
    ... ラメジャラーは、『新約聖書』「マタイによる福音書」第6章19節に出てくる、地上に蓄財しないようにという言葉と直接的にせよ間接的にせよ関わっているのではないかとし、世界の終末が近いという認識の下で経済的な破局が近いことを警告しているのではないかと解釈している(*8)。  当時世界の終わりが近いのではないかという可能性は確かに取りざたされていたし、この詩に登場する動詞は全て現在形なので、目前の事態として描かれていると見るのは妥当だろう。あるいは、特定の事件と関係のない一般的な警句として書かれたものかもしれない。 ※記事へのお問い合わせ等がある場合、最上部のタブの「ツール」>「管理者に連絡」をご活用ください。 コメントらん 以下に投稿されたコメントは書き込んだ方々の個人的見解であり、当「大事典」としては、その信頼性などをなんら担保するものではありません。 ...
  • イスラーム
    ...モーセ五書)と詩篇、新約聖書の四福音書も同様に四大啓典を構成するものとして認め、ユダヤ教徒やキリスト教徒は同じ 「啓典の民」 と見なしているが、全114章からなる『クルアーン』こそが最も純粋な啓典とされている。  日本でも『クルアーン』の翻訳は複数あるが、それらは厳密にいえば「日本語による逐語的な解釈」にすぎない。『クルアーン』は「読み聞かせるもの」の意味であって、キリスト教などと異なり、各国語に訳したものは『クルアーン』とは認められない。なお、『クルアーン』を補完するものとしてムハンマドの生前の言行に関する伝承『ハディース』がある。 【画像】 『コーラン・上』 岩波文庫  イスラームでは聖書に登場する預言者らの正統性を認めるが、預言者の中でもムハンマドこそが 「預言者の封印」(この場合の「封印」は語の本来の意味、つまり手紙などの封に押す印のこと)であり、彼...
  • 詩百篇第1巻47番
    ...  この予言は『新約聖書』の『テサロニケ人への第二の手紙』にある「不法の者が来るのは、サタンの働きによるのであって、あらゆる偽りの力と、しるしと、不思議と、また、あらゆる不義の惑わしとを、滅ぶべき者どもに対して行うためである」(*7)をアレンジしたものだという。  ともあれ、ノストラダムスはこの詩で、カルヴァン派を反キリスト的なモチーフと結び付けようとしたらしい。この点はピエール・ブランダムールが最初に指摘し、ピーター・ラメジャラー、ジャン=ポール・クレベールも同じ箇所を引用している(*8)。  クレベールの場合、それに加えて、「賢者が年を月に、月を週に、・・・切り詰める」という表現は、当時の錬金術師たちの言説の中にも見られることを指摘した。  ロジェ・プレヴォは、カルヴァンが改革の一環として、日曜日を除く祝日を撤廃させたことと関連付けた(*9)。 ※...
  • 百詩篇第3巻3番
    ...ジアでの殉教に触れた新約聖書の「コリント人への手紙」「エペソ人への手紙」に関連付けた。  しかし、ロバート・ローレンスらの改訂版では、20世紀にアジアで大きな地震が相次いだことの予言に差し替えられている。  エリカ・チータムはコリントスとエフェソスを詩百篇第2巻52番と関連付けつつ、イギリスとオランダの喩えと解釈し、アジアでの地震がその2ヶ国を困惑させることの予言と解釈した(*4)。  流智明(未作成)は、かつて1989年10月か1991年7月にアジアで大地震が起こる予言と解釈していた(*5)。  藤島啓章は、「アジアの奥地」とした場合、中国、モンゴル、インドあたりでの大地震を、「アジアの果て」と訳した場合、日本で大地震が起きることを予言したものである可能性があるとした。  また、コリントスとエフェソスは、ロバーツ同様「コリント人への手紙」と「エペソ人への...
  • 666
     666は、新約聖書の『ヨハネの黙示録』に登場する数字である。ノストラダムス解釈本にもよく登場するが、ノストラダムスの作品では、これへの直接的な言及はない。 【画像】 『ベアトゥス黙示録註解 ファクンドゥス写本』 岩波書店 出典  『ヨハネの黙示録』には、こう書かれている。 「そして、卑小な者にも偉大な者にも、金持ちにも貧乏人にも、自由人にも奴隷にも、誰にも皆、その右手か額に刻印を受けさせる。それは、刻印〔のある者〕、つまり、かの獣の名前か、あるいは彼の名前〔を記す文字〕が表す数字のある者のほかは、誰も買ったり売ったりすることができないようにするためである。  ここに、知恵〔を働かせるべき必要〕がある。理性のある者は、かの獣の数字を数え〔て、それにどんな意味があるのかを考え〕なさい。なぜなら、それはある人間の〔名前を表す〕数字だからである。その数字は、六百六十六で...
  • 百詩篇第4巻7番
    ...記を堅持する岩波書店新約聖書翻訳委員会のような立場もあるし、田川建三訳でもあえて「癩病」と表記されている(*2)。  ノストラダムスのこの詩については、高田勇・伊藤進訳でも「癩病」と訳出されている。彼らは詩の訳文で「癩病」、ブランダムールの釈義の訳では「ハンセン病」を採用しており(原書の単語はどちらも lepre / lèpre)、歴史的文脈を踏まえた区別であることが窺える。当「大事典」でも、ハンセン病(に限らず、その他あらゆる病気)に対する差別的意図を表明するものではないが、歴史的文脈において社会的に差別された皮膚病の意味を端的に表現する訳語として「癩病」を採用する。  4行目 chet はブランダムールの校訂に従い、chef (指導者)と見なしている。lache はブランダムールに倣って lâche と同一視している。lâche は「臆病な」「卑怯な」「緩んだ」などの意...
  • 百詩篇第5巻73番
    ...教会」という語は、『新約聖書』でも「コリント人への第一の手紙」および「コリント人への第二の手紙」の各冒頭などに見られる (当「大事典」は、聖書の訳語について原典に遡って検証する能力を持たないが、「神の教会」という訳語は新共同訳、岩波聖書翻訳委員会訳、田川建三訳、フランシスコ会聖書研究所訳、新改訳のいずれにも見られる)。  2行目「聖なる殿堂群」は「キリスト教の聖堂(教会)群」のこと。ノストラダムスはしばしばこの表現を使っている(*1)。なお、1行目と重出するようだが、1行目の「神の教会」は建物ではなく、本来の「神が諸国の民の中から選びだし、召し集めた群れ」(*2)、つまりキリスト教信徒の共同体の意味のほうであろう。  3行目の直訳は「母親は幼子を肌着姿の裸にするだろう」だが、冗長であるし、マリニー・ローズも指摘するように、この場合の nud はむろん全裸を指すものでは...
  • マナ
     マナは『旧約聖書』の「出エジプト記」に登場する食物の名。  「夕べになると、うずらが飛んできて宿営をおおった。また、朝になると、宿営の周囲に露が降りた。その降りた露がかわくと、荒野の面には、薄いうろこのようなものがあり、ちょうど地に結ぶ薄い霜のようであった。」(第16章13節、14節・口語訳)  「イスラエルの家はその物の名をマナと呼んだ。それはコエンドロの実のようで白く、その味は蜜を入れたせんべいのようであった。」(第16章31節・口語訳)(*1) 【画像】マナに関する木版画(1591年)(*2)  荒野のイスラエル人たちはそれによって飢えをしのいだ。神からの賜りものとされるが、本来の言及の中にはとりたてて奇跡と関連付けようとする意味合いはなかったらしい(*3)。  シナイ半島ではギョリュウの葉の樹液ないし葉に付く虫の分泌液が夜に固まり、ベドウィンの食物の一...
  • 詩百篇第9巻72番
    ...ら来ているのだろう。新約聖書ではパンの発酵を腐敗と同一視する視点から、しばしば背徳を意味する言葉として使われているからだ(*14)。 「そのとき、イエスは、『ファリサイ派の人々のパン種とヘロデのパン種によく気をつけなさい』と戒められた」(「マルコによる福音書」 第8章15節・新共同訳)(*15) 「いつも新しい練り粉のままでいられるように、古いパン種をきれいに取り除きなさい。現に、あなたがたはパン種の入っていない者なのです。キリストが、わたしたちの過越の小羊として屠られたからです」(「コリントの信徒への手紙 一」 第5章7節・新共同訳)  ただし、パン種は逆に天の国の比喩として使われている箇所もある。 「また、別のたとえをお話しになった。『天の国はパン種に似ている。女がこれを取って三サトンの粉に混ぜると、やがて全体が膨れる。』」(「マタイによる福音書」 第13章33節・新...
  • 聖マラキの予言
    ...紙を書いたこと (『新約聖書』ペトロの手紙1・2) に対応する。また、彼はヴェネツィア総大司教だったことがあり、ヴェネツィアは水の都、船乗りとも縁が深い町であり、漁師であったペトロにつながる。 ヨハネス23世 (1958年 - 1963年) とパウルス6世(1963年 - 1978年)は、ともにイタリア出身でローマの大学で学んだ人物であり、「岩」(=ペトロ)のような意志の強さで、さまざまな異論が噴出した第二バチカン公会議の開催および決議に漕ぎ着けた。 ピウス12世 (1939年 - 1958年) は、在任中にサン・ピエトロ大聖堂の地下でペトロの墓と思われる墓所の発掘を指示した。  と、こんな具合に屁理屈をつけていけば、全員とまではいかなくとも、歴代のかなりの教皇に当てはめられることは明らかだろう。  そもそも、教皇はすべてペトロの後継者とされると同時にローマ司教なのだから、象徴...
  • 百詩篇第3巻60番
    ...ている地名がすべて『新約聖書』で言及されていることから、原初のキリスト教に帰れと主張したプロテスタントの隠喩を読み取れる可能性を示し、カルヴァン主義を間接的に攻撃したものではないかとした。彼の解釈では、「黒い若者」(ジューヌ・ノワール)と「ジュネーヴ市民」(ジュヌヴォワ Genevois)も関連付けられている(*16)。  ピエール・ブランダムールは「黒い若者」について、1559年5月向けの予兆詩第43番(旧39番)に出てくる「黒い若者における魂は火によって返される」(黒い若者が火刑に処せられる)との関連性を示唆した(*17)。   ジャン=ポール・クレベールは1559年向けの散文予兆「・・・何か大きな破局がリュディア、リュキア、パンピュリア、カラブリア、ノルマンディ、レーゲンスブルク、ルーアン、(サンチアゴ・デ・)コンポステーラに・・・」(『散文予兆集成』第4巻19...
  • シェバの涙
     「シェバの涙」(サベの涙、シバの涙)は詩百篇第5巻16番に登場する。おそらく乳香か没薬の隠喩だろう。  エドガー・レオニやマリニー・ローズは乳香としていた。  古来、アラビア半島南部は乳香を産出することで知られており、オマーンの世界遺産には「乳香の土地」という物件があるほどである。 【画像】100%純オーガニック乳香樹脂塊(オマーン)  旧約聖書にも、シェバから乳香を輸入していたことをうかがわせる記述がある。  「シバから、わたしの所に乳香が来、遠い国から、菖蒲が来るのはなんのためか」(『エレミヤ書』第6章20節前半)  ピーター・ラメジャラーも乳香としていたが、没薬と混同されている可能性も指摘した。ラメジャラーは根拠を挙げていなかったが、没薬の可能性も確かにあるだろう。  オウィディウスの『変身物語』には、それと関係があるかもしれない伝説が伝え...
  • デウカリオン
     デウカリオンはギリシャ神話に登場する人物。  プロメテウスの子であり、ゼウスが大洪水を引き起こして人類を一度滅ぼしたときに、デウカリオンと妻ピュラだけは行いの正しさによって救われたとされる。デウカリオンとピュラは洪水の後に託宣に従って石を投げ、その石が男女となり、人類は再び地に満ちるようになったという(*1)。  転じて旧約聖書のノアとともに洪水伝説の代名詞ともされる。ノストラダムスは詩百篇では二度しか言及していないが、暦書ではたびたび洪水の隠喩としてデウカリオンの名を引き合いに出している。 登場箇所 第2巻81番 第10巻6番 予兆詩第100番(旧90番)  このほか、『1557年向けの占筮』、英訳版『1559年向けの占筮』、『1563年向けの暦』(上記予兆詩とは別の箇所)、伊訳版『1567年向けの暦』などに登場している。 ※記事へのお問い合わせ等がある場...
  • Alus
     Alus は読み方の確定していない語。以下の諸説がある。 アナトール・ル・ペルチエは「ローマ人たちの神」と注記した。ブリューノ・プテ=ジラールも全く同じ説を採っている(*1)。 エドガー・レオニは旧約聖書に登場するサウル(Saul)のアナグラムの可能性を示した(*2)。 ジャン=ポール・クレベールはサウルのアナグラムのほか、ティトゥス・リウィウスの著書に見られるアルス・ロクトゥス(Alus Locutus)という人名の可能性や、アラニ人の国家を建造した神話上の名前の可能性を指摘した(*3)。 ピーター・ラメジャラーは、ハルス(Halus)と理解した(*4)。フランス語ではハンニバルが Annibal と綴られるように、ラテン語綴りから H が脱落することはしばしば見られる。  信奉者側では、エリカ・チータムのように Mabus と並んで第3の反キリストの名前を暗示する語ではないか...
  • イシュマエル
     イシュマエル (Ishmael) は、『旧約聖書』の「創世記」に登場する人物。  当「大事典」では新共同訳聖書の表記を採るが、口語訳聖書や関根正雄訳ではイシマエルと表記されている。  フランス語ではイスマエル (Ismaël) である。 概要  アブラハムとハガル(アブラハムの妻サラの侍女)の間に生まれた子供。「創世記」第16章にその誕生の経緯が描かれている。  この背景としては「妻に子なき場合、妻は夫に側妻を与えねばならないが、生まれた子に対するすべての法的権利は妻が持つという」法習慣の存在が指摘されている(*1)。  ハガルは子供を身ごもったことで尊大になり、サラとの関係が悪化してアブラハムのもとから逃れた。そのハガルのもとに啓示が下る。 ヤハウエの使いがハガルに言った、「見よ、君は身ごもっている。君は男の子を生むだろう。その名をイシマエルと名づけるがよい。神(...
  • シェバ
     シェバ(Sheba)はアラビア半島南部(現在のイエメン周辺)にいて、紅海を挟んでアビシニア(エチオピア)にも殖民した古代の民族の名前(*1)。シェバ人が築いた古代の都市および国の名前にもなっている。サバ、シバとも表記される。  旧約聖書には、乳香をはじめとする香料を特産物とし、ほかに黄金、宝石などの交易も行った者たちとして登場する。  「シバとラアマの商人は、あなたと取引し、もろもろの尊い香料と、もろもろの宝石と金とをもって、あなたの商品と交換した」(『エゼキエル書』第27章22節)(*2)  ソロモンを訪ねたシェバの女王は特によく知られている。  「シバの女王はソロモンの名声を聞いたので、難問をもってソロモンを試みようと、非常に多くの従者を連れ、香料と非常にたくさんの金と宝石とをらくだに負わせて、エルサレムのソロモンのもとに来て、その心にあることをことごとく彼に告げ...
  • 用語集
    ...、セリムの港) 聖書新約聖書 スエビ人(スエウィ人) セラフィム(セラピム) 太陽の都市 ディオニュソス デウカリオン テュポン トリカブト ドルスの大王 → 詩百篇第1巻100番、セオフィラスの異本 トロイアの血 ネプトゥヌス(ネプチュヌ、ネプチューン) ネロ パエトン(フェイトン) バッコス(バックス、バッカス) → ディオニュソス バッタ → 飛蝗 ヒスター → Hister 反キリスト ヒエラルキア 飛蝗 ピロメラ(フィロメラ) フェイトン → パエトン フェニックス 不死鳥 → フェニックス プランクスの都市 ブランコス(ブランシュ) プロイトス フローラ ヘカトンベ(ヘカトゥーム) ペスト → 悪疫 別のもの ヘルメス ベレロポン 卜占官 マギ(マゴス、マグス) マナ マホメット → ムハンマド マルス(マーズ) みことば 水の三角宮(三つの水の宮) → トリプリキタス...
  • ノストラダムスの2017年予言
    2016年予言―2017年予言―2018年予言 ノストラダムスの2017年予言について扱う。 ネットニュースなどでの報道  毎年のことだが、ノストラダムスの2017年に関する予言なるものが出回っている (以下はいずれも外部リンク)。 Nostradamus predictions 2017 Donald Trump’s tough year(Herald Sun, 2016年12月16日) HAPPY NEW YEAR? A war over global warming and increased space tourism… what Nostradamus predicted for 2017(The SUN, 2017年12月29日) Nostradamus predictions for 2017 Terrifying forewarnings of 1...
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