★30期作製資料★
1、小児の歯科的対応について正しいのはどれか?(すべて)
a、Tell Show Doは系統脱感作法である。
b、TEACCH法は自閉症児のトレーニングなどに用いる。
c、Time Out法は攻撃的な小児に有効である。
d、象徴モデリングは他の小児の診察場面をビデオで見せる。
e、Response Cost法とTime Out法は併用する
答えa~d
a ○3歳以上の健常児に有効
b ○
c ○タイムアウト法、手に負えない子どもを別な部屋に一人にするということ。
d ○象徴モデリング→ビデオやスライドを見せる、生モデリング→他の患児の診療場面。これらの方法をモデリング学習(模倣学習)法という。
e ×トークンエコノミー法と併用する。レスポンスコスト法は負の強化因子、トークンエコノミー法は正の強化因子で、どちらもオペラント条件付けに含まれる。
2、正しいのはどれか(2つ)
a、笑気吸入鎮静法は精神発達遅延の患児に有効である。
b、トークンエコノミー法は系統的脱感作法の一つである。
c、前投薬は低年齢児にも用いられる。
d、Hand over mouth法は心身障害児に有効である。
e、笑気吸入鎮静法では30%の笑気と70%の酸素を吸入させる。
答え cd
a ×コミュニケーションをはかれる3歳以上
b ×
c ○心身障害児も可
d ×(HOM法またはHOME EはExerciseの略)3歳以上の健常児に適応
e ○
3、2歳児に適応できるのは?
a、笑気吸入鎮静法
b、全身麻酔法
c、母子分離法
d、Hand over mouth法
e、身体抑制法
答え be
a:×3歳以上でコミュニケーションが取れる
b:○ 緊急時には適応できる。また、前投薬も可能
c:×3歳以上で可能必須ではない
d:×3歳以上
e:○ 緊急時には適応できる。
4、2歳6ヶ月の子供が上顎前歯の自発痛を主訴として来院。処置順序は?
C2 |
C1 |
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C3 |
C3 |
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C1 |
C1 |
E |
D |
C |
B |
A |
A |
B |
C |
D |
E |
E |
D |
C |
B |
A |
A |
B |
C |
D |
E |
C2 |
C3 |
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C2 |
C1 |
a、上前→下右→上右→左下→左上
b、上前→下右→上右→左上→左下
c、上前→下右→下左→上右→上左
d、右下→上前→左上→右上→左下
e、右下→右上→上前→左下→左上
a ○ 解き方として、主訴が前歯部の痛みなのでそこをまず処置。次にう蝕が深いのはC3なので右下、次はC3の対合歯の右上をやる。
5、乳歯の歯冠修復について誤っているものは?(すべて)
a、CR修復の酸処理には正リン酸を用いる。
b、乳歯のインレー修復にはWillet窩洞が適している。
c、上顎第一乳臼歯はOD窩洞よりMO窩洞の方が多い。
d、CR修復の酸処理は永久歯より乳歯の方が長い。
e、クラウンフォーマーの切縁偶角にエアベントを形成する。
答えc
a:◯
b:◯ 乳歯のインレー窩洞の形成時には、Willetのインレー窩洞にすると、保持が良好になり脱離しにくい
c:× 乳臼歯隣接面は齲蝕好発歯面であり、
第一乳臼歯はOD窩洞、第二乳臼歯はMO窩洞が多い
ちなみに、O:Occlusion 咬合面D:Distal 遠心 M:Mesial 近心
d:◯
エッチング時間 乳歯>永久歯
f:◯ フォーミング冠(接着性コンポジットレジン冠)の術式より、クラウンフォーマーの試適が完了すると、クラウンフォーマーの切縁隅角部に歯科用探針でエアベント(圧力抜き用の小孔)を形成する。
6、セメント系シーラントについて正しいものは?
a、半萌出歯に用いる。
b、エッチングが必要である。
c、硬化後に研磨する。
d、小窩裂溝部を開拡する。
e、歯面清掃に研磨剤を用いる。
答えa
b→前処理(エッチング)が必要なのはレジン系!セメント系シーラントに使われるグラスアイオノマーセメントは歯質接着性がありエッチングはしなくても良い。
c→未重合層は研磨ではなく水洗や小綿球で取り除く。
d→シーラントはう蝕予防のために行うので、開拡=切削したら修復処置になってしまう。
e→歯面清掃はブラシコーンなどを使う。研磨剤を使うとエッチングの効果を下げることがある。
7、フッ化ジアンミン銀の適応症はどれ?(すべて)
a、乳前歯の初期う触
b、永久前歯の初期う触
c、乳前歯唇側面う触インピーダンス13kΩ
d、乳臼歯の咬合面う触インピーダンス19kΩ
e、幼弱永久歯の咬合面う触インピーダンス15kΩ
答えa
a→フッ化ジアンミン銀の適応は、乳歯の初期う蝕(c1~c2)
b→審美性悪いため、永久歯は禁忌!
cde→すべて初期う蝕じゃないため×
ちなみに、インピーダンスについて
健全or初期う蝕→600KΩ以上
エナメル質う蝕→250~600kΩ
象牙質う蝕→250kΩ以下
十分な厚さの健康象牙質介在→20.1kΩ以上、一層の象牙質→18.0±2.0kΩ(間接覆髄or IPC)、仮性露髄→16.0±2.0kΩ(断髄or抜髄)、
露髄→12.0±1.5kΩ以下(断髄or抜髄)
8、フッ化物歯面塗布剤について正しいもの2つ。
a、歯磨剤・・・モノフルオロリン酸ナトリウム 毎日
b、歯面塗布・・・2%NaF溶液 2回/年
c、歯面塗布・・・酸性フッ素リン酸溶液 2回/年
d、洗口法・・・0.05%NaF溶液 5回/週
e、洗口法・・・0.9%NaF溶液 1回/週
答え→ac
b→1~2週間に3~4回を年1~2回
d→0.1%(450ppmF)でもOK、週5回ではなく毎日やる。
e→0.2%(900ppmF)
9、6歳の男児。下顎第一大臼歯のう蝕予防を希望して来院した。予防法として適するものはどれか?(2つ)
a、セメント系シーラント
b、歯肉弁切除
c、フッ化水素酸溶液塗布
d、酸性フッ素リン酸溶液塗布
e、フッ化ジアンミン銀塗布
f、フッ化ナトリウム溶液塗布
g、レジン系シーラント=予防填塞
答え→adf
a→萌出途上のエナメル質は未成熟でフッ素の取り込みが早く、効果が高い
b→痛いなどの機能障害やブラッシングしづらい、う蝕になりやすそうな場合は適応。歯肉弁が、1/2くらいでは切除しないことが多い。
c→フッ化水素酸溶液は、金属の研磨などに使う!
e→永久歯なので絶対禁忌!
g→萌出途上なので完全防湿できないから×
6歳の第一大臼歯に対する予防法は、フッ素歯面塗布、セメント系シーラント、歯肉弁切除、プラークコントロール、シュガーコントロールなど。
10、フッ化物応用法で濃度の組み合わせで正しいものは?(すべて)
a、上水道フッ素添加…0.8ppm
b、フッ化物溶液洗口剤…225~900ppm
c、フッ化物歯面塗布剤…9000ppm
d、フッ化物配合スプレー…100ppm
e、フッ化物配合歯磨剤…1000ppm
答え→abcde
a→上水道フッ素添加の上限が0.8ppm
11、13歳の小児のシーラントが最も有効なのは?
a、第二大臼歯
b、第二小臼歯
c、第一小臼歯
d、第一大臼歯
e、第二乳臼歯
答え→a
シーラントは、萌出途上から萌出後約3~4年の間にすると効果が高い
第一大臼歯→6~7歳で萌出
第二大臼歯→11~13歳で萌出
12、乳歯の歯冠修復で正しいのはどれか。(すべて)
a、乳歯エナメル質表層は無小柱層が厚い。
b、乳歯では第二象牙質の形成が速い。
c、乳臼歯の接触点は永久歯に比べ低い。
d、固有咬合面が大きい。
e、乳歯歯頸部のエナメル小柱の走行は切縁方向を向いている。
答えabe
a:◯
b:◯
c:× 接触点は永久歯の場合より高い位置にある
実践2011小児 P.236
d:× 固有咬合面は永久歯より狭い(下顎第一乳臼歯で著明)
教科書P.188
e:◯ 乳前歯では切縁方向、乳臼歯では水平方向に傾いているものが多い
13、既製乳歯冠について正しいものを2つ。
a、接触点の回復が容易。
b、合着セメントが鋳造冠に比べ厚い。
c、鋳造冠より歯質切削量が少ない。
d、審美性に優れている。
e、幼若永久歯の暫間修復に使う。
答えbce
a:× 既製乳歯冠は、任意の形態を付与することが困難である。(特に咬合状態や接触点の回復が困難。ただし、咬合接触の確保は困難ではない。)
第14章 担当八幡 授業プリ
b:◯ セメント泥が硬化するまでの間、乳歯冠の場合、支台歯と冠との間に相当な余裕があるため、通常は乳歯冠のみにカーゼを噛ませるのではなく、その前後の歯にも当たるように咬合させる必要がある。
教科書P.205
c:◯
d:× 審美性に欠ける
e:◯ 既製金属冠は乳臼歯に用いられているが、エナメル質形成不全などの幼若永久歯に暫間的に用いることもある。 14、健全な乳歯列期の歯周組織で正しいものは?
a、歯槽骨の歯髄腔は小さい。
b、遊離歯肉は硬い。
c、歯槽骨の石灰化度は高い。
d、歯根膜繊維は疎だ。
e、辺縁歯肉と付着歯肉の境界は不明瞭。
答え d
a→大きい、b→付着歯肉が硬い、c→低い、e→明瞭。
15、萌出途中の幼若永久歯の歯冠修復で正しいのは?(すべて)
a、上顎前歯部唇側の白濁・・・フッ化ジアンミン銀塗布
b、Ellis3級2類・・・全部鋳造冠
c、第一大臼歯の小窩裂溝う蝕・・・GIC修復
d、第一小臼歯の隣接面う蝕・・・メタルインレー修復
e、上顎側切歯の矮小歯・・・クラウンフォーム
答えe
a:× 上顎前歯部唇側の白濁はCR修復
フッ化ジアンミン銀塗布は黒変するので、永久前歯部は避け、乳歯中心に応用される。 実践2011小児 P.220
b:× Ellis3級2類の場合、生活歯髄切断法処置をする。その後、破折した歯冠部をCRにて接着し修復する。 教科書P.272,274-275
c:× GIC修復は咬合力の強くかからない窩洞に用いる
→前歯のⅠ、Ⅲ、Ⅳ級窩洞、および臼歯のⅤ級窩洞に適応される。
教P.210
d:× インレー修復は、萌出がほぼ完了した場合に行う
e:◯ クラウンフォームを用いて歯冠形態を整える
実践2011小児P.247〜249
16、既製乳歯冠の適応症として誤っているものは?
a、保隙装置の支台装置
b、Ellis2級の幼若永久歯
c、歯髄処置後の歯冠修復
d、歯冠崩壊の著しい歯
e、幼若永久歯の多歯面のエナメル質形成不全
答えb
a:◯
b:× Ellisの分類2級は永久前歯部の外傷であるので、歯髄に対する保護処置ののち、成形充填材によって審美的修復を行う。既製金属冠は用いない。
c:◯
d:◯
e:◯
17、小児の歯内療法で正しいもの2つ。
a、幼若永久歯の歯髄切断法・・・ヨードホルム
b、IPC法・・・パラホルムアルデヒド
c、Frank法・・・Buckle処方のFC
d、幼若永久歯の根管治療・・・Ca(OH)2とCMCP
e、乳歯の根管治療・・・Ca(OH)2糊材
答え de
a ×水酸化カルシウム
b ×(=暫間的間接覆髄法)水酸化カルシウム
c ×水酸化カルシウムとCMCP(パラモノクロロフェノールカンフル)
d ○
e ○
18、アペキシフィケーションについて正しいのはどれか?(2つ)
a、Ellisの3級2類に適応。
b、歯冠部歯髄に炎症が限局した根未完成歯に適応する。
c、歯髄を除去後、アピカルシートを形成する。
d、根尖部根管内壁の象牙質の新生添加が生じる。
e、根尖閉鎖後、ガッタパーチャポイントで根充する。
f、無髄歯に行う。
答え ef
a ×Ellisの3級2類→生活歯髄切断法
b ×アペキソゲネーシス
c ×
d ×セメント質様組織、骨様象牙質の新生添加
e ○
f ○
19、FC歯髄切断法に使用するのは?
a、パラホルムアルデヒド
b、フェノールカンフル
c、水酸化カルシウム
d、ホルモクレゾール
e、ヨードホルム
答え d
a ×
b ×
c ×
d ○
e ×
20、乳歯の歯内療法について正しいもの。
a、根管充填にはガッタパーチャポイントを用いる。
b、麻酔抜髄後にパラホルムアルデヒドを使う。
c、歯根吸収1/3以下の時は生活歯髄切断法の適応。
d、下顎第二乳臼歯の安定期は3~9歳である。
e、急性全部性化膿性歯髄炎は根管充填の適応。
答え ce
a ×歯根吸収が起こるため、非吸収性のガッタパーチャーポイントは禁忌!
b ×
c ○ 歯根長2/3未満まで可能
d ×3~8歳
e ○
21、IPC法で誤っているものは?
a、第二象牙質の形成
b、仮性露髄法
c、水酸化CaとCMCPを併用。
d、初回初診時に軟化象牙質を一層残す。
e、C3に適応。
答え bce
a ○正しい
b ×
c ×アペキシフィケーション
d ○正しい
e ×
22、ナンスのホールディングアーチで正しいものはどれか?(すべて)
a、下顎の多数歯欠損に用いる
b、上顎第一大臼歯近心移動防止
c、ⅡA期に適応
d、即時重合レジンを用いる
e、主線を乳歯部歯頸部に接触
答えbcd
a:× 上顎に用いる
b:◯
c:◯
d:◯ 主線の口蓋部にレジン製ボタンが付加される
e:× →リンガルアーチのこと:弧線を舌側歯頸部に接触させるように弧状に屈曲する。 教科書p.309
実践2011小児 P.419,420
23、幼若永久歯の歯内療法で正しいのは2つ。
a、慢性潰瘍性歯髄炎・・・生活歯髄切断法
b、慢性根尖性歯周炎・・・アペキソゲネーシス
c、歯髄壊疽・・・アペキシフィケーション
d、急性単純性歯髄炎・・・失活歯髄切断法
e、急性全部性化膿性歯髄炎・・・歯髄鎮静法
答え ac
a ○
b ×アペキシフィケーション
c ○
d ×歯髄鎮静療法または生活歯髄切断法
e ×麻酔抜髄位
24、小児の外傷について正しいのはどれか?
a、脱臼より破折が多い。
b、根尖側1/3の破折は抜歯。
c、幼若永久歯の縦破折は抜歯。
d、脱臼した歯はアルコールにつける。
e、乳中切歯の完全脱臼はワイヤーで固定する。
答え→ec?
a→乳歯は脱臼、永久歯は破折が多いので、小児では脱臼より破折が多いとは言い切れない。
b→整復固定(2~3か月強固に)
c→基本的に縦破折は抜歯
d→牛乳or生理食塩水
25、乳歯の外傷について正しいものは2つ。
a、3~4歳頃起きやすい。
b、脱臼よりも破折が多い。
c、男子に多い。
d、完全脱臼歯は再植困難である。
e、受傷直後の電気診の信頼性は低い。
答え→ce
a→乳歯は1~2歳、永久歯は7~9歳に多い
b→乳歯は脱臼が多い(顎骨が完成していないため、歯槽骨内に入り込む)
c→男:女=2:1 やんちゃだから!
d→保存良好だと再植固定、保存不良だと再植不能
e→受傷直後は、神経がショック状態になっていることがあり、生活歯でも反応がみられないことがある。
26 外傷について正しいもの2つ
a 脱臼より破折が多い
b 乳歯は1~2歳までに多い
c 完全脱臼歯の再植は行わない
d 歯髄診断による信頼性は低い
e 男児に多い
答え→de
a→乳歯は脱臼、永久歯は破折
b→1~2歳に多いので、1~2歳までじゃない
c→乳歯の完全脱臼は保存良好だと再植固定、保存不良だと再植不能
d→25の説明参照
e→男:女=2:1
27 歯髄切断法について正しいもの(すべて)
a 乳歯の歯髄壊疽は適応。
b FC歯髄切断法はCa(OH)2断髄法より成功率が低い
c FC歯髄切断法は歯髄の炎症を持続させる。
d 根尖閉鎖後、ガッタパーチャポイントにより根管充填する
e 歯髄切断法は幼弱永久歯に用いる
答え ce
a ×感染根管治療する
b ×高い
c ○
d ×
e ○生活歯髄切断法ならOK FCは禁忌!
28 アペキソゲネシ-スについて正しいもの2つ
a FC切断法が適用される
b 切断面に被蓋硬組織が形成される
c 根未完成の感染根管歯が適応となる
d 根部歯髄を抜髄後、水酸化Caで根充する
e 根尖閉鎖後、ガッタパーチャポイントで根充する
答え bd
a ×生活歯髄切断法
b ○
c ×アペキシフィケーション
d ○
e ×
29 8歳男児 転倒して上顎右側中切歯を破損 破損後すぐに来院
破折は象牙質に達しているが露髄なし 電気診(-) 処置として正しいのは
a 水酸化Caによる歯髄切断
b FCによる歯髄切断
c 抜髄後、水酸化Caで根管充填
d 切縁を削合後、経過観察
e 間接覆髄後、CR充填
答え→e
象牙質に達した歯牙破折なので、Ellisの分類では2級。
永久歯の歯冠破折は、露髄がないが象牙質まで達している場合は水酸化カルシウムなどを用いた間接覆髄後歯冠修復。エナメル質に限局した破折の場合はCR修復のみ。よって今回は、間接覆髄後、CR修復。ちなみに、電気診(-)になっているが、歯髄が失活したわけではなく、受傷直後で歯髄がショック状態で反応がないためだと思われる。
30 前歯の外傷の状態と処置で誤っているものは
a 2歳・・・僅かな嵌入・・・経過観察
b 3歳・・・象牙質に及ぶ歯根破折・・・歯冠修復
c 4歳・・・外傷による唇側傾斜・・・整復固定
d 8歳・・・露髄を伴う破折・・・抜歯
e 12歳・・・完全脱臼・・・再植
答え→d
この手の問題は、歯牙の吸収や脱落時期を考える必要がある。
今回は、乳前歯の吸収は4~5年で、脱落は6~8年と頭に入れておく。
a→2歳はⅠC期。わずかな陥入は、経過観察
b→3歳はⅡA期。象牙質に及ぶ歯冠破折は、間接覆髄後歯冠修復。
C→4歳はⅡA期。転位したら整復固定
d→8歳はⅢA期。ピンポイントの露髄は、直接覆髄後歯冠修復
ピンポイント以上の露髄は、抜髄
e→12歳はⅢC期
31 乳歯抜歯について正しいもの2つ
a 6歳児で乳中切歯の脱臼は抜歯の対応となる
b 先天性歯の抜歯は禁忌である
c 抜歯窩の掻爬は必ず行う
d 根尖側三分の一で破折した歯は抜歯の適応である
e 乳臼歯は分割抜歯をすることがある
答え→ae
a→Aの脱落は6~7年なので脱落時期の様子をみて抜歯
b→リガフェーデ病の原因歯は抜歯することもある
c→不必要な掻爬は避ける。後継永久歯を考慮して。
d→根尖側1/3は固定、経過観察。歯頸側2/3は抜歯。
e→乳歯の抜歯では根分割することがある
乳歯抜歯の注意点は、上記のほかに、2歯以上の抜歯では遠心位から行う
(抜歯後の出血で手術部位が見えにくくなるのを防ぐため)がある。
ちなみに、乳歯抜歯の禁忌!急性症状がある。軟組織に急性、広範囲炎症がある。全身疾患があるの3つ!!
32 フッ化ジアンミン銀の効果で誤っているものは
a 再石灰化の促進
b 抗菌作用
c 象牙細管の閉鎖
d 歯垢形成の抑制
e 細菌の酵素活性助長
答え→e
フッ化ジアンミン銀の効果
① 抗菌作用、抗酵素作用
② 再石灰化促進
③ 象牙細管の閉鎖
④ 歯垢形成の抑制
⑤ 無機質の耐溶解性向上
33 ラバーダム防湿の目的について誤っているものは
a 歯の乾燥を保つ
b 患歯の明示
c リーマー類の誤飲防止
d ファイル類の破折防止
e 軟組織の保護
答え d
34 異なる組み合わせは(2つ)
a タイムアウト法・・・前投薬
b オペラント条件付け・・・患児への賞賛
c TSD・・・系統的脱感作法
d HOM・・・抑制
e モデリング法・・・隔離
答え ae
a ○別の場所へ隔離
b ×正しい アメとムチ
c ×正しい モデリング法も系統的脱感作法
d ×正しい
e ○
35 小児の笑気適応について正しいものは(すべて)
a 2歳児に適応
b 局所麻酔に対して特異体質を有する小児に適応
c 笑気30%、酸素70%で用いる
d 鼻閉患者に適応できる
e 高度な心身障害者に適応でない
答え bc
a ×3歳以上のコミュニケーションがとれる健常児
b ○
c ○
d ×精神発達遅延児などもダメ!
e ×
36 10歳の女子。
下顎右側第二小臼歯に違和感があり来院。診査の結果、自発痛(+)、打診痛(-)、動揺(-)、露髄(-)、X線写真で患歯の根尖部に透過像が認められる。
本症例に対する処置で正しいのはどれか。
a、感染根管治療
b、アペキソゲネーシス
c、アペキシフィケーション
d、抜髄
e、直接覆髄
答え c
37 ナンスのホールディングアーチで誤っているもの
a 多数歯欠損に使用される
b 第一大臼歯の近心移動を防ぐ
c 前歯の舌側歯頚部に主線を接触させる
d ⅡA期に対応する
e 即時レジンを使う
答えc
a:◯
b:◯
c:× →リンガルアーチのこと:弧線を舌側歯頸部に接触させるように弧状に屈曲する。
d:◯
e:◯
38 若幼永久歯の処置法で誤っているもの2つ
a 若幼な第一大臼歯の小窩裂溝齲蝕・・・GIC修復
b 第一小臼歯の隣接面齲蝕・・・CR修復
c 側切歯の矮小歯・・・クラウンフォームの使用
d 中切歯歯頚部齲蝕・・・フッ化ジアンミン銀塗布
e 第一大臼歯の多数歯面齲蝕・・・全部鋳造冠修復
答えad(確認お願いします)
a:× GIC修復は咬合力の強くかからない窩洞に用いる
→前歯のⅠ、Ⅲ、Ⅳ級窩洞、および臼歯のⅤ級窩洞に適応される。 教P.210
b:◯
c:◯
d:× フッ化ジアンミン銀塗布は黒変するので、永久前歯部は避け、乳歯中心に応用される。
実践2011小児P.220
39 口腔習癖で正しいの(すべて)
a 吸指癖は1~2歳でやめさせる
b 吸指癖は上顎歯列の狭窄をおこす
c 咬爪癖から吸指癖に移行しやすい
d 咬唇癖は上顎前歯叢生を起こしやすい
e 咬爪癖は神経質な学童に多い
答えbe
a:× 吸指癖は乳幼児に多く、3歳くらいまでは生理的現象であり、4〜5歳頃より減少する。
対処法として、3歳を過ぎても吸指癖が継続し、歯列・咬合の異常が生じている場合には習癖の中止に向けた指導を行う
b:◯ 他には、開咬、上顎前突、正中離開の原因となる
c:× 逆である。増齢とともに吸指癖から咬爪癖へ移行する例が多い
d:× 咬唇癖は、
上唇を咬む場合→上顎前歯の舌側傾斜、下顎前歯の唇側傾斜 つまり反対咬合
下唇を咬む場合→上顎前歯の唇側傾斜、下顎前歯の舌側傾斜 つまり上顎前突
e:◯ 一般に落ち着きがなく、活動的で神経質な小児に多くみられる。
40 舌が関与して起こる歯列異常は 2つ
a 開咬
b 反対咬合
c 前歯部叢生
d 下顎歯列弓狭窄
e 上顎前歯部舌側傾斜
答えad
弄舌癖による前歯部開咬、異常嚥下癖(舌突出癖)による開咬および空隙歯列が見られる。小舌症や無舌症では舌圧が頬圧に負けて下顎歯列弓狭窄が見られる。
41 ヘルマンの歯齢と保隙装置の固定源の組み合わせとして正しいものはどれか
(すべて)
a クラウンループ・・・ⅡA 第一乳臼歯
b ディスタルシュー・・・ⅡA 第二乳臼歯
c リンガルアーチ・・・ⅡC 第一大臼歯
d クラウンループ・・・ⅡC 第二乳臼歯
e ナンスのホールディングアーチ・・・ⅡC第二乳臼歯
f リンガルアーチ・・・ⅡC 第二乳臼歯
g ナンスノホールディングアーチ・・・ⅡC第一大臼歯
解答def
a:× ⅡAの場合、第二乳臼歯が支台歯
b:× 適応症が第二乳臼歯の1歯のみの早期喪失
c:× ⅡC期は第一大臼歯および切歯萌出開始期
d:◯
e、f:○ ⅡCの場合は、適応症として、両側性の第一乳臼歯早期喪失(第二乳臼歯にバンドを装着)
g:× ⅡC期は第一大臼歯および切歯萌出開始期
実践2011小児P.419
42 ヘルマンの歯齢と欠損部位、保隙装置の組み合わせとして正しいものはどれか
(すべて)
a クラウンループ・・・ⅡA 第二乳臼歯
b ディスタルシュー・・・ⅡA 第一乳臼歯
c リンガルアーチ・・・ⅡC 第二乳臼歯
d クラウンループ・・・ⅡC 第二乳臼歯
e 可撤式保隙装置・・・ⅡC 第二乳臼歯
答えde
a:× クラウンループの適応は、
ⅡAならば、片側で第一乳臼歯が早期喪失した症例
ⅢAならば、片側で第二乳臼歯が早期喪失した症例
b:× 適応症が第二乳臼歯の1歯のみの早期喪失
c:× ⅡCの場合は、適応症として、両側性の第一乳臼歯早期喪失(第二乳臼歯にバンドを装着)
d:○ 第一大臼歯が萌出を開始してから萌出完了までの間のⅡC期の後半期に、第二乳臼歯の早期喪失例に対し、ディスタルシューやリンガルアーチのつなぎの装置としてもクラウンループが用いられる。
実践2011小児P.414
e:○
43 ヘルマンの歯齢ⅡC期の上顎第二乳臼歯の早期喪失に適用する保隙装置を2つ
a クラウンループ
b 可撤式保隙装置
c ディスタルシュー
d リンガルアーチ
e ナンスのホールディングアーチ
答えab
a:○
b:○
c:× 適応時期はⅡAである
d、e:× ⅡCの場合は、適応症として、両側性の第一乳臼歯早期喪失(第二乳臼歯にバンドを装着)
44 可撤保隙装置の設計について正しいのはどれか(2つ)
a 空隙の遠心部に歯が存在する場合は回転防止のためその歯を含むように床を延長
する
b 口腔底の床外形線は可動粘膜および舌小帯の付着部位を覆うように設定する
c 永久歯が萌出途上の場合は舌側頚部に接するように床外形を設定する
d 唇・頬側床縁は歯内頬移行部から歯槽頂までの高さ4分の1程度に設定する
e 維持装置は原則として付与しない
答えae
a:○
b:× 下顎では口腔底可動粘膜部および舌小帯付着部を避ける
c:× 萌出中の永久歯では舌側歯頸部から2ミリ程度離す
d:× 歯肉頰移行部から歯槽頂までの高さの1/2〜1/3程度
e:◯
45 混合歯列分析法について正しいのはどれか 2つ
a ヘルマンの歯牙年齢ⅡA期の歯列模型を用いて分析する
b 小野の回帰方程式を用いて萌出余地を評価する
c 第一大臼歯の咬合関係予測に役立つ
d 永久歯の萌出後に応用可能な分析法である
e 乳歯と永久歯の間に見られる歯の大きさの相関関係を利用した分析法である
答えbd
a:× ⅡA期(乳歯咬合完成期)の歯列模型では参考にならない
b:○
c:× 第一大臼歯の咬合関係は、terminal planeが関係する
d:◯
e:× 乳歯と後継永久歯との間の大きさの相関関係はない
46 ディスタルシュー保隙装置の作成順序で正しいのはどれか
a 支台歯形成
b 印象採得
c 抜歯
d 装置の合着
e 既成冠の試適
1 a→e→c→b→d
2 a→e→b→c→d
3 b→a→e→c→d
4 c→a→e→b→d
5 c→a→b→e→d
答え2
47 乳歯欠損と保隙装置の組み合わせで正しいのはどれか
a ⅡA期の下顎両側遊離端欠損・・・可撤式保隙装置
b ⅡA期の下顎片側第一乳臼歯欠損・・・ディスタルシュー
c ⅡC期の上顎両側第二乳臼歯欠損・・・リンガルアーチ
d ⅡC期の上顎両側乳臼歯欠損・・・可撤式保隙装置
e ⅢB期の上顎片側第二乳臼歯欠損・・・クラウンループ
答えad
a:○
b:× ディスタルシューは第二乳臼歯の欠損
c:× 第一大臼歯が萌出中のⅡC期には、リンガルアーチ保隙装置を用いることができない
実践2011小児 P.418
d:○
e:× ⅢB期は側方歯交換期であるので萌出を観察するか、必要ならリンガルアーチを用いる
48 ヘルマンの歯牙年齢ⅡC期の保隙で誤っているものは(すべて)
a 左右側上顎乳中切歯の喪失による保隙を必要とする
b ディスタルシューの適応
c 左側下顎第一or第二乳臼歯が抜歯の適応となる場合、可撤式保隙装置が適切
d 第一乳臼歯の片側の喪失はクラウンループ保隙装置の適応である
e リンガルアーチ保隙装置の固定源として第二乳臼歯を利用する
答えab
a:× 必要としない
b:× ディスタルシューの適応時期は、ⅡA期
c:○
d:○
e:○
49 8歳女児昼休みにぶつかって転倒し、上顎中切歯破折。
露髄はなく、自発痛(-)打診痛(+)電気歯髄診(-)動揺(+)を示した
行う処置はどれか?(2つ)
a 経過観察
b 断髄
c 暫間固定
d アペキシフィケーション
e CR修復
答え→ce
まず、露髄がない歯冠破折なのでeのCR修復。
そして、動揺しているので暫間固定。
歯冠破折の処置を復習すると、エナメル質に限局して露髄がない場合はCR修復。
象牙質に達しているが、露髄がない場合は間接覆髄後歯冠修復。
今回電気診(-)だが、受傷直後でショック状態のため。
50 口腔習癖とその障害の組み合わせで正しいのは(2つ)
a 吸指癖・・・正中離開
b 咬爪癖・・・切端咬合
c 弄舌癖・・・叢生
d 咬唇癖・・・臼歯部交叉咬合
e 口呼吸・・・下顎近心咬合
答えab
a:○
b:○
c:× 開咬、上顎前歯の唇側傾斜など
d:×
上唇を咬む場合→上顎前歯の舌側傾斜、下顎前歯の唇側傾斜
つまり反対咬合
下唇を咬む場合→上顎前歯の唇側傾斜、下顎前歯の舌側傾斜
つまり上顎前突
e:× 口腔内乾燥→歯肉炎、上顎前突・口唇の皺・open bite・口呼吸線
51 4歳男児 左側下顎臼歯部の自発痛を主訴に来院 夜よく眠れなかった
今朝鎮痛剤を飲んだので多少おさまっている
左下D インピーダンス12Ω 電気歯髄診(+) 温熱痛(+) 打診痛(+)
左下E インピーダンス15Ω 電気歯髄診(+) 温熱痛(-) 打診痛(-)
行う処置は
a 直接覆髄法
b 歯髄切断法
c 麻酔抜髄法
d 感染根管治療
e アペキシフィケーション
答え c
a ×
b ×
c ○打診痛があるため、歯根膜の炎症が起きている→全部性の歯髄炎
d ×
e ×
電気抵抗値の判断は永久歯と異なる
20.1kΩ以上 十分な厚さの健全象牙質介在 歯内療法的には無処置
18.0±2.0 非伯な1層の象牙質 間接覆髄、IPC
16.0±2.0 仮性露髄 断髄もしくは抜髄
12.0±1.5以下 露髄 断髄もしくは抜髄
52 46続き
左下Eの治療法は
a 間接覆髄
b 歯髄切断法
c 麻酔抜髄法
d 感染根管治療
e アペキソゲネシス
答え b
a ×
b ○急性単純性歯髄炎だと思われるため
c ×
d ×
e ×
53 (ディスタルシューの写真)
この装置で正しいのは
a この装置により咀嚼能を回復させる
b この装置の水平面に対合歯の咬合面を強く接触させる
c 装置の遠心にある歯は第一小臼歯である
d 第二小臼歯の萌出余地維持
e ⅢB期まで装着する
答えd
a:× ディスタルシューは垂直的保隙ができず、咀嚼機能の回復は図れない
b:× 対合歯の挺出を予防できない
c:× ディスタルシューは、垂直部のシューが第二乳臼歯の遠心根の役割を果たし、未萌出の第一大臼歯の近心移動を防止できる
d:○
e:× 適応時期はⅡA期であり、第一大臼歯萌出後は捻転防止のため他の保隙装置に変更する
54 4歳男子 左側Aの歯冠変色を主訴に来院
5ヶ月前に顔面強打し、3ヶ月前から暗赤色になってきた
打・動揺・電気歯髄診は(-)である
治療法は
a 永久歯が生えるまで経過観察
b 生活歯髄切断法
c 抜髄(麻酔)
d 根管治療
e 抜歯後保隙
答え→d
今回は、受傷直後から時間が経過しており、電気診(-)で暗赤色なので歯髄壊死なので、根管治療が適応。電気診(+)で暗赤色なら、歯冠部の内部吸収が起きており、抜髄の適応となる。
55 乳前歯への外傷による後継永久歯にでる影響で誤っているものは?
a 埋伏
b エナメル質減形成
c 萌出遅延
d 象牙細管閉鎖
e 異所萌出
答え→d
乳歯の外傷で後継永久歯に及ぼす影響
① エナメル質減形成
② 歯根の湾曲
③ 萌出位置異常
④ 萌出遅延
⑤ 肉芽腫、のう胞形成
⑥ 後継永久歯歯胚の発育停止、埋伏歯
⑦ 歯の近心移動
⑧ 全身への弊害(言語、発音、顎)
56 以下の薬剤とその用途の組み合わせのうち正しいのはどれか(2つ)
a 亜ヒ酸-根管充填
b 次亜塩素酸Na-歯髄鎮静
c ホルモクレゾール-抜髄
d フッ化ジアンミン銀-永久歯のう蝕
e 水酸化Ca-覆髄
答え ce
a × 失活歯髄剤であり、小児には禁忌
b × 交互洗浄に使う
c ○
d × 禁忌
e ○
最終更新:2011年01月09日 11:26