人類は、いつから争い、殺し合い始めたのだろうか。初めからだという見方と、ごく最近になってから、という見方が大きく対立している。 猿人や原人の食人説が、オーストラリアの考古学者レイモンド・ダートによって1960年代まで繰り返し主張された。また、1930年代に北京原人食人説がドイツの人類学者フランツ・ワイデンライヒによって疑われた。しかし、世間では北京原人食人説はいよいよ有名になってしまった。これらのことから猿人・原人の食べ合いが人類の歴史とともにあったと解釈し、広めたのがアメリカの作家ロバート・アードリーであった。さらに動物行動学を興してノーベル賞を受けたオーストリアのコンラート・ローレンツは『攻撃』で、人類の攻撃的本能を説いた。この本能説がさらに広がった。
ただし猿人の殺人・食人の疑いを考古学者ボブ・ブレインが示している。また、北京原人の食人説については、その後の研究で世界の人類学者が疑いを示している。[4]
はっきりと判明している情報では、3400年前から今日までの期間、世界で戦争がなく平和だった期間はわずか268年である
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