竜田「……っ」

下足「……ッ」


 京太郎の言葉に、二人の少女の顔が引きつった。

 もっとも、踏み込まれたくない部分。

 そこに土足で踏み込まれたとばかりに。

 元々、感情を全面に表している金髪の少女は勿論、慇懃な態度を取っていた黒髪の少女も……である。


京太郎「……ああ、やっぱりか」

京太郎「作業……って、感じじゃあなかったけどさ」

京太郎「楽しんでるとは……言い難い雰囲気だったもんな」


 今、思えば――。

 「人間の癖に」と……そんな言葉。

 あれは、京太郎を見下していたというよりは、何かに諦めていた。

 失望や侮蔑が顔を覗かせていたが――あれは諦観だ。


竜田「……確かに私たちは楽しんでない。楽しめてない」

竜田「でもそれは、そっちも一緒でしょ?」

竜田「私たちと戦うと皆、つまらないって言う」

竜田「それか諦めて、怯えた表情をする……」

竜田「今までその繰り返し……ずっと、ずっと。いつでも、どこでも」

竜田「それとも……」

竜田「それでも、楽しいって言うの?」

竜田「負けてるのに? 勝てないのに?」

竜田「それでも楽しいって――そう、言うつもり!?」


京太郎「……いや」

京太郎「勝てれば嬉しいし、負ければ悔しい」

京太郎「それは、確かだよ」

竜田「だったら……!」


京太郎「――でもな」

京太郎「昔、それでも言われたんだよ」

京太郎「辛気臭いのはよせって、さ」

京太郎「笑った方がいい。勿体ないって」

京太郎「勝ちを目指しながら……麻雀自体を楽しんでもいいって、な」


竜田「……なにそれ」

竜田「意味、わかんないんだけど……」

京太郎「まあな」

京太郎「あいつらしい、バカな言葉だと思う」

京太郎「……世の中、そう上手くはいかないっての。バカみたいだよな?」



京太郎「だけど――俺はその、バカを極める」



京太郎「いいじゃないかよ、そーいうの」

京太郎「馬鹿になって楽しめるんなら、それが一番いい。きっと、多分な」

京太郎「そうは言っても、そうなれない人間がいるってのは判るよ」

京太郎「そう上手くいくことばかりじゃないって、さ」

竜田「……」

下足「……」

京太郎「でもやっぱり……勿体ないよな。勿体ないんだよ、笑わないのは」


竜田「……それが許されないから」

下足「だから私たちは、ここにいるんです」

下足「プロなら……宮永プロたちなら、違うと思って」

京太郎「……」

竜田「そっちだって、一緒でしょ?」

竜田「結局なんだかんだ言ったって、勝てなくちゃつまらないのなら……」

下足「どちらにしても、この戦いはつまらない」

竜田「もう、勝負も決まった」

竜田「まさかこれから、終わるまでニコニコ笑ってんの? 絶対に勝てないのに?」

下足「そんな訳、ないですよね」

下足「勝てなきゃ絶対に――そんなこと言ってるあなたも、笑わなくなる!」


竜田「……そんなのもう、判ってるんだよ」

下足「……」

京太郎「……」


京太郎「……オホン、オホン」

京太郎「オホン、オホホォォォン」

竜田「……何?」

下足「どうか、しましたか?」

京太郎「んー」

京太郎「いやいや、それがさ……」

京太郎「黙って聞いてたら……面白いことを言うなーと思って」

竜田「……なにがよ」

下足「いたって、真面目に言ったつもりですけど」

京太郎「そこだよ、そこ」


京太郎「聞けば……『この戦いはつまらない』とか『絶対に勝てない』とか」

京太郎「なんか、随分と勝手に話が進んでよなー……と思って」

京太郎「いや、マジに驚いたぜ。正直に言って……心底驚いた」

京太郎「最初に、言ったと思うぜ? 多分、言ったはず」

京太郎「『麻雀に絶対にはない』『俺がそれを証明してやる』」

京太郎「そんな風に……たしか、言ったはずだよ」


竜田「……それが、どうしたの」

下足「私たちは、大真面目な話をしてるんですけど……」

京太郎「俺も、大真面目だぜ?」



京太郎「まだまだこっからが勝負で――」

京太郎「そんで、俺が勝つ」

京太郎「負けたことがないなら……俺が、『負け』を教えてやるよ」



竜田「……は?」

下足「……なにを、言ってるんでしょうか?」

下足「トラッシュトークで集中でも乱そうと思ってるんですか?」

竜田「今、最下位で、能力も持ってないただの人間で、もうラス確定の癖に……」

竜田「……何様のつもり?」


京太郎「よくぞ聞いてくれました」

京太郎「折角なんで、ここで改めて自己紹介させて貰うぜ」



京太郎「俺は、須賀京太郎」


京太郎「職業は――麻雀プロだ」



京太郎「趣味は家事全般、特技はサッカー」

京太郎「好きな言葉は……一に『頑張る』、二に『努力』」

京太郎「ピッチピチの二十代で、独身」

京太郎「最終学歴はT大教育学部だ」


竜田「……馬鹿にしてるの?」

下足「舐めてるんですか、私たちを」

京太郎「いや、全然」

京太郎「それに……待てよ。まだ話は終わってないぜ。自己紹介は済んでない」



京太郎「M.A.R.S.ランキング、13位」

京太郎「異名は――『オカルトスレイヤー』だ」



竜田「ダサい」

下足「オカルトにスレイヤーされるんじゃなくて?」

竜田「ただの人間じゃん」

下足「13位って、不吉な順位ですね」

竜田「ダサい」

下足「ダサい」

京太郎「……手厳しいな、女子小学生」

京太郎「スゲー泣きそうになってくる」

竜田「……泣けばいいでしょ、いい歳こいて」

下足「変な名乗りに付き合わされる私たちの方が泣きたいですよ」

京太郎「……いや、マジに手厳しいなオイ」



京太郎「ま、いいさ。冗談はここまでだ」

京太郎「こっから先は、真面目の本気で……」

京太郎「俺が証明してやるよ……! さっきの言葉をな」


京太郎「――さぁ、ショータイムだ」


竜田「……ふん」

下足「……上等」


京太郎(さて……)

京太郎(気持ちを変えたからって、ツモがよくなるなんてのはない)

京太郎(知ってたさ。ああ、知ってた)

京太郎(形式聴牌? 上等じゃねーか)

京太郎(辛くっても苦しくっても、まだなんも終わっちゃいないんだからよ)

京太郎(まずは連荘する)

京太郎(少しずつでも、積み重ねる)

京太郎(ここは、真っ直ぐに進む――)


 ツモ切り。

 ツモ3索。打、8索。

 ツモ切り。ツモ切り。ツモ赤五萬。ツモ切り。ツモ切り。



 真っ直ぐに京太郎が進むとて、それでも難しいものがある。

 上家の存在。

 自分自身の異能であるが故に能力の影響を受けず、彼女の聴牌速度は普段と変わらない。

 彼女が和了に向かったのなら、まず間違いなく京太郎はその後ろをいく。

 であるが故に、彼女が戦闘態勢に入ってしまったのであれば、ここで京太郎の連荘は途切れるのだ。

 そして――


下足(そんなふざけた軽口、二度と叩けないように……)

下足(潰して、やる……!)


 京太郎の挑発じみた宣誓を受けた彼女は……。

 静かに激昂し、その牙を研ぐ。


 強めの打牌。

 攻めにいくとは決して言い切れない手牌からであったが、彼女は京太郎を叩き潰さんと攻勢に転じる。

 この、ふざけた調子の男を潰す。

 そんな目的で、膝に力を込めようと――。


京太郎『――ロン』


 したそこで、男の声を聞いた。

 勿論、幻聴である。男の手牌は倒されてなぞはいない。

 しかし、ひょっとしたら……と。

 そんな疑心が、胸に芽生えていた。


 これまで何度も、男に狙い射たれていた。

 暗闇から唐突に槍を突き入れられるあの感覚。

 正面から、背後から、下方から――突然訪れる攻撃。

 前兆はなく爆発のように襲いかかり、嵐の如く立ち去っていく。

 そんな、ある種の獰猛さがあった。


 果たして――だ。

 麻雀プロともあろうものが、何の考えもなしに先ほどのような発言をするだろうか。

 何か、勝算があるから……。

 例えば、この親番での逆転の一手を引いたからこそ、ああ宣言したのではないだろうか。

 あの自信。そしてこの、獰猛な笑み。

 怒らせてこちらのペースを乱し、前傾姿勢になったそのところで……。

 何か大きな一撃を、カウンターで繰り出すつもりなのではないだろうか。

 あの、勝利宣言。

 その後の、こちらを苛立たせる発言。

 それは――逆転への布石なんじゃあないか?


下足(……っ)

下足(その手には、乗りませんよ)


 そうして彼女は、攻勢に待ったを掛けた。


京太郎「……テンパイ」

ハギヨシ「テンパイ」

竜田「……ノーテン」

下足「テンパイ」


 そして、この局も終わる。


下足(和了すれば、12000だけど)

下足(……リーチをかけなきゃ、和了できない手)

下足(警戒、しすぎたかな)


 京太郎の親番は、継続である。


東四局目四本場・結果

京太郎:82300 (+1000)
ハギヨシ:95300 (+1000)
竜田(金髪):133600 (-3000)
下足(黒髪):88800 (+1000)


京太郎(……さて)

京太郎(ドラが1枚、役牌が暗刻)

京太郎(手は安いが……)

京太郎(まあ……どっちにしても和了を、確実にしておきたいとこだな)

京太郎(……試してみるか。一応は)


京太郎(無駄ヅモ……つまり、向聴数が変化しないツモ)

京太郎(そう仮定するなら――ここを引くのは、あり得る)

京太郎(そう……白の刻子に、もう一枚重なる)

京太郎(これは、あり得ることだ。そうなんだよ)

京太郎「――カン」

京太郎(んで、この無駄ヅモ能力は……金髪の娘のあれを見るに)

京太郎(嶺上牌にも――王牌にも通じる)

京太郎(だから、嶺上開花にはならない。それは確実)

京太郎(……ま、元々俺がこっからツモれるだなんて思ってねーよ。それはいい)

京太郎(ただ……嶺上牌の追加ドローのおかげで、そっちで無駄ヅモが消費される)

京太郎(本来の俺のツモには、余裕が出てくる形に……なるぜ)

京太郎(だから――)


京太郎「……ツモ」

京太郎「2000オールは、2500オール」


京太郎(こういう形にもなる)

京太郎(ドラが乗らないなら……役が期待できないなら)

京太郎(符を増やしてやりゃあ、いい)

京太郎(ヤオチュウの暗槓なら、32符)

京太郎(アガリ符は60符になる)

京太郎(2役の60符は、3役の30符に等しい)

京太郎(副露しちまったから、ツモの分はないがよォ――――)

京太郎(まあ、これはこれでオッケーだぜ)



東四局目五本場・結果

京太郎:89800 (+7500)
ハギヨシ:92800 (-2500)
竜田(金髪):131100 (-2500)
下足(黒髪):86300 (-2500)



京太郎(んで……)

京太郎(こうなるか……)

京太郎(流石に、どうしようもないぜ……こいつは)

京太郎(もう1つくらい、とっときたかったけどな……)

京太郎(テンパイすらままならないってのは、あるよ)

京太郎(流石にあんだけ副露したら、上家も牌を絞るしな)


京太郎「……ノーテン」

ハギヨシ「ノーテンです」

竜田「ノーテン」

下足「ノーテン」


京太郎(絞ったせいで、あっちもテンパイできなかったみたいだな)

京太郎(さて……ここまでが、12局)

京太郎(次局、俺が普通に牌を引けるのは6回だけ)

京太郎(その次は5回、その次は4回)

京太郎(最短で俺に巡ってきたとしても……そのときの俺の有効ツモは3回)

京太郎(そこで、テンパイできるのか? 逆転できるのか?)

京太郎(そんな問題はついてくるが……)

京太郎(まあ、諦める理由にはならないさ……可能性が、あるかぎりは)

京太郎(最後まで前のめりに、全力投球でいくぜ……!)


京太郎(なんつーんだろうな……)

京太郎(こういう、デカすぎる緊張感の中にいるんだけど)

京太郎(自然と、笑いが込み上げてくるのは……)


京太郎(これが、楽しいって奴か?)

京太郎(……そうなのか、穏乃?)



東四局目六本場・結果

京太郎:89800
ハギヨシ:92800
竜田(金髪):131100
下足(黒髪):86300



京太郎(……金髪の娘の、親番か)

京太郎(南場の東家ってことは、こいつは動かない)

京太郎(さて――ここで、上がっときたいが)


下足「ツモ!」

下足「1000・2000は、1700・2700」


京太郎(流れ7本場だと、痛いな)

京太郎(まあ……親は、金髪だ)

京太郎(ちょっとでも……点差が縮まったぜ)


京太郎(さて――こいつのスタイル)

京太郎(今まで見てたが、副露は決してしてはいない)

京太郎(自分から動いて……ツモをズラす)

京太郎(そーいうのは、御法度らしい)

京太郎(そこらへんが、糸口になればいいけど……)



南一局目 流れ七本場・結果


京太郎:88100 (-1700)
ハギヨシ:91100 (-1700)
竜田(金髪):128400 (-2700)
下足(黒髪):92400 (+6100)


京太郎(ハギヨシさんの、親番……)

京太郎(……残り、3局)

京太郎(俺も……ハギヨシさんも、和了したい)

京太郎(だけど――)


 手が、進まない。

 深海の邪神に身体を拘束され、その毒を流し込まれているように……。

 京太郎の手牌は、ガンとして動かない。


 海棲の生物が持つ毒――テトロドトキシンというのは。

 彼らの体内で、精製されている訳ではない。

 海中にいる細菌がそれを生産し、それをプランクトンが捕食。

 その上位者が捕食、またその上位者が捕食、更に更に――と。

 そう、ピラミッドの頂点目掛けてかき集められ、その毒性を濃縮して強化していく。

 実際、例えば幼生時から水槽で飼育したフグは、卵巣に毒性を持たないことが明らかとなっている。


 そんな毒のように――。


 彼女の“毒”――能力は。

 積み重ねられて、その効力を発揮していくもの。


 第一段階は、多少の違和感。

 ツモが僅かながらに思い通りにはいかなくなるという、軽度の痺れのようなもの。

 第二段階は、明確なる障害。

 明らかに和了への妨害が認められる。進もうとする手作りが、麻痺する。

 第三段階は、重度の障害。

 ほとんど、面前での手作りは不可能。

 誰かの手を――副露――借りなければ、動くこともままならない。

 そして、訪れる第四段階。

 それは――死だ。

 手を進めることもままならず、ただ彼女一人が聴牌するのを待つしかない。

 今の京太郎たちは、この第四段階に程近い。


下足「――ロン」

下足「2600点」

ハギヨシ「……ッ」

ハギヨシ「はい……」



南二局目・結果

京太郎:88100
ハギヨシ:88500 (-2600)
竜田(金髪):128400
下足(黒髪):95000 (+2600)



京太郎(……これでここまでで、14局)

京太郎(最短で終わってくれれば、俺のとこでの無駄引きは15回で済む)

京太郎(済むが……)


下足「リーチ」


京太郎(そう、上手くはいかないよな)

京太郎(知ってるさ……ああ、知ってる)

京太郎(喰らわないように……するしかないな)

京太郎(そろそろ、疲れてきた。目が限界に近い……)

京太郎(どうした、もんかな……)


下足「――ツモ」

下足「2000オール」


京太郎(……ッ)

京太郎(まだ唯一、救いがあるとしたら……)

京太郎(“能力(どく)”に比重を置いてる分……こいつ自信の“膂力(パワー)”はそれほどでもないこと)

京太郎(まだ、若いからだろうな)

京太郎(これに……技術と打点が組合わさったら、手がつけられなくなる)

京太郎(まあ、5回連荘するだけで15000貰えるんだ)

京太郎(下手な打点なんて、いらないんだろうな)



南三局目・結果

京太郎:86100 (-2000)
ハギヨシ:86500 (-2000)
竜田(金髪):126400 (-2000)
下足(黒髪):101000 (+6000)



京太郎(……駄目だな)

京太郎(益々、状況が悪くなってる……)

京太郎(手牌は痺れてくるし、思うように動かない)

京太郎(息苦しいくらいだ……この、進まなさっていうのは)

京太郎(……目も、辛いな。頭も重いし)


下足「リーチ」


京太郎(ここで、リーチか)

京太郎(……最後の親番まで、眼は温存する)

京太郎(ここは……ベタオリしかない)

京太郎(……?)


下足「――ツモ」

下足「1300は1400オール」


京太郎(……)



南三局目一本場・結果

京太郎:84700 (-1400)
ハギヨシ:85100 (-1400)
竜田(金髪):125000 (-1400)
下足(黒髪):105200 (+4200)



 続く南三局二本場。

 ツモの16つが、まるで役に立たないという状況。

 そんな状況において、動けるものはただ一人。


下足「リーチ」


 千点棒を薙いでのリーチ宣言。

 誰もが動かない。動けない。

 そのまま――。


下足「テンパイ」

京太郎「ノーテン」

ハギヨシ「ノーテンです」

竜田「……ノーテン」


 場が、流れる。

 流れが更に彼らを、下方へと追いやっていく。

 百点棒の横に輝く、供託の千点棒。

 黒の中で唯一の赤いそれは、海に浮かんだ誰かの血の色を思わせた。


 そして、南三局三本場。

 “それ”は……起こった。



南三局目二本場・結果

京太郎:83700 (-1000)
ハギヨシ:84100 (-1000)
竜田(金髪):124000 (-1000)
下足(黒髪):107200 (+2000)


供託、1000点




京太郎「――ロン」


竜田「……は?」

下足「……えっ」

竜田「いま、なんて……」

京太郎「ロンって、言ったんだよ。聞こえてなかったか?」

竜田「……は?」

下足「そんなの……できるわけがないッ!」

下足「できるわけがない! できるわけがないでしょ!」

下足「私の支配を受けてるのに!」

京太郎「いや……なんつーか」

京太郎「この信用のなさも……やれやれっつーか、なんというか」


京太郎「――次にお前は『手を見せて!』と言う」

下足「手を見せて!」

下足「――はっ」


京太郎「そりゃ、見せるさ」

京太郎「和了したんだから、当然だろ?」

京太郎「ほら、どっからどう見ても和了してるだろ?」

京太郎「お前ら相手に、チョンボで場を流そうなんてケチ臭いことは考えねーよ」

竜田「……そんな」

下足「……」

京太郎「リーチしちゃいないから、裏ドラ捲れないけど……」

京太郎「ま、どうせ……こんなとこで都合良く乗らないだろうしな」


京太郎「っと、三本場だっけ?」

京太郎「7700は8600だな」

竜田「……はいはい」




京太郎「さて……これで」

京太郎「俺の『射程距離』に、入ったな」




下足(……ここでの和了)

下足(考えられるのは1つ)

下足(配牌の時点で、テンパイしていたか……一向聴だった)

下足(それで、運良く私よりも先に……テンパイした)

下足(そんな、幸運しかあり得ない! それ以外、考えられない!)

下足(確かに、この土壇場でそれを引くなんてのは……凄いと思うよ)

下足(確かにプロだって言われても、頷ける)

下足(……でも、そんな偶然は二度も起こらない!)

下足(次は、全く有効牌が引けない局)

下足(ダブリー状態でもないかぎり、副露でもしないとテンパイ不可能)

下足(それで……副露したなら、打点は下がる)

下足(前のときみたいに安く連荘するつもりかもしれないけど……それは無理)

下足(今度は、全く有効牌をツモれない! そんな状況で連荘なんて、できるわけがない!)

下足(だから、あなたはもう勝てない……!)



南三局目三本場・結果

京太郎:93300 (+9600)
ハギヨシ:84100
竜田(金髪):115400 (-8600)
下足(黒髪):107200



京太郎(あれは……確か、そうだな)

京太郎(『LESSON1』は――『妙な期待を天気にするな』だったか?)

京太郎(山の天気ってのは、どーにも変わりやすいからな……口を酸っぱくされたよな)


京太郎(んで、『LESSON2』が『動物に悟られるな』……だったか?)

京太郎(なんかよくわからんが、野性動物を驚かせるなってことみたいだったな)

京太郎(奈良ならともかく、他は『熊出没注意』だし)

京太郎(あとは……ああ、確か)

京太郎(動物に悟られる歩き方だと――無駄がある)

京太郎(慣れてないなら、無駄なく行けってことだっけ)


京太郎(『LESSON3』は……)

京太郎(『笑顔は無限の力。信じろ』……か)

京太郎(ま、笑って喋ってりゃあ登る苦しさとか感じなくなるからな)

京太郎(元々、楽しむために山に登るんだから……笑うのも当然だぜ)

京太郎(……あいつらしいよ)

京太郎(まあ、穏乃は楽しむためってより……登ることそのものが楽しいってタイプだった)


京太郎(『LESSON4』は『敬意を払え』)

京太郎(山への敬意を忘れちゃならない)

京太郎(どれだけ楽しくても、どれだけ近しく感じても……山は山だ)

京太郎(山への恐怖を忘れてはならない。敬意を払うことを忘れちゃあならない)

京太郎(それが大事なんだって、あいつは言ってたな)


京太郎(そんで……)


京太郎(言うならこれは……『LESSON5』)

京太郎(俺にとっての近道は……遠回りだった)

京太郎(廻り道こそが、最短の道だった)

京太郎(山でもそうだ。近い道が、正しい道とは限らない)

京太郎(そこには危険が潜んでいるかもしれないし……結果を急ぐのなら)

京太郎(そんな焦りは、不注意を生む。それこそが……山では最も避けるべきところだ)


京太郎(……ああ、穏乃)

京太郎(この勝負においても、そうだった)

京太郎(それは……変わりなかったんだ)


京太郎(何を以って、無駄ヅモとなるのか)

京太郎(俺はそれを考えるべきだった)


 ――例えば、以下のような手牌があるとしよう。


 一一三四五萬 ②③④⑦⑧⑨筒 56索


 この時、有効なツモとなるのは4-7索のみとなる。

 それ以外は、手を張り替える事が出来ても、なんら向聴数に影響を及ぼさない。



 ――さて、では以下なら。


 一一三四六萬 ②③④⑦⑧⑨筒 56索


 有効なツモは4-7索の他に、二-五萬が追加される。

 つまり、向聴数が増えるだけ、有効牌が増えるのである。

 三向聴なら、もっと増える。四向聴なら、もっと……。


京太郎(ベタオリしたときに、俺は気付いた)

京太郎(それまででは無駄になるツモが……そのときは有効牌になったんだ)

京太郎(もっと早く、気が付くべきだった)

京太郎(俺が役を決め打ったときのあのツモは――『有効牌の方を引いた』んじゃあなく)

京太郎(本来なら無駄であった筈の牌を、引いたのだと)

京太郎(……副露と組み合わせてたから、気付くのは難しかったし)

京太郎(極力ベタオリを避けて、少しでも点を稼ぐために攻撃を続けてたから……気付くのが遅れた)


京太郎(俺に必要なのは勇気だった)

京太郎(見える形を捨てる……差し出す勇気が必要だったんだ)

京太郎(一見、遠廻りに見える道が……俺の唯一の道だった)

京太郎(だから、俺は……)

京太郎(これを、敢えて『差し出す』……敢えてな)


京太郎(本当はもっと、完璧な能力だろうな)

京太郎(意味ないところに客風でも掴ませたなら……)

京太郎(簡単に無駄ヅモが作れるし、な)

京太郎(でも、あの金髪の能力でそれは起きない……起こせない)

京太郎(それに加えて、18×3人分の無駄ヅモ……)

京太郎(これらすべてを支配するなんてのは、相当に無理が来るんじゃあないか?)


京太郎(やはり、だ)

京太郎(一度切った牌を再びツモるってのは堪える)

京太郎(いらないと思って切ったら、次順もツモって……)

京太郎(そんでもって、三枚目ってのは中々のダメージになる。シンプルだけどな)

京太郎(支配が一杯一杯だからかは知らねーけど……そんなシンプルな方向に来てる)

京太郎(対子が重なる……積み重なって、刻子になるな)


京太郎(ついでに……作ったこの状況)

京太郎(あいつ以外は誰も有効牌が引けないって状況が、スゴくイイぜ)

京太郎(眼を、フル活用だ)

京太郎(相手の手の内にある牌を……いずれ引くであろう牌を……)

京太郎(俺は、カウントできる)

京太郎(そうすれば、どっちの対子を残すべきかなんてので……迷わない)


京太郎(……嶺上牌がどうなるのか)

京太郎(果たして、誰のが優先されるのか)

京太郎(決まってるぜ、そんなのは)

京太郎(アイツにとっての無駄ヅモだ。それが一番、支配率が高い)

京太郎(先行なら嶺上開花確定だが、黒髪の能力で妨害された)

京太郎(後発なら、ただの無駄ヅモで終わり)

京太郎(つまり――アイツが先手をとれないこの状況なら)

京太郎(どっちの能力にしても、嶺上牌は無駄ヅモが好ましいんだよ)


京太郎(ついでに、だ)

京太郎(アイツがカンして、裏ドラを乗せたことはない)

京太郎(二つカンをしても、同じ)

京太郎(あの王牌の中に、裏ドラの位置に――風牌は存在しない)

京太郎(今までの局を見るに、最後のツモに纏まってる)

京太郎(最後の2つ~3つは風牌! それは確定!)


京太郎(ハギヨシさんと、金髪の手牌)

京太郎(そこから目指せる最終形……するはずのツモ)

京太郎(全員の手牌を読めば、逆算できる!)

京太郎(これまで、随分と局を重ねた……何度も何度も連荘が続いた)

京太郎(お前の能力なんだろうが……勝ち筋なんだろうが……!)

京太郎(そのおかげで、俺にもお前の手牌を読む『材料』が集まったぜ)


京太郎(だから――俺は)





京太郎「リーチ!」





京太郎「――カンッ!」





京太郎「ツモッ!」


京太郎(運なんかに頼らなくても、裏ドラを乗せられる――!)


京太郎「リーチ、嶺上開花・ツモ、三暗刻、ドラ6」

京太郎「12000オールだ!」


京太郎(これ……五筒開花だったか)

京太郎(特にそんな役はないけど……綺麗な和了だ)

京太郎(あの日の、赤い花みたいでな)


京太郎(ありがとう、穏乃……本当に)

京太郎(本当に……)

京太郎(『ありがとう』……)

京太郎(俺には、それしか言えない……言う言葉が見つからない)



――――――――――
  南四局目・結果
――――――――――

京太郎:129300 (+36000)
ハギヨシ:72100 (-12000)
竜田(金髪):103400 (-12000)
下足(黒髪):95200 (-12000)


  ◇  ◆  ◇


京太郎(なんつーか、やっぱり)

京太郎(綺麗な逆転K.O.ってのは……気持ちがいいな)

京太郎(疲れ……たぜ)

京太郎(弘世先輩ならもっとさっさと狙い射つし……)

京太郎(辻垣内先輩なら、スマートに行く)

京太郎(荒川プロとか、ありゃ化け物だしな……)

京太郎(……ま)

京太郎(勝ったぜ。俺が)


竜田「……」

下足「……嘘」

京太郎「嘘じゃない。俺の、勝ちだ」

京太郎「つまらない逃げじゃない。セコい勝ち方じゃない」

京太郎「俺が……正面からお前らを、倒したんだよ」

竜田「……」

下足「……」


京太郎「だから言ったろ?」

京太郎「俺が勝つ。負けを教えてやる……ってさ」


京太郎「これで……わかって貰えたか?」

竜田「……」

下足「……」

京太郎「俺には何もないけど、それでも努力すれば君たちには勝てる」

京太郎「何がなくても、勝てない理由にはならない。麻雀に絶対はない」


京太郎「麻雀、つまらなかったんだろ?」

京太郎「だから、宮永プロたちと戦って――」

京太郎「――負けたかった」

京太郎「自分たちが絶対に勝つんじゃないって……」

京太郎「自分たちの打つ麻雀はつまらないって……」

京太郎「そうじゃないことを、証明して欲しかった」

京太郎「違うか?」

竜田「……」

下足「……そう、です」


京太郎「……」

京太郎「なんつーかさ」

京太郎「俺には、そんな能力がないから……解ってるなんていえねーけどさ」

京太郎「それでも……」

竜田「……はい」

下足「……」

京太郎「その力は……な」

京太郎「今はつまらないかもしれないけど、いずれそれは仲間の支えになれる素晴らしい力なんだよ」

京太郎「きっと、頼りにされる」

京太郎「純粋な麻雀じたいの楽しさとは違うかもしれないけど、別の楽しさ……」

京太郎「みたいのを、味わえると思う。仲間と一緒に」

竜田「……仲間?」

下足「です、か……?」

京太郎「ああ。仲間だ」


京太郎「だから……さ」

京太郎「だから、麻雀を嫌わないでくれ。夢や希望を失わないでくれ」

竜田「……夢?」

下足「希望……?」

京太郎「みんなと、麻雀を打つこと」

京太郎「楽しく、麻雀を打つこと」

京太郎「そうしたいって……思ってるんだろ?」

竜田「……はい」

下足「そう、です……」

京太郎「だよな」

京太郎「だったら、力のことで悩まないもんな」


京太郎「そりゃあ、さ……」

京太郎「やめたくなったなら……他にやりたいことができたなら、別にいいぜ」

京太郎「それは君たちの人生で、君たちの自由だ」

竜田「……自由?」

京太郎「ああ、自由だ」

京太郎「麻雀は打たされるものじゃない。打つモンだからな」

京太郎「やりたいならやればいいし、やりたくないならやめればいい」

京太郎「俺だって……一回は打つことから遠ざかったんだよ」

竜田「……須賀プロでも?」

下足「こんなに、強いのに……?」

京太郎「そうだ」

京太郎「ついでに言うなら、妹の方の宮永プロもな」

竜田「……そう」

下足「なん、だ……」


京太郎「だから結局、どうしたいかなんて君たちの好きにしていいんだよ」

京太郎「嫌いにならないで欲しいとは言ったけど……」

京太郎「好きになれとか……打ち続けろとか……」

京太郎「俺は、そういうことは言わない。君たちに、強制なんてしない」

竜田「……」

下足「……」


京太郎「……でもさ」

京太郎「でも……麻雀がつまらないって言うなら」

京太郎「それでもどうしてもつまらない……と思うなら、俺を呼べよ」

京太郎「呼んでくれたらまた俺が戦う。そんで勝つ」

京太郎「何度でも勝って、凡人でも君たちを倒せるって……麻雀に絶対はないって証明してやる」

京太郎「俺には絶対なんてものはない。それでも、勝ってみせる」

竜田「……ぅ」

下足「ぁ……」

京太郎「俺は――麻雀プロだ。オカルトスレイヤーだ」

京太郎「だから、そんなときは……」

京太郎「いつでも俺が駆けつける」

京太郎「君たちが泣いているなら、その涙を拭いにいく」



京太郎「――俺が君たちの、最後の希望になる」



竜田「私たちも……本当は……」

竜田「みんなと、楽しく……麻、雀を……」

竜田「打ち、たかった……!」

下足「誰かに……誰か、に……!」

下足「止めて、欲しかったん、です……!」


京太郎「……ああ」


京太郎「辛かったよな……苦しかったよな」

京太郎「いいんだよ、泣いて」

京太郎「無理に我慢なんてしなくていいんだ」

京太郎「そうじゃないと……さ。周りは判らないんだ」

京太郎「きっと、君たちは強いんだ」

京太郎「なんとか頑張って、頑張って、頑張って……」

京太郎「自分たちでなんとかしようとした」

京太郎「最後の、最後まで」

京太郎「君たちは……強かったんだ。その歳には不釣り合いなくらい、強かった」


京太郎「よく……頑張ったな」

京太郎「偉いぞ」

京太郎「だから……今は、誰かに頼ってもいい」

京太郎「泣いても、いいんだよ」

京太郎「泣いてから……また、笑えばいいんだ」

     ・

     ・

     ・

京太郎(……)

京太郎(ドーモ、ミナ=サン。オカルトスレイヤーです)

京太郎(子供たちの鼻水で、シャツがべちゃべちゃです)

京太郎(やっぱ、オカルトだなんだっつっても、子供だよなぁ……)

京太郎(子供っつっても、穏乃や咲や照さんより……いやなんでもない)


京太郎「泣き止んだ?」

竜田「……はい」

下足「あの……すみません」

下足「クリーニング代を……」

京太郎「いいって、いいって」

京太郎「そんな金あるなら、何か美味いもんでも食いなよ」

京太郎「ここのカツ丼とかも、美味いぜ?」

竜田「……あはは」

下足「はい」


竜田「須賀プロ」

竜田「……本当に、ごめんなさい」

下足「色々、失礼なことを言っちゃって……すみません」

京太郎「だーかーら、気にすんなっての」

京太郎「俺も、挑発するみたいなこと言ったからな」

京太郎「それでお相子だよ、お相子」

竜田「でも……」

下足「やっぱり……」

京太郎「いいから、この話はおしまい!」

京太郎「どうしてもっつーなら、笑え」

京太郎「笑顔になれよ。な?」

竜田「笑顔……」

下足「……ですか?」

京太郎「そうそう」

京太郎「『LESSON3』――『笑顔は無限の力。信じろ』ってな」


京太郎「……それに」

京太郎「辛気くさい顔するよりも、笑顔の方が可愛くて似合ってるぜ?」

竜田「……ぁぅ」

下足「可愛……」


京太郎「ま、これで勉強になっただろ?」

京太郎「麻雀プロは、怖いって」

京太郎「俺だから良かったけど……」

京太郎「弘世プロなら鉄球投げてるし、宮永姉プロでも鉄球投げてるし……」

京太郎「小走プロならフン捕まえて盾にするし、辻垣内プロなら鉄パイプでボッコボコだし……」

京太郎「妹の方の宮永プロなら血の花咲かせるし、大星プロは髪の毛で縛り付けてくるし……」

京太郎「荒川プロならオペ室に連れ込まれて大鋏で切られるからな?」

竜田「……ひっ」

下足「う……嘘、ですよね?」

京太郎「いやー、どうだろうなー」


京太郎「……ま、世の中は広いし」

京太郎「『麻雀に絶対はない』って、解ってくれたらいいよ」

京太郎「勉強になったんなら、麻雀教室の意味はあったしな」

竜田「……はい」

下足「勉強に……なりました」

京太郎「ん、よし」

京太郎「それだけ解ってくれたなら……オッケーだ」

竜田「……」

下足「……」


竜田「それだけじゃ、ないですよ」

下足「それだけじゃ、ないです」

京太郎「ん?」

京太郎「まだ何か、あったか?」

竜田「はい」

下足「耳を、貸して貰えますか?」

京太郎「耳ィ?」

京太郎「別に、いいけどさ」


竜田「私たちの――」

下足「勉強になったのは――」




「――須賀プロ、すっごくカッコよかったって事です」




京太郎「……へっ」

京太郎「……えっ」

京太郎「えっ……」


竜田「だから今のは……」

下足「お礼……です」


京太郎「へっ」

京太郎「えっ」

京太郎「えっ」


竜田「……そ、それじゃあ!」

下足「あ……ありがとう、ございましたー!」


京太郎「へっ」

京太郎「えっ」

京太郎「えっ」


 言うなり、京太郎の頬に両側から口付けした二人は。

 顔を朱に染めて、足早に店内から立ち去っていった。


京太郎「……」

京太郎「……」

京太郎「……えっ」


 あまりの出来事に理解を放棄した男と……。


「さっすが兄貴だぁ!」

「ヒュー! 見ろよあの打ち筋!」

「そこに痺れる、憧れるゥ!」

「えっ……。えっ……」

「うわははは……す、すっごいの見ちゃった……」

「兄貴を信じてたよ!」


 歓声に湧くギャラリーを残して。


京太郎「……」

京太郎「……」

京太郎「オレェ?」

京太郎「いやいや、ハハハ」

京太郎「ノーウェイ、ノーウェイ」


和「確かに、長野県にはその手の条例はありませんが……」

和「13歳未満は、条例じゃなく刑法でアウトですね」

和「そのあたり、卓でも囲みながら話し合いましょう」

京太郎「い、いや……」

京太郎「流石にそんなことは……ないから」

和「友人を犯罪者にしたくはありませんし」

和「咲さんも、ゆーきも悲しみますからね」

京太郎「お、おい……!」


マホ「流石、京太郎先輩です!」

マホ「今のを見てたら、久しぶりに先輩と打ちたくなっちゃいました」

マホ「打ちましょう、京太郎先輩!」

京太郎「じゅ、純粋な気持ちからってのは解るが……」

京太郎「ちょっと俺、目が……」


久「あらあら、モテモテねー」

久「今なら、幸運の女神にもモテるんじゃないかしら?」

久「だから、打とっか」

京太郎(あ、この人ただ楽しんでるだけだ)


照「……京ちゃん」

京太郎「は、はい!」

照「私は京ちゃんを大事に思ってる」

京太郎「あ、はい」

京太郎「じゃあ……!」

照「だから、京ちゃんを嘘つきにしたくない」

照「望み通り鉄球を使ってあげる」

照「キャッチボールだ。何球にする?」

京太郎「ちょ……」


京太郎「さ、咲……! お前なら……」

咲「……ねえ、京ちゃん」

京太郎「なんだ……?」

咲「麻雀って楽しいよね!」

咲「一緒に楽しもうよ!」




京太郎「ヤッダァァァアバァァァァアァァァァア――――!」

 ドゥゥゥゥゥ――――――z_______ン!!!

                                   リタイヤ
 須賀京太郎『オカルトスレイヤー』――→『再起不能』


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【国広一の好感度が上昇しました!】

【ハギヨシの好感度が上昇しました!】

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最終更新:2013年09月22日 19:51