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*東西 天狐@akiharu国様からの依頼より 素晴らしく美しい青空。 打ってつけの体育祭日和。 小笠原のスタジアムでは、体育祭開催を告げる音が、どおんどおん、と遠くで聞こえていた。 その中で美少女ハンター・結城火焔は超機嫌が良かった。そりゃぁ、もうすこぶる上機嫌で。 彼女--そう美少女ハンターを名乗るこの少女も美少女だった--は、ある看護婦風美少女に抱き着いていた。 それは、akiharu国の天孤・阪明日見の両名が、コガという名の雷電--火焔の育ての親らしい--にモフモフしている隙だった。 火焔は幸せそうだ。 抱き着かれている美少女-労働1号かれんちゃんは、じと目で火焔を見た。 「いやー。美少女だったからさあ」 「犯・罪・です」 そうハッキリ言う。 そんな二人の様子を見てふぅ、と聞こえないため息を一息吐くと、天孤はかれんに抱き着いている火焔の体育着の襟首を掴んで、かれんからベリっと引きはがす。 「おさわりは禁止です」 と強い口調で言ったところまではかっこよかった。が、しかし。 天孤が触ってきた瞬間、火焔かわいらしく「きゃぁーっ」と叫び、なよなよとグラウンドの土の上にへたりこんで見せた。 何も知らない外野から見れば、そりゃ天孤がセクハラしたようにしか見えない。 酷い話だ。 集まってきた先生方に一瞬焦り、パニクる天孤。 嫌な思い出がフラッシュバックする。 「違うー、別に疚しい気持ちは…ちょっとはありましたかもしれないけどー」 あうあう、と口パクパク。しかし「ゴメンナサイ」と早期に全面降伏してしまった。 苦戦している天孤を見兼ねた阪は苦笑しながら、わらわらとやってきた先生方を追い払っていた。 「先生方、なんでもないですからっ」 そして火焔へと向き直す。 「火焔ちゃん、天狐さんは悪い人では…」 と、言った時にはもう、火焔は阪をさらっていた。 「そうかー!」 生返事で相槌を打ちながら、しかし火焔は嬉しそうに阪を抱えて走っていた。 …お姫様抱っこなのかな?(作者の呟き) 「はめられた?!」 うぎゃーと、かれんの横で叫ぶ天孤。 一方、阪の絶叫が轟くスタジアム。 「ってえーーー! 火焔ちゃんなぜにー!?たっけてー」 「くそう、うちの美小女は駄目です!」 一瞬の戸惑いの後、スイッチ・オン。天孤は火焔を追いかけた。 火焔はそりゃもう幸せそう。 「うお、美人おおいなー」 至福の時。 私の運動会は終わった(はーと)、と言わんばかり。 くおー、と叫びそうな気持ちを隠せず、天孤は横にいるかれんに手助け要請。 「かれんちゃん、追うよ!」 むふふな火焔。 「美少女ハンター・大・成・功」 もうなんか夢見ている。 そんな火焔のオーラを感じ取った天狐は『火焔ちゃんが幸せならそれでいいかなー』とか思い始めた。 「天狐さんーかれんちゃんーサーラ先生ー」 火焔にお姫様抱っこされたまま(注:あくまで作者希望)の阪の「たすけてぇー」にハッと我に返る天狐。 「いや、駄目だって!まーてー!」 ダッシュする天孤の横をヒュンと風が通り抜けていった。 アンドロイドであるかれんがジェットで飛び始めたのだ。 そして火焔と阪に追いついた。 「戻ってください」 じと目で火焔の前にあらわれたかれん。 しかし火焔の瞳は驚愕ではなく、喜びの色を表していた。 「おおっ、獲物がカモネギ!」 「きゃー、かれんちゃん、危ないです!離れてください!でないと貴方も~」 火焔の瞳の色に気付いた阪は叫ぶ。 一方、はひはひ言いながら走っている天狐。 追い抜いていったかれんを目で追いながら。 「早い?!早すぎる?!俺はスロウリィ?!」 いや、きっと遅くない。 火焔とかれんが早過ぎるだけです、きっと。 火焔を止めたらしいかれんに、走りながら天狐は目一杯叫んだ。 「かれんちゃん、はさみうちだ!」 彼に、美少女3人の様子はあまり見えていなかった。 お目めキラーンな火焔。すでに獲物を狙うハンター。すかさずかれんに向かってジャンプ! かれんに抱きついた。はずだった。 そしてサーラに転ばされた。 「はい。そろそろ競技ですよ?」 「さ、さすがです!サーラ先生!ありがとうございました…」 騒ぎがなかなか収まらずハラハラしていた阪明日見。少し涙目だった。 天狐もようやく4人に追い付く。 「さ、サーラ先生、助かりました、ありがとうございます」 ん?見てくるサーラへかれんも「無事です」と答える。まだじと目だが。 「いえいえ」 阪はそう答えながら美しく微笑むサーラに一瞬黒い気がしたのを感じた。 (はっ。なんだか黒いオーラを感じる…ような) 天狐は4人の周りに一瞬纏った黒いオーラを感じた気がした。 「ぞわぞわ・・・あれ?なんか黒い気が?」 なんだろう?ときょろきょろ。 しかし、二人の気のせいのようだ。 転ばされた火焔。まだ転んだまま、顔だけ上げてサーラに講義した。 「いったー!なにするのよ!」 「ふふ」 謎の笑みのまま笑うサーラ。 天孤はサーラを見向きもせず、火焔へ「えーと、どうぞ」と手を差し出した。バツ悪そうに。 「美少女じゃなくて悪いけど」 と言いながら。 だが、さすが火焔。 「うおー」と一叫びすると自力で立ち上がった。 「しょうがないなあ」 立ち上がると軽く伸びをして「暑いねえ」と呟いた。 所在なさ気な手を引っ込める天狐。 「…よし、じゃあ競技にいきましょうかー」 と、改めて火焔を見てドギマギした。 すらっとした、いいスタイルにブルマーは犯罪だと思った。 火焔は赤い髪を振りながら足を伸ばしている。 そんな足にもつい、目が行ってしまう。 軽い準備運動を済ませる火焔。天孤の目線に気付かず、土を払ったりしていた。 ブルマの裾を直したりしている様は、天孤以下火焔スキー陣には堪らない瞬間だった。 一騒ぎも落ち着く頃。 スタジアムに響くアナウンス。 『第一種目、パン食い競争に出場の選手の皆様は、入場ゲート側まで集合してください。繰り返します…』 先ほど、火焔が「いくぞ!コガ!」と呼んだのに対し、いってらっしゃいという風に、あくびをしたコガ。 しかしパン食い競争と聞き、やる気になったらしい。 さすが食い意地張ったコガ。 阪は柔らかく微笑む。 「コガは食欲旺盛だなぁ~」 「メロンパン、狙うのはメロンパン…火焔ちゃん、絶対負けないからな!」 天孤はすこーし力みすぎのようだ。 そんな天孤とは別に火焔は燃えている。ちょー燃えている。 阪・コガ・火焔・天孤と並びスタートラインに立つ。 よーい。 どん。 ピストルのパァーンと言う音が鳴り響いた瞬間、火焔は恐ろしい運動力で走った。 しかしそんな火焔より遥かにコガのほうが速かった。 心の準備がまだだった阪。 「うぁ、はじまった!」 ちょっと@@になりながら走り始めるが、目の前は壮絶だわ、緊張で足はすくむわ、で前に進まなかった。 天狐は力みまくりで叫びながら走る!走る!走る! 「どおおおりゃああああ!!」 しかし、コガと火焔は遥か彼方。 「分かってたけどはえええええええええ!!!」 必死に走る選手達。しかしコガはパンのとこへと1番乗りでやってくると、全部のパンをジャンプして食いちぎり、走って学校の外へいってしまった。 「あーーーーー!!!コガーーー!!!」 「ちょ、こがーーーーーーーーーーーー!!!!」 「あー!」 ちょ、おま、パン返せーっ!な空気漂うスタジアム。 「みんな、追いかける!!」 「うん、おいかけるっ!」 「だ、駄犬!ばかー。飼い主が頭悪そうだろ!」 とは火焔の叫びだ。 この後、借り物競争へと続くが、火焔の美少女伝説はまだまだ続いたのだった。  /※/ おまけ。 華麗なジャンプで、すべてのパンを奪取したコガは、嬉しそうにスタジアムを出て、落ち着ける場所でパンを頬張った。 10tもある雷電には、これくらいの量はただのおやつだかつまみ食い程度なもんだろう。 そしてふと思い耽る。 火焔を想う男性がいるがなかなか上手くいかないらしい様を、どうしたもんかなぁ~、と。 [終わり] ---- 発注者:東西 天狐@akiharu国様 http://cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=ntr;tree=89;id=gaibu_ita#192 受注者:涼華@海法よけ藩国 http://cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=one;no=487;id=UP_ita ---- |counter:|&counter()| |yesterday:|&counter(yesterday)|
*東西 天狐@akiharu国様からの依頼より 素晴らしく美しい青空。 打ってつけの体育祭日和。 小笠原のスタジアムでは、体育祭開催を告げる音が、どおんどおん、と遠くで聞こえていた。 その中で美少女ハンター・結城火焔は超機嫌が良かった。そりゃぁ、もうすこぶる上機嫌で。 彼女--そう美少女ハンターを名乗るこの少女も美少女だった--は、ある看護婦風美少女に抱き着いていた。 それは、akiharu国の天孤・阪明日見の両名が、コガという名の雷電--火焔の育ての親らしい--にモフモフしている隙だった。 火焔は幸せそうだ。 抱き着かれている美少女-労働1号かれんちゃんは、じと目で火焔を見た。 「いやー。美少女だったからさあ」 「犯・罪・です」 そうハッキリ言う。 そんな二人の様子を見てふぅ、と聞こえないため息を一息吐くと、天孤はかれんに抱き着いている火焔の体育着の襟首を掴んで、かれんからベリっと引きはがす。 「おさわりは禁止です」 と強い口調で言ったところまではかっこよかった。が、しかし。 天孤が触ってきた瞬間、火焔かわいらしく「きゃぁーっ」と叫び、なよなよとグラウンドの土の上にへたりこんで見せた。 何も知らない外野から見れば、そりゃ天孤がセクハラしたようにしか見えない。 酷い話だ。 集まってきた先生方に一瞬焦り、パニクる天孤。 嫌な思い出がフラッシュバックする。 「違うー、別に疚しい気持ちは…ちょっとはありましたかもしれないけどー」 あうあう、と口パクパク。しかし「ゴメンナサイ」と早期に全面降伏してしまった。 苦戦している天孤を見兼ねた阪は苦笑しながら、わらわらとやってきた先生方を追い払っていた。 「先生方、なんでもないですからっ」 そして火焔へと向き直す。 「火焔ちゃん、天狐さんは悪い人では…」 と、言った時にはもう、火焔は阪をさらっていた。 「そうかー!」 生返事で相槌を打ちながら、しかし火焔は嬉しそうに阪を抱えて走っていた。 …お姫様抱っこなのかな?(作者の呟き) 「はめられた?!」 うぎゃーと、かれんの横で叫ぶ天孤。 一方、阪の絶叫が轟くスタジアム。 「ってえーーー! 火焔ちゃんなぜにー!?たっけてー」 「くそう、うちの美小女は駄目です!」 一瞬の戸惑いの後、スイッチ・オン。天孤は火焔を追いかけた。 火焔はそりゃもう幸せそう。 「うお、美人おおいなー」 至福の時。 私の運動会は終わった(はーと)、と言わんばかり。 くおー、と叫びそうな気持ちを隠せず、天孤は横にいるかれんに手助け要請。 「かれんちゃん、追うよ!」 むふふな火焔。 「美少女ハンター・大・成・功」 もうなんか夢見ている。 そんな火焔のオーラを感じ取った天狐は『火焔ちゃんが幸せならそれでいいかなー』とか思い始めた。 「天狐さんーかれんちゃんーサーラ先生ー」 火焔にお姫様抱っこされたまま(注:あくまで作者希望)の阪の「たすけてぇー」にハッと我に返る天狐。 「いや、駄目だって!まーてー!」 ダッシュする天孤の横をヒュンと風が通り抜けていった。 アンドロイドであるかれんがジェットで飛び始めたのだ。 そして火焔と阪に追いついた。 「戻ってください」 じと目で火焔の前にあらわれたかれん。 しかし火焔の瞳は驚愕ではなく、喜びの色を表していた。 「おおっ、獲物がカモネギ!」 「きゃー、かれんちゃん、危ないです!離れてください!でないと貴方も~」 火焔の瞳の色に気付いた阪は叫ぶ。 一方、はひはひ言いながら走っている天狐。 追い抜いていったかれんを目で追いながら。 「早い?!早すぎる?!俺はスロウリィ?!」 いや、きっと遅くない。 火焔とかれんが早過ぎるだけです、きっと。 火焔を止めたらしいかれんに、走りながら天狐は目一杯叫んだ。 「かれんちゃん、はさみうちだ!」 彼に、美少女3人の様子はあまり見えていなかった。 お目めキラーンな火焔。すでに獲物を狙うハンター。すかさずかれんに向かってジャンプ! かれんに抱きついた。はずだった。 そしてサーラに転ばされた。 「はい。そろそろ競技ですよ?」 「さ、さすがです!サーラ先生!ありがとうございました…」 騒ぎがなかなか収まらずハラハラしていた阪明日見。少し涙目だった。 天狐もようやく4人に追い付く。 「さ、サーラ先生、助かりました、ありがとうございます」 ん?見てくるサーラへかれんも「無事です」と答える。まだじと目だが。 「いえいえ」 阪はそう答えながら美しく微笑むサーラに一瞬黒い気がしたのを感じた。 (はっ。なんだか黒いオーラを感じる…ような) 天狐は4人の周りに一瞬纏った黒いオーラを感じた気がした。 「ぞわぞわ・・・あれ?なんか黒い気が?」 なんだろう?ときょろきょろ。 しかし、二人の気のせいのようだ。 転ばされた火焔。まだ転んだまま、顔だけ上げてサーラに講義した。 「いったー!なにするのよ!」 「ふふ」 謎の笑みのまま笑うサーラ。 天孤はサーラを見向きもせず、火焔へ「えーと、どうぞ」と手を差し出した。バツ悪そうに。 「美少女じゃなくて悪いけど」 と言いながら。 だが、さすが火焔。 「うおー」と一叫びすると自力で立ち上がった。 「しょうがないなあ」 立ち上がると軽く伸びをして「暑いねえ」と呟いた。 所在なさ気な手を引っ込める天狐。 「…よし、じゃあ競技にいきましょうかー」 と、改めて火焔を見てドギマギした。 すらっとした、いいスタイルにブルマーは犯罪だと思った。 火焔は赤い髪を振りながら足を伸ばしている。 そんな足にもつい、目が行ってしまう。 軽い準備運動を済ませる火焔。天孤の目線に気付かず、土を払ったりしていた。 ブルマの裾を直したりしている様は、天孤以下火焔スキー陣には堪らない瞬間だった。 一騒ぎも落ち着く頃。 スタジアムに響くアナウンス。 『第一種目、パン食い競争に出場の選手の皆様は、入場ゲート側まで集合してください。繰り返します…』 先ほど、火焔が「いくぞ!コガ!」と呼んだのに対し、いってらっしゃいという風に、あくびをしたコガ。 しかしパン食い競争と聞き、やる気になったらしい。 さすが食い意地張ったコガ。 阪は柔らかく微笑む。 「コガは食欲旺盛だなぁ~」 「メロンパン、狙うのはメロンパン…火焔ちゃん、絶対負けないからな!」 天孤はすこーし力みすぎのようだ。 そんな天孤とは別に火焔は燃えている。ちょー燃えている。 阪・コガ・火焔・天孤と並びスタートラインに立つ。 よーい。 どん。 ピストルのパァーンと言う音が鳴り響いた瞬間、火焔は恐ろしい運動力で走った。 しかしそんな火焔より遥かにコガのほうが速かった。 心の準備がまだだった阪。 「うぁ、はじまった!」 ちょっと@@になりながら走り始めるが、目の前は壮絶だわ、緊張で足はすくむわ、で前に進まなかった。 天狐は力みまくりで叫びながら走る!走る!走る! 「どおおおりゃああああ!!」 しかし、コガと火焔は遥か彼方。 「分かってたけどはえええええええええ!!!」 必死に走る選手達。しかしコガはパンのとこへと1番乗りでやってくると、全部のパンをジャンプして食いちぎり、走って学校の外へいってしまった。 「あーーーーー!!!コガーーー!!!」 「ちょ、こがーーーーーーーーーーーー!!!!」 「あー!」 ちょ、おま、パン返せーっ!な空気漂うスタジアム。 「みんな、追いかける!!」 「うん、おいかけるっ!」 「だ、駄犬!ばかー。飼い主が頭悪そうだろ!」 とは火焔の叫びだ。 この後、借り物競争へと続くが、火焔の美少女伝説はまだまだ続いたのだった。  /※/ おまけ。 華麗なジャンプで、すべてのパンを奪取したコガは、嬉しそうにスタジアムを出て、落ち着ける場所でパンを頬張った。 10tもある雷電には、これくらいの量はただのおやつだかつまみ食い程度なもんだろう。 そしてふと思い耽る。 火焔を想う男性がいるがなかなか上手くいかないらしい様を、どうしたもんかなぁ~、と。 [終わり] ---- **作品への一言コメント 感想などをお寄せ下さい。(名前の入力は無しでも可能です) #comment(,disableurl) ---- 発注者:東西 天狐@akiharu国様 http://cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=ntr;tree=89;id=gaibu_ita#192 受注者:涼華@海法よけ藩国 http://cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=one;no=487;id=UP_ita ---- |counter:|&counter()| |yesterday:|&counter(yesterday)|

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