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*NO.140 悪童屋@悪童同盟さんからの依頼  言霊と言うものがある。  言霊。文字通り「『言』に宿る『霊』」の意である。  この言霊と言うものは扱いの大変難しいものである。  使い方を間違えれば間違いなく相手の気分を害し、時に残酷に傷つける代物だが、使い方さえ誤らなければ、相手に対し、希望の光を与えるものである。  これは、大事にしまっていた言霊を、使うまでの閑話である。 /*/  悪童屋は執務室にいた。  砂漠の風は、熱を含んで暑い。  窓から吹く熱を帯びた風を受けながら、一心に仕事をしていた。  いつものように、下から上がってくる業務連絡に目を通し、確認をし、検閲印を押し、間違っているものは指摘して下に返す。  いつものように、その作業に没頭していた。  この所、スイトピーとは連絡が取れていなかった。  悪童屋にとって、彼女は何者にも変えられない大切な存在だった。  彼女の若さが眩しかった。  自分とは違う目で見る世界が眩しかった。  彼女の笑顔が眩しかった。  逢いたい。  しかし……。 「よろしいのですか?」  よっきーが悪童屋の印の押した書類を集めて整理しながら、心配そうに言った。 「何がだ?」 「スイトピー様の事です。この所ずっと執務室で仕事に没頭されて、連絡が取れていないように思えるのですが」  悪童屋は作業を止めなかった。 「分かっている」 「なら、どうして行かないのですか?」  悪童屋は、いつものように一瞬深く考えた後、笑みを浮かべた。 「スイトピーが大事だから、余計に仕事に手を抜けないのだよ」 「と、おっしゃるのは?」 「俺は彼女にとって、大事な「おじさま」でいないといけない。仕事を疎かにし、国民を路頭に迷わせるような事になったら、それこそスイトピーに合わせる顔がなくなる。それに、もうすぐ……」 「? 藩王?」 「……何、すぐ分かる」  悪童屋はそれだけ言うと、視線を書類に戻した。  よっきーは釈然としない顔を浮かべたが、「手が遅れている」と言う悪童屋の指摘に慌てて書類に舞い戻った。 /*/ 「俺と一緒に暮らさないか?」  大事にしまっていたその言葉を告げる為に。  俺は彼女に相応しい人間になろう。  悪童屋は、次に赴くその時の事を考えていた。  彼女に次に逢えるその時の時間が、1秒でも早くなると信じて、悪童屋は作業を終えた。 「仮眠してくる。10分経ったら起こしてくれ」  その言葉の元で、彼女の青空の下の笑顔を見るのは、これから12時間も先の事である。 ---- **作品への一言コメント 感想などをお寄せ下さい。(名前の入力は無しでも可能です) #comment(,disableurl) ---- 御発注主:悪童屋@悪童同盟様 http://cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=ntr;tree=224;id=gaibu_ita#239 製作者:金村佑華@FEG http://cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=one;no=925;id= ---- |counter:|&counter()| |yesterday:|&counter(yesterday)|

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