遊戯王5D'sの最終回

ロンドン・ビッグベン
ライダーがバイクで走っていた。

女性「いやああっ! もう!」

バイクは校舎の前に到着。

女性「全くもう!」

ヘルメットを外すと、後ろに乗っていたのは龍可だった。
生徒達は龍可を見て照れる。

龍可「龍亜、スピード出さないでって言ったでしょ?」
龍亜「未来のライディングデュエルチャンピオンに、そんな事言われても無理だぜ。じゃあな龍可」

龍亜は走り去っていく。

女子生徒達「龍可!」「今の龍可のお兄さんでしょ?」「かっこいい!」
龍亜「遊星達と比べたらまだまだ……」


サーキット場

レーサー「クロウ。本当にチームを抜けるのか?」「どうしてだ? 俺達は世界チャンピオンにまでなったのに!」
クロウ「もう俺がチームでやれることはやった。お前達に伝える事ももうない…… 俺も自分の力を試したくなっちまった。ジャックみたいに」
レーサーたち「クロウ……」
クロウ「それに、俺の代わりにチームに入る奴なら、絶対に俺以上の活躍をしてくれる」

クロウが見せたのは龍亜だった。

デュエル会場

客たち「ジャック・アトラス様!」
記者「キング! 相手はクロウ・ホーガンがシングルリーグの参戦を共鳴していますが、クロウは自分がチャンプになると言っていますが、何かコメントを……」
ジャック「ならばクロウに伝えておけ。貴様が束になろうと、俺に土をかけるのは不可能だとな! 俺は誰にも負けん。奴に勝つまではな!」


病院
アキはジャックの中継を見ていた。

アキ「全く。ジャックも相変わらずね……」

そこへナースが駆け込んでくる。

ナース「ドクターアキ、私もう無理です。もう見てられないんです!」
アキ「諦めちゃ駄目」
ナース「えっ?」
アキ「私達は笑顔で彼らを応援しなくちゃいけないのよ……」
ナース「ドクターアキはどうしてそんなに強いんですか!?」
アキ「決して諦めない事、いつも笑顔でいる事。それを教えてくれた人がいたの…… 自分の可能性を信じて、チャレンジすることを。だから頑張れる…… いつかそれを教えてくれた人に、胸を張ってあるようになる為に」


時は遡り、遊星とジャックのデュエルに戻る。

ジャック「『スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン』の攻撃力は、俺の墓地のチューナーモンスター1体につき500ポイントアップする。俺の墓地に眠るチューナーモンスターは5体! よって、『スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン』の攻撃力は2500ポイントアップする!」

スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン:攻撃力3500→6000

ジャック「カードを1枚伏せ、ターンエンド」
遊星「俺のターン!『スピード・ワールド2』の効果発動。スピードカウンターを7個取り除き、カードを1枚ドローする。チューナーモンスター、『マッハ・シンクロン』を召喚!」

遊星が『マッハ・シンクロン』を召喚。

遊星「レベル1の『ロードランナー』に、レベル1の『マッハ・シンクロン』をチューニング! 集いし願いが、新たな速度の地平へ誘う。光差す道となれ! シンクロ召喚! 希望の力、『フォーミュラ・シンクロン』!」

遊星が『フォーミュラ・シンクロン』をシンクロ召喚。

遊星「『マッハ・シンクロン』がシンクロ素材となった時、『マッハ・シンクロン』以外のシンクロ素材を手札に戻す。さらに、『フォーミュラ・シンクロン』がシンクロ召喚に成功した事により、デッキからカードを1枚ドローする!」
ジャック「シンクロチューナー…… 奴を呼ぶ気か?」
遊星「クリアマインド! レベル8シンクロモンスター『スターダスト・ドラゴン』に、レベル2シンクロチューナー『フォーミュラ・シンクロン』をチューニング! 集いし夢の結晶が、新たな進化の扉を開く。光差す道となれ! アクセルシンクロ!!」

『スターダスト』と『フォーミュラ・シンクロン』が消える。

ジャック「消えた?」
遊星「招来せよ。『シューティング・スター・ドラゴン』!!」

遊星が『シューティング・スター・ドラゴン』をシンクロ召喚。


光り差す未来へ


ジャック「現れたな。『シューティング・スター・ドラゴン』! 狙いは『クリムゾン・ブレーダー』か? だが『スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン』の効果は、自身をこのターン除外すれば、お前の攻撃を無効にできる」
遊星「しかしそれは1度だけ。『シューティング・スター・ドラゴン』は、デッキの上からカードを5枚確認し、チューナーモンスターの数だけ攻撃できる!」

遊星はカードをめくる。

遊星「俺が引いたチューナーは3枚。よって『シューティング・スター』は3回の攻撃が可能となる。『スターダスト・ミラージュ』!」

『ただいまより、このルートはデュエル優先道路となります』

トラックにはラリー達が乗っていた。

ブリッツ「誰だ? こんな朝っぱらからデュエルなんて」
ラリー「いいじゃん×2。この町はデュエルが優先だよ!」

遊星とジャックがトラックを横切る。

ブリッツ「遊星とジャックだ!」
ラリー「遊星、頑張れ!」
遊星「『シューティング・スター・ドラゴン』で、『クリムゾン・ブレーダー』を攻撃!」

『シューティング・スター』が『クリムゾン・ブレーダー』を戦闘によって破壊。

ジャック:LP2900→2400

ジャック「さぁ、残り2回の攻撃をしてみろ遊星! 俺の魂を吹き飛ばせると言うのならな」
遊星「くっ……」
クロウ「『スカーレッド・ノヴァ』の攻撃力は6000……『シューティング・スター』の攻撃力は3300。無茶言うぜジャックの奴……」
遊星「カードを2枚伏せてターンエンド」
ジャック「俺のターン! 永続罠発動。『スカーレッド・コクーン』! このカードは、『スカーレッド・ノヴァ』の装備カードとなり、『スカーレッド・ノヴァ』がバトルする時、相手モンスターの効果を無効にする!」
龍亜「これじゃあ『シューティング・スター』はフィールドから逃げられない!」
龍可「この攻撃が決まれば、ジャックの勝ちだわ」
クロウ「どうする? 遊星……」
ジャック「『スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン』、『シューティング・スター・ドラゴン』に攻撃!『バーニング・ソウル』!!」

遊星とジャックが二手に分かれる。

遊星「罠発動。『ハイ・アンド・ロー』! デッキからカードを1枚墓地へ送り、そのカードがモンスターだった時、その攻撃力分、攻撃対象となったモンスターの攻撃力をアップする。 この効果は3回まで繰り返すことができるが、対象モンスターの攻撃力が相手モンスターの攻撃力を越えた時、そのモンスターを破壊する!」
ジャック「なるほど。その効果でダメージを減らそうって魂胆か!」
遊星「ジャック! これは俺の未来を試す一手だ。このドローはきっと俺の未来を指し示してくれる…… ドロー!」

遊星「『ソニック・ウォリアー』の攻撃力は1000!」

シューティング・スター・ドラゴン:攻撃力3300→4300

遊星「俺は2枚目をドロー!」

遊星「『スピード・ウォリアー』の攻撃力は900!」

シューティング・スター・ドラゴン:攻撃力4300→5200

龍亜「これで『スカーレッド・ノヴァ』との攻撃力さの差は800」
龍可「遊星のライフはギリギリ100残る……」
ジャック「さぁ! これで『シューティング・スター』は破壊され、お前のフィールドはガラ空きとなる!」
遊星「俺は『ハイ・アンド・ロー』の3回目の効果を使う!」
ジャック「ここで攻撃力が800より高いモンスターを引いたら、自滅だぞ?」
遊星「そんな事は分かってるさ。お前はなんのリスクも負わずに勝てる相手じゃない。俺は自分の可能性を、このドローにかける…… デッキよ、俺に応えよ!」

遊星のルートの先は溶解炉となっている。

ジャック「遊星! 貴様の先にはもう道はない! 諦めろ!  遊星!!」

遊星のDホイールがルートを飛び越える。

遊星「3枚目!!」

引いたカードをめくる。

遊星「『ボルト・ヘッジホッグ』の攻撃力は800! よって、『シューティング・スター』の攻撃力は6000!」

シューティング・スター・ドラゴン:攻撃力5200→6000

龍亜「凄い!」
アキ「遊星は自分の未来を引き寄せた」
ジャック「馬鹿な!『シューティング・スター』の攻撃力を『スカーレッド・ノヴァ』と同じにしただと!?」

『シューティング・スター』と『スカーレッド・ノヴァ』は共に戦闘によって破壊される。

ジャック「ぐうっ! だが、『スカーレッド・ノヴァ』に装備された『スカーレッド・コクーン』が破壊された事により、エンドフェイズに『レッド・デーモンズ・ドラゴン』を特殊召喚する事ができる!」
遊星「罠発動、『クラッシュ・スター』! フィールドのシンクロモンスターが破壊された時、手札と墓地から攻撃力1000以下のモンスターを1体ずつ守備表示で特殊召喚できる。来い、『ロードランナー』、『ソニック・ウォリアー』!」
ジャック「ターンエンドだ。そして蘇れ、『レッド・デーモンズ・ドラゴン』!」

『ロードランナー』と『ソニック・ウォリアー』、『レッド・デーモンズ・ドラゴン』がそれぞれ特殊召喚される。

ジャック「遊星! そんな雑魚共では、我が魂『レッド・デーモンズ・ドラゴン』には太刀打ちできんぞ!」
遊星「それはどうかな?」
ジャック「何!?」
遊星「ジャック! どうやら俺には自分の答えが見えて来たぜ。俺のターン!」

遊星がドローしたのは『ジャンク・シンクロン』だった。

遊星「俺は『ジャンク・シンクロン』を召喚!」

遊星が『ジャンク・シンクロン』を召喚。

遊星「『ジャンク・シンクロン』の召喚に成功した時、墓地のレベル2以下のモンスターを守備表示で特殊召喚できる。蘇れ、『スピード・ウォリアー』! さらに、チューナーモンスターがフィールドにいる時、墓地の『ボルト・ヘッジホッグ』を特殊召喚できる!」

墓地から『スピード・ウォリアー』と『ボルト・ヘッジホッグ』が特殊召喚される。

アキ「あのモンスター達は……」
龍可「遊星がずっと使って来たカード達……」
龍亜「いくら攻撃力が低くても、いくらレベルが低くても……」
クロウ「遊星がずっと愛して使って来たモンスター達、遊星のデュエルをずっと支えてきた仲間達だ……!」
遊星「レベル2の『ソニック・ウォリアー』に、レベル3の『ジャンク・シンクロン』をチューニング! 集いし星が、新たな力を呼び起こす。光さす道となれ! シンクロ召喚! 出でよ、『ジャンク・ウォリアー』!」

遊星が『ジャンク・ウォリアー』をシンクロ召喚。

ジャック「ここで『ジャンク・ウォリアー』だと!?」
遊星「『ソニック・ウォリアー』がシンクロ素材となった時、フィールドのレベル2以下のモンスターの攻撃力を400ポイントアップする!」

スピード・ウォリアー:攻撃力900→1300
ロードランナー:攻撃力300→700
ボルト・ヘッジホッグ:攻撃力800→1200

遊星「さらに、『ジャンク・ウォリアー』をシンクロ召喚に成功した時、フィールドのレベル2以下のモンスターの攻撃力の合計分、攻撃力をアップする。『パワー・オブ・フェローズ』!」

ジャンク・ウォリアー:攻撃力2300→5500

ジャック「攻撃力5500!?」
アキ「遊星のモンスターが、絆の力でパワーアップを? これが、遊星が示してくれた可能性……」
クロウ「俺達も絆があれば、いつだって強くいられる。俺は決めたぜ!」
アキ「私も決めた……!」
龍亜「俺も!」
龍可「私も!」
遊星「ジャック! お前とのデュエルが俺に教えてくれた。俺の魂に宿るものを……」
ジャック「やっと見つけたか。お前の道を……」
遊星「俺は…… この町に残る!!」

遊星の答えに驚く一同。

ジャック「遊星……」
遊星「……行くぞジャック!」

遊星がクレーンを走行、飛び越える。

遊星「『ジャンク・ウォリアー』で『レッド・デーモンズ・ドラゴン』を攻撃!『スクラップ・フィスト』!!」

『ジャンク・ウォリアー』が『レッド・デーモンズ・ドラゴン』を戦闘によって破壊。

ジャック「うわああっ!!」

ジャック:LP2400→0

ライディングデュエルは終了。2台のDホイールが停止する。

遊星「……」
ジャック「見事だ遊星。この世に不要なものなどない…… 絆を合わせ、強者を倒す渾身の一撃。俺の魂に響いたぞ遊星! どうやらここに戻る理由ができたな……」
遊星「いつでも戻って来いよ。俺は待っている」

拳と手を合わせる2人。

ジャック「次は負けんぞ!」
遊星「また全力を尽くそう!」

そこへアキ達がやってくる。

一同「遊星!」
遊星「皆!」
クロウ「決めたぜ遊星! 俺はプロリーグに行く」
アキ「私もしっかり勉強してくる!」
龍可「私も、向こうについたら毎週手紙書くね……」
龍亜「今まで甘えられなかった分まで甘えてきちゃうもんねー!」
遊星「皆それぞれ自分の道を見つけたんだな?」
クロウ「ああ!」
アキ「ええ……」
龍可、龍亜「うん!」
遊星「たとえ場所は離れていても、俺達の絆は永遠だ」
一同「おう!」


龍亜、龍可のマンション。

龍可「いろんな事があったね……」
龍亜「ああ。この街で起きた事はずっと忘れない」
龍可「龍亜も変わったね」
龍亜「えっ? そう!?」
龍可「昔はすぐに泣きべそを書いてたのに、頼もしくなったっていうか……」
龍亜「そ、そうかな?」
龍可「うん! 男らしくなった」
龍亜「まあ、これからは俺だけが龍可を守っていくんだからな……」
龍可「頼りにしてるわよ。お兄ちゃん」
龍亜「おおっ、うわああっ!!」


マーサハウス。

マーサ「そうかい。それがお前の決めた道なら、あたしは応援するよ……」
クロウ「サンキューな。でも、餓鬼共になんて言ったらいいか……」
マーサ「寂しがるだろうけど、しょうがないね。みんな、出ておいで!」
ギンガ「ようクロウ、元気にしてっか?」
ダイチ「プロリーグに行くんだってな……」
タイガ「クロウの実力で通用すんのかな?」
クロウ「お前達、知ってたのか?」
ヒカリ「まあね」
ココロ「私達も子供じゃないしさ……」
ギンガ「クロウがいなくても寂しくないし、とっとと行っちゃえよ」
クロウ「あ……」
ダイチ「そうすりゃ、俺たちも清々するって……」
タイガ「そうだ×2。清々するって……」

ダイチとタイガが泣き始める。

ギンガ「お前達駄目だろ! 俺達は、クロウ兄ちゃんに心配かけないように送り出すんだって……」
ヒカリ、ココロ「うわああーん!!」
クロウ「みんな、ありがとうな……」
ギンガ「クロウ兄ちゃん!」
ダイチ「きっと帰って来てね……」
ヒカリ「きっとだよ!」
ココロ「きっと……」
クロウ「ああ…… 俺は強くなってきっと帰って来る。ずっとお前達の夢でいる為にな……」


十六夜家。
アキは出発の準備をしていた。

英雄「本当に行くんだね?」
アキ「ええ…… 心配しなくても大丈夫よ。もう子供じゃないんだから」
英雄「お前の事だ。頑張り過ぎて倒れないかが心配だよ」
節子「彼にはちゃんとお別れは言ったの?」
アキ「えっ?」
英雄「遊星君だ。彼がいたから今のお前がいる。ちゃんと話をしたほうがいい……」
節子「行ってきなさい。彼の笑顔をその目に焼き付けに…… それが、遠く離れた場所であなたを励ましてくれるわ……」

アキ「うん。わかった……」

CAFE LA GEEN。
ステファニーは店の中からコーヒーを飲むジャックを見ていた。

ステファニー「ううっ、ジャック……」

そこへ御影がやってくる。

御影「アトラス様」
ジャック「何の用だ?」
御影「元治安維持局を代表して、選別を持ってきたんです……」
ジャック「選別?」

トラックにたくさん積んだ選別を見てジャックはコーヒーを吹いてしまう。

ジャック「なんなんだこの数は?」
御影「アトラス様のファンは多いものですから……」
ジャック「ええい、ここが俺の新たな拠点だ。ここの後方にでも送っておけ!」
ステファニー「あっ、あれって……」

選別の中にカーリーが紛れていた。

御影「カーリー、何やってるの?」
カーリー「あは。バレちゃった? だってこうしてれば、ジャックの元に行けるじゃない!」
御影「んなわけないでしょ?」
ジャック「降りろカーリー! 俺は世界のトップを取る。女など邪魔だ!」
カーリー「ジャック……」

ジャックはDホイールにまたがる。

御影「本当に行くんですね。アトラス様……」
ジャック「今度戻ってくるのは世界の覇者となった時だ。達者でな!」

ジャックが走り去る。

ステファニー「いいんですか? 御影さん。このまま行かせて……」
御影「本当は言いたいわ。あなたをどこにも行かせないって……」
カーリー「私だって、どこまでも密着取材したいんだから……」

御影がカーリーに殴りかかる。

御影「アトラス様は、私達が繋ぎとめられる人じゃない。最初からそれは分かってた……」
カーリー「ジャックの荒ぶる魂は、誰にも止めることはできないんだから……」
ステファニー「御影さん、カーリーさん……」
御影「だから、私は待つ事にしたの。ずっと……」
カーリー「私も待ってる。ジャックの事を……」
ステファニー「私も」
御影「ちょっと、なんであなた達も待つのよ?」
カーリー「あんたなんか待ってたらおばさんなんだから!」
御影「なんですって!?」
ステファニー「待つのは影の薄い女の役目です!」


夜。遊星がガレージを開けると、アキがいた。

遊星「アキ……」
アキ「電気は点けないで」
遊星「えっ!?」
アキ「ここで待ってたら、色々な事を思い出して…… 今の顔は見せられない。もうここには遊星しかいないのね……」
遊星「ああ。どうしたんだ?」
アキ「遊星には、ちゃんとお別れを言っておこうと思って」
遊星「そうか……」
アキ「遊星…… 私、あなたを…… あっ。あなたに会えてよかった……」
遊星「俺もだよ。アキ……」
アキ「遊星と会って始めの頃、本当はとっても怖そうな人だなって思ったの」
遊星「ははは! 俺だってそうさ。アキに睨まれると本当に怖いからな…… チーム戦で負けて帰ったら、 何されるかとビクビクしてたよ……」
アキ「ええっ? そんなこと思ってたの!?」
遊星「アキ、笑顔を忘れるな。お前の笑顔は、世界の誰よりも負けない……」
アキ「その笑顔をくれたのはあなたよ。遊星……」

見つめ合う2人。

アキ「じゃあ、行くね」
遊星「ああ…… 行って来い」

アキが遊星の元を去る。
遊星は展望から街を眺める。

?「不審者発見! これより職務質問を開始する」

声をかけたのは牛尾だった。

牛尾「よう!」
遊星「牛尾……」
牛尾「どうしたんだ!? こんな時間に」
遊星「今晩は眠りたくないんだ。あいつらがいる街を、この空気を感じて胸に刻んでおきたい」
牛尾「へっ。言う事が気障だねぇ…… 明日には、みんな出発するらしいな。いいのか本当に?」
遊星「本当は言いたいさ。皆ずっと一緒にいてくれって。でも、それはできない…… 皆が自分で選んだ道だから」
牛尾「お前達の絆はそれでいいのか?」
遊星「絆は絆さ、それに揺るぎはない。けど、俺達がこれから進んでいく未来は、絆だけでどうにかなるものじゃない。自分の人生は自分で責任を持って生きていかなきゃいけない。それが今なんだ…… 俺たちは、それぞれ次のステージに進むんだよ」
牛尾「ふーん。いつの間にかお前達も、大人になったんだな……」
遊星「ジャックと戦って気づいたんだ…… この街は俺自身だ。俺の魂はずっと、この街と共にあったんだって…… だったら」

遊星が手すりに登る。

牛尾「お、おい」
遊星「あいつらが戻って来た時、俺達の故郷は…… チーム5D'sが救った街は、こんなに素晴らしい場所だったんだって…… そう誇れるネオ童実野シティにしていくのが、俺の役目さ」


翌朝。チーム5D'sがラストランの体制に入っていた。

遊星「行くぞ皆! これが俺達のラストランだ!!」

Dホイールにまたがるチーム5D'sが走り始める。

ジャック「俺は必ず帰って来る! 真の王者となって!!」
クロウ「見てろよ餓鬼共。俺の活躍を!」
龍亜「ありがとう! ネオ童実野シティ!!」
龍可「私達の故郷!」
アキ「さよならは言わないわ。また会える日まで……」

そこへ赤き龍が現れる。

遊星「赤き龍?」

赤き龍が咆哮をあげる。
遊星たちの痣が赤き龍に回収される。

龍亜「見て! 見て! 痣が……」
龍可「離れていくわ!」
遊星「赤き龍…… お前は自分の役目を終えたんだな」

遊星が先頭で止まり、右手を挙げる。
他の5人は遊星にハイタッチ、それぞれ別の道を行く。
遊星は再び走り出す。

遊星「(ここからは、俺達が作り出す未来。走り続けようぜみんな! 人生という名のライディングデュエルを) ライディングデュエル、アクセラレーション!!」



(終)

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最終更新:2018年04月05日 12:00