オカシイ世の中覚え書き

パート2

 オープン以来、久間氏はたびたび、Aを訪れている。どうしてか。実は、久間氏とAを経営する野上政治氏(61)=仮名=とは昵懇の間柄である。久間氏がAを訪れる際には、大抵野上氏が同席する。そこに。不明朗な関係が見え隠れする。
「そもそも野上氏は、久間氏とは1年ほど前に、久間氏のパーティーで知り合った。野上氏は九州になじみが深いこともあり、急速に接近するようになったのです」
 と、二人を知る事情通。
 野上氏とはどういう人物か。彼には逮捕歴がある。
 平成10年5月、警視庁と長崎県警は、特別背任容疑で親和銀行(長崎県佐世保市)の辻田徹元頭取ら銀行幹部と、野上氏や暴力団員を逮捕した。当時取材に当たった記者は話す。
「平成5年ごろ、辻田頭取は、右翼団体や地元の暴力団に自分の女性スキャンダルを書いたビラをまかれるなどしたため、知人の野上氏に相談し、野上氏を通じて暴力団組長に揉み消しを依頼した。その見返りに、辻田頭取は野上氏が経営する化粧品販売会社などに約65億円の不正融資を行った」
 平成13年、東京地裁は野上氏に対して特別背任罪で懲役3年8ヶ月の実刑判決を言い渡した。
「彼は、裏社会でフィクサー的な存在として知られていた。彼の事業を支えていたのが、親和銀行からの不正融資です。東京・世田谷に豪邸を構え、地下1階に豪華なカラオケルームを作って取引宛伊を接待した。妻は元ミス・ユニバース日本代表で、これぞと思った相手は自宅に招き、美人の夫人がもてなす(事件後に離婚)接待漬けで篭絡するのが得意だったのです」
 野上氏は、Aをオープンする前に経営した韓国クラブでも、久間氏を接待していた。関係者によれば、
「そのクラブやエーで、久間氏と野上氏が一緒に飲んでいるときに、暴力団関係者が同席していたこともあった。それ以外にも、野上氏が業者を連れてきて、久間氏に陳情させたりしていた」
 野上氏は、平成16年に赤坂に会社を設立した。”現夫人”が社長で、野上氏が会長である。事業内容は、健康補助食品の販売、建売・マンション分譲など。韓国クラブのAを経営しているのもこの会社である。
「さらに野上氏と久間氏をつなぐ重要人物がいる」
 と、先の関係者は言う。
 仮にこの人物をB氏(59)としておくが、B氏は建設石材の販売や不動産開発を業務とする会社を経営している。B氏の会社はもともと赤坂のビルの一室にあったが、東京都つくば市を結ぶ通勤幹線つくばエクスプレスの開通と平行して、茨城県内の土地開発に力を入れるようになった。そのために本社機能を取手市内に移転。もとの赤坂のビルの一室に、野上氏の会社がそのまま入っている。
「野上氏とB氏は昵懇の間柄。先の勧告クラブAのオープニングパーティーにB氏も出席している。B氏は、久間氏の後援組織「久間会」の有力後援者でもあるのです」(関係者)
 B氏と久間氏は相当親しい関係のようだ。B氏のブログには、久間氏との交友関係がたびたび書かれており、取手市内にある会社には、久間氏の書が飾られている。
 そしてB氏もまた、今年4月、アジェベワ・ガーナ駐日大使を取手に招いていた。

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最終更新:2006年12月26日 17:59