「原因は調査中」「捜索に全力を尽くす」。最新鋭のイージス艦「あたご」が起こした衝突事故に、海上自衛隊幹部はこう繰り返すのみで、衝撃を隠さなかった。会見した海上幕僚監部の河野克俊防衛部長は「(1988年の)潜水艦なだしおの事故以来、記憶にない。誠に遺憾だ」と、肩を落とした。
海幕に事故の報告が入ったのは19日午前4時40分。職員らは続々と東京・市ケ谷の防衛省に登庁し、情報収集に追われた。職員の1人は「あってはならない事故。申し訳ない」と漏らした。
イージス艦は、日本の弾道ミサイル防衛(BMD)の要。昨年3月に就役したあたごは約1400億円をかけて建造され、弾道ミサイルの迎撃能力はないものの、高度な防空機能を備えた最新型だ。
米ハワイ沖でミサイルなどの装備が規定通り稼働するかの試験を終え、2月7日に出航。この日午前9時に横須賀基地(神奈川県)に寄港する予定だった。
[時事通信社]
[ 2008年2月19日12時17分 ]
最終更新:2008年02月22日 11:29