オカシイ世の中覚え書き

石破防衛相も衝突…イージス艦事故謝罪向かう途中公用車が (スポーツ報知)

千葉県野島崎沖で起きた海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故で、石破茂防衛相(51)が21日、清徳丸が所属する新勝浦漁協など関係先を謝罪行脚した。行方不明中の吉清治夫さん(58)と哲大さん(23)父子の親族から「2人を返して」と悲痛な声を浴びせられ、神妙な表情。現地到着前にハイヤーが衝突事故を起こし、野党からは参院での防衛相の問責決議案提出を示唆されるなど、石破氏にとって踏んだり蹴ったりの一日となった。

 石破氏に待っていたのは苦難の連続だった。

 千葉県警勝浦署によると、石破氏の公用車は21日午後3時35分ごろ、勝浦市墨名の国道128号交差点で、右折する際、対向車線を直進してきた主婦(30)の軽乗用車と衝突。公用車の前方バンパーは中央部が大きくへこんだ。

 公用車には4人が乗車。石破氏は後部左側に座り、海上自衛隊館山航空基地の隊員(30)が運転していた。新勝浦漁協川津支所に謝罪のため向かう途中だった。双方に負傷者はなく、随行していたマイクロバスに乗り換え、漁協に向かったが、到着時間は予定より約15分遅れた。

 自らも衝突事故に巻き込まれる形となったが、その直後にさらなる洗礼を浴びた。漁協を離れようとした石破氏に対し、吉清さん父子のおばが「せがれと孫を生かして返して下さいよ」と涙声で直談判した。

 「『(父子が)寒いよ、寒いよ』って言っている(ようなひどい)目に遭わせるくらいなんだから。大臣さん、家の中は暗闇になっちゃったよ」と迫られた。こわばった表情の石破氏は一礼し「全力を尽くします」と話し、車に乗り込んだ。

 漁協内では吉清さん父子の親族らに「本当に申し訳なかった」と初めて直接謝罪した。組合長が批判した防衛省の事故後の説明が変わっていることについて「自分たちに有利なことを言うつもりはない」と説明。漁協関係者からは防衛省の一連の対応のまずさを指摘され「真実をきちんと教えてほしい」「被害者を無視している」「何とかならないのか」と詰め寄られた。あまりの突き上げに石破氏は時折頭をかくなど落ち着かない様子だった。

 大臣の地位も揺らいできた。事故後、被害者親族への口封じや情報を二転三転させる防衛省の対応をめぐり、野党各党が防衛相辞任を求める声を強めた。民主党の鳩山由紀夫幹事長は石破氏の引責辞任を求めた上で、辞任しない場合は参院で防衛相の問責決議案を提出する考えを示した。

 現地での会見で石破氏は「『この事故を政争の具にされるのは嫌なんだ』と涙ながらにおっしゃったご家族の気持ちを深く受け止めることが必要だと思う」と辞任する考えがないことを示したが、いばらの道はまだまだ続きそうだ。

[ 2008年2月22日8時00分 ]

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最終更新:2008年02月22日 12:31