プレジデント社が出版している雑誌、「PRESIDENT」に掲載されている
経営者の一冊」のコーナーで紹介されている書籍をまとめています。


『方法序説』
デカルト
人文・思想、哲学
[雑誌]PRESIDENT 2012.6.4
東京海上日動火災保険会長 石原邦夫
有名な「ワレ惟ウ、故ニワレ在リ」というくだりは、同書の第四部に存在する。しかしながら、影響を受けたのは、第二部の「難問の一つ一つを分割する」の個所だ。デカルトは「難問は全体から解こうとしても難しいが、因数分解して考えれば答えは必ず見つかる」という趣旨のことを言っている。私はこれを自分流に「困難を分割せよ」と言い換えている。人生にはいろいろな局面があり、思い通りにいかないことも多い。こうしたときに、いつまでも独りで悩むのではなく、自分の身近な「縦」「横」「斜め」の人たちの知恵を借り、「困難を分割」して考えれば必ず道は開ける。偉大な哲学者の教えは、健在だ。


『経営は「実行」-明日から結果を出すための鉄則』
ラリー・ボシディ,ラム・チャラン
ビジネス・経済
[雑誌]PRESIDENT 2012.6.18
良品計画会長 松井忠三
どんなに素晴らしい戦略やビジョンも、実行されなければ無意味です。本書は、そのためのノウハウを事例を交えて解説しています。物事をやり切るために不可欠な要素の一つとして、著者は「謙虚さ」を挙げます。相手のふとしたしぐさや何気ない一言に隠れた本音を見抜けるかどうかは、謙虚な心持ちで相手と向き合えるか否かにかかっている、という主張に膝を打ちました。海外進出先で接客や商品に関する価値観が異なる現地スタッフと衝突したとき、本書を手にしました。こちら側が謙虚になることで意思疎通がスムーズになり、仕事が動き出す糸口になりました。こうした謙虚さと実行力との関わりを弊社の社員にも心得てほしいと思います。

『天災と国防』
寺田 寅彦
社会・政治、社会学
[雑誌]PRESIDENT 2012.7.2
NTT西日本社長 大竹伸一
表題作が書かれた昭和9年は、日本各地が風水害など数多くの天災に見舞われた年。その後80年近くが経過したが、提示された問題点は未解決のままだ。だが、遅すぎるということはない。政治家や行政の責任者にぜひ読んでほしい一冊だ。

『日本のもの造り哲学』
藤本 隆宏
ビジネス・経済
[雑誌]PRESIDENT 2012.7.16
三菱鉛筆社長 数原英一郎
私が恐れているのは会社の収益性が悪化することよりも現場が崩壊して魅力的な商品をつくれなくなることです。そんな私の「ものづくり」への問題意識について系統だったヒントを与えてくれたのが本書です。



『住友の大番頭・伊庭貞剛』
渡辺 一雄
歴史小説
[雑誌]PRESIDENT 2012.7.30
住友ゴム工業社長 池田育嗣
執行役員になった2003年、雑誌の書評で本書を知った。第二代住友総理事・伊庭貞剛を恐らく初めて取り上げた一冊であり、当時は役員の間で話題になった。

「探究―エネルギーの世紀」上・下
[雑誌]PRESIDENT 2012.8.13
昭和電工社長 市川秀夫
エネルギー問題を整理するために手に取った。本書は石炭から太陽光に至るまで、エネルギーを探究し続ける人類の歩みをストーリー性豊かにまとめている。


「トレードオフ」
[雑誌]PRESIDENT 2012.9.3
アサヒビール社長 小路明善
成功したければ上質か、手軽か、その一方を選べ―。戦略とは捨てること、差別化にも低コスト化にも不徹底であれば、たちまち失敗すると本書は教えてくれます。

「論語と算盤」
[雑誌]PRESIDENT 2012.9.17
アウディジャパン社長 大喜多寛
三〇歳のとき、尊敬する上司から「ビジネスリーダーになりたければ読んでおけ」と言われ、図書館を探し回りました。特に印象に残っているのが、逆境に立った時の対処法です。

「逝きし世の面影」
[雑誌]PRESIDENT 2012.10.1
キヤノンマーケティングジャパン社長 村瀬治男
ボリュームの多さに少々圧倒されたが、読み進めるごとに、「日本人も捨てたものじゃない」と心地よさを感じた。経済的には貧しいが、日本の庶民が幸福な暮らしをしていたことが窺える貴重な一冊である。

「なぜ、働くのか」
[雑誌]PRESIDENT 2012.10.15
神戸ポートピアホテル社長 中内仁
ここ二年ほど、新入社員全員に配っているのが「仕事の思想」という一冊。この中で著者は、仕事の報酬は給料ではなく人間としての成長なのだと述べているが、まさに至言。社会人として一歩を踏み出した若者に、多くの気づきを与えてくれる。その思想をさらに深め、経営者の生き様を説くのが本書。

「海賊とよばれた男」上・下
[雑誌]PRESIDENT 2012.10.29
一休社長 森正文
友人のIT企業社長から勧められた本書を一読し、信じがたいような日本人がいたことを知った。主人公のモデルは出光興産創業者・出光佐三。中国はじめ海外勢に押され、現状に汲々としがちな日本人にぜひお勧めしたい。

「極北を駆ける」
[雑誌]PRESIDENT 2012.11.12
ソウエクスペリエンス社長 西村琢
植村直己さんは国民栄誉賞を受賞した冒険家です。犬ぞりを操って、史上初の北極点単独行などを成功させました。本書は犬ぞりを乗りこなすまでの極致訓練の記録です。

「星の巡礼」
[雑誌]PRESIDENT 2012.12.3
ゲッティイメージズジャパン社長 島本久美子
スペインの聖地、サンチャゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路で起こったことを基に描いた小説である。作者は、我々に「夢を持つ大切さ、チャレンジする大切さ」を問いかける。いままで過去に出版された本をほぼ読破したほど、好きな作家の一人である。


「堂々たる日本人 知られざる岩倉使節団」
[雑誌]PRESIDENT 2012.12.17
セーラー万年筆社長 中島義雄
史実・独自の取材に基づいて、岩倉使節団の姿を明らかにした一冊です。誇るべき日本人の姿を思い起こさせてくれる元気薬としての側面と、「常に目標高く前を見よ!」との自律や戒めを与えてくれる側面を持つ、傍に置きたい本の代表です。

「武士道」
[雑誌]PRESIDENT 2012.12.31
富士通フロンテック会長 海老原光博
明治三二年に米国で出版された英国版が本書の原型だ。義・勇・仁・礼・誠・名誉などを特色とする「武士道」が私たち日本人を律していると著者は説く。いまこそ読まれるべき本である。

「落日燃ゆ」
[雑誌]PRESIDENT 2013.1.14
京セラコミュニケーションシステム社長 佐々木節夫
大学受験の浪人時代に、自分のスタンスや拠り所を定めたいと思い、小林一三や松永安左エ門をはじめとするいろいろな伝記を読みました。その中でも特に印象に残ったのがこの本です。

「渋沢栄一100の訓言」
[雑誌]PRESIDENT 2013.2.4
富士重工業社長 吉永泰之
傍らに常においてある十数冊のうちの一冊。難解な理論よりも、実践者たる経営者のことばに格別の重みを感じている。日本の資本主義の父・渋沢栄一はそうした経営者の最右翼だ。仕事のちょっとした合間に本書をひも解けば、その時々の琴線に触れる訓言が必ずあるはずである。

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最終更新:2013年05月06日 00:39