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大型I=D「バルトー」」(2008/05/31 (土) 17:44:44) の最新版変更点

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*大型I=D『バルトー』 #contents() *◎要求性能 ●大型I=D ○要点・一般性能要求等 t:要点={  一般性能要求  大型I=Dは宇宙での戦いを想定した25m以上の大きさを持つI=Dを言う。  火力はレーザー砲を主として装備し、スペースデプリを自動迎撃する小型レーザーをも装備し、地上に精密ではないものの、爆撃を敢行するすることも出来る。  まれに地上での運用を意図してつくられるものもあるが、これらは移動要塞として運用された。 } ○元帥からのコメント 帝國軍の象徴的な存在になればと思います。必須の条件は対艦隊運用、対空能力があり同調判定のサポート機能が要求スペックになります。 #種別的には航空機、Ⅰ=Dである事が望ましいです。 *◎設計コンセプト 「帝國軍の象徴的な存在に」。 元帥のこの言葉は、I=D設計者たちを大いに悩ませることとなった。 誕生して間もない帝國軍の象徴となるI=D、それをいきなり決めるのは中々に大変なことである。 出陣経験も特別多いわけでもなく、象徴的な戦術もまだ完成には至っていない。 つまり、この大型I=Dの運用によって帝國軍の象徴たる戦術も決まるかもしれず、 それは誠に責任重大であった。 そして設計者は悩みに悩んだ末、 帝国の思想の根本にある【ヒロイック】という点に着目して機体のコンセプトを作り上げていった。 ヒロイック。つまり英雄たる機体とはいかなる機体か。 「自ら先陣を切って敵に立ち向かう勇気」、 「後に続く同胞たちのために道を示す光」、 「味方には安堵を、敵には畏怖をもたらす圧倒的な力」、 「集団をまとめ上げる高い統率力」、 設計者の中の英雄像は以上のようなものであったため、 目指す機体の性能も、それらの理念を表したものを目指すことになる。 具体的には、 ・超超遠距離/高火力砲撃能力 ・対艦用突撃戦闘能力 ・情報同期/同調支援能力 に特化した設計コンセプトのもとに造られた機体である。 しかし、いかに優れた性能を備えていても、使い方を間違えては英雄とはなり得ない。 力の矛先を間違えた途端に、英雄は英雄ではなくなってしまうのだ。 その点を踏まえ、本案では機体に「バルトー」と名付けた。 これはかつて多くの人々の命を救うために吹雪の中を駆けた優しく強い犬の名に因んであり、 「力を持たない人々のためにこの機体は存在する」ということを忘れないで欲しいという設計者の願いが込められている。 *◎機体仕様 |開発名称|バルトー| |タイプ|大型I=D| |運用法|遠距離砲撃、対艦突撃戦、対空迎撃、等| |駆動|内燃式| |移動|両脚部、腰部バーニア、側部スラスター| |関節数|主関節124、副関節232| |演算|上胸部内蔵型電算ユニット| |操縦|メインパイロット1名、火器管制コパイ2名以上、電子/通信コパイ1名以上、演算/同調補助コパイ1名| |通信|頭部内蔵通信ユニット、右腕部内蔵情報走査ユニット| |全高|42,200mm| |全幅|18,100mm| |重量|366.5t| |装甲|高分子セラミック・チタニウム形状記憶合金・堅鋼・負荷分散式分子層併用式積層装甲| |主兵装|超超遠距離対艦高出力レーザー砲『スレッジバベル』| ||スレッジバベル内蔵刺突放電リニアコライダー| |副兵装|20mm対物レーザー(両肩部)| ||連装式中型ミサイル(背部*16):外装式| |電子兵装|伸縮展開・射出式全方位アンテナ(右腕部)| ***○武装・攻撃法 本I=D案における最大の特徴がこの超超遠距離対艦高出力レーザー砲『スレッジバベル』である。 まず特筆すべきはその全長で、先端の発射口から底部までがなんと129.3mもある。 それはバルトーの全長の約3倍で、宇宙空間ではまさに動く巨塔である。 地上で運用することもできるが、メインレーザーの砲塔を曲げることはできないため、 地上では主にバルトー本体に搭載されている連装ミサイル・小型レーザーでの対空砲撃が行われる。 メインレーザーの1回の連続照射可能時間は1秒弱、有効射程距離は数万kmを優に超える。 もっとも、バルトー単体では数万km先までの観測砲撃は行えないため、 宇宙空母、あるいはそれに類する長距離観測機能を備えた施設とのリンクが必要である。 この大出力のレーザー砲のエネルギーを生み出すのが、 スレッジバベルに内蔵されている荷電粒子加速器「リニアコライダー」である。 この加速器によって方向を変えられた粒子はシンクロトロン輻射により巨大なエネルギーを生む。 このエネルギーを自由電子レーザーとして使用することで、 スレッジバベルの超超遠距離砲撃が成るのである。 また、スレッジバベルの底部には大型バーニア(とその燃料槽)が搭載されており、 宇宙戦闘時には文字通り動く巨塔として敵艦隊への突撃戦闘をも行うことができる。 姿勢制御や方向転換はスレッジバベルに付されている 小型(とは言っても数mはあるが)スラスターによる噴射の他、 本体であるバルトーがスレッジバベルにドッキングして共に移動をすることで細かな調整が可能である。 #イメージ的にはロケットに抱きついているような姿を想像してください 敵艦に接近したバルトーがドッキングしているスレッジバベルは、 進行方向前面に超高電圧の電磁フィールドを構成し、そのまま敵艦へと体当たりを行いこれを撃滅する。 絶対物理防壁とまではいかないまでも、 一点に展開した防御フィールドで行うこの攻撃は、疑似的なシールド突撃である。 サイズ的に、10m程度の艦載機であれば何の抵抗もなく塵となるだろう。 敵艦へと突撃する際に、スレッジバベルの砲塔は内部へと収納され、 その代りに超硬質のスパイク状突起が複数本、砲塔があった場所の周囲に伸出する。 突撃によっても破壊できなかった相手艦には、このスパイクが突き刺さるようになっている。 このスパイクは内部で上記のリニアコライダーと直結されており、 突撃で倒しきれなかった場合はリニアコライダーが発生させた 520億エレクトロンボルトの電気エネルギーをスパイクから直接流して破壊、無力化させる。 #コライダー→コレダー、と読み替えるとロボット好きな方にはどんな攻撃かおおよそわかるのではないかと思います ***○装甲/防御 バルトーの装甲は高分子セラミック・チタニウム形状記憶合金・堅鋼・負荷分散式分子層を組み合わせた 積層装甲であり、帝國のI=Dにしては珍しく(比較的)重装甲である。 また、敵からの攻撃がレーザー、ミサイルが主であることを想定し、 装甲もそれに対応されたものになっている。 具体的には、最外面装甲は反射率の非常に高い装甲を鱗状に敷き詰め、 攻撃を受けるとレーザーの熱と光に反応して鱗が反り返りこれを反射するように構成されている。 また、ミサイルの爆発による衝撃を緩和するために、 この鱗は強い衝撃を受けると電気反応を示し分離する。 ちょうど鱗が剥がれる形である。 剥がれる際に発生した微粒電子は下の装甲の持つ電子と磁場を形成する。 磁場形成による衝撃方向とは逆ベクトルの運動エネルギーの発生によって、 爆発の衝撃エネルギーが内部まで到達する前にこれを中和するのである。 そして、複数層からなる装甲の中で最も特徴的なのが、 上記電子反発装甲層の次の層である。 この層は通常時は非常に柔らかく、とても装甲とは思えないほどである。 しかし、この層を構成する分子は熱、衝撃に反応すると強力な結合反応を示し、 熱、衝撃の集中する部分で高強度の結合分子装甲を構成するのである。 この分子装甲はある程度の衝撃などであれば、 衝撃のエネルギーを結合に使われるエネルギーへと転換することで全て吸収してしまう。 そしてさらに、結合をしてもなお衝撃を吸収しきれない場合、今度は逆に結合を解除し、 エネルギーを周囲の未結合の分子群へと受け流す性質を備えているのである。 分子装甲は結合→解除→結合の受け流しを隣の分子へと連続させ続け、 あたかも水面に小石が落ちた時のように熱や衝撃を平坦化させてしまうのである。 この装甲の登場により、バルトーの防御面は大きく進歩したといえるだろう。 捕捉であるが、スレッジバベルの内部もこの分子装甲が利用されている。 ***○データリンク バルトーの右腕部に内蔵された伸縮展開型のアンテナは、 母艦や、防空回廊のようなリンクシステムを備えた施設と情報を共有することを目的に搭載されている。 スレッジバベルのメインレーザーによる砲撃も このアンテナを通して行われる観測情報の共有がなければ行うことができないため、 右腕部のアンテナはバルトー本体、あるいはスレッジバベルと電子干渉を起こさないよう、 使用時には上方へ高く掲げられ、さらに宇宙戦時は右腕から射出される。 情報共有時に見られるこのバルトーが右腕を高く掲げた姿は、 あたかもこの後の勝利を確信して鬨の声を上げているように見えることから 「凱旋の右腕」と呼称され、非常に壮観かつ堂々とした英雄的な風格が漂っていると評判が良い。 ***○同調補助機能 バルトーはその攻撃機能のほとんどをスレッジバベルに移してあるため、 バルトー本体の武装はそれほど多くない。 そして、空いた攻撃機能の代わりにバルトーの胸部には大型の演算装置が内蔵されており、 右腕が収集した情報の解析や攻撃タイミングの指示などを行うようになっている。 また、バルトーの特徴として火器管制、通信コパイロットの他に この演算のみを行うコパイロットが搭乗することが挙げられる。 このコパイロットは文字通りバルトーの司令塔であり、 司令塔の指示に合わせてパイロット・各コパイロットが行動を行うことにより バルトー内の調和は保たれ、呼吸が揃うのである。 この演算機能と司令塔の存在によって、バルトーの同調効果は大いに向上したといえる。 *◎総括 最後まで「帝國軍の象徴となるよう」という言葉が頭に残った。 ただ遠距離から敵に攻撃をするだけでは帝國らしさ、英雄志向は出てこない。 情報のリンク機能は今後必須になると考え搭載したものの、やはりそれだけでは象徴とはならない気がした。 やはり、圧倒的な攻撃力を備えた機体こそが帝國軍にはふさわしい。 そう考えているうちに、このバルトーが出来上がった。 というよりも、スレッジバベルが出来上がってしまった。 これならば、帝國の象徴となって闘える機体になるだろう。 願わくば、弱者の敵を貫く槍とならんことを。 以上です。読んで頂いてありがとうございました。 多くの作品を吟味されるのは大変かと思いますが、技族文族の皆さんの夢が詰まっていると思いますので、 じっくり読んでいただけたら幸いです。 採用非採用に関わらず、どのような機体が生まれるのか楽しみにしています。 文:比野青狸@キノウツン藩国
*大型I=D『バルトー』 #contents() *◎要求性能 ●大型I=D ○要点・一般性能要求等 t:要点={  一般性能要求  大型I=Dは宇宙での戦いを想定した25m以上の大きさを持つI=Dを言う。  火力はレーザー砲を主として装備し、スペースデプリを自動迎撃する小型レーザーをも装備し、地上に精密ではないものの、爆撃を敢行するすることも出来る。  まれに地上での運用を意図してつくられるものもあるが、これらは移動要塞として運用された。 } ○元帥からのコメント 帝國軍の象徴的な存在になればと思います。必須の条件は対艦隊運用、対空能力があり同調判定のサポート機能が要求スペックになります。 #種別的には航空機、Ⅰ=Dである事が望ましいです。 *◎設計コンセプト 「帝國軍の象徴的な存在に」。 元帥のこの言葉は、I=D設計者たちを大いに悩ませることとなった。 誕生して間もない帝國軍の象徴となるI=D、それをいきなり決めるのは中々に大変なことである。 出陣経験も特別多いわけでもなく、象徴的な戦術もまだ完成には至っていない。 つまり、この大型I=Dの運用によって帝國軍の象徴たる戦術も決まるかもしれず、 それは誠に責任重大であった。 そして設計者は悩みに悩んだ末、 帝国の思想の根本にある【ヒロイック】という点に着目して機体のコンセプトを作り上げていった。 ヒロイック。つまり英雄たる機体とはいかなる機体か。 「自ら先陣を切って敵に立ち向かう勇気」、 「後に続く同胞たちのために道を示す光」、 「味方には安堵を、敵には畏怖をもたらす圧倒的な力」、 「集団をまとめ上げる高い統率力」、 設計者の中の英雄像は以上のようなものであったため、 目指す機体の性能も、それらの理念を表したものを目指すことになる。 具体的には、 ・超超遠距離/高火力砲撃能力 ・対艦用突撃戦闘能力 ・情報同期/同調支援能力 に特化した設計コンセプトのもとに造られた機体である。 しかし、いかに優れた性能を備えていても、使い方を間違えては英雄とはなり得ない。 力の矛先を間違えた途端に、英雄は英雄ではなくなってしまうのだ。 その点を踏まえ、本案では機体に「バルトー」と名付けた。 これはかつて多くの人々の命を救うために吹雪の中を駆けた優しく強い犬の名に因んであり、 「力を持たない人々のためにこの機体は存在する」ということを忘れないで欲しいという設計者の願いが込められている。 *◎機体仕様 |開発名称|バルトー| |タイプ|大型I=D| |運用法|遠距離砲撃、対艦突撃戦、対空迎撃、等| |駆動|内燃式| |移動|両脚部、腰部バーニア、側部スラスター| |関節数|主関節124、副関節232| |演算|上胸部内蔵型電算ユニット| |操縦|メインパイロット1名、火器管制コパイ2名以上、電子/通信コパイ1名以上、演算/同調補助コパイ1名| |通信|頭部内蔵通信ユニット、右腕部内蔵情報走査ユニット| |全高|42,200mm| |全幅|18,100mm| |重量|366.5t| |装甲|高分子セラミック・チタニウム形状記憶合金・堅鋼・負荷分散式分子層併用式積層装甲| |主兵装|超超遠距離対艦高出力レーザー砲『スレッジバベル』| ||スレッジバベル内蔵刺突放電リニアコライダー| |副兵装|20mm対物レーザー(両肩部)| ||連装式中型ミサイル(背部*16):外装式| |電子兵装|伸縮展開・射出式全方位アンテナ(右腕部)| ***○武装・攻撃法 本I=D案における最大の特徴がこの超超遠距離対艦高出力レーザー砲『スレッジバベル』である。 まず特筆すべきはその全長で、先端の発射口から底部までがなんと129.3mもある。 それはバルトーの全長の約3倍で、宇宙空間ではまさに動く巨塔である。 地上で運用することもできるが、メインレーザーの砲塔を曲げることはできないため、 地上では主にバルトー本体に搭載されている連装ミサイル・小型レーザーでの対空砲撃が行われる。 メインレーザーの1回の連続照射可能時間は1秒弱、有効射程距離は数万kmを優に超える。 もっとも、バルトー単体では数万km先までの観測砲撃は行えないため、 宇宙空母、あるいはそれに類する長距離観測機能を備えた施設とのリンクが必要である。 この大出力のレーザー砲のエネルギーを生み出すのが、 スレッジバベルに内蔵されている荷電粒子加速器「リニアコライダー」である。 この加速器によって方向を変えられた粒子はシンクロトロン輻射により巨大なエネルギーを生む。 このエネルギーを自由電子レーザーとして使用することで、 スレッジバベルの超超遠距離砲撃が成るのである。 また、スレッジバベルの底部には大型バーニア(とその燃料槽)が搭載されており、 宇宙戦闘時には文字通り動く巨塔として敵艦隊への突撃戦闘をも行うことができる。 姿勢制御や方向転換はスレッジバベルに付されている 小型(とは言っても数mはあるが)スラスターによる噴射の他、 本体であるバルトーがスレッジバベルにドッキングして共に移動をすることで細かな調整が可能である。 #イメージ的にはロケットに抱きついているような姿を想像してください 敵艦に接近したバルトーがドッキングしているスレッジバベルは、 進行方向前面に超高電圧の電磁フィールドを構成し、そのまま敵艦へと体当たりを行いこれを撃滅する。 絶対物理防壁とまではいかないまでも、 一点に展開した防御フィールドで行うこの攻撃は、疑似的なシールド突撃である。 サイズ的に、10m程度の艦載機であれば何の抵抗もなく塵となるだろう。 敵艦へと突撃する際に、スレッジバベルの砲塔は内部へと収納され、 その代りに超硬質のスパイク状突起が複数本、砲塔があった場所の周囲に伸出する。 突撃によっても破壊できなかった相手艦には、このスパイクが突き刺さるようになっている。 このスパイクは内部で上記のリニアコライダーと直結されており、 突撃で倒しきれなかった場合はリニアコライダーが発生させた 520億エレクトロンボルトの電気エネルギーをスパイクから直接流して破壊、無力化させる。 #コライダー→コレダー、と読み替えるとロボット好きな方にはどんな攻撃かおおよそわかるのではないかと思います ***○外見 外見イメージはバルトーの名前の由来となった犬の犬種である、 「アラスカン・マラミュート」に似せて造られている。 頭胸部と背面は黒色、腹部と腕部、脚部は白色の装甲で覆われており、 地上では立った姿勢で固定されるため、脚部は割とがっしりとした印象を受ける。 立位時に見える白色の装甲は若干目立つが、もともと隠蔽の出来る機体ではなく、 逆に帝國軍の象徴となるのだから、 立っているときは目立ってこその象徴だろう、との意見が大勢を占めた。 そのため、詳細は次の項目で述べるが、 装甲は攻撃を受けることを前提にかなり重層になっている。 主武装のスレッジバベルは白と黒の2色が存在するが、 対艦突撃戦闘を行う機体は主に黒色を選択している。 バルトー背面部の装甲が黒色であるのもこれと同じ理由で、 宇宙空間での視認度を少しでも下げようという狙いがある。 対艦突撃時の姿は見た目の印象からそのまま騎士槍に例えられることも多い。 ***○装甲/防御 バルトーの装甲は高分子セラミック・チタニウム形状記憶合金・堅鋼・負荷分散式分子層を組み合わせた 積層装甲であり、帝國のI=Dにしては珍しく重装甲である。 また、敵からの攻撃がレーザー、ミサイルが主であることを想定し、 装甲もそれに対応されたものになっている。 具体的には、最外面装甲は反射率の非常に高い装甲を鱗状に敷き詰め、 攻撃を受けるとレーザーの熱と光に反応して鱗が反り返りこれを反射するように構成されている。 また、ミサイルの爆発による衝撃を緩和するために、 この鱗は強い衝撃を受けると電気反応を示し分離する。 ちょうど鱗が剥がれる形である。 剥がれる際に発生した微粒電子は下の装甲の持つ電子と磁場を形成する。 磁場形成による衝撃方向とは逆ベクトルの運動エネルギーの発生によって、 爆発の衝撃エネルギーが内部まで到達する前にこれを中和するのである。 そして、複数層からなる装甲の中で最も特徴的なのが、 上記電子反発装甲層の次の層である。 この層は通常時は非常に柔らかく、とても装甲とは思えないほどである。 しかし、この層を構成する分子は熱、衝撃に反応すると強力な結合反応を示し、 熱、衝撃の集中する部分で高強度の結合分子装甲を構成するのである。 この分子装甲はある程度の衝撃などであれば、 衝撃のエネルギーを結合に使われるエネルギーへと転換することで全て吸収してしまう。 そしてさらに、結合をしてもなお衝撃を吸収しきれない場合、今度は逆に結合を解除し、 エネルギーを周囲の未結合の分子群へと受け流す性質を備えているのである。 分子装甲は結合→解除→結合の受け流しを隣の分子へと連続させ続け、 あたかも水面に小石が落ちた時のように熱や衝撃を平坦化させてしまうのである。 この装甲の登場により、バルトーの防御面は大きく進歩したといえるだろう。 捕捉であるが、スレッジバベルの内部もこの分子装甲が利用されている。 ***○データリンク バルトーの右腕部に内蔵された伸縮展開型のアンテナは、 母艦や、防空回廊のようなリンクシステムを備えた施設と情報を共有することを目的に搭載されている。 スレッジバベルのメインレーザーによる砲撃も このアンテナを通して行われる観測情報の共有がなければ行うことができないため、 右腕部のアンテナはバルトー本体、あるいはスレッジバベルと電子干渉を起こさないよう、 使用時には上方へ高く掲げられ、さらに宇宙戦時は右腕から射出される。 情報共有時に見られるこのバルトーが右腕を高く掲げた姿は、 あたかもこの後の勝利を確信して鬨の声を上げているように見えることから 「凱旋の右腕」と呼称され、非常に壮観かつ堂々とした英雄的な風格が漂っていると評判が良い。 ***○同調補助機能 バルトーはその攻撃機能のほとんどをスレッジバベルに移してあるため、 バルトー本体の武装はそれほど多くない。 そして、空いた攻撃機能の代わりにバルトーの胸部には大型の演算装置が内蔵されており、 右腕が収集した情報の解析や攻撃タイミングの指示などを行うようになっている。 また、バルトーの特徴として火器管制、通信コパイロットの他に この演算のみを行うコパイロットが搭乗することが挙げられる。 このコパイロットは文字通りバルトーの司令塔であり、 司令塔の指示に合わせてパイロット・各コパイロットが行動を行うことにより バルトー内の調和は保たれ、呼吸が揃うのである。 この演算機能と司令塔の存在によって、バルトーの同調効果は大いに向上したといえる。 *◎総括 最後まで「帝國軍の象徴となるよう」という言葉が頭に残った。 ただ遠距離から敵に攻撃をするだけでは帝國らしさ、英雄志向は出てこない。 情報のリンク機能は今後必須になると考え搭載したものの、やはりそれだけでは象徴とはならない気がした。 やはり、圧倒的な攻撃力を備えた機体こそが帝國軍にはふさわしい。 そう考えているうちに、このバルトーが出来上がった。 というよりも、スレッジバベルが出来上がってしまった。 これならば、帝國の象徴となって闘える機体になるだろう。 願わくば、弱者の敵を貫く槍とならんことを。 以上です。読んで頂いてありがとうございました。 多くの作品を吟味されるのは大変かと思いますが、技族文族の皆さんの夢が詰まっていると思いますので、 じっくり読んでいただけたら幸いです。 採用非採用に関わらず、どのような機体が生まれるのか楽しみにしています。 文:比野青狸@キノウツン藩国

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