全国のゲームセンターに置かれている言わずと知れた『バラエティお祭りゲーム』、太鼓の達人。
それをデスクトップ上でシミュレートするソフトが「太鼓さん次郎」。
ワードパッドで譜面データを入力するため、創作譜面も作れちゃうところが魅力。

このページでは、そんな譜面創作を考えている人へのアドバイスとかいろいろをエベくんの師匠てーわいが書いておくことにしよう。



1.次郎を導入する

創作も何も次郎がなくては元も子もないよね。
というわけでまだ持ってない人はこのリンクから次郎をダウンロードしよう。
任意の場所にzipを展開するだけ。インストールは不要。次郎はすぐ起動できるよ。
まぁインストールする方が手っ取り早いけど
人によっては画像を差し替える人もいるんだけど、難易度が高いしそもそも創作譜面とは関係ないのでここでは割愛。
簡単に差し替えてくれるサイトもあるにはあるんだけどねぇ…



2.曲を用意し、tjaファイルに基本情報を書く

譜面を作りたいと思う曲を用意。好きな曲でも何でもよし。ただしJ-POPについては後述。
曲が用意出来たら、tjaファイルを作っていくよ。
メモ帳でも何でもいいからワードパッドを開いて、以下を入力(コピペでもいいんだけど自力で入力もしようね!)。

TITLE:愛

BPM:300
WAVE:0
OFFSET:100
SONGVOL:0
500000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000057843479964+357899
00000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000
SEVOL:100
DEMOSTART:
COURSE:6/dan
LEVEL:1
BALLOON:100000
SCOREINIT:0
SCOREDIFF:0

上から順に曲のタイトル、テンポ(BPM)、曲ファイル名、譜面開始位置、曲の音量、ドンカツの音量、デモ開始位置、コース(おにとか)、レベル、スコアの初項、公差。
これらは「ヘッダ」と呼ばれるよ。ヘッダは他にもあるんだけど、あんまり使う機会はないからここでは基本的なものを!
これ以外は覚えなくてもいい。SCOREINITとSCOREDIFFも慣れないうちは使わない方がいいかも。無くても得点は自動で計算してくれるよ。
くれぐれも、タイトルと曲ファイル名以外の英数字は半角で。全角は反応してくれないよ!

さてここで初心者がつまづきやすいのがBPMとOFFSET
正確に合わせておかないと曲と音符がズレて気持ち悪くなってしまうので、正確に合わせよう。
BPMはテンポ計測ソフトを使って測り、OFFSETは波形編集ソフトを使って開始位置を小数点以下3桁まで求め入力。
ちなみに師匠が主に使っているのはMixMeister BPM AnalyzerSoundEngine FreeAudacity。全部フリーソフト。
MixMeisterは海外のソフト。Audacityも海外だけど設定次第で日本語になるから大丈夫。

しかし、これを使ってもうまくいかないのが、実際の楽器で演奏しているJ-POP類。
シンセサイザーじゃなくて人間が演奏しているので、どうしても微妙にテンポが変わってしまう。
これに関してはどうしようもないので、一小節ずつBPMを測るくらいしか克服方法はナシ。
慣れないうちはJ-POPに手を出すのはやめた方がいいかも。



  • リスト
ここに文字を入力**3.譜面を作る
さてヘッダが書けたら、次はいよいよ譜面作り。
#STARTと #ENDを書き
、これの間に譜面を書いていく。
数字と音符の対応についてはここでは割愛。Readmeなんかを見てね。
ではここで譜面作成上の五ヶ条をば。

一、コマンドは正確に書くべし
一、一小節の文字数を数えるべし
一、曲を入念に聞くべし
一、一気に作るべからず
一、コメントを有効に使うべし

…大したことは言ってないけどね(
じゃあひとつずつ説明するよ。

一、コマンドは正確に書くべし

#SCROLLや #BPMCHANGEなどの
「#~~」となっているものは「コマンド」と呼ぶ。
譜面に与える命令で、「n倍速にせよ」「ゴーゴータイムを終わらせよ」などと解釈すればおk。
コマンドを書く上で注意するのは、綴りを間違えないこと
ヘッダのときもそうだけど、文字を間違えたり全角で書いたりすると反応してくれないので、絶対に正確に書くこと。
使用頻度が高く間違いやすいのは拍子変更の#MEASURE
英単語だから覚えられたら完璧なんだけど、覚えられないならReadmeやサンプルデータからでもコピペすればいいので、あんまり気にすることはないと思うよ。

一、一小節の文字数を数えるべし

重要だとは気づきにくいけど、とても大事なこと。
文字数が合っていなかったら、いくらBPMやOFFSETが正確に合っていても音符のタイミングがズレてしまう。
52分の31拍子なんていうめちゃくちゃな拍子はまずないからいいとして、
4分の4拍子であれ、4分の3であれ2分の1であれ8分の9であれ、文字数は16分音符で考えるとすべて2の倍数
特に4分の4拍子は12分や24分を使わない場合は文字数は常に2の累乗数。これはテストに出るな(
つまり8文字や16文字が基本になるワケ。数が前後していたりしたらタイミングを考えて文字数を合わせよう。
4分の4拍子以外では、たとえば4分の3は「分子の3x2の累乗数」。8分音符であれば3x2で6文字、16分を使うなら3x2^2で12文字。
考え方は、4分の4から一拍分(前者は2文字、後者4文字)減ったものと考えればいい。
ここで「分子x2の累乗数」という方程式が得られる。

まあ慣れないうちは8文字ごとに区切ったりして数えやすくしたり、4分の4であれば小節の文字数を16文字とかにそろえたりして、文字数が前後してないか確認しやすくするのがいいかもね。

一、曲を入念に聞くべし

譜面を作るということは、元ある曲にさらに太鼓のパートを追加するということ。
だから、元の曲に合ってない音符の配置だとちょっと不格好な聞こえ方になる。
だから、しっかりと曲を聴いてその曲を分析すること
部分部分によって、ギターに合わせたほうが良かったり、ドラムに合わせたほうが良かったり、はたまたボーカルに合わせたり…
曲を分析していくと、どのパートに合わせてどのように音符を配置すればいいか考えやすくなる。
「このパートじゃだめだな」と思ったらまた別のパートに修正すればいいから、試行錯誤するかもしれないけどがっちり合うパートを見つけよう。
でも、音を取りすぎると逆に不格好になるからところどころアレンジは入れようね。

そして、最初の一回くらいは全体を通して聴こう。
大ざっぱに「ここはゴーゴーだな」とか「ここはソフランかけたら面白そう」とか、全体の構成が見えてくる。

一、一気に作るべからず

「早く終わらせたい」「曲はもう十分聴いた」みたいに思って、最後まで一気に作り上げたい気になるよね。
でも、一部分だけ作って聴いて、また一部分だけ作って聴いて、…と、
ちょこちょことゆっくり作っていった方が良い譜面が出来たりする。
一部分しか作らないから、譜面の修正も比較的ラクにできるよ。
区切りに特に制限はないから、キリのいいところで区切ったらいい。

一、コメントを有効に使うべし

「//」のように半角スラッシュ2本で始まる行はコメント扱いになって譜面を読み込む際に認識しなくなる。
もちろん行頭じゃなくても、譜面の途中に置いてもいい。
1012221210201020, //ここに置いてもいいんだ
このコメントを利用して、譜面の要所要所に小節数や解説を入れよう。後で見返した時にわかりやすくなる。
上級者になってくるとコメントはあんまり使わなくなるけど、慣れないうちは積極的に使った方がいい。
1111121112112112,
5211121211222121,
2201202121212121,
12121111021212121, //4
1000200010102010,
2015212101211122,
2022102020102010,
10112121212121212, //8
小節数を記録するときは、5小節刻みか4小節刻みで入れよう。



4.完成!

最後まできちんと書けたかな?
譜面ができたら、一回最初から通して聴いてみよう。
そのレベルに適正かどうか(観賞用譜面は別として)とか、音はちゃんと合ってるかとか確認しながら。
問題がないなら、譜面作りはここでおしまい。お疲れ様!



おまけ

ある程度譜面作りに慣れてきたら、いろいろやってみたくなるよね。
そこで、ここでは12・24分音符の入れ方やギミックの入れ方などを説明するよ。

12・24分音符

太鼓の達人の本家譜面でもふんだんに使われている3連符、通称12・24分音符。
一小節の中に12・24分だけだったら12の倍数で済むけど、16分も混じってる場合はそうもいかない。
ちょっと手間がかかるけど、慣れればすんなりとできるようになるかも。

1010202011112220,
たとえばこんな譜面。太字の16分のカカカッを24分のカカカカッに改造するとしよう。
100000100000200000200000100100100100200200200000,
全部の文字の後ろに「00」をつける。これで16と24の最小公倍数、48文字になる。
この時、3文字で区切ると16分基準になり、2文字で区切ると24分基準になる
100000100000200000200000100100100100200200200000,
問題の太字の部分。3文字で区切ったら16分だから、この状態ではまだ16分。
この部分を2文字で区切ると、


20
02
00
20
こうなる。24分にするにはこの状態のとき2を全部頭に持ってくればいいから、
100000100000200000200000100100100100202020200000,
こうすればいい。これで24分のカカカカッができた。

譜面停止

BMSみたいな途中で譜面が止まる「譜面停止」ギミックも気力があれば作れる。
本家譜面で唯一停止(疑似的)がある「エゴエゴアタクシ」ではBPMを極限に落としているけど、BPMを弄る方法はちょっと計算が面倒。
そこで活躍するのがコマンドの#BMSCROLL(#HBSCROLL)と#DELAY。#BMSCROLL(#HBSCROLL)は#STARTの前に置く。
このコマンドは譜面のスクロールが「太鼓さん太郎」と同じような方式になり、#DELAYのあるところで譜面が停止するようになる。
でも#BMSCROLLでは#SCROLLが無視されてしまうので、ソフランも仕掛けたい場合は#HBSCROLLを使おう。これだと#SCROLLも認識してくれる。

まず、曲の一拍あたりの秒数を求める。式は「60÷BPM」。小数点以下三桁まで。
次に、停止させたい部分に#DELAYを書き、さっき求めた数値を入れる。
一拍分だけ止めたいならそのまま放り込めばいいし、二拍止めたいなら二倍、0.5拍(8分音符一個分)なら2で割った値を入れればいい。
ただしここで注意点がひとつ。
譜面を止めることになるので、止めた分だけ#MEASUREで拍数を減らさないといけない。
例えば一拍止めたなら3/4、二拍なら2/4、0.5拍なら7/8、といった具合。

あんまり回数が多いとそれはそれで反感を買うかも。ほどほどにね。

数合わせ

コンボ数を999にしたり777にしたり765や876や573などにするのは簡単。
音符の数を弄ればいいだけなので、足りない音符を補ったり、いらない音符を落としたりして数を調節しよう。

しかしスコアの数合わせはとても難しい。本当に試行錯誤で数値を見つけ出すしかないので、暇のある人だけやってみてね。
実際のプレイによるスコアの数合わせは無理に近いので、ここはオート再生したときに特定の数値が出るような調整をしよう。
まず合わせたい数値を決めたら、SCOREINITとSCOREDIFFを駆使して合わせたい数値にぴったり合うような初項と公差の組み合わせを見つけよう。
公差を固定し、最初は初項は1000点単位で変えていって、だんだん絞れて来たら100点単位、10点単位で変えよう。
もっと近づけられると思ったら、公差の数も変えていこう。

ここでぴったり合えばそこで終わりなんだけど、大抵はニアピンだからさらに調整が必要。
ここからは連打も出番。特に風船連打は打数調整ができるので重宝するよ。ただし+5000点も頭に入れて。
初項と公差を調節し、「下二桁目が合わせたい数値と同じ、かつ足りない点数が300の倍数」となるような組み合わせを探す。
うまく見つけ出せたら、足りない点数を300で割り、風船連打の打数にあてる。
これでまだ足りなかったら打数を増やそう。
合わせられる自信があるなら黄色連打を使って、オートの場合何打入るかを計算しながら連打を挿入してみよう。

譜面分岐

一部の譜面には譜面分岐が存在する。
分岐方法はいろいろあるけど、次郎では黄色連打の連打数による分岐(r)、精度による分岐(p)、スコアによる分岐(s)を指定できる。
(Wikiの仕様上改行されて表示されるけど実際は改行しちゃダメよ)
#BRANCHSTART
r, 25, 30
#BRANCHSTART
p, 65, 80
#BRANCHSTART
s, 250000, 500000
右端の二つの数字は、左が「玄人譜面に」分岐する条件、右が「達人譜面に」分岐する条件。
精度pで分岐させる場合は数字はパーセントで指定する。
なお、右の数字が左の数字より小さいときは玄人譜面に分岐しない(玄人がない大打音など)。

十露盤2000や万戈イム-一ノ十など、一部の譜面では勝手に譜面が切り替わる「強制譜面分岐」が存在する。
もちろんこれも次郎で再現できるよ。精度で分岐させよう。このとき、
#BRANCHSTART
p, 101, 102 →強制普通
#BRANCHSTART
p, -1, 101 →強制玄人
#BRANCHSTART
p, -2, -1 →強制達人
それぞれこんな風に記述すると強制的に譜面が切り替わる。
十露盤のような分岐方法は、最初の譜面分岐で、
#BRANCHSTART
p, -1, 0.00001
こう記述すると前半の音符を無視した場合に玄人譜面に分岐する。
この時は#LEVELHOLDも忘れずに。記述しないと次の譜面分岐で普通譜面に切り替わってしまう。



譜面作りの練習に最適な本家譜面

創作譜面なんて自信ないし…そもそも譜面の打ち方まだよくわからないし…という人に。
次郎の譜面入力の練習に最適な本家ナムコオリジナル曲をいくつか紹介。

  • 12・24分音符がない曲全般
    • とにかく数をこなすことが大事。いくつも作ってみよう。
  • 百花繚乱
    • 譜面分岐がある曲だけど分岐条件が簡単なのでおすすめ。24分音符も24文字で済む。ただし時間は普通の譜面の3倍はかかる。
  • てんぢく2000
    • 24分音符の入れ方を徹底して身に着けたい人向け。64箇所あるよ。
  • きたさいたま2000
  • STAGE 0.ac11
    • 超絶変拍子。#MEASUREを嫌でも覚えるかも。後者は裏拍もあるため難易度は高め。
  • 万戈イム-一ノ十
    • 卒業試験。次郎で再現する難易度はトップクラス。どこまで作れるかに挑むのも一興。


tjaのためだけのテキストエディタ

テキストエディタでありながらもこんなに見やすくかつ簡単にtjaが作れるエディタがあったとは…
その名も「TJA File Editor」。ここから。
キーでコマンドを指定できるので結構簡単に作れるかも。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年04月27日 14:13