TGB Dualのツカイカタ


作成日2009/03/24
最終更新日2009/03/25

1.「TGB Dual」について ( http://gigo.retrogames.com/ )
 フリーウェア。読みは「ティージービー・デュアル」。Windows版NESエミュレータ「TNES」やSNESエミュレータ「SNESGT」の制作者Hii氏が手がけています。制作者は日本人の方です。要求スペックは、P200MHzから300MHzあたりで、動作にはDirectXが別途必要になります。
 通信機能の実装を最終目標に掲げ開発が続けられていた「TGB」の進化版です。ケーブル通信エミュレート機能やネットワーク通信機能や改造コードなど、様々な機能を搭載する現在のWindows版GBエミュレータの定番です。GPLに基づきソースコードが公開され、開発は終了しています。



ファイル構成
・TGB_Dual.exe ... エミュレータ本体
・TGB.ini ... エミュレータ設定ファイル
・<devices> ... ディバイスファイル用フォルダ (拡張DLLファイルが入っています)
・<docs> ... ドキュメントファイル用フォルダ (様々なテキストが入っています)
・<save> ... (ディフォルト時)セーブデータ用フォルダ
・<media> ... (ディフォルト時)メディアファイル用フォルダ



主な機能
・圧縮ROMの読み込み (CAB/ZIP/RAR/LZH形式)
・リアルタイムセーブ (10スロット)
・スクリーンキャプチャ (BMP形式)
・サウンド録音 (WAVE形式)
・ムービーキャプチャ (独自形式)
・フルスクリーン表示
・ジョイスティック
・連射キー
・倍速キー
・モーションセンサー
・カートリッジROM情報
・改造コード
・ケーブル通信エミュレート
・ネットワーク通信
・GBAモード



2.ゲームボーイのエミュレートの仕方
 メニューの[ファイル]→[Slot1に読みこみ]でゲームを起動できます。ファイル形式は、<*.gb>、<*.gbc>と圧縮ファイルの<*.cab>、<*.zip>、<*.rar>、<*.lzh>です。圧縮ファイルの解凍には、それぞれライブラリ<UnXXX32.dll>が必要になります。
 その他に、実行ファイルやウィンドウへのドラッグ&ドロップ起動ができます。
 なお、ゲームを動かしているときにウィンドウを最小化するとエミュレータがフリーズする場合があります。現在、対処法はありません。



2-1.セーブ機能
 セーブデータは、「save」フォルダに出力されます。これは出力するフォルダのパス設定で変更できます。

2-2.ノーマルセーブ
 実機では、カートリッジ内に書き込まれるデータで、ファイル形式は、<*.sav>です。


2-3.リアルタイムセーブ
 エミュレータ独自のセーブデータで、ファイル形式は、<*.sv?>です。メニューの[ファイル]→[保存]で10スロット分のセーブができます。[状態復元]はロードです。



3.各種設定
 メニューの[オプション]で以下の設定ができます。
3-1.キーの設定
 [キーコンフィグ]はキーボードやジョイスティックのキー配置とシュートカットキーを設定できます。スロット2は、ケーブル通信エミュレート用です。[System]項目の[Fast]は倍速キー、[Save]はリアルタイムセーブのキー、[Laod]はそれのロードするキー、[Auto Fire]はA/Bボタンを連射にするキー、[Pause]は一時停止キーです。[FBBによる振動]はジョイスティックの振動パック用で、振動機能を搭載したのゲームに有効です。


3-2.サウンドの設定
 [サウンド設定]は、サウンドの有効/無効とチャンネル(1~4ch)を設定できます。[MASTER]がサウンドの有効/無効です。また、特殊な出力形式として、[エコー]と[ローパスフィルタ](低音量フィルタ)を選択できます。


3-3.スピードの設定
 [速度設定]は、通常時とFastForwerd(倍速)時のフレームスキップ値を設定できます(だいたい0から9)。[仮想FPS]は、そのFPS値で動作するようにするスピード抑制機能です(60FPSが実機並)。[リミッタを外す]をチェックすると、上のフレーム値の最大スピードで動作します
 [FPSを表示する]は、ウィンドウにFPS値を表示するものです。


3-4.スクリーンの設定
 [画面設定]は、スクリーンサイズ(フルスクリーン、x1からx4)と表示レイヤーを設定できます。また、[フィルタ係数]はモノクロGB用のカラー設定(RGB値)ができます。


3-5.ゲームボーイのタイプ
 [機種設定]は、ゲームボーイの種類を変更できます。[GBA]は、いわゆるGBAモードの機能で、GBAエミュレーション機能ではありません。ここは変更すると、ゲームが自動的にリセットされます。通常は、[自動判定]でいいでしょう。


描画フローとプライオリティの設定
 [エミュレータ設定]は、描画フローの設定とエミュレータのメモリー消費量の実行優先度(プライオリティ)を調節できます。


ディレクトリの設定
 [ディレクトリ設定]は、セーブデータファイルとメディアファイル(スクリーンキャプチャ/ムービーキャプチャ/サウンド録音のデータ)のフォルダのパス設定ができます。デフォルトでは「save]と「media」のフォルダになっています。



4.通信機能

4-1.ケーブル通信エミュレート
 同一PC上で通信をエミュレートする機能です(関連ページ、GBエミュレータ 通信機能)。赤外線による通信のエミュレートには対応していません。2つのゲームを同時に動作させるので、通常よりも高いスペックが必要になります。2つのウィンドウ(スロット1とスロット2)で操作し、操作キーはキーの設定で変更できます。スロット2側のリアルタイムセーブやウィンドウサイズの変更はできません。以下がその簡単な流れです。
(1) 通信をするゲームのバッテリーRAMデータ<*.sav>を2つ用意します。スロット1側のデータはそのままの<*.sav>で、スロット2側のデータの拡張子を<*.sa2>に変更します。
(2) 2つのデータをセーブデータのフォルダ(デフォルトで<save>フォルダ)に移動します。
(3) エミュレータを起動し、メニューの[ファイル]→[Slot1に読み込み]でスロット1側(左画面)を起動します。それから、[ファイル]→[Slot2に読み込み]でスロット2側(右画面)を起動します。
(4) 両ウィンドウが接続されている状態なので、そのまま通信を行います。それぞれのセーブデータは、<*.sav>と<*.sv2>として出力されます。


4-2.ネットワーク通信
 TCP/IPによるネットワーク通信機能です。詳細は、同封のファイル<Netplay.txt>を参照してください。しかし、1人プレーが前提の携帯ゲームのエミュレータで、ネットワークによる通信を完璧に実現するのは相当困難です。どのような通信環境であれ、ほとんど通信同期を取ることができないと思われます。



5.その他
5-1.改造コード
 メニューの[オプション]→[PARもどき]は、改造コードと関連ビューアーの機能です。詳細は同封ファイルの<PAR.txt>を参照して下さい。


5-2.キャプチャ機能
 メニューの[オプション]→[記録]では、3つのメディア機能が使えます。これらのデータは、デフォルトで<media>フォルダに出力されます。[画面]はBMP形式によるスクリーンキャプチャ機能です。[サウンド]はWAVE形式によるサウンド録音機能です。[ムービー]は独自形式によるムービーキャプチャ機能です。


6.特殊機能とディバイス
 メニューの[オプション]→[特殊]は2つの特殊機能の設定です。[MBC3/RTC]はMBC3用のリアルタイムクロック調節機能です。ゲーム内の時間を調節できます。[モーションセンサー]はMBC7用のモーションセンサーのキー設定です。
 [周辺機器]は、<device>フォルダに入っている拡張DLLの項目です。ポケットプリンタ(tppe_dll.dll)、バーコードリーダー、赤外線操作の拡張DLLがあります。

7.その他の機能
7-1.GBRプレーヤー
 GBRを再生するプレーヤー機能です。GBRはGBのサウンドフォーマットで、解析によりサウンドデータを切り出したデータです。通常のゲームファイル読み込みと同じように読み込めます。拡張DLLとして、<device>フォルダの中に再生するためのファイル<tgbr_dll.dll>を入れます。


7-2.カートリッジROM情報
 メニューの[オプション]→[ログ表示]は、カートリッジROM情報が表示されるダイアログです。



8.ショートカットキー一覧 (デフォルト時)

F5 ... スロット0にリアルタイムセーブ

F7 ... スロット0のリアルタイムセーブのロード

0 - 9 + F5 ... スロット(0-9)にリアルタイムセーブ

0 - 9 + F7 ... スロット(0-9)のリアルタイムセーブのロード

Alt + Enter ... フルスクリーン表示の切り替え

TAB ... 倍速

Ctrl(右) ... ポーズ

Ctrl(左) ... A/Bボタンの連射切り替え

Ctrl + P ... スクリーンキャプチャ

Ctrl + O ... サウンド録音の開始/停止

ESC ... 終了

最終更新:2009年03月25日 20:50