第001話:オープニング
ざわめきと、強烈な光によって彼らは目を覚ます。
そういえば自分たちはいつの間にか光に包まれて…それから?
彼らはきょろきょろと周囲を見渡す、どうやら何処かの大ホールのようだった。
そういえば自分たちはいつの間にか光に包まれて…それから?
彼らはきょろきょろと周囲を見渡す、どうやら何処かの大ホールのようだった。
と、そこに数人の男女がたちが入ってくる、きっちりと軍服を着込んだ貴公子然とした連中だ。
「皆様にお集まりいただいたのは他でもありません」
リーダー格らしい長髪の男が高らかに宣言する。
「今日、今この時より皆様方に殺し合いをしていただくことになります」
「皆様にお集まりいただいたのは他でもありません」
リーダー格らしい長髪の男が高らかに宣言する。
「今日、今この時より皆様方に殺し合いをしていただくことになります」
突然の展開に皆が目を白黒させて周囲を見まわしている、男は無表情で話を続ける。
「生きて帰れるのはこの中の1人だけです」
そんな中だった。
「ふざけるな!誰が貴様の言いなりなどに!!」
怒声と同時に1人の男が剣を抜き放ち長髪の男に斬りかかる、さらにそれを援護するかのように金髪の男もまた斬りかかっていく。
「パーン!!」
「ガウリイ!!」
彼らの恋人だろうか、2人の女性の声が会場に響く。
「生きて帰れるのはこの中の1人だけです」
そんな中だった。
「ふざけるな!誰が貴様の言いなりなどに!!」
怒声と同時に1人の男が剣を抜き放ち長髪の男に斬りかかる、さらにそれを援護するかのように金髪の男もまた斬りかかっていく。
「パーン!!」
「ガウリイ!!」
彼らの恋人だろうか、2人の女性の声が会場に響く。
「毒竜の王、見落としがありましたよ…武器や防具はちゃんと全員奪っておかないと」
男は平然とつぶやく。
このタイミングならば鬼神すらかわせまい、それほどまでのすさまじい一撃だったが。
男は平然とつぶやく。
このタイミングならば鬼神すらかわせまい、それほどまでのすさまじい一撃だったが。
2人の、いや会場全ての人間たちが次の瞬間、我が目を疑う。
何故ならば2人の刃は男の目の前で見えない壁に阻まれたかのように静止しているのだから。
男は余裕綽々といった感じで細煙草に火まで灯してみせる。
何故ならば2人の刃は男の目の前で見えない壁に阻まれたかのように静止しているのだから。
男は余裕綽々といった感じで細煙草に火まで灯してみせる。
「困りましたね…クライアントからは手荒な真似はするなと言われているのですが」
長髪の男は紫煙をゆっくりと吐き出すと、残念そうに宣言する。
「円滑な進行を妨げる方々には相応のペナルティを与える権限もありますし、ちょうどいい機会ですしね」
男の手が何かの印を切る、と同時に空中で静止したままの彼ら、パーンとガウリイが突然の苦悶の表情を浮かべる。
長髪の男は紫煙をゆっくりと吐き出すと、残念そうに宣言する。
「円滑な進行を妨げる方々には相応のペナルティを与える権限もありますし、ちょうどいい機会ですしね」
男の手が何かの印を切る、と同時に空中で静止したままの彼ら、パーンとガウリイが突然の苦悶の表情を浮かべる。
その身体からは、ヨロイの下からもはっきりと分かる、何かの紋章が浮かび上がっていた。
「我々といたしましてもあくまでも自由意志で戦っていただきたい所なのですが
皆さん素直に戦ってくれないのは明白ですし、我々もたかが仕事で命を落とすのは不本意でしてね。
そこでちょっとした仕掛けを皆さんに施しておきました」
「つまり私どもに逆らうと」
パーンとガウリイの身体が大きく仰け反り、2人はおびただしい量の血を吐く。
さらに見える者にははっきりと分かっただろう、彼らの魂が生きながら荼毘に付されていく様が
そして2人はがくりと力なく空中でくず折れる。
「我々といたしましてもあくまでも自由意志で戦っていただきたい所なのですが
皆さん素直に戦ってくれないのは明白ですし、我々もたかが仕事で命を落とすのは不本意でしてね。
そこでちょっとした仕掛けを皆さんに施しておきました」
「つまり私どもに逆らうと」
パーンとガウリイの身体が大きく仰け反り、2人はおびただしい量の血を吐く。
さらに見える者にははっきりと分かっただろう、彼らの魂が生きながら荼毘に付されていく様が
そして2人はがくりと力なく空中でくず折れる。
それを確認して男はようやく印を解く、と2人は空中から開放され、床へと転落する。
すでに息絶えているのは明白だった。
「こうなるのですよ、ご理解いただけましたかな?」
挑発めいた言葉にまた座が騒然となるが、男が印を切るしぐさをするだけでしんと静まり返る。
「さて、と改めてルールの説明をさせていただいてよろしいでしょうかな?」
すでに息絶えているのは明白だった。
「こうなるのですよ、ご理解いただけましたかな?」
挑発めいた言葉にまた座が騒然となるが、男が印を切るしぐさをするだけでしんと静まり返る。
「さて、と改めてルールの説明をさせていただいてよろしいでしょうかな?」
2人の亡骸にすがりつく少女たち、リナとディードリットに向かってまた何か言おうとした男だったが。
「魔術師、君は下がっていいよ、ここからは僕がやるから」
「じゃあお願いするとしようか、人形使い」
魔術師と呼ばれた男、本名イザーク・フェルナンド・フォン・ケンプファーは舞台の袖に退場し、
今度は人形使いと呼ばれた青年が壇上に立つ。
「魔術師、君は下がっていいよ、ここからは僕がやるから」
「じゃあお願いするとしようか、人形使い」
魔術師と呼ばれた男、本名イザーク・フェルナンド・フォン・ケンプファーは舞台の袖に退場し、
今度は人形使いと呼ばれた青年が壇上に立つ。
「というわけだから、みんなもう殺しあうしかないんだよ、だから覚悟決めてね」
青年は先ほどの無表情な男とは正反対に、柔和な笑みを絶やさず言葉を続けていく。
「ああ、ついでに言うと僕らを恨むのは筋違いだがら、僕ら薔薇十字騎士団は、世界に不満を持っていて
なおかつそれを変革しようと試みる勇敢な方々にささやかながらお手伝いをしてあげている、いわば善意の団体みたいなものだからね」
もはや誰も返事をしようとはしなかった。
それは絶望していたのかもしれないし、あるいはこれからのことを冷静に計算していたのかもしれないし、
現実から逃避していたのかもしれなかった。
青年は先ほどの無表情な男とは正反対に、柔和な笑みを絶やさず言葉を続けていく。
「ああ、ついでに言うと僕らを恨むのは筋違いだがら、僕ら薔薇十字騎士団は、世界に不満を持っていて
なおかつそれを変革しようと試みる勇敢な方々にささやかながらお手伝いをしてあげている、いわば善意の団体みたいなものだからね」
もはや誰も返事をしようとはしなかった。
それは絶望していたのかもしれないし、あるいはこれからのことを冷静に計算していたのかもしれないし、
現実から逃避していたのかもしれなかった。
人形使い、本名ディートリッヒ・フォン・ローエングリューンは、涙にくれる2人の少女の肩にそっと手をやる。
「ほら、涙を拭いて…君たちみたいな女の子は笑ってる方がきっと可愛いと思うな」
ディードリットは未だに泣き崩れたままだったが、
「・・・してやる…」
気丈にもリナはそれだけをつぶやいてハンカチを受け取った。
「そうそう、強靭な意志こそが明るい未来を築く原動力さ♪」
ディートリッヒは笑みを絶やさぬまま、今度こそ本格的にルールの説明に入った。
「ほら、涙を拭いて…君たちみたいな女の子は笑ってる方がきっと可愛いと思うな」
ディードリットは未だに泣き崩れたままだったが、
「・・・してやる…」
気丈にもリナはそれだけをつぶやいてハンカチを受け取った。
「そうそう、強靭な意志こそが明るい未来を築く原動力さ♪」
ディートリッヒは笑みを絶やさぬまま、今度こそ本格的にルールの説明に入った。
「さて、とじゃあこのゲートを順番にくぐって貰おうかな」
ルールの説明を終えたディートリッヒは参加者たちの背後を示す、振り向くとそこには青白い光を放つ門があった、
門の両サイドには禿頭の巨漢と、メガネを掛けた神経質そうな男がいる。
「手はずどおりアイテムの入ったリュックをちゃんと受け取ってからだよ、じゃあ幸運を!」
ルールの説明を終えたディートリッヒは参加者たちの背後を示す、振り向くとそこには青白い光を放つ門があった、
門の両サイドには禿頭の巨漢と、メガネを掛けた神経質そうな男がいる。
「手はずどおりアイテムの入ったリュックをちゃんと受け取ってからだよ、じゃあ幸運を!」
【残り 117人】
- 2005/05/23 修正メール
←BACK | 目次へ(詳細版) | NEXT→ |
- | 第001話 | 第002話 |
- | 時系列順 | 第031話 |
- | リナ | 第028話 |
- | ディードリット | 第024話 |
- | ケンプファー | 第070話 |
- | ディートリッヒ | 第074話 |