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*リワマヒ国歳時記 雨乞いの祭り
砂漠の国から戻りつつあるリワマヒ国ですが、
それ以前、まだ緑の国であった頃には農業と結びついたさまざまな祭礼・儀式が
行われていました。
今回はそのいくつかの中から、田植え後に行われる雨乞いの祭りを紹介致します。
**雨乞いの祭りとは?
村々で田植えが終わった頃、リワマヒ国では雨乞いの祭りが執り行われます。
この祭りは祖霊に祈りを捧げ、豊作と子孫繁栄を願うために
ロケット花火を天高く打ち上げるというもので、雨を司る祖霊へ
ロケットを奉納をすることで、天からの恵みの雨を乞うことを企図しています。
また、ロケットがどれだけ高く飛んだかで今年の降雨量が占われ、
リワマヒ国が豊かな自然を誇っていた頃は村々の間で、
より高く、長く飛ばすことが競われていました。
**準備~祭り前日
ロケットの準備は数日前から行われます。
ロケットはごく少量の火薬を円筒に詰め、
パラシュートをつけた竹竿に結いつけたもので、火薬は最終日に花火職人によって
詰められます。
火薬の詰められる前のロケットは色とりどりの花や布で飾られ、
御輿に乗せられて大通りをねり歩きます。
このパレードは着飾った大人たちや仮装集団、ブラスバンドによって進められ、
子供はパレードの後ろについて行くのが常でした。
**祭り当日
祭り当日は早朝から大人たちが寺院に集まり儀礼が行なわれます。
一方、広場などは露天商で賑わい、近隣の子供たちが集まるのが通年でした。
打ち上げのセレモニーでは、火の巫女と呼ばれる点火役がロケットに着火します。
カウントダウンと電気着火のスイッチを押す火の巫女は特別に美女が務めることと
なっており、大変名誉なことでした。
簡単な木枠の発射台に据えられたロケットは
笛のようなかん高い燃焼音を響かせながら上昇します。
祭りではやがてパラシュートが開きロケットゆっくりと降りてくるまでの時間を計り、
その長短で今年の降雨量を占っておりました。
白煙を残して大空へと吸い込まれていくロケット、そして
それを見上げる人達は、雨季の始まるリワマヒ国の風物詩となっていました。
文責:室賀兼一(藩王)
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