「…コニーおねぇちゃん!」


蒼天のセレナリア最終章にてシェラはバイロンの《大数式》に組み込まれそうになっていたコニーの名前を呼ぶ。
これがきっかけでコニーは己の誇りを取り戻し、バイロンの呪縛を打ち破った。

バイロン  『さあコニー
       もう、良いのです』
      『かりそめの誇りも終わる時です
       誰も、助けなくてもいいのですよ』
      『貴女は貴方の生を全うしなさい
       命を削る必要など、ないのです』
コニー   「………………。」
マウマウ  「まう………。」
カルベルティ「コニー!?
       何をしてる、操縦桿を離すな!」
マウマウ  「まう!まうまうまうまう!
       まうまうっ、まうー!!」
カルベルティ「激突するぞ!」
シェラ   『起きてコニー!』
カルベルティ「コニー・イル・リクール!
       ここまで来て、怯むな!」
      「目の前にあるものを見ろ!
       こんなものはただの壁だ!
       何をしようとしているか、忘れたのか!」
      「お前がいつもそうあるように!
       その手を伸ばせ!」
マウマウ  「まうまうー!」
      「まうー!」
シェラ   『そうだよ、手を伸ばして!
       操縦桿を握りなおすの!
       コニーは絶対、あきらめたりしない!
       そうでしょ……!?』
      『まだレヴィとのこと言ってないし、
       カルとも何があったか聞いてない!
       ケーキだって食べたりないよ!
       手を動かして!』
      『コニー!』
      『…コニーお姉ちゃん!』

コニー   「あたし、お姉ちゃんじゃない」
      「でも、この子はそう呼ぶの。
       あたしのこと、
       お姉ちゃんって呼ぶの……」
      「だから……。
       あたしがお姉ちゃんになるわ」
      「あなたの言うことなんか、聞かない」

ぴんと背筋を伸ばして、
しっかり、そこに立って。
あたしは、男にそう言った。
誰かが、泣いている。
あたしの背中のうしろで、ずっと。
小さなプセールの子。
紫色の髪をした、かわいい子。
名前を聞かれて教えたら、
この子は、あたしをこう呼んだ。
「コニーお姉ちゃん」
あたしは、お姉ちゃんじゃない。
この子は知らない子。
でも……。
あたしは、その時、わかってしまった。
あたしが今まで、
ぬいぐるみだけを抱いていた手。
この男に与えられたものを、
ただ、受け取るだけだったこの手。
あたしは、この日、この時に。
手の使い道がわかった。
伸ばせばいいんだ。
そうして欲しいと、泣いている子に。

バイロン  『なぜですか?
       あなたのための人造心理は……
       まだそこへ“組み込んで”いません』
      『やり直しです
       人造心理を“組み込んだ”後で』
      『それからゆっくり助けなさい
       でなければ、今すぐに殺しなさい』
      『もしくは……
       あなたがここで死にますか?』
コニー   「助けてって、言ったもの」
      「あなたは……。
       助けるなって言うけど……。
       あたしは、助けるよ……?」
バイロン  『…………なぜだ…………?』
コニー   「だって、この子……。
       泣いているのよ?」
バイロン  『それが…………?
       涙が、どうしたと言うのです?』
コニー   「わからないの?
       ほんとに?」
      「でも、あなただって    なのに」




  • 空白に入る文字は何だ? -- 名無しさん (2013-11-12 21:26:15)
  • にんげん、と聞こえた気がするけど違うかもしれない -- 名無しさん (2018-06-24 17:54:05)
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最終更新:2018年06月24日 17:54
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