歴史

88 :1:05/01/27 03:19:06 ID:C5WQlZQB
茂みに身を潜めた原始人たちが風下から獲物に近づく
目の前にいるのは、大きな角をはやした雄鹿だ。
今までの、彼らは狩などはしなかった。
だが、日ごろ十分ではなかった動物性蛋白と脂肪分を補給するためには
植物ではなく、動物を狩る必要がある。
今まではそれらを、昆虫やその幼虫から補給していたのだが
それは、微々たる物だ。
大型の動物からもたらされる、それとはあまりにも違いすぎる。
そして、獣の皮は彼らにとって様々な加工物となりえる。
骨や筋、内臓なども、様々な加工物になりえるのだが、彼らはそれをまだ知らない。
肉と皮そして、今回は角が、彼らの目的だ。

風上の茂みに隠れた仲間が声を上げる。
やかましく、雄々しく、雄鹿を威嚇する。
10頭ほどで群れをなしていた、鹿達はいっせいに、風下のほうに駆け出す。
「今だ!!」
彼らのリーダーらしき人物が声を上げると、風下に待機していた数人が茂みから飛び出す。
そして、手近な鹿に手に持った武器を突き刺した。

雄鹿を狙うこと4日目にして、初めての収穫だ。
はじめは、ただ追い回していただけだが、人間の脚力では鹿には追いつかないことがわかり
不意打ちをすることにした。
ただ、潜むだけでは、獲物はよってこない。彼らの武器の射程はかなり短いのだ。
だから、獲物を追い込んで、たおすことにした。

今回の作戦はうまく行った。だてに同じ作戦で3度も失敗はしていない。
そのたびに改良を重ねてきたのだ。
それでも、確実ではない。3度挑んでようやく1頭、4日目にしての1頭なのだ。


89 :原始人@1:05/01/27 03:29:16 ID:C5WQlZQB
鹿を獲って来たでよー
これで、『火おこし器』が作れるだよ
それに、皮もてにはいっただよ。
肉はみんなで分けて食っただよー

さっそく、皮を柔らかくしてから、穴をあけてかぶってみただよ。
前は腹のあたり、後ろはケツの上あたりまですっぽりだよ。
脇に風が入って寒いだで、蔦で腰のあたりを縛ってみただよ。
けっこうあったけえし、木の枝があたったぐらいじゃ痛くもねぇ
だども、オレの格好を見たかあちゃんが、腹を抱えてわらっとただよ。
男連中は、かっこいいとか、言ってくれるのにどうしてだかねぇ

しかし、動物を捕まえるのはしんどいだよ。
もっと楽に捕まえられたらいいのになぁ。

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最終更新:2005年05月09日 23:19