SS+イラスト
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「いいか、今回は偵察機器使えない可能性大きいぞ」
そんな言葉がささやかれるそんな戦いの日であった。鍋の偵察部隊においてもいつもの王猫様スコープ使えないのかなぁっといいつつも準備が行われた。
鍋国特有のしっぽ信号で意思疎通しつつ情報を伝達、また縦列隊形で周囲360度をカバーするように偵察隊の一人一人が視界を分担し、偵察兵らしく、いつも通りに活動を開始したのである。
遮蔽から遮蔽へと縫うように移動し、しっぽで伝達、ちょっと暗くい場所があっても夜間戦闘可能(+猫妖精)な目でしっかりとしっぽ信号を見極めて偵察活動である。
「……(みんな、こっち調べて見るよ)」
「……(了解!)」
鍋の偵察は静かにきっちり行動である。普段の鍋だ! メガネだ!! お祭りだ!!! で騒ぐのが好きではあるが、こういう時はしっかりと偵察なお仕事をするのである。しっかりお仕事達成した後の鍋はこれまた格別な味わいなのである。
勝利の鍋パーティ目指してビシバシとお仕事の偵察をしちゃうのである。
「……(こっちOK! 敵はあっちかも?)」
「……(よし、あっちの方の様子を見てみようか)」
「……(OK!)」
明日の鍋の国の為のお仕事の成功は明日の鍋パーティの味をおいしくさせてくれる……そんな気持ちで部隊はいつもと同じように、いつもと同じ力が出せるようにしっぽ信号で行動するのである。
心はいつもと同じなので、例え、いつもの偵察機器が使えなくても関係がない。そもそも偵察訓練などは鍋の国の森林や沼などの自然あふれる場所から、王城、または王猫様のお散歩の追いかけっこなど様々な訓練がある。
街中での訓練などではいちいち偵察機器を持ち歩かずに一般市民のフリをして訓練する。これは鍋の国民に訓練で戦が近付いているのか? などの心配をさせない為のものであったが、今回のような偵察機器が使えない可能性のある場所では無理に偵察機器に頼ることもなく、普段の訓練の成果であった。
(文:龍鍋ユウ)
(イラスト:鍋村 次郎)
(イラスト:鍋村 次郎)