第三章 仕事
昨日は物凄く大変だった。 何が大変って、僕の荷物がその日のうちに届くのは無理だから明日送る。と薔薇さんからの連絡を受けた。 仕方なく、リビングのソファーで寝ようと思ったら水銀燈さんが絡んできたのである。 水銀燈さんは、色々とやばいオーラが出ているので、自分の理性を保つので精一杯だった。 かなり、やばい状態になる直前に真紅さんが水銀燈さんを引きずり出したので、何とか持ちこたえる事が出来た。 しかし、一度火のついた興奮状態はなかなか治まらなかった。なので、昨日はほとんど寝ていない。 だから、かなり眠い。いつまでもソファーでボーとしていられないので、眠い目をこすりながら、洗面台の所まで行く。そして、冷たい水で顔を洗うと眠気が覚めたような感じがした。 そのまま台所に行くと、翠星石さんと蒼星石さんが朝食を作っていた。 「おはようございます。」 律儀に挨拶すると、 「お、おはようですぅ。」 「おはよう、JUM君。」 翠星石さんは相変わらず蒼星石さんの後ろに隠れてしまう。 蒼星石さんは、「翠星石は人見知りが激しいんだ。だから、気にしないでね。」と言っていた。 「あ、JUM君。君宛に仕事の依頼が入っていたから早めに朝食すませちゃってね。」 と、言ってすでに出来上がっていた朝食を僕の前に出してくれる。 なんか、物凄く和食なのは気にしないでおく。 今日の僕の仕事は廃ビルに出没する妖の退治であった。 退治だけなのだが、どうして、 「ふふふ、なんだか、わくわくするわねぇ~。」 「うう、ちょっと怖いかしら~。」 「そ、蒼星石。離れるんじゃぁ、ねぇですよ。あ、危ないですからね。」 「はいはい。分かりました。」 「不純なところなのだわ。早く終わらせて帰りましょう。」 「なんだか、ドキドキするの~。」 「ふう、お腹がすきましたわ。」 どうして、この人達はついてきたんだろう。 「あの~。この位、僕一人で十分ですから。」 正直言って、こう人数がいたら、邪魔でしょうがない。それに怖がっている人も何人かいるみたいだから、早く帰したい。というのが本音である。 「大丈夫。私達は、見ているだけだからぁ~。」 「来たのだったら、サポート位してくださいよ。」 「もちろんサポートはするは、だけど今日は無星刀のお手並み拝見だからぁ~。」 つまり、この人達は僕の戦闘の観戦に来た。というわけか。やれやれ。 そう思っていると、近くで妖の気配がした。 「囲まれているな・・・・」 気配だけで、妖のいる位置を確認する。数は、全部で九~十体前後でった。 水銀燈さん達もそれを感じ自分の防御壁を張った。 僕も戦闘態勢に入った。パチンと指を鳴らすと、僕の周りに全身黄緑色をし、双剣を構えた兵士みたいなのが十体ほど現れた。しかし、その兵士達は全く生気が感じられなかった。そう、この兵士達は、人形なのである。 「行け!!僕の戦士達よ!!」と言って、僕は右手を開いて前にかざした。 すると、兵士達は妖の気配のする頬うに飛んでいった。
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