「いいこと私達はバンドだからそれぞれ楽器を使用しなくては
 ダメなのだわ。まぁ、私は歌を担当させていただくわ!!」
「じゃ、僕はコレにしようかな、えぇ~とベースってヤツだね」
「しぁ~ねぇです、翠星石も歌がよかったですけどぉ、好きなだけ
 ボコボコにできるドラムってヤツにするですぅ~」
「翠星石と蒼星石は決まったようね、金糸雀はバイオリンができるからギターにしなさい」
「うぅ、カナは弦楽器を弾いたら即攻撃になるかしらぁ、しかもロックみたいに激しいのを
 弾いたら攻撃力は倍増かしら~」
「そう、残念ね。なら金糸雀は自分が持ってきたピアノに決定だわ、ギターは雛苺担当ね」
「はいなのぉ、ヒナがんばってギターするの~!!」
「ねぇ、真紅。ロックって僕もよく解らないんだけど演奏する曲目はくんくんでいいのかい?」
「あたりまえだわ!くんくん以外に何があると言うの?」
「僕もくんくんを演奏してみたいけど譜面あるかなぁ?まずは確実に譜面がある曲から練習してみようよ」
「そ、それもそうね。私としたことが先走ってしまったのだわ…」
「じゃ、帰った後でそれぞれのマスターからお勧めのロックバンドを聞いて
 みたらイイかしらぁ~」
「そうだね、僕も帰ったらお勧めのロックをおじいさんに聞いてみるよ」
「うわわわあぁぁぁぁぁ~~~ん!!」
「どうしたですぅ雛苺。いきなり泣き出したりしてぇ~」

Illust ID:PBLsuT9Z0 氏(95th take)

「うぅ…ヒナ、ギターに手が届かないのぉ~」
「まぁ、なんてことなの! ギターは雛苺の体には大きすぎたみたいね」
「そうだね、ギターの大きさからみて僕か翠星石、それか…水銀燈くらいの体が必要だね。
 でも僕も翠星石も楽器は決まっているし……」
「どーするですぅ真紅ぅ、ギターのいないバンドなんて考えられねぇですぅ」
「しかたないわ、でもここはnのフィールド。確か0080世界に行けば沢山のドール達が眠っているはずよ。
 そのドール達に力を貸してもらうのだわ」


そして真紅達は急遽ギターを担当するドールを探しにnのフィールド第0080世界にやってきた。
そこで真紅は3体のドールに命を吹き込むことにしたのだった。


「さぁ目覚めなさい、私たちの力になってもらうわよ」
「あの~真紅。どうして3体も必要なのかしらぁ?」
「それは私たちがnのフィールドから出た後や眠りについている時にラプラスの魔が
 楽器にイタズラをするかもしれないわ。
 そのための見張りとしても3体ほど必要よ。だからドールもこの戦闘タイプを選んだのだわ」

「我々に命を吹き込んでもらい恐縮のいたりでありますッ!!
 真紅様ならびにローゼンメイデンの頼みならこの命に代えてでも任務遂行いたします」
「いい心がけね。貴方達の言葉に安心したのだわ。その忠誠心に対するお礼として貴方達に名前をつけてあげるわ。
 まず貴方はガイア、そしてオルテガ、マッシュと名づけるのだわ」
「うぅ、名前まで付けていただき感謝の念が絶えませんッ!!」
「それでは突然だけれど早速3人には働いてもらうわ。私たちはもうすぐお夕飯だわ、
だから貴方達は明日までこの楽器を見張っていてもらいたいのだわ」


そういい残すと真紅達はnのフィールドを後にした。そしてその一部始終を
物陰から盗み見る水銀燈の姿がそこにはあった。


あのミーディアムが言ったとおりに本当にロックバンドをやろうとしてるのねぇ…
許せないわぁ、この水銀燈を除け者にした罪を思い知らせてあげるわぁ~。
そしてギターは私がいただくッ!!


「ガイア隊長、オレこの任務が終わったら結婚しようと思うんです」
「それはイイことだ、でもその前に任務は必ず……ん、だ、誰だ貴様ァ!!」
「フフフ、真紅に命を吹き込まれただけのドールが威勢のいいことねぇ~」
「た、隊長。アレは確か水銀燈とかいうヤツです」
「ほぉ~?この私をヤツ呼ばわりしてただで済むと思っているの~?
 ジャンクになりたくなければギターをよこしなさいッ」
「真紅様たちのギターを狙う気かッ、行くぞオルテガ、マッシュ。
 我らジオンドールをナメるなよッ!!」

 ――――ドドォ~ン、バシッ、バシッ

「クッ、なかなかヤルわねぇ、戦闘タイプドールってだけはあるようねぇ」
「フッ、ナメるなよ水銀燈。我々はリカちゃん人形とは違うのだよリカちゃん人形とはッ!!
イケるぞ、もう一度水銀燈にジェットストリームアタックをかけるぞッ!!」


 ――――ピキ~~ン!!
持ち前の戦闘センス抜群の水銀燈は戦いの中で脳裏に閃きにも似た直感を得る。
3体で同時攻撃を仕掛けるガイア達の攻撃をたくみに避けながら流れるような攻撃をガイア達に叩き込む。


「オ、オレを踏み台にしたぁぁぁ~」
「なっ、何だとぉぉぉ~うわぁぁぁー!!」
「うわぁぁぁ…クッ……ジ、ジオンドールに栄光あれぇぇぇ~!!」


フッ、少し手こずったけどぉ、真紅に命を吹き込まれたドールなんて所詮は
ただの出来損ないのジャンクドールよぉ、これでギターは私のもの、ウフフフフ。
そう言えば真紅達はミーディアムに演奏するバンドを聞くって言ってたわよねぇ、
私もめぐにお勧めを聞いて真紅達をビックリさせてやるわぁ~ウフフッ。

水銀燈がギターを抱えてnのフィールドから帰ろうとしている頃、桜田家では
真紅と雛苺はパソコンの画面を食い入るように見ていた。


「ねぇ、この説明文によるとビートルズって言うバンドが素晴らしいみたいね」
「まぁ、僕もよく解らないけどビートルズは僕みたいなロックに詳しくない
 ヤツでも知ってるくらい有名だからね。イイと思うよ」
「そうなの有名なの、じゃ、このビートルズに決めるのだわ!!」
「うわぁ~い、ビートルズなのぉ~~」


同じ頃、翠星石と蒼星石は食後のお茶を飲みながらおじいさんにロックについて聞いていた。


「ん~~、いきなりロックと言ってもワシみたいな年寄りには縁のない音楽じゃなぁ~。
あぁ、でもビートルズくらいなら知ってるぞ、なぁ,ばあさん」
「そうですねぇ、私が若かった頃はラジオでよくビートルズは聴いてましたよ」
「ふぅ~ん、ビートルズか、そんなに有名なら譜面もきっとあるはずだね」
「じゃ、ビートルズで決まりですぅ、明日は練習するですよッ!!」

金糸雀はロックについて聞くため、みつの残業帰りを待っていた。そして何気に見ていた
テレビ番組はビートルズの特集番組であった。


「これかしらぁ、このマジカルミステリーツアーなんてイメージにピッタリかしら~。
そうよカナ達のバンドはビートルズで決定かしらぁ~~」
「ただいま~~」
「あっ、みっちゃん。あのね、あのねカナ達ローゼンメイデンでロックバンドをすることになったのよぉ、
それでビートルズを演奏するかしらぁ」
「……ローゼンメイデンのロックバンド……きゃゃああァァァーー!!
 最高ぉぉ、もう最高過ぎるわカナ、想像するだけでみっちゃん脳汁が出てイキそう」
「み、みっちゃん…少しみっちゃんが怖いかしらぁ…」
「そうだわ、今からみっちゃん、カナや真紅ちゃん達のためにステージ衣装を作ってあげるぅぅ~」
「本当ぉぉ?みんな喜ぶかしらぁぁ~!!」


ビートルズ、そしてステージ衣装の話まで広がりを見せていた頃、水銀燈は
ギターを抱えてnのフィールドから帰ってきた。

「あっ、おかえり水銀燈。あれ、そのギターどうしたの?」
「フフッ、気晴らしにロックってヤツでもしようかなぁ~って思っただけよぉ」
「ふふっ、水銀燈にギターって似合うわね。あれ?少し髪が乱れてるわ、こっちに来て水銀燈。
 ブラシをいれてあげる」
「イヤぁよォ、気高いローゼンメイデンは人間になんか触らせないわぁ」
「ダメよ、綺麗な天使さんの髪が乱れたままなんて…いらっしゃい水銀燈」
「しょうがないわねぇ~」
「フフッ、なんだか機嫌がいいようね、ギターも大事そうに抱えて、ふふっ」
「ねぇ、めぐぅ、胸がキュンキュンする曲もイイけどぉ、めぐお勧めの胸が熱くなる
 有名なロックってあるのぉ~?」
「あるわよ、最高のロック」
「ねぇ、歌ってめぐぅ」
「六甲お~ろ~しにぃ さっそぉぉとぉ~♪ 蒼ぉ~天翔る~日輪のぉ~♪」
「なぁにソレ?その歌もロックなのぉ?」
「そうよ、ビートルズっていう有名なバンドの曲よ、水銀燈」
「ねぇ、めぐぅ、その歌もう一度最後まで歌ってぇ~」
「いいわよ、六甲お~ろ~しにぃ~♪」


ニヤリと不適な笑みを浮かべためぐは水銀燈にブラシを入れながら六甲おろしを歌ってあげた。
そんなめぐのウソに気付かない水銀燈は目を閉じ六甲おろしを胸に刻み付ける。
そして明日nのフィールドに集まる真紅達の前でギターをかき鳴らしながら
六甲おろしを歌って驚かせてやろうと心に誓ったのであった。

(以下執筆継続中)


最終更新:2006年10月21日 01:20
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