352 名無しさん@秘密の花園 [sage] 2009/10/10(土) 20:10:24  ID:0IUPJNtP Be:

274さんの小説を見て、インスパイアしちゃいました
このシーンをかおりんが見たら、という設定です…



(あれ?ここどこ…?)
目が覚めて、見知らぬ天井だったのでちょっと驚いた
そして、すぐに合宿に来ていたんだと思い出す
まだ夜明け近くのようで、部屋はまだ薄暗い
(もうちょっと寝られるよね。)と思い、寝直そうと寝返りを打った時、隣の布団が
ぺしゃんこなのに気が付いた
(確か隣りには、睦月ちゃんが寝ていたはずだけど…)

「あれ、どこいったんだろう? お手洗いかなぁ~?」 と半分寝ぼけまなこで
視線を先へ運ぶと、その隣で寝ているはずの智美ちゃんの頭も見えない
「えー、私!?寝坊っっ???」
あわてて飛び起き、枕元に置いてあった眼鏡をかけ、布団を見渡す
そして、智美ちゃんの隣に寝ている桃子さんと、その隣の加治木先輩の頭を見つけ
まだ起床時間でないことに安心した

「二人で温泉にでも行ったのかなぁ~?」
なんとなく目が覚めてしまったという事もあったし、ちょっと冷や汗もかいてしまったので私は
二人と合流しようと思って浴室へと向かった

「智美ちゃんいる…よね?」
浴室の脱衣所には2つの浴衣が置かれていたけれども、智美ちゃん達じゃなくて他の人
だったらちょっと(会話とか)気まずいかな、と思ったので、浴衣姿でそっと誰か入っているかを
確かめるためにそろそろと浴室のドアを開けてみると…

「ふふっ、先輩、気持ち良いですか?」
「―――ぁ、……っ、ふぁあ、う、ぅああ!?」
「……すっごい、ドロドロですよ?」

(なに? してるの… ?
あたし… あんな智美ちゃん見たこと無いよ… 睦月ちゃんも…)
いつも見ている仲良しの二人の見たことも無い姿に私は頭が真っ白になって
そして、その場で、しゃがみこんでしまった
(なに? してるの… ?
あたし… あんな智美ちゃん見たこと無いよ… 睦月ちゃんも…)
いつも見ている仲良しの二人の見たことも無い姿に私は頭が真っ白になって
そして、その場で、しゃがみこんでしまった


今日は眠れない…
寝る前に飲んだ紅茶のカフェインのせいだろうか、いや違う、おそらく悔しさのせい

私は自分の実力を良く理解しているつもりだ、そして、それなりに実力はあると思って
信じている
もちろん、衣やそして清澄の大将のようなオカルト打ちにはかなわないと思っているが
普通の高校生の中では、全国大会も経験しているし、それなりの力があると信じていた
又、相手の分析もじっくり行うから、一度負けた相手に対して、同じような負け方を
する事は無いと思っていた

それが… 同じ相手に役満を決められ、負けた…
しかも相手は初めて2ヶ月足らずという素人だ… 

「考えすぎるのはよくない…相手はビキナーズラックだから…」
私は自分に何度も言い聞かせてはいたものの、それでもまだ頭が納得はしていないようで
眠りはいっこうに訪れようとしなかった… 

「とりあえず、温泉にでも入ってこよう…」
気分を切り替えるべく、私はタオルを取り、温泉へと向かい、浴室の脱衣所のドアを開けると
そこには、私が眠れない原因であった子が呆然とした姿で床にしゃがみこんでいるのを見つけた…

「どうしたの…」 
脱衣所の床にしゃがみこみ、呆然としている彼女の尋常じゃない様子を見て
彼女の近くへ駆け寄ると… わずかに開いている浴室へのドアから物音が聞こえて

「ゃ、あっ、あぅ、ぅあ、つ、つよ、ぉいよぉ?!」
バシャバシャ
「―――ッ?! っ、ああぁぁあぁぁっっ!!」

見るともなしに、浴室の中で行われている二人の濡れ場が眼に入ってきた…
(これは……鶴賀の二人?)
あの特徴のある赤いショートカットは確か鶴賀の蒲原さんで、もう一人は
昨日湯あたりをして倒れた…確か名前は、津山さんと言ったっけ…

そういう行為自体はネットで多く見ていたし、自分でもちろん慰めたりもしたことはあった
でも、実際にそういう女性同士の現場を見るのは初めてで… 
ましてや、昼間の彼女たちからは想像できない痴態であって…
私の心臓は早鐘を打ち、その行為にしばらく見入っていたのだった…

向こうは幸いなことに、自分達の行為に夢中になり、こちらがのぞいている
様子には気づいていないようだったし…
私はごくりと唾を飲み込み、さらに良く観察しようと顔を近づけた

「さと…さとみちゃん… うっぐ…ひっく…  なんで…あんな…」

と、そんな私の足元から、しゃがみこんでいる妹尾さんのすすり泣く声が聞こえてきた
彼女は固まったまま、まっ青な顔をして涙をぼろぼろと流していた…
おそらく女性同士のそういった行為に免疫が無いのだろう、ましてや同じ学校の部員同士である、
かなりショックを受けている様子だ…

「あなたには、目の毒… ここを動きましょう…」
もうちょっと覗いていたい気持ちもあったが、このままここで泣き叫ばれて向こうに
見つけられても気まずいし、こんな状態の彼女をほおっておいて楽しむ事もできそうにない為
浴室のドアをそっと閉じ、しゃがみこんで泣いている彼女を立たせ、手を引いて、浴室を後にした…

「うっく… ひっく…」 
浴室を後にしたはいいが、泣いた彼女をどうすればいいのだろう
そもそも…今日眠れなかった根本原因となる彼女を、私が面倒見る必要があるのだろうか…? 
とりあえず部屋に連れて行くか… でも同室の子達にどうやって説明をすればいい…?
まるで、私が泣かせたみたいだし…
そんな事をぐるぐると考えていると…

「ひっく…さわ…むらさん…?」
声が聞こえなくなった為、多少落ち着いたのか、ようやく妹尾さんが私を認識したらしく
弱々しい声で、私の名前を呼んだ
「大丈夫…?」 
仔犬のような目をして、こちらを見つめる妹尾さんを見て、思わずかわいいと思ってしまう…
「なんか… よくわかんない… でも… うぇーーん…」
そして、何故私なんかにこんなに無防備になれるのだろう…、と戸惑う私にかまわず私の胸に
顔をうずめ泣き出してしまった……

「はぁ~… 泣く子と衣には勝てない…」 
私の胸元で泣きじゃくる妹尾さんの頭をなでながら、彼女が落ち着くまでしばらく待つこととする… 
そこには、今日一日この子に振り回されっぱなしだ… とやっかいに思いながらも、この仔犬のような娘が
落ち着くまでつきあうのも悪くはないと思っている私自身がいた…

「ここでは風邪をひく… 別の浴室へ移動しましょう…」
ようやく涙も止まりかけ、落ち着いた頃をみはからい彼女に声をかけた
7月とはいえ、明け方前で気温も低い、浴衣1枚ではこのままでは二人とも風邪を引いてしまう
そう思い、私は彼女の冷え切った手を取って、足早にもうひとつの浴室へ向かい歩き始めた…
「ありが…とう… ごめん…なさい」 
そう言ってぎゅっと手を握り返してきた彼女の冷たい手の感触を感じて、私の心臓がどきんとはねた…


「さーとーみーちゃぁぁーーん♪」
「ワハハ… かおりー、早く来いー!」
「待ってぇ~ 待ってよぉー♪」
「ワハハ… 」

智美ちゃんは、私の幼馴染だ…
家が近所という事もあり、それこそ生まれた時からの付き合いだった。
小さい頃は私の体が弱く病気がちだったという事もあって、なかなか友達が
できなかった私とよく一緒に遊んでくれていた。

家で寝込んだ時には、外で咲いている花を摘んでお見舞いに来てくれたし、
同級生の男の子にいじめられ泣いてた時には、その男の子を代わりにやっつけてくれたりもした。
男勝りで、元気で明るくて優しい1つ年上の幼馴染は私のヒーローだったのだ…

ずっと智美ちゃんと一緒にいるのがあたりまえだと思っていた…
だから、智美ちゃんと同じ高校にも一生懸命勉強して入ったし、智美ちゃんに人数合わせの為に
麻雀部に入って欲しいと、お願いされた時も二つ返事で了承した。

誰よりも長い付き合いだったから、智美ちゃんの事を何でも知っているつもりだった…
それなのに…

「ゃ、あっ、あぅ、ぅあ、つ、つよ、ぉいよぉ?!」
「―――ッ?! っ、ああぁぁあぁぁっっ!!」

睦月ちゃんに抱かれて、気持ちよさそうに喘いでいた… 女同士なのに… 
あんな、智美ちゃん、私が見たことも無い智美ちゃんだった… 
私の身近な幼馴染のヒーローが遠ざかっていく気がして、私の信じていたものが
ガラガラと壊れてしまった気がして…
呆然自失となってしまったのだった…

そんな呆然自失の私を、風呂場から移動させてくれたのが、龍門渕の沢村さんだった…

「沢村さん…」
「ともきでいい… 私と貴方は同級生なのだし…」
「と、ともきさん… あの… ありがとう…」

散々泣いて、落ち着いた為、もう一つの浴室に到着して、ようやく沢村さんにお礼を
きちんと言うことができた。

「少しは落ち着いた…?」
浴室から連れ出してくれたり、泣きついてしまったり、沢村さんには散々迷惑を
かけたというのに、私の顔を心配そうに覗き込んでやさしい言葉をかけてくれた。
昨日対戦した時にちょっとお話しただけなのに、とっても親切な人だ… 

「智美ちゃんは… 私の幼馴染なんです…」
「そう、幼馴染…」
「小さい頃からずっと仲良しで…強くて優しい智美ちゃんは… 私の憧れで… 
高校もさとみちゃんが居るから鶴賀にしたのに…
それなのに… 睦月ちゃんとあんなことして… 女同士なのに… ううっ…」

散々泣いた後なのに、やっぱり思い出して悲しくなって、また涙が出てきた。
沢村さんにあきれられているに違いない… 

「泣かないで…」
「!!」
沢村さんの顔がそっと近づいてきて、私の頬に流れた涙を唇でそっと拭った…
頬に感じる柔らかくて暖かい感触に戸惑っている間に、その唇は私の唇に近づいて
そっと触れた…
 

「こうされるのは嫌…?」
嫌じゃなかった… ううん、むしろ、もっと触れてもらいたいと思ってしまった…
私を見る沢村さんの瞳がとても優しいのに気が付いてしまったから…
でも、どう答えていいかわからなかったから、首をぶんぶん振って答えた… 

その答えが通じたのか、彼女はにこりと微笑むと、私をそっと抱き寄せ…
耳元に口を近づけて囁いた…
「あなたの幼なじみと同じ体験…させてあげましょうか?」
耳元に感じる甘い息吹きにぞくりとした私は思わずコクリと頷いた…



まだ続きますし、かおりん、ともきーの超マイナーカップリングですので
どこまで需要があるかわかりませんが、少しずつ自分のペースで投下できたらと思いますので、
興味を持っていただけた方は感想などをお寄せ下さいませ。  

※9-353、9-767に分載

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最終更新:2009年10月20日 16:14