385 :おでこの秘密 序 2011/03/26(土) 12:34:52.48 ID:IH7dXLRp
386 :おでこの秘密 ① 2011/03/26(土) 12:37:58.77 ID:IH7dXLRp
387 :おでこの秘密 ② 2011/03/26(土) 12:40:12.07 ID:IH7dXLRp
388 :おでこの秘密 ③ 2011/03/26(土) 12:43:01.63 ID:IH7dXLRp
389 :おでこの秘密 ④ 2011/03/26(土) 12:45:50.07 ID:IH7dXLRp
390 :おでこの秘密 ⑤ 2011/03/26(土) 12:48:12.13 ID:IH7dXLRp

どうも 来ました

とても辛い 本当にひどいことが起きました 皆さん無事でしたか?
被災された方々に、今まさに苦境にある方々に
一日も早く安心して暮らせる日々が戻りますように

342 さん、343 さん、345 さんもかな?
レスに感謝です 嬉しくて涙目です ご無事でしょうか
規制とか今回の事態の影響で間が空きました 亀ですみません

さて、気力を振り絞ってまいります
またSS持って来ました いつものように、おばかなお話です
ほんの少しでも、気晴らしになれば幸いです

次レスより、5~6レスです どぞ


出 演:姫松高校麻雀部の皆さん、ちらっと清澄ーズ&モンプチ団
百合分:によ  エロ:ナッシン  ばか度:生粋のアレ
相変わらずアレな感じですが、その辺のソレはアレってことでひとつ  それでは、

↓スタート



**********************

「 誓いの紋章 」


「あれ? 何で……?」 そっとおデコに手を添える。
中堅戦開始前の休憩時間、上重漫は洗面所の鏡に向かいおデコを見つめ、一人当惑していた。
ここは全国大会会場、姫松高校控室のあるフロアの化粧室である。

くっきりと油性ペンで文字が書かれている。てっきり「辰」 だと思いこんでいたのに、そこに
書かれているのは「未」 の一文字だ。「ひつじ……?」

(先輩、辰やってゆうてへんかったかな? なんで未? えっと、ねーうしとらうーたつみー、
やろ、そんでえっと、うまひつじさるとりいぬい……間三つとばしてはるやん。なんでやろ?
はっ、もしかして私、なんや知らんうちに、でっかい失敗三つもしてたんちゃうやろか?)

「うっ……く」 ぎゅっと拳を握りしめる。きゅっと唇を噛みしめる。
情けない。ふがいない。自分が嫌になる。また期待に応えることができなかった。

応援してくれる部の皆は、私が出場メンバーに選ばれたとき、絶対悔しかったに違いないのに
陰に日向に一生懸命サポートしてくれる。壮行会では、皆、笑顔で送り出してくれた。
皆の気持ちに報いるためにも、どうしても結果が欲しかったのに。そしてなにより、こんな
自分を買ってくれた先輩に、この大会で恩返しをしたかったのに。

末原恭子先輩は、姫松の頭脳だ。その人柄も含めて、全部員の信頼も厚い。先輩の的確な分析に
基づく大胆且つ繊細な作戦は、これまで各選手の力を存分に発揮させて来た。……私、以外の。

「漫ちゃ~ん、気張りや~。末原ちゃんが期待しとるよ~」
先輩は、私には厳しい。期待してるとかも、直接言われたことはない。私が選ばれたのは、末原
先輩の強い推薦があったからだと、後になって監督代行からこっそり教えられた。
「う……先輩……せんぱいっ、ごっ……ごめんなさい」
見る見るうちに瞳が潤み、大粒の涙がぽろぽろと漫の頬を伝い落ちた。

「は~疲れたのよー」 ぽややんとした声とともに化粧室に入ってきたのは、真瀬由子である。
「? ……って、漫ちゃん! どしたんよー!」 「あ、う、ぐすっ、な、なんれもないれす」
「何でもないて、おもっきし泣いとるやんかー。ああほら、そんな目ぇこすったらあかんよー」
由子が漫の肩を抱き、ぐしぐし目をこする漫の手をそっと抑えた。

「どないしたん、ん? ゆうてみ? 私って頼りないけど、一応先輩よー?」 「そ…んな」
「恭子ちゃん、厳しすぎやもんなあ。デコに油性はやりすぎやんなあ。よし、私が意見したろ」
「ちゃっ、ちゃいます! 末原先輩は悪うないです! わ…わっわたしがぁ~」 ふぇえええん

「わーったった、ほら泣かない泣かない、よしよしいーこいーこなのよー」 なでなでなでなで
「み、みっつも゛ぉ~」 うぇえええん 「みっつ? 何が三つなのー?」 よしよしよしよし
「す、すんません、すんまぜんでじだぁ~」 「漫ちゃん……よしよしだいじょうぶなのよー」
ぴぃぴぃ泣く漫の背中を、由子が優しくぽんぽん叩いた。


「ふ~むむ、なるほど。うーからひつじ、で三つとばしなのねー」 泣きじゃくる漫をなだめ
て、なんとか話を訊きだした由子であったが、はてさてなんで未なのかは、当然わかりかねる。
「うーん、別にそんな、あほなミスとかしてへんと思うのよー?」 「……で、でも」 グスン

「漫ちゃんはがんばっとるよー。恭子ちゃんかて、それは認めてはるてー。勝敗は時の運って
ゆーやん? 麻雀なんて、特にそーゆーとこあるやろ?」 「……で、でもでも」 グシグシ


ふぅ、とため息を一つついて、由子が言った。
「恭子ちゃんはな、漫ちゃん可愛いくてしょうがないんや」 「え……ぇえっ?」
「バレバレよー、ふふ。つい厳しくしてしまうんも、きっと反動やねー。難儀やなー」
「そ、そうですやろか?」 思いも寄らない由子の台詞に、漫が頬を赤らめる。
「そーやー。あ、でも漫ちゃんが選ばれたんは、実力やでー。私ら皆、認めてるよー」
にこっと笑う。由子の笑顔は妙に人を安心させる。「……あ、りがとございます」

「大体私かて大活躍ってわけにはいかんかったしなー。伏兵……清澄の子にしてやられたわー」
「ゆ、ゆーこ先輩は、私のとられた点、取り戻してくれはりました」
「ちっとだけなのよー。なに、だいじょぶや。このあと洋榎ちゃんたちがばっちり取り戻して
くれる。次がんばればええねん。落ち込んでる暇はないのよー、それが姫松魂なのよー!」

「は、はい……」 次……。もし、この準々決勝で敗退すれば、それで終わり。3年生の先輩た
ちの、最後の夏が本当に終わる。大好きな先輩たちとのチームが、終わってしまうのだ。
嫌だ。まだ恩返しも何もできてへん。もっとずっと、先輩たちと、末原先輩と一緒に……。
ふるふると小刻みに、漫の肩が震えた。

その肩をそっと抱えて、由子が優しく語りかける。
「もし、もしもやで、万が一ここで負けたって、私は後悔なんかせえへんよー。皆でそのときや
れる精一杯のことをしてきたんだって、胸張って言える。漫ちゃんかて、そうやろ?」
「……そ、そうですやろか?」 「そうやてー。それに何より……楽しかった」 にっこり。
「た、楽しい……」 そんな風に思える余裕なんて、無かった。

「そうやー。ある意味、いっちゃん大事なことや。漫ちゃんや皆と一緒に闘えて、ほんまに楽し
かったのよー」 「大事な……こと」

「漫ちゃんはな、真面目すぎんねん。そういうとこも可愛いけどなー。そやねー、もちっと洋榎
ちゃんの、お調子モンであほみたいに元気なトコとか、見習った方がええんよー」
「あ、あほみたいて」 思わずくすっと笑ってしまう。
「だってそうやろー? あれはもう、才能やねー」 真剣な表情で、由子がうんうんと頷いた。
「ぷっ、く、あははは」 今泣いたカラスがもう笑った。

「そー、その笑顔よー。辛かったり苦しかったり、いろいろあるわな、闘ってるんやし。でもど
うせやったら楽しい方がいい。とっても難しいことだけど、たとえどないに苦戦してても、それ
をそのまま受け止めて、しっかりと前を向くの。それも姫松魂なのよー」 「……はい」
「受け継ぐんは漫ちゃんたちやで。だから私は心配してへん。姫松は、永遠に不滅なのよー」
「……はいっ!」

「……なーんて、偉そうやったねー。私らしゅうないなー」 テレテレ。
「んなことないです。ゆーこ先輩、ありがとうございます」 二人して顔を見合わせ、照れくさ
そうに、えへへっと笑った。と、そのとき、

「洋榎おねーちゃんはあほの子カワイイっ!」 突然どこかで聞いたことのあるようなフレーズ
とともに、背後に愛宕絹恵が現れた。腕を組んで仁王立ちだ。デデン。

「ひゃっ、き、絹ちゃん! もー、びっくりしたのよー。いつから聞いてたのー?」
「全部です。おねーちゃんは、あほなトコもすっごくカワイイのです。強く主張したいのです」
「や、そ、そうやねー。やーねー悪口じゃないのよー? 寧ろほめたんよー」 アセアセ。

「ええ、わかっとります。ご心配なく」 にこっと笑ってから、漫の方に顔を向けた。
「ま、それはそれとして、コホンッ、上重さん、話は聞かせてもらったで。心配御無用や! 
ふっふっふ、デコ文字の謎は、私が解いたる!」 ふふんっと不敵に笑って、クイッとメガネを
押し上げた。 「は、はぁ」 漫たじたじ。

「ええですか、まず上重さんは大爆発もせーへんかったけど、これという凡ミスもしてへん。
にもかかわらず、デコに書かれたのは順番を三つとばして、「未」 の字やった」
「うん、そうやねー」 「うう……」
「ここで重要なのは、末原先輩が上重さんを大好きやーいうバレバレの事実です」
「ほほう、それでそれで?」 由子が興味深げに頷いた。「ぅええ?」 赤面する漫。


「実際、気づいてない上重さんもバレてへんと思てはる末原先輩も、もどかしいっちゅーねん。
おねーちゃんは放っといたりーってゆーけどなー、じれったいねん。大体やね、二人とも……」
「えっえっええ?」 漫たじたじたじ。
「あはは絹ちゃん、気持ちは分かるけど、話それとるよー」 苦笑して由子が軌道修正。

「はっ、いかんいかん私としたことが、失礼。コホンッ、まあ要するに我々は、根本的なところ
で勘違いしてますねん」 「か、勘違い?」
「そや! ええですか、そもそもその字は、「ひつじ」 とちゃう」 「へ? だ、だって」
「それは、末原の「末」 やっ!」 びしっと指さす! (※人を指さしたらあかんのよー)

「ええええええっ?」 「な、なんだってー! なのよー」
「そう、つまりそれは、『漫ちゃんは自分のモンやー!』 っちゅう印やねん!」
「ぇえええっ! そ、あ、あ、あうあうあう」 漫がゆでダコみたいに真っ赤になった。
「なーるほどー、納得なのよー。よかったなあ漫ちゃん」 ぽややん。

「よよよよかったて、ゆーこ先輩、そそそんなん、私なんか、んなわけ」 あわわわわ。
「いーや、そうに決まってます!なんならデコそのままにしといてみ?きっともう挨拶代わり
に乳揉まれることもなくなるでー」 末原先輩に逆らおうなんて度胸のある奴はいないのだ。

「末原先輩はな、素直やないねん。堅物の策略家ってレアなお人や、ちっとひねてんねん。
難儀やわー。ま、その辺のことちゃーんとわかっとらんと、上重さん、この先苦労するでー?」
絹恵がニヤッと笑ってウィンクした。こういう仕草がさまになる。

「ここここの先て」 「あはは、そーやねー。漫ちゃん、覚悟した方がええのよー」
「さ、ぼちぼちおねーちゃんの出番や、もどりましょ。気張って応援するでーー!」
「おおーー! なのよー!」 「……あ、あうう……」
真っ赤っかな漫を二人で引きずるようにして、化粧室を後にした。

* *


(う~ん、しもた……) 控室のモニターを眺めつつ、末原恭子が難しい顔をしている。
(辰って書くつもりやったのに、コレは私のや! とか考えてたら、「末」 て書いてもーた)
しゃーない、なんかつっこまれたら「ひつじ」 やゆーて誤魔化すしかないな……。

「なんや難しい顔しとるねぇ~。末原ちゃんから見て、どうやの戦況は~?」
監督代行が、やる気があるのかないのか、よくわからない声で訊ねた。
「え? あ、いやうん。そうですね……鍵となるのは清澄でしょうか」 切り替えが早いのだ。
「清澄~? ポッと出の~? 確かに次鋒の子ぉは曲者やったけど~」
「中堅の竹井は変則的な印象が強いですが、相当な地力の持ち主と思われます。主将と同等の
可能性も……いや、評価するには未だデータ不足ですが、警戒するに越したことはありません」

「そんなに~? そういや1回戦で他校飛ばしてたなあ~」
「ただしそれも、充分力を発揮できればの話です。清澄は全国どころか大会参加自体が初めて。
圧倒的に経験不足です。1回戦の断トツも、どこか浮ついた感じを受けました」
「ははあ~、よく見とるねぇ~。さすが作戦参謀やねぇ~」
「……こういった場合、自滅してくれるケースも間々あります。主将には、プレッシャーを与え
続けるようにお願いしました」

「盤外戦か口三味線ってこと~? そないに器用なこと、洋榎ちゃんにできんの~?」
「いえ、ただいつも通りに、イケイケ乗り乗りで行ってくださいってゆーただけです」
「ああ、そやね~。あの子天然やもんな~」 「……絹ちゃんそれ聞いたら怒りますよ?」

「洋榎おねーちゃんは天然カワイイっ!」 いきなりドアが開いて、絹恵たちが入ってきた。
「あら~お帰り~、どこ行ってたのん~」 聞かれていたことを毛ほども気にしていない。
「お手洗いです。おねーちゃんは天然なトコがまたカワイイのです。声高に主張します」
「そ~お~? 絹ちゃんの趣味も、変わっとるねぇ~」 「ぬなっ! ここ、こんのぉ」
「あーほらほら絹ちゃん、試合始まるのよー」 由子が絹江をモニター前へ引っ張っていった。

無表情のまま、恭子はモニターに目を移した。(調子づかせたら危険ですよ、主将……)


「うちらが目指すんは日本一やで! あんた以外に誰が大将やれるっちゅーねん!」
大将となることに逡巡していた自分の背中を、主将はぐいっと押してくれた。
見渡せば曲者魔物の博覧会みたいなこの全国大会で、凡人の自分がどこまでやれ……ん?

くいっと袖を引っ張られた。そっちを向くと、漫が上目遣いで見つめている。
「……なんや?」 (び、びっくりしたー。その上目遣いやめ! 抱きしめたくなるやんか)

「あの、先輩、私、がんばります」 「? うん、そか」
「あの、次失敗したら、またデコに油性ですよね?」 「次、か……したらな」
(……やりすぎやったかな。ホンマはこんなキレイなデコに落書きなんて、したないし)

「じゃあ、あの、かかっ、勝ったら、あの」 「? ……なんや?」
真っ赤に上気した顔をぐっと上げて、真剣な表情で漫が言った。

「勝ったらデコに、ち、ちちち、ちゅうっ! してくれますかっ!?」 「!!」

(あらあらあら~ん?) 代行ニヤニヤ。
(おおー、漫ちゃんいったのよー! よっしゃー!) 由子が小さくガッツポーズ。
(末原先輩どう受けます? 誤魔化したりしたら、しょーちせーへん!) 絹恵メガネキラリ。
モニターでは、今まさに中堅戦が開始されようとしていたが、三人の意識は漫と恭子の方に
こっそり、でもしっかりと向いていた。

「ん、んん゛っ!」 恭子が咳払い。 ジロッ
「お、おねーちゃん、がんばれー」 「ひ、洋榎ちゃん、ふぁいとなのよー」
慌ててそ知らぬふりをする絹恵と由子。
「んっふふ~ん♪」 代行は変わらずニヤニヤ。

漫は恭子の袖をちょこんとつまみ、頬を朱に染めて上目遣いでじっと見つめている。

 じー (だ、だからその目は……)

ふぅ、とため息一つ、恭子が静かに話し出した。
「……たまにな、麻雀て理不尽な競技やなーって思うんや。何でこんなんしてんのやろーって」
「え?……あ、はぁ」
「……でもな、楽しいな?」
「? はい、あの」 

「見とれ、次につなぐで。もっともっと楽しくしたる。……見とってくれたら、勇気百倍や」

「は、はいっ! 見てます! ずっと見てますっ!」 漫がぱぁっと笑顔になった。

「……で、そのぉ、次勝ったら」
(おお、上重さん引かぬ!) (いけいけごーごーなのよー!) 耳に全神経を集中する二人。

「そ、そんなん……か、かか勝ったら、な」
(よっしゃキターーー!) (よかった、漫ちゃんよかったなぁ~) 小さくハイタッチ。

「あはは~、聞いたった~♪ 私ら証人や。漫ちゃん、気張りや~」
「ぐっ、だ、代行」 「はいっ、がんばります!」 恭子の腕に、漫がぎゅっと抱きついた。

赤面しつつもムッとした顔の恭子だったが、まあ内心は、
(うぉおっ、お、おっぱ……やわら、か……) 至福のひとときなのだった。

* *



「やれやれ、持ち直してくれたか。うんまあ、原点じゃ。ここからここから」
中堅戦終了直後、緊張が解けてまこが大きくため息をついた。ここは清澄高校控室である。

「部長が苦戦するなんて……びっくりだじぇ」 優希が神妙な面もちで言った。
「さすがに全国、ということでしょうか」 和の声が緊張している。
「一筋縄ではいかんじゃろーけど、思い切って気楽にいきんさい。いつも通りでいいんじゃよ」
「……はいっ」 和がぐっと口元を引き締めた。

(う~ん、和と咲は次が初戦。固くならんといいが……) しんと静まる室内。
(……いかんなこりゃ、雰囲気変えんと)

「ふふっ」 静かな室内に、唐突に小さな笑い声があがった。「? 咲さん?」
「うふ、格が違う、だって。面白い人だね」 モニターを見つめて咲が微笑んでいる。
「? 名門の矜持っちゅーやつじゃろ。言わせとけばいいんじゃ」

ふぃっと咲が和の方を振り向き、ふわりと笑って言った。「だいじょうぶだよ、のどかちゃん」
「え、……ええ、がんばりましょうね」 何か、様子が……。
「うん。もしのどかちゃんが苦戦しても、わたしがいるからね。心配しないで」

「!? わ、私だって、負けません! 必ず点を取り戻して、咲さんにつなぎ……っ?」
突然、ゴッと強い風が窓を叩いた。部屋の照明が、チカチカと明滅し始める。
「な、なんじゃ?」 「じょじょ?」

「きよすみはまけないよ。ここでまけたら、おねえちゃんにあえなくなってしまうもの。
だからわたし、ぜんぶたおすって、きめたんだもの」

照明が、フッと消えた。
薄暗い室内で咲の瞳だけが、燃え盛る炎を照り返すように、一瞬光って見えた。

「おもしろいひとも、つよいヒトモ、全部ゼンブ、……叩キ潰スンダ 」
「さ……咲、さん?」


「ふふっ、ウフフ、麻雀って…… 楽 シ イ ヨ ネ ? 」


* *


「だーかーらっ、無理だっつーの! わがまま言うな!」
「ぬぅう~、なんとかするんだ、じゅん!」
観戦会場の廊下で、衣が純の手を引っ張って騒いでいる。

「咲に、咲に会わねばならぬ!」
「んなこと言ったって、試合中は会えねえってことくらい、知ってんだろ?」

「どしたのさ、二人とも。副将戦始まるよ?」 はじめが呼びに来た。
「あー、急にころもが、咲に会うんだーって言い出してな」
「? 宮永さんに? 試合後じゃだめなの?」
「むう……」 スカートの裾をぎゅっと握りしめて、廊下の窓を仰ぎ見た。

(……咲、さきっ! それじゃ、ダメだ。それでは白糸台には、宮永照には勝てないぞっ!)

ゴゥッと風の吹き荒ぶ音がする。パラパラと雨粒が窓を叩き始めた。

 もうすぐ 嵐がやって来る。

****************
以上 読了感謝



391 :おでこの秘密 蛇足 2011/03/26(土) 12:50:55.30 ID:IH7dXLRp
忍法帖って何?

はい、おやっとさーでした ありがとうございました
ゆーこちゃんは、とっても優しい良い先輩に違いないのです だといいな

原作で、しろみちゃんがダルくて胡桃ちゃんがパワフルなのは、
胡桃ちゃんがいろいろ吸い取っていたからだということが判明したわけですが、
胡桃ちゃんを膝に乗せたら、逆に瞬間フル充電してもよさそうなもんです
しろみちゃんは贅沢ですまったく いいなあ
まあ何にせよ、たまりませんな 二人ともかわええなあ はふー

中堅戦の感想を洋榎おねーちゃんに伺いましたところ、
「宮守のちっこい子が、おっかなかったです」 だそうです
この二人の絡みも、もっと見たかったりします 妄想回路が回りそうです

部長フラグ立てまくり! きっと美穂子さんにつねられるな ぎゅーっと
「あいたたたた、なによー」 「なんでもないですっ」 プイッ なんて うへへによによ

さあいよいよぺったん、じゃなくてハッちゃんの出番ですよー 楽しみだー  ではまた

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最終更新:2012年07月17日 22:18