17-326「優しい陽射し」 - 咲百合萌え @ ウィキ

326 :名無しさん＠秘密の花園 2012/07/01(日) 23:38:06.68 ID:Tb3vIG/K
328 :優しい陽射し　1 2012/07/01(日) 23:42:03.91 ID:Tb3vIG/K
329 :優しい陽射し　2 2012/07/01(日) 23:45:23.13 ID:Tb3vIG/K
330 :優しい陽射し　3 2012/07/02(月) 00:01:10.34 ID:Tb3vIG/K
331 :優しい陽射し　4 2012/07/02(月) 00:06:49.13 ID:3O/VvNgC
332 :優しい陽射し　5 2012/07/02(月) 00:11:43.96 ID:3O/VvNgC
333 :優しい陽射し　6 2012/07/02(月) 00:14:07.72 ID:3O/VvNgC
334 :優しい陽射し　7 2012/07/02(月) 00:17:17.79 ID:3O/VvNgC
335 :優しい陽射し　8 2012/07/02(月) 00:20:56.36 ID:3O/VvNgC
336 :優しい陽射し　9 2012/07/02(月) 00:23:06.39 ID:3O/VvNgC
337 :優しい陽射し　10 2012/07/02(月) 01:00:13.46 ID:3O/VvNgC
338 :優しい陽射し　11 2012/07/02(月) 01:04:29.84 ID:3O/VvNgC
恭子×漫ちゃんのSS投下しま～す。
地の文も関西弁って難しい。メゲそうになったでホンマ。
あ、タイトルは響きが好きだから使っただけで
あんま内容と関係無いですよ～。

学校からの帰り道、私は一人ぼっちだった。
全国大会が終わって1ヶ月が経った。
せやけど、私の心の傷は癒えてへんかった。
今でも、あの準決勝……怪物揃いの卓で
ボロボロになった事を思い出すと、
今でも泣きそうに……いや、もう泣いてしもうてる。
どうにか涙を止めようとしても止められへん、
上を向いて歩いても……涙が零れてくる。

「私……どうすればええの？」
「先輩……！」
そんな私を呼ぶ漫ちゃんの声が後ろから聞こえてきて、
私は慌てて涙を拭い、振り返った。
「何や漫ちゃん、どうしたん？」
「どうしたん、やないですよ先輩。
　いっつも一人で泣きながら帰ってるの、
　うちは知っとるんですから……」
「何言うとるんや、漫ちゃん？
　私は泣いてなんか……」

そう言いながらも、私の目からはまた涙が零れとった。
あかんなあ、漫ちゃんにこんなトコ見せたら。
「先輩！」
そう叫ぶと漫ちゃんは私の腕をぎゅっ、と掴んだ。
「もう、泣くのはやめてください。
　あの日の事をいつまでも引きずるんも……
　あの時の先輩は、カッコ良かったですよ？
　いや……先輩はいつでもカッコ良かったです」

「何を言うとるんや！あんな無様に負けて、
　みんなに迷惑かけて！私、ホンマに情けない女やで？」
「無様に負けて、みんなに迷惑かけたなんて、
　うちだってそうですよ。
　せやから先輩だけの責任やありません」
ああ、漫ちゃんは優しいなあ。
私みたいなんにカッコ良いなんて言って、
励ましてくれて……。
「でも、私は……」

「うちの知ってる先輩は、うちが好きだった先輩は、
涙なんか見せなかったですよ……。
せやから先輩、うちの事昔みたいに叱ってください。
マジック、ありますから。それで気が済むんやったら、
泣き止むんやったら、うちのオデコにいくらでも落書きしたってください」

漫ちゃんに好きだって言われた瞬間、
泣いて熱くなってた体がさらに熱くなった。
だって、私は漫ちゃんの事がずっと好きやったんやから。
「はい、先輩」そう言いながらマジックを渡してくる
漫ちゃんの手は柔らかくて、温かかった。
「ホンマにアホやなあ、漫ちゃんは……」

漫ちゃんに好きだって言われた瞬間、
泣いて熱くなってた体がさらに熱くなった。
だって、私は漫ちゃんの事がずっと好きやったんやから。
「はい、先輩」そう言いながらマジックを渡してくる
漫ちゃんの手は柔らかくて、温かかった。
「ホンマにアホやなあ、漫ちゃんは……」
そう言いながら、私は漫ちゃんのオデコに「好き」って
文字を書いたんや。

……なかなか消えへんラブレターやで、漫ちゃん。
「あっ、先輩泣き止みましたね。それに、笑ってますよ」
「ホンマやなあ。漫ちゃん、私の期待以上の活躍やわ……」
「お役にたてて光栄です、先輩。
　ところでうちのオデコに何て書いたんですか？」
「ええっ、それはなあ……言えへんわ、そんなん」

「まあええです。それより、部のみんなに
　先輩が立ち直った！って報告せんと
　いけませんね……。そもそもうち、
　先輩が心配で部活抜けてきたんですから」
「ああっ、漫ちゃんサボったんか。
　そら早く戻らんとって……アカンアカン！」
漫ちゃんのオデコに書いた「好き」って
文字を部のみんなに見られたら……
むっちゃ冷やかされるやん！

そう私が考えている間にも、
漫ちゃんは学校の方へ走り始めとった。
「ちょっ、漫ちゃん待ってーな！」
「待ちませんよ～！うちだけじゃなく、
　部のみんなが先輩の事心配しとったんですから！
　元気になった先輩の事早くみんなに見せんと……」
「ホンマにアカンて！せめて、オデコの文字消してから……
って、このマジック油性やった！なかなか消えへん！」

漫ちゃんの後を必死で走りながら、私は思った。
ホンマにありがとうな、漫ちゃん……。
後輩に教えられてもうたわ、大事なことを。
涙が零れそうな時は、上じゃなくて好きな人の方を向けばええ、ってことをな。

＜おしまい＞
レス&時間かけすぎてすいませんでした。規制って辛いですね