1-909「俺は佐々木と付き合う」

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1-909「俺は佐々木と付き合う」」(2007/10/10 (水) 10:49:21) の最新版変更点

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よく少女漫画等で二人の女性が好きな男を取り合って二人の内どちらかを選ぶというベタベタすぎる展開がある。 俺も小学生低学年の時には自分にもそんな時期がくるだろうか?と悶々と過ごした事はあったが それも高学年になる頃にはよく出来すぎている現実を理解し始め 中学生にあがった時にはそんな事が起きる分けないと頭の中から追い出していた。 だが俺も男だから少なからずそういうシュチエーションには多少興味があり、頭の隅ではもしかしたら・・・ という希望を持ち続けていた。 実際にそのシチュエーションになるまでは 俺は今SOS団御用達の例の喫茶店で二人の女性____ 佐々木とハルヒに見つめられ今まで生きてきた16年間で最も重大な選択に迫れていた。 ここまで言えばどれだけ頭の回転が鈍い人でも今俺がどんな状況下に置かれているか理解していただけるだろう。 そうこの二人の内どちらかを選ばなければなければいけないのだ。 無論、二人とも断るor二人とも付き合うという選択も考えたが、前者は何か言えない空気がアウッシュビッツのガス室ばりに張りつめてるし、 後者は論外だ。 あぁ、どうして俺はこんな目に会っているのか。 思えば今日の朝からこうなる事は決まっていたのかもしれないな・・・・・・ 俺は今日の朝いつも通りの時間の時間に起床し、いつも通りの時間に朝食を食べ、いつも通りの時間に家を出た。 しかし、何かが変だった。いつも通り過ぎるのだ。 いつもならどこかで何かちょっとした衝突があり、それをやれやれと心の中で呟くのが日課だったのが今日はそれがなかった。 嫌な予感がする・・・・ こういう場合良い予感_____ 例えば親戚に会いに行く時いつもより多くお小遣いが貰えるかもしれないとかの予感はマンボウが大人になる確率でしか当たらないが 逆に悪い予感______ 例えば親に呼ばれて怒られるかもしれないというとかの予感はシックスナインズだ。 前置きが長くなったがそういう分けで一抹の不安を抱えていたので途中で会った谷口の恋愛トークに付き合う相槌もままならない状態だった 「どうしたキョン?まさか涼宮に告白するかしないかで悩んでのか?」 まさか、俺とハルヒにその類の事はあいつと付き合ってきた一年間の中では皆無だしこの先も・・・・・ないだろう。 「程々にしとけよ、只でさえお前らの事は噂が立ちやすいんだからよ」 俺としてはそんなモノはどうでもいいが、ある事ない事赤の他人に言われるのは心穏やかではないな。 しかし、我らが団長はそれすらもSOS団の活動の成果とか言い出すからな・・・・ お前も準団員ならなんとかしてくれ。 「おい、誰が準団員だ。確かに一、二回お前らに付き合ってやった事はあるが、まさかそれだけで準団員なのか?  そうじゃなければ俺はお前の発言に対して撤回を求めるぞ」 俺やSOS団の中ではとっくにそうなのだがここは素直に撤回しておいた方がいいだろう。 分かった、撤回するよ。 そんな他愛もない話をしている間に教室はもう目の前に迫っていた。 そして、こういう嫌な予感がする時は十中八九ハルヒが原因である。 しかしながらチラっと見た感じではとりたてていつもと違う様子ではなく何かを考えてる様でぼーっとしていた。 いつもなら挨拶の一つや二つする所だが、今日は何か嫌な予感がするので話かけずにハルヒが何か思いつかない様に祈ってHRが始まるのを持つ事にする。 ハルヒが「ちょっと、来たなら挨拶ぐらいしなさいよね!!」と言うのではないかと内心ヒヤヒヤしたが今のハルヒにとって 俺が登校した事はさして重要でないらしく、一瞥するとすぐに考え事を再開していた。 嬉しさ半分虚しさ半分といったところだね。 そこからはいつも通りだった。 適当な所だけをノートに取りつつ、今日は古泉とオセロでもするかとか考え事にふけったり 教師のちょっとした昔話につられて笑ってみたりと至って平凡な授業の過ごし方だった。 ただ何故か俺の背中を終始見ていたハルヒを除けば・・・・ そして午前の授業がすべて何事もなく終わり谷口と国木田と普段通り飯を食っていた時にそれは起きた。 「昨日涼宮さんからキョンと佐々木さんの事について色々聞かれたんだけど何かあったの?」 ・・・・・一瞬、国木田が何を言っているか理解できなかった。いや理解はしていたが脳がそれを認めようとしなかった。 何故ハルヒが俺と佐々木についての関係を国木田に聞いたか何て事を悩む程俺も鈍くはない。 この前のSOS団の不思議活動の時に佐々木が親友と言った事が原因だろう。 そして、それを俺ではなく国木田に聞いた事については俺では真実をねじ曲げるかもしれないというハルヒなりの考えに違いない。 国木田は俺と違って正直だし____いや俺も人並みには正直者の自覚はあるが____国木田は俺にそれなりに近い位置にいたため適当だと判断したんだろうね。 しかし、それを国木田達に言う必要もないだろう。 「いや特には、で国木田は全部ハルヒに喋ったのか?」 国木田の性格上嘘をつくとは考えにくいがどの程度までハルヒに喋っていたかで今後の成り行きが変わってくる。一応確認のため聞いて置く必要はあるだろう。 「僕が知っている事はすべて話したつもりだよ、一緒の塾でいつも自転車二人乗りで行き帰りしていたって。後、電話番号も聞かれたな。」 そうか・・・それを言ってしまったのか国木田・・・・・ 国木田に罪はない事は十分承知しているがハルヒがそれだけの関係だと思う事はないだろう。 きっとあらぬ事を妄想しているに違いない、畜生今日何か考え事をしてると思ったらそういう事だったのかよ。 「おいキョン、その佐々木ってのは誰なんだよ。今の国木田の発言から判断するに彼女だと見たんだが、お前彼女いたのか?」 えぇい、うるさい。今はお前の戯言に付き合っている暇はないんだよ。 唯の友達だ、友達。それ以上でもそれ以下でもない・・・・・・・うん、ない 「ちょっと国木田さん、キョンはああ言ってますが本当の所はどうなんです?」 何故当人が友達だと言い張るのに国木田に聞く。まったくこいつの思考回路がわからん。 東大は夏目漱石の脳を研究するよりこいつの脳を研究した方がよっぽど有意義なんじゃないのか 「そうだねぇ、キョンが友達だって言うならそうなんじゃないのかな」 ナイスだ国木田今の発言にはGJと言わざるをえない、もし変に「僕には付き合っているように見えたけどな」とか言い出さなくて本当に良かった。 「ちぇ、お前らは何でそういう恋愛意識が低いのかねぇ」 俺はむしろお前の方が高すぎると思うんだが 「何を言うキョン、高校男児たるもの恋愛の一つや二つしなくてどうする!  俺を見習え、お前は俺が振られっぱなしの奴だと思ってるかも知れないが俺は彼女を作るという実績を残している!!」 で振られたんだろ 「バカヤロウ!告白して最初から断られるのとOK貰ってから振られるのは大違いなんだよ!」 どっちも振られた事には変わりがないだろうが、俺がいい加減こいつ熱弁を聞くのにも飽きた頃にチャイムがちょうどよく鳴った。 やれやれだ。 しかし俺はこの時国木田の発言を良く聞いてそして吟味するべきだった。 だが俺は谷口のアホトークから解放された事に対する安心感の方が強かったのだろう、 俺の頭の中ではそんな事より次の授業の事で溢れかえっていた。 午後の授業もいつも通り終わり、そろそろ部室に行こうとした矢先だった。 「キョン、これからあたしに付き合いなさい!」 そんな事大声でお前に言われなくても今部室に行こうと思っていた所だよ 「SOS団の活動の事じゃないのよ。これからいつもの喫茶店に行くからそれに付き合って欲しいの、それにあんたに会わせたい人間もいるし。」 何?俺はてっきり部活・・・いや団活の事について言っているもんだと思っていたがどうやら違うらしい。 それにしても会わせたい人間ねぇ・・・・ 少なくてもこの学校の人間でない事は確かだろう。北高生ならそんな所に行く前にハルヒに連れ出せれているだろう。 はてさて誰だろうか? まさか彼氏でもできて紹介したいとか言い出すんじゃないだろうな。まあ、恋愛は一種の精神病とか言うハルヒに限ってそんな事なないと思うが 「他の団員はどうすんだよ。そのままほっとく分けにもいかんだろ」 「みんなにはあたしから今日の活動は休みって言っておいたから大丈夫よ。さぁ、早く行くわよキョン!」 「じゃあ、俺はどうなるんだよ。お前は俺がこの後病院に行くだとか予定があるとは思わないのか?」 別にこの後特に予定はなかったのだが、無理矢理連れてかれそうになったら人間誰しも反論したくなるものさ 「別にあんた健康じゃない、それにあんたもSOS団員ならSOS団の活動を何よりも優先させなさい。」 こいつが我がままなのはもとからだがこれだけは言わせてくれ、やれやれ そんなこんなで俺はハルヒ団長様に喫茶店に連れてこられたわけだ。 そして店内にいる人間の姿を見て俺は年甲斐もなくあんぐりと口を開けてしまった。 なんとそこにはこの前会ったばかりの佐々木が優雅にコーヒーをすすっていたからだ、 さて突然だがここで問題だ。佐々木は何故ここにいるでしょう? A、たまたまここに居た B、ハルヒに呼ばれた C、橘達待ち Bじゃない事だけをひたすら俺は願ったが元々無神論者だったからだろうか? その願いは次の瞬間に打ち破られる事になった。 「やあキョン、先に失礼させてもらっているよ。早くこちらに来たまえ、  一人で何分も喫茶店の多人数席を占領する趣味は僕にはないんでね」 くっくといつもの低い笑い声を聞きながら佐々木のいう事に従う事にする。 俺はこれから何が起こるのかを考えたが検討もつかないし予測もできない、まぁ成り行きにまかせるかね コーヒー二つとオーダーを答えた後、ハルヒは切り出した。 「ここに佐々木さんとあんたを呼んだのは他でもないあんたの事について決着をつける為なの」 決着?何のだ。まさかここでいきなり大乱闘を起こすんじゃあるまいな、やるんだったら迷惑にならない空地とかにしようぜ。 そしてできれば俺を家に帰らせてくれ。 「キョン、残念ながらそれは無理な相談だ。  君がもしここで帰ってしまったら最終的には僕は君の言う通り彼女とボクシングの真似ごとをしなければならないかもしれない。  僕自身としてはそんな無益な争いはしたくないし、君もまさか僕達にピカソのような事を言うわけじゃあるまいね?   しかしこの問題はもとを辿ればSLなみに鈍い君にあるんだから君の手で決着をつけるべきだと僕は思うんだが」 どういう事だかさっぱり分らん、できればもっと端的に言ってくれ 「もう、本当に鈍いわねキョン!だから私と佐々木さんか選べって事よ!!」 あまり喚くなハルヒ、他のお客さんに迷惑だろ。見ろウエイターさんもこっちを見て驚いてるじゃないか ・・・出来ればこのように喋りたかったんだがこんな爆弾発言されて冷静に喋れる程俺は人間できちゃいないんでね。 へ?と間抜けな声を出すのが精一杯だった。 「ここまで言って理解できないとは・・・・  キョン、僕は前々から君の事を鈍いと思っていたがここまで鈍いとはさすがの僕も思っていなかったよ。  君は一度ガソリンスタンドで油を脳髄に差す事をお勧めするね、そうすれば君の鈍い頭の回転を少しでも早くする事ができるかもしれないし。  僕の口からもっと簡略化して説明させて貰うならだ、僕と彼女は君の事が好きなんだが君はどっちが好きなんだいと言う事さ。  もしここまっで言って理解できないのら、残念ながら僕の携帯電話に119の発信履歴が残ってしまう事になるだろう。」 佐々木にここまで言われたのならしらばっくれるのはもはや不可能だろう。 頭では分かっていても諦めきれずに足掻くのが人間の性だ。これで最後の足掻きだ 「その前に一つ聞いていいか?佐々木、お前は本当に俺の事が好きで俺何かでいいのか?俺の記憶ではお前はそんな感情精神病の一種だと言っていたと思うが」 頼むから違うと言ってくれ・・・・・ しかし佐々木は意味のある含み笑いを浮かべつつ俺の希望を見事に打ち砕いてくれた。 「どうやらそうらしい、君と共に過ごした一年間ではそんな事考えもしなかったが卒業して君と逢わなくなった辺りかな?  そこから何故か僕の海馬は君の事ばかり思い出す仕組みになってしまった。最初はさして気にしていなかったがそれが一か月も続くとさすがにこれは異常だと思い、  病院で健康検査を受けてみたよ。結果は健康そのものだったが、医者に聞いてみてもなにやらはぐらかせるしあの時期はまいった。  しかしだ、その症状が2か月を切った所で僕は閃いたよ、まさにユウレカとでも言うべきだったな。  僕は君に恋してるんだ。笑えるだろう?君に精神病の一種だとか散々色んな文献まで引き合いに出してまで君に言っていた僕が恋をするだなんてね」 そこで佐々木は自嘲ぎみにくっくと笑ったが俺には笑えなかった。何故ならこれで夢の三角関係が叶ってしまったからだ。 別に叶えるつもりはさらさらなかったが・・・・ そして冒頭に至るのである。 くそ!!俺はどうしたら・・・・ 素数を数えるんだ、1、3,5,7・・・・・・・ と変な行為に没頭してたら神(佐々木とハルヒ以外のな)は俺を憐れに思ったのだろう、情けをかけてくれた。 ●<しっかりして下さい。あなたの危機と聞いて来ましたよ。 この声は古泉!しかし、何処にいるんだ。いるんならおやおやとか言いながら今すぐ助けに来てくれ。3000円までなら払うぞ。 ●<できれば僕もそうししたいのは山々ですが、今の僕は閉鎖空間にいるのでそれは無理です。ちなみにこの声は機関の別の能力者の頼み込んでテレパシーで送って貰っています。 そうか、それは忙しい所すまないが俺も今忙しいんだ。どうすれば二人を傷つけずに済む?それだけを教えてくれ 俺はこの後古泉がお得意の解説で何とかしてくれると思ったがさすがに人生そこまで甘くはできていなかった。 ●<残念ながらそのような方法は僕には思いつきません。ですが今この状況を続けるより、トイレにでも行くとか言って時間を稼いだ方がいいのではありませんか? そうか!時間を稼ぐと言った簡単な方法があったじゃないか!! 俺はそんな事すら思いつかない程混乱しきっていたらしい、いや今はそんな事はどうでもいい。 こうして古泉に冷静に話しかけられたおかげで俺はもっといい案を思いついた。 時間を稼ぐなら別にトイレとか言わないでも考える時間をくれとか言って後日に持ち込めば良いのでは? そうすれば今よりか遙かにいい回答が出来るだろうし、何よりこの場から逃げ出したい。 しかしながら今目の前にいる神様達はそんな俺の心を読んだのか 「勿論、考えさせてくれとかいうのはなしだからね。佐々木さんと一緒にあんたの答えは聞きたいし  佐々木さんは私立で忙しくてあんまし時間とれないみたいなのよ、だから今ここで言って。」 畜生!!王手飛車取りだ・・・・こうなったら最終手段!!!! 「そんな事は言うつもりはさらさらないが、少しトイレに行かせてくれないか?我慢の限界なんだ」 頼むぜ古泉の作戦・・・・・・ 「そうか、ではなるべく早く帰ってきてくれると嬉しいな。  僕は出来れば早く回答を聞きたいし、こういう関係の相手と二人きりというのはどうにも気まずいのでね」 てっきり引き止められるかと思ったのだが以外にもあっさりとトイレに行く事に成功する。 そして俺は個室に閉じこもり思案にふけりしばらく経ったその時だった。 ●<で答えはまとまりましたか? 古泉、やっと来てくれたか。今ほどお前の声を聞きたいと願った事はないぜ。で神人はどうなったんだ。 ●<あなたとの会話の後一時激化しましたが今はいくらか収まって可愛いもんです。 そうかそれはよかった。お前の言う通りトイレに来てみたんだが、さっぱり良い考えがでん。 何かいい知恵を貸してくれないか? ●<そうですね、先ほど言った通り僕の頭では彼女達両方の気分を害さない答えを導く答えは出せないでしょう。   ですが機関の立場から言うのでしたら、やはり涼宮さんと付き合ってもらいたいですね。 どうせそう言うと思ったよ。 ●<勘違いしないで下さい、これは機関の立場から考えた意見であり僕個人の考えではありません。   僕としてはあなたにも幸せになって欲しいですから、無理強いしたりしませんよ。それにそんな形で付き合ったとしてもどこかでボロが出るでしょうし。 すまん、俺はお前の事を誤解してたようだ。しかし、もしここで俺が佐々木を選ぶ事になったらまた世界が崩壊したりするんじゃないのか? ●<確かにその可能性もゼロとは言い切れませんがその可能性を減らす事は可能だと思いますよ。 どういう意味だ? ●<アフターケアの問題です。あなたが佐々木さんを選ぶと仮定して、    その後あなたが涼宮さんに一瞥もせず佐々木さんと腕を組んで出て行ったりしたら確実に世界は崩壊するでしょうね。   しかし、あなたが「ハルヒ、俺達はもうSOS団員の団長と団員っていう関係だろ?」とか囁いたのであれば世界が崩壊する事はまずありえないでしょう。   佐々木さんも同様です。もしあなたが彼女達を本当に幸せにしたいと思うなら選択より選択した後の事を優先するべきでしょう。 だがそれでもあいつを選ばないと世界が崩壊する可能性はゼロじゃないんだろ? ●<その時はその時です。それに僕はあなたが取る選択肢があなたが考え抜いた末の最善の選択肢だと信・・・じて・・・いま・・すから。 どうした古泉?何か電波(?)が悪いぞ ●<すいま・・せん・・・・これが限界・・・のようです。   本々こ・・のテレパ・・・シーは僕達超能力者・・の間でしか使えない・・・のを他の人に無・・・理言・・・・・・ってあなた・・・・に送って・・・・・いるんです。 すまんな古泉、お前がそんな無理してるとは思わなかった。お前の言う通り俺は俺の最善の方法えおを選ばせてもらうぜ。 もし世界が崩壊したらいつでもゲームができるようにオセロとかをいつでも集めて待ってるよ。 ●<ありが・・・・・・・・・・・とう・・・・・・・・ご・・・・・・・ざい・・・・・・・ます。それで・・・・・・・は これはどう見ても死亡フラグです、本当にありがとうございましただな。 だがこれは他人事ではな、これは古泉だけでなく俺にも当てはまる死亡フラグであって少し選択肢を誤れば即BADENDだ。 くそ・・どうせならもっと谷口が置いていったギャ○ゲとかをやって置くべきだったかもな。 しかし今さら後悔しても始まらない、それに俺の中ではもう決定ボタンは押されているし変更するつもりはさらさらない。 そう意気込んで俺はトイレから出た。 「遅かったじゃないの、あんた一体トイレで何してたの?」 トイレでする事なんて一つしかないだろう、大きい方だったんだよ。 「もしそうっだったとしても君は10分以上もトイレにいたのだからそういう疑問を持たれてもおかしくはない立場だと思うし、   状況が状況だしね、僕はひょっとして君がトイレの窓から逃げ出したんじゃないかとヒヤヒヤしてたよ。」 俺も一瞬そうしようと思ったが、それは一時しのぎにすぎないし第一ここの男子トイレの窓はない。 「そんな事するんなら、その前にここを飛び出してるって」 「そんな事はどうでもいいわよ、で結局どっちを選ぶのよ?」 まあそう急かすな、そんなに言わなくても今から言うよ。だがその前に二人に確認したい事が一つあるんだがいいか? 「僕は別に構わないね、ここまできたら乗りかかった船だ。大半の要求には応えてみるさ。」 「私も佐々木さんと同意見ね。無茶な事を聞いたら顔面にパンチするかもしれないけど」 そうかそれを聞いて安心した。では聞かせてもらおう、もし俺が自分自身と違う人物と付き合うと言ったらどうする? 「そうだねぇ、その時は大人しく身を引かせて貰うよ。  第一、僕と君が一年間も会ってなかったんだから本当ならどうこう言える立場じゃないしね、くっくっ」 「まぁ、SOS団における地位はずっと下っ端になると覚悟しておいた方がいいわね。  団長自らの申し出をを断るんだから」 そうか、その程度か。もしここで自分を選ばなかったら心中するとかどちらかが言い出したら決心が鈍る所だったがその心配は杞憂に終わったようだ。 「今から言うが一度しか言わないから、よーく聞いておけよ。俺が付き合うのは・・・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・佐々木だ。」 この後、俺はきっとハルヒが癇癪玉を破裂させ泣き喚くだろうと覚悟していたが、それはいつまで経っても起きなかった。 変わりにパチパチという感情の籠っていないハルヒの拍手が鳴り響いた。 俺が今OKを出した佐々木本人はと言うとニヤニヤと微笑みを絶やさずにこっちが何かを言うのを待っているといった所だね。 そしてハルヒはという無表情のままパチパチと拍手をし続けていた。 その状態がしばらく続いたがハルヒは拍手をやめると 「じゃあ」と言って帰ろうしたが、それを許してはBADENDだ。それに今のハルヒは絶対何か勘違いしている。 俺はそう思うが早いかハルヒの腕を掴んでいた。 「離してよ、もう用事は終わったんだしあたしがいたらあんた達は迷惑でしょ」 別にお前がここからいなくなるのに反論はしないが一つだけ聞いて帰れ 「何よ、ノロケ話でもする気?そんなにあたしを虐めて楽しい?  ああそうかそうだよね、キョンは本当はあたしの事最初から嫌いだったもんね」 だから聞けよ 「どうせあんたの事だからあたしの事DQN女だと思っていつも心の中で笑ってたんでしょ。  そうだよね、よかったわねちょんとした女の子が来てくれてどうせ清々してるんでしょ、もうこんな奴と付き合わなくていいって」 だから聞けって 「SOS団に付き合ってたのも全部みくるちゃん目当てだったんでしょ、いつもみくるちゃんばっか見てたし。  そうだよね、あたしみたいな我が儘な女よりみくるちゃんや佐々木さんみたいな気配りできる子がいいよね。  あーあ馬鹿みたいあたし、そんなんで自分に気があるんじゃないかって勘違いして、もう本当に・・・・」 「聞けよっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 一瞬ハルヒはビクッとした後黙った、まったく人が聞けって言ってるんだから大人しく聞いて欲しいもんだね。 「いいかハルヒ、お前は俺がお前がさっき言ったみたいな風に思った事はこの一年間一度もなかった、断言してもいい。  確かにお前の突飛な行動だけを見てそういう風に言う人間もいるかもしれないが俺は違う。お前とこの一年間過ごしてきてお前のその行動に呆れたりした事もあった、  だけど、俺はお前が俺の妹みたいな小さいこに優しくできる奴だって知っている。それに俺が冬に三日間入院した時だって看病してくれたじゃないか俺はあの時こう言うのも何だが心打たれたよ。  俺がお前に嫌いだ何て言った事があったか?少なくとも俺の記憶にはそんなものは存在しない、あるんだったらそれは別人だ。  確かに俺はお前じゃなくて佐々木を選んだ、それは別にお前の事が嫌いな分けじゃない俺はお前ら二人とも好きだしできればあの時二人とも好きだと言いたかった。  だがお前や佐々木はそんな答えじゃ満足しないだろ?だからどちらか選ぶ必要性があったから選んだまでだ、結局何が言いたかったかと言うと俺はお前も佐々木も好きだとう事だ!!!!!!」 ふぅ疲れた、とりあえずこれでハルヒの誤解は解けただろう、後はハルヒがどう思うかだが・・・・・・・ 「あんた彼女の目の前で振った女に両方好きって言うなんてどういう神経してんのよ・・・・」 さっきの泣き出しそうな雰囲気とは打って変って今度は呆れたようだったがまあいい、 これで多分誤解は解けただろうと思って気が抜けてしまったんだろなついペラペラと余計な事を喋ってしまった。 「何を言われようととりあえずお前の事は好きなんだよ佐々木と同じくらいにな。」 特に深い意味はなくその場で出た言葉だがさすがに失言だったか 「ふ~んそうなんだ、じゃあ何であたしじゃなくて佐々木さんを選んだのかな?」 しまった、と気づいた時には遅かった。頼む古泉今すぐあのテレパシーとやらをやってくれ! そんな俺の願いは叶わずうろたえるしかなかった。 「えーと、そのなんつーかだな・・・・あれなんだよ・・・・うん、あれ」 「あれじゃ分かんないわよ、ちゃんと分かるように説明しなさいよ」 うーん、何でこんな浮気が発覚したみたいな空気になってるんだ畜生、古泉はまだか 「簡単な事だよ、僕と君のキョンの好きという数値は同じだがキョンは君ではなく僕を選んだと言う事は   君とキョンの間で起こったより、重大な事が僕とキョンの間で起こったのさ。」 今までずっとニヤニヤと薄笑いを浮かべていた佐々木が喋り出した。 というより佐々木さん、助けるならもっと早くに助けて下さい。あれ、もしかしたら怒っていらっしゃいます? 「どういう意味よ」 「これは別に僕でも言える事ではあるがキョンの気持ちを推察するとキョン自身の口から言った方がいいだろうね。  そうだろキョン?」 ああお前の言う通りだよ、このまま佐々木の口を通して言われるくらいなら俺自身が言った方が数倍いいさ 「あのなハルヒ、落ちついて聞いてくれよ」 「何よ急に改まっちゃって、言うなら早く言いなさいよ」 ここまできたなら後戻りはできない、もう言うしかない。こうなったらなるようになれだ。 「俺と佐々木は実は・・・・・・・ Cまで済ませてあるんだ」 ハルヒは俺がいきなり改まったもんだからちょっと覚悟はしていたみたいだが、さすがにこれは予想外だったようだ。 ポカンとなってしばらく固まっていた。 「・・・・最初あんたと佐々木さんが一緒にいるのを見て何か変だと思ったらそういう事だったのね・・・・」 まさか泣き出したりはしないだろうとは思っていたが、いきなり自分に諭すように語り始めるというのは予想外だったね。 「にしてもあんたにそんな度胸があったとは驚きだわ」 何、俺も一人の男だったと言う分けさ。 「それじゃお邪魔なあたしはここで帰るわね、それじゃ後はごゆっくり」 後、明日も学校あるから程々にしときなさいよ。などと茶化しながらハルヒはレジに向かって行った。 これで全ての事不安要素が無くなったとほっとしたのもつかの間、もう一人の神様がヒトラーも裸足で逃げ出しそうなオーラを纏っていた。 もしかしてBADEND?やばいぞ、これはまずい。佐々木が去年のハルヒみたいな事になるなんて頭の容量の1キロバイトも占めた事はないが、 今の佐々木だったらやりかねん。ええぃ古泉はまだか 「さてとキョン」 告白してOKをされた人間は必ずしもこのようなオーラを纏うものなのだろうか。少なくとも俺が読んだ小説や漫画の世界では 顔を赤らめながら「嬉しい・・・」等と言っていたが、この後の佐々木の発言がそれに準ずるものになると推察するには韓国の捏造並に無理があるだろう。 「これで僕達は晴れて世間一般でいう恋人という仲になったわけだが釈然としないのは何でだろうね。」 サアナンデデシショウネ 「キョン、僕は告白というものを生まれてこのかた16年間で初めてしたのだが、  まさかOKされた直後に恋敵とも言えた人間に必至に弁護する彼氏の姿を見るというのは僕が知り得る限りの創作物では少なくともなかったな。」 あのですね佐々木さん、とりあえず落ち着いて僕の話を聞いて下さらないでしょうか? 「それはこちらからも是非ともそうしていただきたいし、拒む権利や理由もない、最もその話の内容が僕を納得させるものだったらの話だが」 佐々木は悪代官という言葉がぴったり当てはまるような笑みでこちらを見つめていた。 さてとここで最後の選択肢だ、ええぃセーブボタンは何処だ。 「佐々木、俺は確かにお前の恋敵ともいえるハルヒに対しても好きだと言った、これは俺が悪かった。    そしてだ、付き合う理由があんなのとお前は言ったがもちろん俺だってそれだけでこういう選択を選ぶ事はしない。   じゃぁ何故ここでお前を選んだかと言うとだ、佐々木・・・・・・」 「お前が一番可愛いからだよ」 俺はとりあえず今ので俺の感情を相手に伝え切ったつもりだ。後は佐々木の反応待ちだが・・・・・・・・・・・・ しばらくの間、沈黙が流れたが、 その静寂を破ったのは他でもない佐々木の笑い声だった。 「あーはっはっはっは、まさか君がそこもで変わってないとは思わなかったよ。普通こういう場では言い訳を並べるもんだと思ったが  直球勝負とはね、はーっはは」 佐々木はまだ笑い足りないのか普段からは想像もつかない笑い声をたてながら喋り続けている。 「にしても一番可愛いだって?もうすこし気の利いたセリフは思いつかなかったのかい?」 もちろん色々候補はあったさ、君は僕にとっての黄金比だとかな。 「生憎だが君がもしそんな事を口走っていたら僕の携帯に110の発信履歴が残る所だったよ。   そして僕達がこうしてまた逢う日もなかっただろう」 そんなこったろうと思ったから素直に伝えたのさ、それに今はその必要もないだろう。 「くっくっ、いや全く持って君の言う通りだよ。それで結局キョンは僕の事が一番好きだと言う事でいのかな」 あぁ、そうとって貰って構わんよ。つまり俺がいいたいのはだ ハルヒ=結構好き+結構可愛い<佐々木=結構好き+世界一可愛い という方程式が成り立ってるて事さ。 「いやもう十分だ、まさか君の口からこうも素直に好きだとか単語が出るなんて予想外だったもんでね。  だけど僕も少し欲をだしてみたくなってきたんだが、僕の我が儘を一つだけ叶えてくれるかい?」 今俺とお前は恋人という中なんだし、そんな堅苦しく言わなくても大半の事は叶えてやる自信はあるぜ。 もっとも限度があるがな。 「何、別に100カラットのダイヤをくれだとかそういう類の願いじゃないんだ。  キョンが僕の事を好きだと言うのは君の話を聞いてる中で十分分かった、後はできれば態度で示してもらいたんだよ。  例えばそう、キスとかね」 キスか・・・・・・・・・・・・・・ いや別に嫌なわけではなかったができればもっと人目のない所でしたかった。 だが今この空気でそんな事言える奴がいるなら名乗り出て欲しいもんだね、多分そいつは俺以上の鈍感だと思うが 「分かった。佐々木、目を閉じてくれ。」 すると佐々木は若干驚いたようで 「本当にいいのかい?僕としてはしごく単純なジョークのつもりだったんだが」 なんだよ自分で言っておいて断るつもりか? 「いや、別に断るつもりは一ミクロンたりともないんだが以前のキョンだったら絶対断ると踏んでいたんんだが」 ま、俺もこの一年間で変わったという事さ 「なるほど、そういう考え方もあったね。」 そう短く佐々木は区切ると「ん・・・・・」と言って目を閉じてきた。 やばいこれはやばすぎる。一年前から可愛い奴だと思っていたがこの一年間でさらに磨きがかかっている。 そうやって小一時間ほど佐々木鑑賞会を続けていたかったがそうもいかず、覚悟を決め佐々木の顔に近づく。 そして次の瞬間に俺と佐々木の唇は触れ合っていた。 俺の中ではこの後すぐにでも唇をはなして何事もなかったかのように佐々木に話しかけ家に帰るというシナリオが出来ていたのだが、 現実はそうそうシナリオ通りにならないものである、だからこそ楽しいんだけどね。 俺が唇は離すより一瞬早く佐々木の腕が俺の後頭部を捉えていた。簡単にいうと腕でがっちりガードされて唇が離せないってこった。 むぐぅ・・・という限りなく奇声に近い声を洩らしながら佐々木をと見るといかにも勝ち誇った目でこっちを見てやがる。 そうか、そっちがその気なこっちにも考えがある。 佐々木と同じように俺は佐々木の後頭部を腕でがっちりガードし俺は俗に言う‘大人のキス’を佐々木に報復としてする事に決めたのだ。 少しばかり罪悪感が湧かないでもないがあいつからやってきたんだからしょうがないと勝手に結論づけ決行に移す。恨むんなら自分を恨むんだな佐々木。 俺は自分の舌をそっと佐々木の口内に忍ばせる。舌が佐々木の唇に触れた時佐々木はビクッと肩を震わせたがこれから俺が何をするのかを理解したのだろう、 佐々木の方から舌を絡めてきた。ぐちゅぐちゅという厭らしい音が辺りに響き渡る、にしても佐々木さんあなたエロ過ぎです、正直性欲を持て余します。 そんな事を頭の中で考えていたせいか俺の腕は少しだけ力を抜いてしまい、結果佐々木を解放してしまう事になった。 次の瞬間佐々木は宝物をみつけた子供みたいな笑顔でさっとナプキンで口についた唾液を拭き取っていた。 「いやー驚きだよキョン、君がこの一年間でここまで度胸をつけるとはさすがの僕も予測不能だったよ。」 色んな目に逢えば誰しも少なからずの度胸はつくと言う事さ 「そうか、それは嬉しくもあり残念でもある事だ。僕自身としては度胸をつけてちゃんとしてくれるキョンも中々いいと思うのだが  何も知れないうぶのままおろおろるキョンというのも中々に捨てがたいものなのでね。」 そんな事言われてもついちまったもんはしょうがないから、出来れば後者は潔く諦めて頂きたい。 「そうさせて頂こうか。時にキョン、これからどうするね?」 時間はまだ16時過ぎといった所だった。 そうだな、まぁ適当にその辺でもブラブラしていればいいんじゃないのか? 「ああ、じゃあその前に一つ僕から言わせてくれないか」 何だどこか行きたいとこでもあるのか? 「そういうわけじゃないんだがね。これはまぁ僕を選んでくれた君に対する感謝を述べたいと思った所なのだよ。」 個人的にはさっきの大人のキッスが色んな意味でご褒美だったと思うのだが佐々木はそうは思ってなかったらしい。 「そいつはありがたいね、脳細胞に一字一句間違いを起こさずに刻み込む準備はもう終わったからいつでもいいぞ。」 そして佐々木は今日一日で見ていなかった本当の笑顔で 「キョン、私を選んでくれて本当にありがとう」 ・・・・・・・それは反則ですぜ佐々木さん END

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