40-194「あけましておめでとう」

「涼宮さん」
「え、うわ!あ、あんた確かキョンの中学校時代の友達の」
「そう佐々木だよ。ところで涼宮さんはどうして着物姿でキョンの家の前でうろうろしてるのかな?」
「いや、あの、あんたこそどうしてここにいるのよ」
「私は一応キョンに新年の挨拶をと思ってね。去年は年賀状すら貰えなかったからね
直接押し掛けてしまおうと言うわけさ」
「なんだ、あたしと同じじゃない!じゃあ一緒に行きましょ!」
同じ考えの人に会ったことでキョンに会う決心がついたのかパァっと困った顔から満面の笑みに表情を変え、
涼宮さんは少し強引な動きで僕の手を掴んで引っ張って行く
誰かと手を繋いだなんて小学校以来だろう。
このほんのりとした温かみを僕は何処かに置き忘れてきていたような気がする
「ありがとう」
「ん?なんかいった?」
「いや、なんでもないよ涼宮さん」
「そう。ならいいわ」
「でも、キョンは譲らないからね」
「なっ!」
みるみる顔が紅潮していく涼宮さん。くっくっくっ本当に分かりやすくてからかいがいのある人だ
キョンのことは唯の団員だのだいたいキョンのことは好きじゃないだのと
ぶつぶつ呟いている涼宮さんを尻目に僕はキョンの家のインターホンを押した
すぐに応答する寝ぼけた声。僕もすぐに応答する
「あけましておめでとうキョン」

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最終更新:2009年03月14日 22:52
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