ジシャクワルド

「ああっ、砂鉄まみれ…しまったジシャク~!」

【名前】 ジシャクワルド
【読み方】 じしゃくわるど
【声】 中谷一博
【登場作品】 機界戦隊ゼンカイジャー
【登場話】 第16カイ「磁石シャクだぜ もう限界!」
【所属】 キカイトピア/トジテンド王朝
【分類】 ワルド/キカイノイド
【世界】 ジシャクトピア
トジルギア ジシャクトジルギア
【名産】 はがれない鉄
【名物】 マグネッ刀S極(エスきわみ)・N極(きわみ)
【モチーフ】 U字磁石、鎧武者

【詳細】

クダックに「ジシャクトジルギア」を組み込み、砂鉄にまみれて誕生したワルド怪人。

U字磁石の意匠が鍬形、吹返に組み込まれた兜を被り、赤い面頬に砂鉄で出来た口髭がくっついた鎧武者を思わせる姿をしている。
棒磁石を模したマグネッ刀S極、N極で武装し、ジシャクトジルギアの力を悪用することでキカイノイドはもちろん人間の身体を強力な磁石に変えてしまう。ちなみにマグネッ刀の柄は電磁コイルを模している。
影響を受けると近くにあったスプーン等軽いものから、たこ焼きの鉄板といった重いものまで強力に引き寄せるほどの強い磁力体質になってしまい、周囲にある金属製の物体をくっつけて動きを封じられてしまう。

また周囲に引き寄せられるような金属製品がない場所であっても、自由自在に「無限鉄骨」なる鉄骨を出現させる能力も持つためジシャクパワーが使えない状況に陥ることは無く、それで相手を押し潰すことも可能。
この能力は金属で出来ているキカイノイドには特に作用しやすく、だんだん磁力が強まりより大きな金属製品を引き寄せていくという厄介な性質を持つ。
ただ相手を磁石に変えてしまうと言うよりは、磁力をもたせる能力であるため、何らかの方法で磁力が低下する状態に持ち込むことは出来る。
その関係か、自分自身の磁力が低下する状態に陥ると弱体化してしまう模様。

第16カイに登場。
介人とジュランは道端のたこ焼き屋の主人キカイノイドがキカイトピア時代住んでいた地区がお互い近かったことで意気投合していた。
その途中能力を発動し、日常生活を送っていたゼンカイジャー達は磁石になってしまい、ジュランはたこ焼きの熱した鉄板が顔面にくっついてしまったため大騒ぎに。
買い物途中だったガオーン、路地裏で子供たちを相手に占いをしていたマジーヌ、図書館で面白そうな本を選んでいたブルーンも被害に逢い、
体中に金属製品を貼り付けた状態でどうにか建物の屋上にいたジシャクワルドを見つけた介人達はいつものようにチェンジを試みる。

しかしギアトリンガーも金属製。
取り出して構えた途端お互いにくっついてしまい、レンジャーギアのエフェクトも干渉しまくるという窮屈なチェンジを経てゼンカイジャーはジシャクワルドを攻撃しようとするが、
磁力に邪魔をされてろくに狙いをつけられず、さらにはジシャクワルドが召喚した無限鉄骨に埋もれてしまい、その間に逃走を許してしまった。
とそこに少し遅れてやってきたツーカイザーことゾックス。
その場にワルドはおらず、積み上がった鉄骨だけが残されていたのだが、押しつぶされていた介人がゾックスに助けを求めたことで鉄骨を破壊し何とかその場から離脱に成功する。

相変わらず鉄製品まみれになりつつも、何とかカラフルに戻ってきた介人達。
そこにはお客さんがいて、「お客さんすいません。ただいま磁石なもので…」と申し訳無さそうな介人だったが、
そのお客さんとはたまたま近くを歩いていたところをヤツデが招き入れたステイシーだった
気まずい邂逅だったが、ステイシーは介人達が言い損じた「サトシ」という偽名で通すことに。
とそこで店内にあった金属製品が介人を避けるようにジュランに次々にくっついていく。

セッちゃんがキカイノイドが磁力攻撃を受けると、磁力がだんだん強くなっていくと分析したためそのままカラフルに居続けるとより被害が拡大すると気付き、これ以上被害を出さないため店の外に慌てて飛び出していく介人達。
しかし自転車、標識・・・あらゆる金属製品が彼らを追いかけてきた。
まず最も肉体面で貧弱なマジーヌがくっつきまくる金属の重みに耐えかねて脱落。
続いてブルーンもトラックと乗用車の板挟みになってアイル・ビー・バックと言いつつ脱落してしまう。ブルーンは巨大化から機界変形してトラックを跳ね飛ばそうとしたようだが未遂に終わってしまった。
さらにその直後、彼らの強力になっていく磁力に引き寄せられたクロコダイオーがジュラン達に向かってきた。

二手に別れようとジュランが提案するも結局ガオーンもジュランと一緒の道に入ってきたため、懸命にフリントが逆噴射で磁力に対抗するクロコダイオーとの追いかけっこになってしまう。

ジュラン達を助けるにはやはりジシャクワルドを倒すしか無い。
けど居場所がわからない…
と介人はカラフルにトジテンドの人間であるステイシーがいた事を思い出す。

ステイシーはその頃ジュラン達が逃げ出した後散らかった店内を片付けており、介人が駆け込んできたのとほぼ同時に店を後にしていた。
ステイシーにしか出来ない、ジシャクワルドの居場所特定のため懸命に頼み込む介人。
だが介人を倒そうというステイシーはその要求を拒否し続けたが、ステイシーが介人の祖母であるヤツデに何かしらの思いを抱いている様子を見ていたゾックスは、
ヤツデは標的の祖母であることを伝え、自分たちの関係及び正体をバラされたくなければ…と脅しにかかる。

その頃トジテンドパレスに戻っていたジシャクワルドは自分を生み出したゲゲに経緯報告していた。
ステイシーは報告を終えて一人になったジシャクワルドに接触し、ゼンカイジャー達が「能力を破った」という嘘を伝え彼らが岩漕山にいるということを教えると、ジシャクワルドはそれを鵜呑みにし慌てて現場に急行する。
だが、そこにいたのは身体中に金属製品をつけまくった介人とゾックス。
自分の能力がまだ切れていないことに驚くも、そのままチェンジしたゼンカイザー(+ひっつくセッちゃん)とツーカイザーと戦うことに。

磁石になったままの介人はクダック達のプラグランサーがくっついて身動きが取れなくなってしまい、さらには無限鉄骨まで使われたため、
ゾックスがギアダリンガーで撃ち落とそうとするも、銃撃で砕かれた破片までくっついてしまい押しつぶされてしまう。
そこへヤケを起こしてジュラン達がクロコダイオーと共に自爆しようと走り込んできた。
このままでは彼ら諸共自分がクロコダイオーに潰されてしまうため、ジシャクワルドは止む無く磁力レベルを低下させ、何とか動けるようになった介人は、セッちゃんのアドバイスでファイブマンギアを使用。

ファイブレッドの「理科の知識」によって高温になることで磁力が弱まるという弱点を見抜かれたため、ゾックスはカッタナーの力で炎を操るシンケンフォームとなり、
ジュランも胸の恐竜の顔から炎を出せることを思い出したため、武器に炎をまとわせ、ガオーンのクローも炎で炙り、ジシャクワルドへ攻撃を仕掛ける。

弱点である高熱を纏った連続攻撃を受けたことで力が抜けた瞬間、介人が発動したゼンカイフィニッシュバスターが直撃し爆散した。

その直後現れたクダイテストが暴走したジシャクトジルギアの影響を受け、ダイジシャクワルドへと変化、巨大戦が開始される。

【余談】

このワルドのモチーフは磁石だが日本の侍風のデザインになっている。
特命戦隊ゴーバスターズにもジシャクロイドという磁石モチーフの怪人がいるのだが、そちらは忍者風のデザインとなっており、和風デザインとして共通点がある。
ちなみにデザインしたのは両方ともK-SuKe氏。

ファイブマンギアを使い高熱で磁力が弱まるという弱点を介人が見抜いた際、「介人がかしこい」とジュラン達が驚いていた。
なおファイブレッドこと星川学は理科の教師であるため、それをイメージした能力なのだろう。決して介人の知力が小学生並みというわけではない、と思いたい。

磁石は経年劣化等以外に、実際に高温に晒すことで磁力は弱まる。
アルニコ磁石が最も高温に強いが、それでも850℃が限界であり逆に最も熱に弱いのがネオジム磁石で320℃程度で磁力が失われてしまう。
磁力が完全に失われてしまう温度のラインをキュリー温度と呼ぶ。
発見したのはピエール・キュリーであり、キュリー夫人ことマリア・サロメア・スクウォドフスカ=キュリーの夫。
キュリー温度はそれに由来した名称。

最終更新:2021年12月28日 12:11