88 名前: 371@銀剣物語 ◆snlkrGmRkg [sage] 投稿日: 2007/01/17(水) 21:30:24
そういえば、雛苺はどうしているのだろうか。
さっき見に行った時は、居間には藤ねえしかいなかったし。
と、いうことは、誰かの部屋に遊びに行っているのか?
「……少し、様子を見に行くか」
……雛苺を疑っているわけじゃないが、どうにも、氷室という前例があるからなぁ。
契約の指輪を失ったんだから、無茶なことはしていないと思うが。
とりあえず、一番近い部屋から順番に探してみよう。
「まずは、ライダーの部屋からかな」
中庭から直接廊下に上がって、ライダーの部屋に向かう。
一応、部屋の前でこんこん、とノックしてみる。
「ライダー?」
「士郎ですか?」
「え、先輩?」
「シロウ?」
あれ?
思いがけず、三人の声が返ってきたぞ。
ライダーの部屋に、桜とセイバー……桜はともかく、何でセイバーが?
「丁度良かった。
士郎に少し、訊きたい事があるのですが」
「は? いや、別にいいけど。
その前に、雛苺が来てないか?
居間にいなかったから探してるんだが」
「あ、雛苺ちゃんなら、今ここにいますけど……えっと」
む、いきなりビンゴ。
けどなんか、桜の返事が歯切れが悪いな。
「もしかして、呼んじゃまずかったか?」
「いえ、実は訊きたいことというのは、その雛苺に関することでして……。
とりあえず入って来てくれませんか?」
…………?
よくわからないが、ライダーが入っていいと言ってるんだから入ってみるか。
「じゃ、お邪魔します……」
そう断って、ドアを引いて中に入る。すると……。
「…………」
「えーと……」
「……むぅ」
部屋の中には、揃って困りはてた顔をしたライダー、桜、セイバーの三人と。
「……うぅー」
ベッドの上で不機嫌そうにむくれている、雛苺の姿があった。
正直、どういう状況なのか、まったくもって分からない。
「なんだ? 一体どうしたんだ?」
「それが……さっきまで、雛苺ちゃんと遊んでいたんですが」
「なんと言いますか、お互いの意思疎通に齟齬がありまして……。
それで、全員困り果ててしまったのです」
意思疎通?
何か分からないことでもあったのだろうか?
「その、雛苺ちゃん、表現が独創的なものですから」
「なんとか伝えようとしてくれているのは、分かるのですが……」
揃って顔を見合わせる桜とセイバー。
むう、雛苺は言葉足らずなところがあるから、それで分かりづらいのだろうか。
「で、なにが分からなかったんだ?」
「それが……雛苺の好物についてなのです」
89 名前: 371@銀剣物語 ◆snlkrGmRkg [sage] 投稿日: 2007/01/17(水) 21:32:09
「好物? 好きな食べ物か?」
「はい。名前は分からないらしいのですが……雛苺の説明だけでは、私たちにはそれがなんなのか皆目見当がつかないのです」
無念そうに言うライダー。
なるほど、それで俺にお呼びがかかったのか。
「それで、士郎に頼みたいのですが……」
「ああ、つまりそれがなんなのか、俺にも考えて欲しいってことだな?」
「はい。士郎も料理が得意ですから、もしかしたら分かるのではないかと」
どうやら、桜の力だけでは解明できなかったらしい。
そういうことなら、及ばずながら俺も力になろう。三人より四人だ。
「よし、わかった。
それじゃあ雛苺、その好きな食べ物ってのはいったい何なんだ?」
俺が目の高さをあわせながら尋ねると、雛苺は一瞬戸惑ったものの、大きな声ではっきりと説明してくれた。
「あのね、透明で、黄色くて、黒くて、すくって食べるの!」
「は?」
あまりに抽象的な表現に、間の抜けた声を上げてしまった。
「それ、食べ物なんだよな?」
「そうよ。
鐘が、雛苺に初めて食べさせてくれたのよ」
氷室が、雛苺にあげた食べ物……?
隣からライダーが声をかけてくる。
「分かりますか、士郎?
私たちには、その、さっぱり……」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。
ええっとだな……」
こ、これは思ったよりも難題だぞ……?
透明で、黄色で、黒くてすくって食べるもの?
なんなんだ、一体……?
α:(好物名を記入してください)
β:……だめだ、わからん。
氷室が雛苺にあげた食べ物を推理しよう。
5票のなかに正解があったらα、なかったらβに進む予定。
「α:」と記入されていないものは仮予想と判断してカウントしません。
原作で巴があげたものとは異なるので、念のため。
投票結果
最終更新:2007年01月19日 00:34