「明けましておめでとう御座います」
「応、おめっとさん」
竹山の奥、記四季の屋敷の囲炉裏端で彩女は正座をし記四季に座礼をした。
記四季はそれに餅を食いながら答える。今日は元旦であった。
「応、おめっとさん」
竹山の奥、記四季の屋敷の囲炉裏端で彩女は正座をし記四季に座礼をした。
記四季はそれに餅を食いながら答える。今日は元旦であった。
WFHS
番外編その一
『ある年の明け+おまけ』
「いやしかし御餅が美味ですこと。流石は主自作の品。やはり売り物とは違いますな」
彩女は神姫サイズの餅を食べながら言う。
その顔は本当に美味しいものを食べている顔だ。ようするにものすっごい笑顔。
「・・・っていうかお前さん、物食えたのか」
「今回は番外編ですから。なんだってアリなのです」
そういって今度は茶を啜る彩女。
正座をしているが彩女の尻尾は忙しなく動いている。本当に美味いものが好きらしい。
「さて主。年も明けましたし私はお年玉がほしゅうございます」
「いきなりそれかよお前は。・・・・まぁ準備してたがな」
記四季は立ち上がると、台所に消える。
戻ってくるとその手には一着の晴れ着が握られていた。
「ほらよ。今年はこれ着て初詣行くんだろう」
帯などの小物もセットになったそれは、神姫である彩女にちょうどいいサイズだった。
見るとタグなどもついていない。どうやら記四季の自作であるようだ。
「あぁ・・・有難う御座います主様。彩女は嬉しゅう御座います」
彩女は深々と座礼をする。
そしてさっそく着ようとして・・・記四季の視線に気づく。
「主・・・少しあちらを向いてくださいな?」
「お、おう」
彩女に言われ壁をむく記四季。
服を脱ぐ音と着る音がする中、そのまましばらく壁とにらみ合っていた。
「主・・・振り向いても宜しいですよ?」
彩女の言葉に記四季は壁を見るのを止め、振り向く。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ほぉ・・・」
そして彩女を見て息をついた。
彩女が来た着物は鮮やかな赤を基調としたものだ。過剰な装飾は無い代わりに細かいところに手が加えられており、派手ではないが決して地味ではない。むしろ着ている彩女を引き立たせるように作られていた。
「如何で御座いましょう」
そういって彩女はくるりと一回転する。
朱の着物の裾が揺れ、遅れて銀の髪が後をおう。
「・・・・うむ、まぁ馬子にも衣装だな。ちんちくりんな割にはいい感じじゃねぇか」
「ふふ・・・主は嘘が下手で御座います。赤い顔でいわれても説得力はありませんよ?」
記四季の顔を見て彩女は笑う。
すでに記四季の顔は真っ赤だった。
「う、うるせぇ! おらさっさと初詣行くぞ!! ムラサキにその着物見せるんだろ!?」
「主、彼女はアメティスタです。・・・ま、そうですね。早めに行きましょうか」
記四季は顔を明後日の方に向けながら左手を差し出す。
彩女はそんな記四季を笑いながら左手に乗り、座る。
「それでは参りましょう。今から行けばそうですね・・・昼ごろにはつきますかね」
「だったら向こうで飯食っちまおう。剛三だって鬼じゃねぇし食わせてくれんだろ」
そういって二人は玄関を開け歩き出す。
新しい年の、始まりだった。
彩女は神姫サイズの餅を食べながら言う。
その顔は本当に美味しいものを食べている顔だ。ようするにものすっごい笑顔。
「・・・っていうかお前さん、物食えたのか」
「今回は番外編ですから。なんだってアリなのです」
そういって今度は茶を啜る彩女。
正座をしているが彩女の尻尾は忙しなく動いている。本当に美味いものが好きらしい。
「さて主。年も明けましたし私はお年玉がほしゅうございます」
「いきなりそれかよお前は。・・・・まぁ準備してたがな」
記四季は立ち上がると、台所に消える。
戻ってくるとその手には一着の晴れ着が握られていた。
「ほらよ。今年はこれ着て初詣行くんだろう」
帯などの小物もセットになったそれは、神姫である彩女にちょうどいいサイズだった。
見るとタグなどもついていない。どうやら記四季の自作であるようだ。
「あぁ・・・有難う御座います主様。彩女は嬉しゅう御座います」
彩女は深々と座礼をする。
そしてさっそく着ようとして・・・記四季の視線に気づく。
「主・・・少しあちらを向いてくださいな?」
「お、おう」
彩女に言われ壁をむく記四季。
服を脱ぐ音と着る音がする中、そのまましばらく壁とにらみ合っていた。
「主・・・振り向いても宜しいですよ?」
彩女の言葉に記四季は壁を見るのを止め、振り向く。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ほぉ・・・」
そして彩女を見て息をついた。
彩女が来た着物は鮮やかな赤を基調としたものだ。過剰な装飾は無い代わりに細かいところに手が加えられており、派手ではないが決して地味ではない。むしろ着ている彩女を引き立たせるように作られていた。
「如何で御座いましょう」
そういって彩女はくるりと一回転する。
朱の着物の裾が揺れ、遅れて銀の髪が後をおう。
「・・・・うむ、まぁ馬子にも衣装だな。ちんちくりんな割にはいい感じじゃねぇか」
「ふふ・・・主は嘘が下手で御座います。赤い顔でいわれても説得力はありませんよ?」
記四季の顔を見て彩女は笑う。
すでに記四季の顔は真っ赤だった。
「う、うるせぇ! おらさっさと初詣行くぞ!! ムラサキにその着物見せるんだろ!?」
「主、彼女はアメティスタです。・・・ま、そうですね。早めに行きましょうか」
記四季は顔を明後日の方に向けながら左手を差し出す。
彩女はそんな記四季を笑いながら左手に乗り、座る。
「それでは参りましょう。今から行けばそうですね・・・昼ごろにはつきますかね」
「だったら向こうで飯食っちまおう。剛三だって鬼じゃねぇし食わせてくれんだろ」
そういって二人は玄関を開け歩き出す。
新しい年の、始まりだった。
おまけ~それぞれの正月~
北白神社編
巫女① 「神主様が喉にモチ詰まらせたーっ!?」
神主 「――――――――――――――――――――(もがいてる)」
巫女② 「は、早く掃除機を!! 誰かー!!」
アメティスタ「~♪(判ってたけど止めなかった」
神主 「――――――――――――――――――――(もがいてる)」
巫女② 「は、早く掃除機を!! 誰かー!!」
アメティスタ「~♪(判ってたけど止めなかった」
悩める性少年・八谷編
八谷「・・・・・・・暇だなぁ」
八谷「マイはコタツから出てこないし。ゲームも全部やっちゃったしなぁ・・・」
マイ「zzzzzzzzzz・・・・・・・・」
八谷「・・・・・・・・・暇だなぁ」
八谷「マイはコタツから出てこないし。ゲームも全部やっちゃったしなぁ・・・」
マイ「zzzzzzzzzz・・・・・・・・」
八谷「・・・・・・・・・暇だなぁ」
七瀬家・春奈編
春奈「体重増えたーっ!?」
サラ「正月始まってすぐに正月太りですか!?」
サラ「正月始まってすぐに正月太りですか!?」
七瀬家・都編
ハウ 「明けましておめでとう御座います」
ノワール「・・・あけ・・・おめ」
都 「はいおめでとう。今日は本屋休みだからグーたらしてていいぞ」
ノワール「・・・もう・・・してる」
都 「お前はいつもだろう」
ノワール「・・・あけ・・・おめ」
都 「はいおめでとう。今日は本屋休みだからグーたらしてていいぞ」
ノワール「・・・もう・・・してる」
都 「お前はいつもだろう」
*
孤高のオカマ・吉岡編
吉岡 「・・・去年はいい男に出会えなかったわぁ・・・でもぉ・・・今年こそは!!」
美代子「ささ旦那様。もう一献」
吉岡 「あら有難う美代子さん。・・・美代子さんはいい女よねぇ・・・あたしなんかオカマよオカマ! 美代子さんもぉ・・・神姫だけどいい相手探さなきゃねぇ・・・」
美代子「神姫相手に何を言ってるんですかぁ。・・・・それに、私の旦那様は貴方一人ですよ」
吉岡 「んー? 何か言ったぁ?」
美代子「いいえ何も。・・・さ、旦那様。もう一献どうぞ」
美代子「ささ旦那様。もう一献」
吉岡 「あら有難う美代子さん。・・・美代子さんはいい女よねぇ・・・あたしなんかオカマよオカマ! 美代子さんもぉ・・・神姫だけどいい相手探さなきゃねぇ・・・」
美代子「神姫相手に何を言ってるんですかぁ。・・・・それに、私の旦那様は貴方一人ですよ」
吉岡 「んー? 何か言ったぁ?」
美代子「いいえ何も。・・・さ、旦那様。もう一献どうぞ」
おしまい