さて、今日も今日とてバトルエリアに詰める私ですが。
今日はなにやら、趣が違います。
セットアップを終了し、VRエリアに入り、いざバトルをと対峙した対戦相手の方なのですが。
今日はなにやら、趣が違います。
セットアップを終了し、VRエリアに入り、いざバトルをと対峙した対戦相手の方なのですが。
「んー、こっちもいいわね」
「あの、主よ……」
「シルフィってやっぱり何を着ても似合うわね」
「お、お褒めの言葉はありがたく」
「あの、主よ……」
「シルフィってやっぱり何を着ても似合うわね」
「お、お褒めの言葉はありがたく」
なにやらファッションショーをなさっておいでなのです。
それを見守ること、かれこれもう30分になるでしょうか。
武装神姫、シルフィと呼ばれたエウクランテの方はそれにやや戸惑い気味ではありますが、オーナーの方が丁寧に丁寧にお褒めするので、気恥ずかしくも(おそらく満更でもないため)断りきれないご様子で。
「どうしたものでしょうかマスターさん」
「どうしましょうねぇ犬子さん。いえまあこちらとしても、いろいろな装備を拝見できて退屈はしていないのですが」
「それは確かに。しかしお相手の方、衣装もちですね」
「衣装もちですねぇ。よくあれだけ持ちこめたものです」
「VRエリア内で換装するために、制限いっぱいに抱えてきたのでしょうねぇ」
「なるほどなるほど。ちょっと羨ましいですねぇ」
「羨ましい限りです」
「衣装ひとつ買ってあげられない甲斐性なしのオーナーで申し訳ありませんねぇ」
「やや、そんな意味で申し上げたのでは。マスターさんの経済事情は重々承知ですし、ご負担をかけるわけには」
「じゃあシルフィ、今度はこっちを試してみましょうか?」
「あ、主よ、相手もお待ちなので、そろそろ……」
む? シルフィさんが、こちらをちらりと見て話題を振ってきました。
……微妙に助けを求めるお顔なのは、私の気のせいでしょうか?
と、相手方のオーナーさんもこちらへ向き直りました。
おっとりとした印象の、温和そうな女性の方です。
「すいません、お待たせしちゃいまして」
「いえいえ、お気になさらず。女性の身支度には時間がかかるものですよ」
別段社交辞令でもなくそう言い切ったマスターさん。さすが紳士的です。
そんなマスターさんのお言葉を聴いて、シルフィさんが望みを断たれたような表情になられたのは私の気のせいでしょうか?
「んー」
一方、オーナーさんの方はその言葉に頬へ人差し指を当てて小首をかしげ。
「もし良かったらお待ちの間、こちらの装備、試してみませんか?」
それを見守ること、かれこれもう30分になるでしょうか。
武装神姫、シルフィと呼ばれたエウクランテの方はそれにやや戸惑い気味ではありますが、オーナーの方が丁寧に丁寧にお褒めするので、気恥ずかしくも(おそらく満更でもないため)断りきれないご様子で。
「どうしたものでしょうかマスターさん」
「どうしましょうねぇ犬子さん。いえまあこちらとしても、いろいろな装備を拝見できて退屈はしていないのですが」
「それは確かに。しかしお相手の方、衣装もちですね」
「衣装もちですねぇ。よくあれだけ持ちこめたものです」
「VRエリア内で換装するために、制限いっぱいに抱えてきたのでしょうねぇ」
「なるほどなるほど。ちょっと羨ましいですねぇ」
「羨ましい限りです」
「衣装ひとつ買ってあげられない甲斐性なしのオーナーで申し訳ありませんねぇ」
「やや、そんな意味で申し上げたのでは。マスターさんの経済事情は重々承知ですし、ご負担をかけるわけには」
「じゃあシルフィ、今度はこっちを試してみましょうか?」
「あ、主よ、相手もお待ちなので、そろそろ……」
む? シルフィさんが、こちらをちらりと見て話題を振ってきました。
……微妙に助けを求めるお顔なのは、私の気のせいでしょうか?
と、相手方のオーナーさんもこちらへ向き直りました。
おっとりとした印象の、温和そうな女性の方です。
「すいません、お待たせしちゃいまして」
「いえいえ、お気になさらず。女性の身支度には時間がかかるものですよ」
別段社交辞令でもなくそう言い切ったマスターさん。さすが紳士的です。
そんなマスターさんのお言葉を聴いて、シルフィさんが望みを断たれたような表情になられたのは私の気のせいでしょうか?
「んー」
一方、オーナーさんの方はその言葉に頬へ人差し指を当てて小首をかしげ。
「もし良かったらお待ちの間、こちらの装備、試してみませんか?」
もちろんご遠慮申し上げるべきという気持ちはあったものの、他の装備を試せる機会と言うのは願ってもなく、実際手持ち無沙汰だったのも確かでありまして、結局相手様――加奈美さんと仰るそうです――のお申し出はありがたく受けさせていただくことと相成りました。
かくしてVRバトルエリアは、エウクランテ&ハウリンの合同ファッションショー会場と化したのであります。
あくまでVRエリアでのやり取りであり、使用に際してのドライバはお互いの武装神姫本体のメモリーおよび対戦端末に依存しているため、可能なのは着替えまでです。
贅沢を申せば実際に使用した感触も試してみたかったものですが、まぁそこまで言ったら高望みと言うものでしょうし、それぞれの装備が自分に似合うかどうかを試せるだけでも十分すぎます。
この運びとなったとき、シルフィさんが「ミイラ取りがミイラに……!」とでも言いたげなご様子だったのは私の気のせいでしょうか?
「やー、ハウリン装備のシルフィさんも、なかなか似合いますねぇ」
「そうですね、ハウリンもエウクランテも凛々しい系の顔立ちですし、相性いいですね」
「あ、いやその、お褒め頂き、恐悦至極」
「こちらのエウクランテ装備の犬子さんも……悪くは無いのですが、なんというかシルフィさんが装備してたときに比べてほほえましいと言うかなんと言うか」
「むむ、どこかおかしいでしょうか?」
「ハウリンは頭が大きめですから、多分そのバランスじゃないですか」
「なるほど、言われてみれば。ああ、分かりました、SDな印象を受けてたのですね」
「でも、これはこれで可愛いじゃないですか」
「ええ、それは疑うことなく」
「照れるじゃありませんかマスターさん」
「こうしてみると、ハウリンも可愛いわね。……ハウリンでも良かったかな?」
「あ、主!」
「ウソウソ。シルフィが一番可愛いわよ」
「あ、主……!」
「良い弄られっぷりですシルフィさん」
「愛されてますねぇ」
「か、からかわないで頂きたい!」
「はーい、スクリーンショット撮るからこっち向いてねー」
「やー、いいですねぇ。僕もメモリーカード用意してくればよかったです」
「あ、でしたらメルアド教えていただけたら、後で送りますよ?」
「やや、それはありがたいですねぇ」
「何から何まですいません」
「お気になさらず。はいじゃあ二人とも、今度はポーズ変えて……」
かくしてVRバトルエリアは、エウクランテ&ハウリンの合同ファッションショー会場と化したのであります。
あくまでVRエリアでのやり取りであり、使用に際してのドライバはお互いの武装神姫本体のメモリーおよび対戦端末に依存しているため、可能なのは着替えまでです。
贅沢を申せば実際に使用した感触も試してみたかったものですが、まぁそこまで言ったら高望みと言うものでしょうし、それぞれの装備が自分に似合うかどうかを試せるだけでも十分すぎます。
この運びとなったとき、シルフィさんが「ミイラ取りがミイラに……!」とでも言いたげなご様子だったのは私の気のせいでしょうか?
「やー、ハウリン装備のシルフィさんも、なかなか似合いますねぇ」
「そうですね、ハウリンもエウクランテも凛々しい系の顔立ちですし、相性いいですね」
「あ、いやその、お褒め頂き、恐悦至極」
「こちらのエウクランテ装備の犬子さんも……悪くは無いのですが、なんというかシルフィさんが装備してたときに比べてほほえましいと言うかなんと言うか」
「むむ、どこかおかしいでしょうか?」
「ハウリンは頭が大きめですから、多分そのバランスじゃないですか」
「なるほど、言われてみれば。ああ、分かりました、SDな印象を受けてたのですね」
「でも、これはこれで可愛いじゃないですか」
「ええ、それは疑うことなく」
「照れるじゃありませんかマスターさん」
「こうしてみると、ハウリンも可愛いわね。……ハウリンでも良かったかな?」
「あ、主!」
「ウソウソ。シルフィが一番可愛いわよ」
「あ、主……!」
「良い弄られっぷりですシルフィさん」
「愛されてますねぇ」
「か、からかわないで頂きたい!」
「はーい、スクリーンショット撮るからこっち向いてねー」
「やー、いいですねぇ。僕もメモリーカード用意してくればよかったです」
「あ、でしたらメルアド教えていただけたら、後で送りますよ?」
「やや、それはありがたいですねぇ」
「何から何まですいません」
「お気になさらず。はいじゃあ二人とも、今度はポーズ変えて……」
「んー、それじゃあ今度はシルフィが前に出て……」
「こうか?」
「あ、犬子さんにはこう構えてもらうとどうでしょう?」
「こんな感じでしょうか?」
「あ、いいわね」
と、そんな風に和気藹々と過ごす私たちですが、不意にエリアにアラームが鳴り出します。
どうやら、そろそろ時間制限のようですね。あと一分足らずで、私たちは排出されると思われます。
「どうしましょうか?」
「今から戦う、と言うのも無理な話ですよねぇ」
「そうですねぇ」
「うむ……」
周囲を見渡せば着替えた装備が散乱していて、この中から必要な装備を選び出すだけで制限時間は終了してしまうでしょう。
「仕方ありません。続きはまたの機会に、というところでしょうかねぇ」
「そうですね、またの機会に」
「はい、いろいろお世話になりました」
「うむ。では達者で」
「こうか?」
「あ、犬子さんにはこう構えてもらうとどうでしょう?」
「こんな感じでしょうか?」
「あ、いいわね」
と、そんな風に和気藹々と過ごす私たちですが、不意にエリアにアラームが鳴り出します。
どうやら、そろそろ時間制限のようですね。あと一分足らずで、私たちは排出されると思われます。
「どうしましょうか?」
「今から戦う、と言うのも無理な話ですよねぇ」
「そうですねぇ」
「うむ……」
周囲を見渡せば着替えた装備が散乱していて、この中から必要な装備を選び出すだけで制限時間は終了してしまうでしょう。
「仕方ありません。続きはまたの機会に、というところでしょうかねぇ」
「そうですね、またの機会に」
「はい、いろいろお世話になりました」
「うむ。では達者で」
こうして再会を約束しつつ、私たちは最後まで和やかに別れたのでした。
で、ありますが。
『またの機会』に行われるのは、バトルとファッションショーの、一体どちらなのでしょうかね?
メール開通記念小ネタ第三弾、神姫愛好者さま宛。
えー、まぁ、無駄に拙作の伏線張ってあったり、
通信対戦でたまたま出会った、と言うのを想定してたり、
加奈美さんはまたSSが撮りたくてVRエリアに入りたがっていたり、
マスターさんより前の対戦相手は、加奈美さんがいつまでたってもセットアップを終了しないのに痺れを切らしてキャンセルしてたり、
VRエリアでは、あくまで使用に際してのドライバはお互いの武装神姫本体の記憶容量野および対戦端末に依存しているため、あくまでやりとりが可能なのは「ガワ」の部分だけで実際の使用はできない、とか無駄な裏設定考えたり、
とかそんな風ことを色々と考えてはいるわけですが。
通信対戦でたまたま出会った、と言うのを想定してたり、
加奈美さんはまたSSが撮りたくてVRエリアに入りたがっていたり、
マスターさんより前の対戦相手は、加奈美さんがいつまでたってもセットアップを終了しないのに痺れを切らしてキャンセルしてたり、
VRエリアでは、あくまで使用に際してのドライバはお互いの武装神姫本体の記憶容量野および対戦端末に依存しているため、あくまでやりとりが可能なのは「ガワ」の部分だけで実際の使用はできない、とか無駄な裏設定考えたり、
とかそんな風ことを色々と考えてはいるわけですが。
「4話でアレだけやってまだ着せ替えたりないのかい」とか
「宗太くん相手の時ならともかく、野良対戦でそんな悠長な」とか
「対戦台が、一時間も占有できるように設定してあるか?」とか
わりと致命的な部分にツッコミどころが残っていますwww
まぁあくまで小ネタと言うことでひとつ。
「宗太くん相手の時ならともかく、野良対戦でそんな悠長な」とか
「対戦台が、一時間も占有できるように設定してあるか?」とか
わりと致命的な部分にツッコミどころが残っていますwww
まぁあくまで小ネタと言うことでひとつ。