「……あれかな、学校」
電車に揺られる事一時間、ハヤテは終点の御丘 駅で下車した。
ハヤテが通う学校である、天陵 高校は小高い山の上にあり、そしてその山一つが学校の敷地である。
例えるならばドラ○もんの学校の裏山くらいの小さな山であろうか、それの頂上近くに学校がある。
駅から学校は近いので、駅を出れば山の上にある事も相まってかなり目立つ。
あれだけ目立ってると迷う心配がないという声もあるとか。
ハヤテが通う学校である、
例えるならばドラ○もんの学校の裏山くらいの小さな山であろうか、それの頂上近くに学校がある。
駅から学校は近いので、駅を出れば山の上にある事も相まってかなり目立つ。
あれだけ目立ってると迷う心配がないという声もあるとか。
「駅前は結構賑わってるんだな」
山までは周りが田んぼで囲まれた道を直進するだけである。
このあたりは山の周りに限り自然は豊富であり一見田舎にも見えるが、山の裏側にはレジャー施設なども多く、それほど田舎というわけではない。
このあたりは山の周りに限り自然は豊富であり一見田舎にも見えるが、山の裏側にはレジャー施設なども多く、それほど田舎というわけではない。
「……そして、山までついたけど」
山の上に学校があるということは、当然の如く学校に行くためにはその坂や階段を毎日登らなければならなかったりする。
もちろん面接の時も登ったのである。
もちろん面接の時も登ったのである。
「……ロープウェイとか……ないよな」
そこまで高いわけではないので、無くて当然である。
そんな学校に対する愚痴を話しながらハヤテは坂道を登る。
少し登ると途中から石の階段になっているのだが……
そんな学校に対する愚痴を話しながらハヤテは坂道を登る。
少し登ると途中から石の階段になっているのだが……
「……長い」
登る前から疲れた気分になる。
一度面接時に来て上り下りしていることもあり登る気は失せてくるが、登らないことには始まらない。
一度面接時に来て上り下りしていることもあり登る気は失せてくるが、登らないことには始まらない。
「夏とか死にそうだな」
そうこう独り言を話しているうちに学校まで着いた、この間20分。
ハヤテは眼前にそびえる校舎を見上げる。
ハヤテは眼前にそびえる校舎を見上げる。
「人の気配が全然ないなぁ……」
校舎の窓を見ても、生徒の姿は見当たらない。
流石に早すぎたかとハヤテは思ったが、20分かけて登ってきた以上戻るわけにはいかないので、
ハヤテは校舎内へと足を進める事にした、幸いにも入口は空いており、中に入ることができた。
すると入ってすぐのところにはクラス分けの張り紙が貼ってある、それによるとどうやらハヤテは1組のようだ。
ちなみに見る限りクラスは3組と一つ、家政科という物があった。
流石に早すぎたかとハヤテは思ったが、20分かけて登ってきた以上戻るわけにはいかないので、
ハヤテは校舎内へと足を進める事にした、幸いにも入口は空いており、中に入ることができた。
すると入ってすぐのところにはクラス分けの張り紙が貼ってある、それによるとどうやらハヤテは1組のようだ。
ちなみに見る限りクラスは3組と一つ、家政科という物があった。
「この家政科って……なんだろ」
気にはなったが、考えても知らないことが出てくるわけではないので、ハヤテは教室に足を進めることにした。
もちろん、パンフレットには書いてあるのだが。
もちろん、パンフレットには書いてあるのだが。
「1組の場所は……階段を上がって右か」
その横に貼ってあった学校の見取り図で教室の位置を確認する、どうやら2階のようだ。
「じゃあ、行くかな」
ハヤテは近くに会った階段を見つけ、それを登る。
見取り図の通りに行くと、1組と表札に書いてある教室に着くことができた。
見取り図の通りに行くと、1組と表札に書いてある教室に着くことができた。
「……ここか。
もう誰かいるかな?」
もう誰かいるかな?」
そう独り言を言うと、どこからか女の子の声が聞こえた。
「えぇ、本当結構集まったわね……」
どうやら教室の中から聞こえているようだ。
「本当に誰かいる?」
教室に入ってみると、金色の長髪の少女が窓の外を向いて立っているのが見えた。
「……多ければいいのだけれど……
……うん、そうよね、きっと多いはずよね……」
……うん、そうよね、きっと多いはずよね……」
誰かと話しているように見える。
だが、見たところ相手の姿は見えない。
独り言、もしくは電話とも思ったが、両手は自由になっており、電話している様子ではなかった。
だが、見たところ相手の姿は見えない。
独り言、もしくは電話とも思ったが、両手は自由になっており、電話している様子ではなかった。
「あら?」
少女はハヤテに気づいたようである。
「……誰かしら?」
少女は髪をなびかせながらハヤテの方を向いた。
前から見てみると、前髪に髪飾りとして赤いリボンをつけている。
前から見てみると、前髪に髪飾りとして赤いリボンをつけている。
「あ、えっと、おはよう。
君も一年生……だよね?」
「当然でしょう、この学校は今年開校したばかりよ……あぁそっか、あなたも新一年生ね」
君も一年生……だよね?」
「当然でしょう、この学校は今年開校したばかりよ……あぁそっか、あなたも新一年生ね」
そう言うと彼女は腕を組み。
「早いわね、感心感心」
そう言い放った。
「感心って……」
「あら、これは教員の言葉と思ってもらっていいわよ?」
「……どういうこと?」
「……いえ、別に何でもないわ」
「心葉 」
「あら、これは教員の言葉と思ってもらっていいわよ?」
「……どういうこと?」
「……いえ、別に何でもないわ」
「
会話をしていると、ハヤテの後ろから声がした。
「ここにいたか」
振り向くとそこには、眼鏡をかけた眼光の鋭い、深緑の髪をした少女が立っていた。
制服を着ていることから、この少女も同級生のようである。
制服を着ていることから、この少女も同級生のようである。
「あぁ……咲桜 、ごめんなさい。
そろそろ休憩も終わりね」
「そうだ、まだ色々準備残ってるぞ」
「分かってるわ。
じゃあ、行きましょう?」
そろそろ休憩も終わりね」
「そうだ、まだ色々準備残ってるぞ」
「分かってるわ。
じゃあ、行きましょう?」
そう言うと彼女はハヤテの横を通り、咲桜と呼ばれる少女と合流した。
「それじゃあ私は行くわね」
「君の教室はここじゃないの?」
「ええ、私は家政科だから」
「君の教室はここじゃないの?」
「ええ、私は家政科だから」
教室を去る時、心葉と呼ばれた少女はハヤテたちの方を向いて……
「それじゃあね、また会うかもしれないわね」
にっこりと笑い、その横にいた咲桜はペコリと会釈をして二人で歩いていった。
「……家政科か……」
僕には縁のないところだろうな、そう思いながら、適当な机にバッグを置く。
「……あれ?」
先程の見取り図を思い返してみる、あれによると家政科とは校舎も離れているようであった。
「じゃあなんであの二人はこの教室に?」
いくら考えても答えは出ない、そのため……
「ボランティアか何かかな? こんな早くから大変だな」
そう納得することにした、事情を知らなくてはいくら考えても答えは出ないのだから。
「早くっていえば、今は……」
時計を見ると、7時を指している。
集合時間は8時半である。
集合時間は8時半である。
「流石に早すぎたかな、しばらく暇になりそうだな……
まあ、時間までゆっくりすればいいか……」
まあ、時間までゆっくりすればいいか……」
そう言いながら準備でもしようとハヤテはバッグを開ける。
そして、中を見て最初に目に入った物は。
そして、中を見て最初に目に入った物は。
『お?』
黒いバッグの中に場違いなほどに目立つ、金髪ツインテールだった。
「……おぉ」
『……おう』
『……おう』
金髪ツインテールとハヤテとのあいだに沈黙が走る。
そしてその金髪ツインテールの正体を理解すると同時に、ハヤテの口が大きく開いた。
そしてその金髪ツインテールの正体を理解すると同時に、ハヤテの口が大きく開いた。
「ナギぃいいいいいいいいいいっ!?」
『遅い!! そんなんだったら敵は火星から月まで来るぞ!!』
「いや、でも、え? な、なんでここに……そうだよ、なんで密航してきてるの!?
今日はひとりでゲームやるんじゃなかったの?」
『ん? あぁ、まあそうだったのだが……』
『遅い!! そんなんだったら敵は火星から月まで来るぞ!!』
「いや、でも、え? な、なんでここに……そうだよ、なんで密航してきてるの!?
今日はひとりでゲームやるんじゃなかったの?」
『ん? あぁ、まあそうだったのだが……』
そう言うとナギはバッグの中に潜り込む。
もぞもぞと言う音を立てたあと、再び外に出てきた。
もぞもぞと言う音を立てたあと、再び外に出てきた。
『私は見逃してはいないぞ。
お前がバッグの中のゲーム機を確認していたのを!』
お前がバッグの中のゲーム機を確認していたのを!』
そう言ってハヤテの私物であるゲーム機を取り出した。
「え!?
そ、それは……!」
『帰りに家では受け取れない、店頭限定のデータを受け取る気だったのだろう! 抜け駆けは認めんぞ!
私にも通信させるのだ!』
そ、それは……!」
『帰りに家では受け取れない、店頭限定のデータを受け取る気だったのだろう! 抜け駆けは認めんぞ!
私にも通信させるのだ!』
そう言うとナギはナギの私物のゲーム機を取り出した。
昨日確認した中には入ってなかったものである、ナギが持ち込んだものであろう。
ちなみにこれはハヤテが通信用に買った二つ目をナギに与えたものである。
昨日確認した中には入ってなかったものである、ナギが持ち込んだものであろう。
ちなみにこれはハヤテが通信用に買った二つ目をナギに与えたものである。
「そ、それだけのために密航したの……?」
『当然だ』
「ってことは、片付けは?」
『していないぞ』
「ええ~……はぁ。
恐るべしオタクの行動力、ってやつかな」
『それは、ゲームの特典の内容を知らずに私を手に入れたお前が言えることではない』
「はは、確かに」
『ふふっ』
『当然だ』
「ってことは、片付けは?」
『していないぞ』
「ええ~……はぁ。
恐るべしオタクの行動力、ってやつかな」
『それは、ゲームの特典の内容を知らずに私を手に入れたお前が言えることではない』
「はは、確かに」
『ふふっ』
二人は笑いあう。
ハヤテはナギが来てくれていてよかったと思った。
この暇な時間を共有できる相手がいるのだから。
その後、暇な時間をナギと二人で過ごしたが……
ハヤテはナギが来てくれていてよかったと思った。
この暇な時間を共有できる相手がいるのだから。
その後、暇な時間をナギと二人で過ごしたが……
「そろそろ他にも誰か来るかな?」
『集合時間って何時なのだ?』
「……8時半」
『集合時間って何時なのだ?』
「……8時半」
時計を見ると、まだ7時半である。
『朝早く来たって何もないと、ハヤテ4巻で学ばなかったのか?
……なんでこんな早く来たのだ?』
「いや、もし迷子になったらやだから……」
『そんな、伊澄じゃあるまいし……』
……なんでこんな早く来たのだ?』
「いや、もし迷子になったらやだから……」
『そんな、伊澄じゃあるまいし……』
伊澄、鷺ノ宮 伊澄 。
ハヤテのごとく!の登場人物で、極度の方向音痴という設定である。
ハヤテのごとく!の登場人物で、極度の方向音痴という設定である。
「それにしてもナギ」
『ん?』
「確かにこんなに朝早く来てもやる事がないね」
『お前が勝手に早起きしたんだろうが!』
『ん?』
「確かにこんなに朝早く来てもやる事がないね」
『お前が勝手に早起きしたんだろうが!』
その時、教室の扉の方から声がした。
「……なんだ、もう誰か来ていたのか」
「え?」
「え?」
入口の所には、黒髪の片目が隠れた少年が立っていた。
制服を着ていることから、同級生のようである。
制服を着ていることから、同級生のようである。
「早いな」
「あ、ああ、うん……」
「あ、ああ、うん……」
その時ハヤテは気づいた。
今、ナギはバッグの外に出ている事に。
今、ナギはバッグの外に出ている事に。
「……あ、ナギ!」
『え、ちょっと……』
『え、ちょっと……』
ハヤテはナギを少々強引に掴み、制服のポケットに入れる。
「……どうかしたか?」
少年が聞く。
「……な、何でもないよ。
あ、ちょっと僕トイレに……」
あ、ちょっと僕トイレに……」
ハヤテはそう言ってそそくさと教室を出た。
自分でもその姿は少々不審であったように思えたという。
自分でもその姿は少々不審であったように思えたという。