10.世界観(ワールドガイド)


 伝奇A-DICは汎用的なシステムとして開発を行ったものですのでセッションに参加するメンバー次第では独自の世界観で遊ぶ事も可能ですが、ここではシュワによるオリジナルの世界観を紹介します。

某県御門市

 「都心のベッドタウントして発展し、近年では政令指定都市となり、5つの区(中央区、東区、西区、南区、北区)をもつようになった関東地方に存在する都市です。」
 「しかし、それは表側のこの街の情報であり、裏では何らかの理由により人外達が多く集まっている街でもあります。
 この街は原因は不明ですが人や人外の魔力を増幅させるらしい『何か』がある様ですが、その『何か』を知る者は極一部の限られた者達に限定されています。」
 「近年のこの都市の急激な人口増加も『何か』による物だと口にする者もおります。」
 「この街の住民のほとんどは人外の存在を知らず暮らしていますが、この都市での行方不明者の多くは人外に食われるなどして殺された者たちです。」
 「また、様々な勢力がこの都市を手中に収めるべく裏での暗躍を行っていますが、現在のところ、この都市の最大勢力3つが協定を結び外来勢力の排除に当たっているため大規模な介入が行われてはいません。」
 「ただし、出先機関などの小規模な組織は存在し、都市の勢力も敵対しない限りは黙認という態度を取っています。 」


御門市の裏組織


七星工業

 「戦前から御門市に工場を置く重機開発メーカーであり、軍事技術の開発も行っています。」
 「御門市内に多くの工場・実験施設を置き、この街の現地雇用を一手に引き受けています。」
 「また、会社の性質上、保安関係の子会社も持ち、この警備会社は市の委託を受けて市内の保安業務にも携わっています。」
 「しかし、これらは表側のみの紹介で裏では、組織に属さないはぐれものの人外を捕らえ研究を行い生体技術の研究なども行う事で莫大な利益を得ています。」
 「また、生体研究の成果として人外の能力を人に与える事にも成功し、人外との戦闘にも使用を行い始めています。」
 「最近では御門市大防空壕の秘密に利益があると判断し、他の2勢力と水面下での争いが始まりつつあります。」

魔術士連盟

 「大英帝国霧都、大英博物館を本拠地とする世界中の魔術士達の連盟組織です。」
 「連盟とは名乗っていますが、その基本理念は情報共有が基本であり、各組織の領土は(表向きには)不可侵としております。」
 「”大”がつく魔術師達により構成される元老院とその決定を実行するための円卓機関が存在しており、基本活動は魔術の世間からの隠蔽と人間の増加により遺失しつつある魔術道具類(魔獣、魔術)の確保、封印などになっています。」
 「いわゆる西洋的な妖精や魔術士などにより組織は主要人員が構成されています。」
 「御門市へは神霊庁(後述)の許可により研究目的という名目で支部がおかれています。」

深淵

 「近年、御門市に流れ着いた者(人外=深田)が中心となり、ハグレモノ(人間、人外問わず)達が寄り集まって発生した集団です。」
 「この組織の発足以前は、連盟や七星工業に一方的に狩られるだけの人外でしたが、深田と名乗る一人のリーダーの登場により集団としての組織力が発生し、ついには他組織と対等の立場で取引を行うまでになったのです。」
 「こうしてこの組織は、御門市の一角に本拠を構える事になりましたが、果たして彼らはなぜ団結してまで御門市での活動を望む事になったのでしょうか?」

 「御門市に存在する大きな組織は以上になります。」
 「参考程度に勢力比を記載しますと下記の通りになります。」
 七星工業:連盟:深淵:その他小規模勢力などの合計=45:30:20:5

 「また、各組織同士は、一般的に下記の様な関係だと認識されています。」
 七星工業→連盟:古くからの相互不干渉盟約の締結相手。
     →深淵:面倒な勢力なので進んでの敵対は避ける相手。
     →その他小規模勢力:研究素材の採取、もしくは不干渉。
 連盟  →七星工業:古くからの相互不干渉盟約の締結相手。
     →深淵:目障りな新参者達。防空壕から出て行け。
     →その他小規模勢力:地下探索に関係ないなら不干渉。
 深淵  →七星工業:そのうち見てろ・・・。
     →連盟:偉そうにしやがって。
     →その他小規模勢力:ウチの傘下に入れよなぁ・・・。
 その他 →七星工業:触らぬ神になんとやら・・・。
 小規模 →連盟:あいつら何やってるんだろう?。
 勢力  →深淵:だが断る。


地域

 御門市内の各所の案内を行います。セッションの際に参考になさっては如何でしょうか?。
 また、これらの地域は主だったものの紹介に留まりますので、もっと小さな地域は市内に数多く存在します。

御門市・中央部(通称:新市街地)

 「御門市の再開発に伴い、駅・及び市庁舎周辺は繁華街として発展し、地方都市としては大規模なものになっています。」
 「この地域の中には完全中立地帯が設定され、その中で抗争を行う事は、御門市に存在する全ての組織に対して宣戦布告を意味する事となっているため、抗争が行われる事はまずありません。」
 「この場所は御門市で最も安全な場所と言えるでしょう。」
 「また、御門市外部の組織からの出張所なども多くはこの地域に存在しており、組織ごとの交渉や会談が行われています。」

旧市街地

 「御門市の再開発が行われる中、中心部から離れたこの地域は開発が行われず、昔ながらのたたずまいを見せる地域です。」
 「主に一匹狼の人外の居住地となり、流れ者が居つきやすい場所でもありますが、彼らもこの周辺で狩りを行う事はしませんので、意外ですが治安はむしろ新市街地よりも良好となっております。」
 「大きな商店(デパートなど)などもこの場所には存在せず、昔ながらの店が多い場所でもあります。」
 「この地域の建物は主に平屋、あっても2階建てまでのものとなっております。」

開発放棄区域

 「御門市の中央部に隣接する、再開発が放棄された地域です。」
 「主にビルなどの建物が多く、居住地域は設けられていません。」
 「再開発が放棄された為に現在では、空きビル群が立ち並ぶ寂しい場所になっています。」
 「また、この地域はどの組織のナワバリでもない解放地帯となっているため抗争などが起こり易い場所でもあります。」
 「御門市の裏側を知らない一般住民も薄々とは危険性を理解しているので夕刻以降(昼間でもですが)立ち入るものは少なくなっています。」

御門市地下大防空壕

 「御門市は先の大戦時に軍事都市として開発計画が進められた都市であり、急激な人口の増加を支えた陰には当時の都市計画による交通網の整備が下地にありました。」
 「しかし、戦争が末期になるにつれて都市計画の一部は暴走し、敵軍の侵攻に備えて御門市中央部の地下に輸送用の地下道路網を建設するに至ったのです。」
 「そして終戦を迎えましたが、その頃には一貫した計画などは無くなっており、地下にはただ広大な迷路と化した空間のみが広がっていました。」
 「戦後はその地下空間を立ち入り禁止区域として扱っておりましたが、無断進入し行方不明になる者が後を絶たず、いつしか噂が流れるようになっていました、『御門市の地下にはあの世へと繋がっている』と・・・。」

 「現在では御門市の三大勢力が探索を始めており、周囲の者たちの注目を集める事になっています。」


御門市外の有力組織


神霊庁

 「日本を霊的に守護するための非公開組織であり、日本に存在する宗教などを束ねる役目も持っています。このため、和風の設定をもつ者は何らかの形でこの組織とは繋がりがあります。」
 「この組織に従わないモノたちは”まつろわぬ化外の民”として討伐の対象になるかもしれません。」
 「現在は、とある世界的裏組織との交戦により帝都以外の地方の守護は手薄になっています。」
 「そのため、御門市へは神霊庁の中でもエースと呼ばれる者(相馬五月)を派遣して監視するに留めているのが現状です。」

教会

 「ローマ共和国ヴァチカン市を本拠地とする国際的にも最大規模の宗教が組織する対人外組織の総称です。」
 「日本は東洋の辺境として扱っているために拠点などは設けておりませんが組織の構成員である神罰の”代行者”が姿を表す事があるかもしれません。」
 「基本的に人外は存在自体を認めていませんが、教会の利益に繋がると判断されたモノとは協定関係を結んだり従属させて利用をしています。」
 「魔術士連盟とは現在休戦状態ですが、基本的に教会は神の奇跡以外の超常現象は認めていないので快くは思っていません。
 (教会に属するものの超常的な能力は”神の奇跡”により賜ったものとして扱われています。)」

魔術士連盟

 「前述を参照してください。」

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最終更新:2012年04月20日 23:12