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正直、ターン16は辛い思い出しかありませんでした。 まず始まるか始まらないかくらいの時期に、エステルと大喧嘩しました。 実際は未遂に終わりましたが家出され、見つけてもしばらくまともに話してもらえませんでした。 このころのことは今でも思い出すのが辛いくらいですが、幸いにして6月、彼女の誕生日くらいには許してもらうことが出来ました。 それからしばらくして、僕は宇宙怪獣について調査を始めました。 これには色々な理由がありましたが、一番大きいのは僕が宇宙に住んでいたことでした。 あの宇宙怪獣と戦いになれば、真っ先に戦場になるのは宇宙です。 それなら、ただ黙って危険が迫ってくるのを待つより、自分自身で率先してその調査を始めるべたほうがいい―――そう思ったからです。 結果として、まだこの問題は現在進行中なので答えはわかりませんが―――今では僕にとって成功は出来なかったと思います。 宇宙怪獣が幻術によって隠された何かであることまでは分かりましたが、そこで手詰まり。 続発するテロと幻術を破る方法を確定できないまま、時間だけが過ぎターン16は終わりました。 そして、その過程で僕とエステルは船ごとテロで爆破されました。 幸いにして僕もエステルも助けてもらうことが出来ましたが、エステルが傷ついたのは辛かったです。 そんな辛いことの多いターン16でしたが、その中でわかったことが二つありました。 ターン16の間、僕は決して一人ではありませんでした。 エステルと大喧嘩したときも、宇宙怪獣の調査をしていた時も、船が爆破された時も――― いつも誰かに助けられたり、励まされたりしていました。 誰かと関わり、助けられる―――それは直接のものだけでもない。 様々な理由と形で、誰かに助けられている。 馬鹿な事に、ともすると忘れてしまっていたそのことを、ターン16の終わりに強く実感することが出来ました。 そしてもうひとつ。 これも本当に当たり前のことですが、僕にとって一番大切なのはエステルのことなんだということです。 彼女がいない間、僕は死んだ方がましだとさえ思いました。 生きるも死ぬも、エステルと一緒がいい。 エステルがいなければ天国だって地獄と同じだし、エステルがいれば僕にはどこだって天国なんです。 ターン16。 生きていることと、周囲のすべての人に、感謝を。エステルに全てを。 それは僕にとって、この二つに気付くまでの長い旅だったと今になって思います。 (998文字)

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