*注意*
元ネタあり
多分また読みづらい・分かりづらいと思います
キャラ崩壊注意(色々と)
ゆっくりがゆっくりっぽくないです
以上に気を付けてください
下線部から始まります
普段通る道から一本入った路地にその店はある
入り口には小綺麗な、洒落た木製の看板がかけられているだけで
うっかりすると見逃してしまいそうだ
BAR『YUVANTI』
この話はそんな一軒のBARのお話
~Waiting Bar "YUVANTI"~
「いらっしゃいま・・・れいむさん!」
「どうも、マスター。いつものもらえる?」
「かしこまりました」
彼女はマスターの『さくや』
ここ"YUVANTI"のマスターで、私の良き友人でもある
「どうぞ『カルーアミルク』です。ところで、今お帰りですか?」
「ええ。残業が長引いて・・・」
「それはお疲れさまでした。あっ、いらっしゃいませ」
マスターは別なお客の接客に行ってしまったのでカルーアを飲みながら店内を見回す
空いているテーブルもあるが大体は埋まっていた
おや?あの角の席で飲んでいるのは
最近この辺で評判のトレーナーのお兄さんがドスまりささんとお話ししていますね
なにかお兄さんが相談していますが、何を話しているんでしょう?
少しだけ聞き耳を・・・
『最近仕事はどうなの?』
「いや・・・なかなか彼等もわんぱくで大変ですよ」
『やっぱり今の若い子は手がつけられないよね』
「ところで、まりささんは群を治めるコツって何かあります?」
『コツってほどでもないけど、頼れるパートナーを持つことかな?』
「パートナーですか?」
『そう、パートナー。相談役みたいなものでも良いと思うよ』
「ああ、なるほど」
『一人で出来ることには限界があるでしょ?だから相談したり、頼んだりするパートナーは必要だよ』
「そうですか・・・いや、家にもまりさが居るんですがなかなか我儘で・・・」
『若いときはみんなそんなものだよ。おうち宣言とか、お風呂嫌がったりとか』
「最近は『お菓子よこせ!』なんていいだすんですよ」
『いやぁ、若いねぇ』
「僕はそれを矯正していくのが仕事なんですけど、あんまりきっちりやると怒られるんですよ」
『へぇ~、でも仕事なんでしょ?』
「僕の会社は『ペットではなく、友達を送り出す』が社訓なんで完璧に躾るのは禁止なんですよ」
『でも、それじゃ難しいよね?』
「はい・・・でも上司は『機械みたいな完璧な子にしたいなら、他所にいってね』って考えなんで」
『大変な会社入っちゃったね・・・』
「いやぁ、まったくですよ」
お互いに分かる所があったんでしょうか?
随分笑いながら盛り上がっていますね
「れいむさん?なにか良いことでもありましたか?」
「ん、まぁ。人間と暮らすのも色々あるなぁ、と思ってね」
「そうでしたか。確かに大変かもしれないですよね」
今は仲良く暮らしているが昔、放浪の旅の末に加工場で出会った仲間との脱走劇の時は
人間はなかなか手強いと思い知らされしたからね
ところで、あちらのカウンター席では
八雲紫さんがお知り合いの方に愚痴っていますね
そちらにも聞き耳を・・・
「ねぇ、ゆっこちゃんはおばあちゃんのこと『お母さん』って呼ばないの?」
『呼ばないよ?なんで?』
「お母さんいないの寂しくないの?」
『おばあちゃんいるからね。子供出来たの?』
「ちっ、違うわよ! そう呼んで欲しい子がいるだけよ!」
『へぇ~。でも呼んでくれないんだ?』
「そうなのよねぇ・・・この歳で『おばあちゃん』とか『おばさん』じゃ変でしょう?」
『・・・うん』
「でしょう? だから『お母さん』なら違和感無いかと思ったんだけど・・・」
『いきなり「お母さん」は難しいんじゃないの?「紫さん」とか「お姉さん」位の方が・・・』
「やっぱりそうなのかなぁ・・・」
『元気出してね!ゆっこも応援するから!』
『お母さん』ねぇ・・・
おにーさんに向かって『お父さん』とか『おにーちゃん』とか言ったらどんな反応をするんだろうか?
次にリボンを洗濯されそうになったらやってみたい
裸で『やめてね・・・おにーちゃん』位言えば諦めてくれるかもしれないしれないですね
「マスター、ごちそうさま」
「ありがとうございました」
人も妖怪もゆっくりも、上下の区別なく共に飲み合える場所"YUVANTI"
今日もまたひっそりと店に明かりが灯る
おわり
以下チラ裏
元ネタは『Suntory Saturday Waiting Bar "AVANTI"』というラジオ番組です。
知らなかったらごめんなさい。
個人的にはすごく好きな番組です
チラ裏ここまで
最終更新:2009年04月13日 22:16