【ゆイタニック号のゆ劇】りんごソース和え

床には酷く不恰好な足跡が続いていた。
いや、足跡だろうか?とにかく、ネトネトと不可解な粘膜が、人気の無い廊下を一定の規則をもって
覆っている。

ただし、非常に良い匂いがした。何だろう?食欲はそそられる。


「―――試しに食べてみるか?」
「―――馬鹿な冗談言わないで、ちゃんと持ってね!!!」

人間なら、何とか粘膜を避けて通れるが、ゆっくりかなこともなると、どこかで体に直接付着する事を
避けられまい。
あまりおんぶや抱っこ等、甘やかしたくは無かったが、流石に哀れに思って両手で抱え挙げて通る。
重い。

「注連縄も御柱も部屋においてくればいいのに」
「そんな事できないよ!!!」

そっぽを向いて一言

「何が起こっても変じゃないんだよ」

不安なのだろうか?そうこうしている内に、粘膜を避けつつ、好奇心に駆られて足跡を辿っていくと、
食堂街へ出た。街というと大袈裟に聞こえるかもしれないが、世界一の客船・ゆイタニック号の事。
室内のトイレが、自分の子供時代の部屋より遥かに大きいのと同じく、地元の商店街より街らしい。
深夜だからか?彼の目には、ゆっくりはたくさん映ったが、人間の姿はまばらだった。
足跡? は、更にその先の3軒の店へと続いていた。

「Night sparrow」 「kuneri guru」 「河城飯店」……

船内のレジャー施設を遊び尽し、興味が湧いてほいほい足跡を追跡してきたのはいい。
それにしても腹は減っていた。どういう訳か、粘膜と足跡は3軒共に入り口の前で途切れていた。
とりあえず、最も流行って無さそうな―――だがそれ程お高くなさそうな、中央の「kuneri guru」へ入る。


店に入ると、客用のテーブルで、店長らしきゆっくりりぐるが食事を摂っていた。それも不味そうに。
慌てて、片付けるのもそこそこに、厨房の奥へカサカサと駆けむ。
奥では何かを言い争う声が聞こえた。
店長らしきりぐると、あと2名。
ドタバタと弾かれたように、胴の無い子りぐるを連れて、店長は何かを手にして此方へ向かってきた。

パパン

クラッカーである

「ゆっくりしていってね!!! 『kuneri guru』へようこそ!!!」
「おきゃくさまは、きねんすべき――――ええと」
「30人目のお客だよ!!!」
「ゆゆ~ すごい!!!」

それは、キリがいい―――――が、気になった。

(―――まさか………開店始まって以来とかいうんじゃないだろうな!!?)

連れのを席につかせると、はや水におしぼり、メニューが置かれている。店長が先ほど食べていた
まかない(?)はまだ片付けられていない。
メニューを見ると、何語か解らない文字で書かれている。ロシア辺りだろうか? ただし、手書きのイラスト
が全てに添えられており、これが存外上手いのでそれ程不自由ではなかった。
流石に無国籍料理店と名乗るだけはあるが、こういう意味ではなかった気がする。
内装はいかにも東洋かぶれの西洋人といった風情で、ある程度和風にしようとして所々が中華風に
なっている。

―――――不安だったので、鴨南蛮と、親子丼に、水餃子を頼みました―――――

注文を受けた少し小さいりぐるは何やら不満そうな顔をしていたが、すぐにカサカサと奥に入っていった。
水餃子を先に運んできた時、まだ不満そうな顔をしていた。少し気になった事を聞いてみる
ガタガタと、何故か船内が揺れた。

「ここは長いの?」
「造船以来だよ!!!」
「何ていうか―――無国籍料理って話だけど、コンセプトは何なの?」
「そんなもの実は無いよ!!!」

水餃子は美味しかったが………
とにかくこの店は、立地が悪い。右隣に、最高級の食材が集まる 五ッ星レストラン「Night sparrow」と、
左隣に伝統と格式の中華料理の「河城飯店」支店――――まるで、大ゆっくりに頬を挟まれた小ゆっくり
の様。

                              今ここ
                               ↓

  "-..,,_r-'ァ'"´/ i  ,/! ハ  .ハ   !  iヾ_ノ::::::::::\-‐ァ  _  __ 'r==─-    --─===ヽ、ン、
     !イ´ ,' | /i/__,.!/ V  、!__丿ハ  ,' ,ゝ、r-r'"´(ゝ-´ ̄`-ゝ イ,' イリiゝ、イ人レル/_ルリ  ', i
    ( `!  !/レi'  (ヒ_]     ヒ_ン  レ'i ノヘァ二ハ二、r´iゝイ人レ/_ルリレ (ヒ_]      ヒ_ン )  ヽイ i | ((
  )) ) 丿/  ////// ,___, /////i-'/__,.!/V、!__`i=(r=- r=ァ )レリイ//// ,___,  ///// | .|、i .||
    / i  i        ヽ _ン     !/ r=- r=ァ  |   ,    ヽY!    ヽ _ン      「 !ノ i |
 )) ノ  ) ハ                 '| ノ(   」 .|'   ー=ョ   .|,.               L」 ノ| .|
   y'  ノ  i 「Night sparrow」  iレi⌒ ー=ョ  |    ノ(「  !|     「河城飯店」|イ| /
   ノノ  (  ,ハ             |!        .|.',.    ⌒ L」ハ             ノ| || |/ ((


こんな大御所に勝てる訳もないのだから、もっと大衆的な雰囲気と料理を目指せば良かったのだろうが、それとは
真逆のイカモノに走ってしまったようだ。

「3人だけでやっていくのは、大変だね!!!」
「3人?りぐると、店長の2人だけですよ!!!!」
「―――?厨房に誰かいない?」
「―――3人だよ!!!」

間髪入れず、滝の様な汗を描いて子りぐるは訂正した。
はて、何があるのか? 何やら厨房では店長が変な声をあげている。
ややあって運ばれてきた親子丼と鴨南蛮は、あまり美味しくなかった。。本当に美味しなかったので、口直しにガララ鰐の
ソテーでも頼もうとした時、客が来た。

「ゆっくりしていってね!!!」
「『kuneri guru』へようこそ!!! おきゃくさまは、記念すべき31人目のお客様だよ!!!」
「33人目かな?」
「―――どうしよう?」

3人同時の来店である。
ゆっくりゆゆこ・れてぃ・るーみあの三名。

「おいしそうな匂いがしたんできたよ!!!」
「無国籍なのかー」
「あら、アーモンドキャベツの匂いも……うふふふ……」

大食らいで有名なゆっくりが3名集まった。これは、閑古鳥が鳴いている見せにとっては、少数精鋭といった所。実際に
この3人が集まる所も、食事を摂る所も見た事がない。

「良かったねえ。お客が100人分来たようなもんだ」
「えへへへ」
「それは大袈裟だよー」

ずぞずぞと、ドッハムの湧き酒を飲みつつ、かなこは一人ごちた。

「ばかね……… 『大食いゆゆこ』でも行けばよかったのに」
「ん?」
「100人分じゃないよ 後で後悔するよ」
「? ?」

まず、れてぃは一口餃子3人前と、グラナレタス炒飯に百葉のクローバーサラダ、ふぐ鯨の雑炊を頼む
それにしても、何やら外が騒がしい。

「――――それが、前菜でね」
「は?」
「ゆゆこは?」
「アシュラサウルスの蒲焼があるのね。それを2本。あと王陸鮫の姿焼き?と沢蟹ダブルで」


――これが、始まりだった。

中華料理にふさわしく、炒飯や餃子はそれなりの量だったが、すぐに出された。その後、恐ろしく窮屈そうな
厨房から、彼とかなこよりも大きいアシュラサウルスの蒲焼が運ばれ、ややあって王陸鮫の姿焼き(テーブルを
二つ使った)が運ばれる頃には、既に今までの料理は食べ尽くされていた。
喜びと驚きの混じった笑顔を浮かべつつ、りぐる達は厨房に戻ったが、ダブルの沢蟹を待たずして―――

「次、虹の実ベーコンの葉っぱ巻き―――ハーフサイズしかないの 200kgの?じゃあ、それでいいわ。コンソメマグマスープと、
 デビル大蛇のバーガー これはフルサイズあるわよね?」
「野菜ラーメン、塩と味噌の両方ね」
「メープル丼とストライプサーモンのラクリマクリスティー。あとファナティッククライシスの生姜焼きも追加できるのかー?」

それまでは、注文を複数受け、その料理が出揃った辺りでその前の料理が食べ終わっており、新たに注文を受ける――
というリズムがあったが―――徐々に そのペースは乱れ。
何かを一皿運ぶ毎に、注文は増えた。

「店長!! 金色いくらまだ残ってます?」
「まるっと残ってるよ!!! 残ってるから、トロルコング切るの手伝ってぇえ!!!」


厨房は本当に狭いらしく、一緒にトロルコングの肉(筋張って本来は食用ではない)を鋸で切断する際、子りぐるの背中が
入り口からはみ出していた。
当然食器も洗える余裕など無く、既に入り口に皿が積まれ、危ないわ入りにくいわで、ついに子りぐるは近くのテーブルの上に
皿を置き始めた。


と、ややあって、入ってきた者がある

「よろしいですか?」

人間の船員だった。

「しばらくの間、店内を調べさせていただきたいのですが」
「何で?」

船員は少し押し黙った。言い訳を用意しなかったのだろうか?本物の船員かどうかまで確かめる術は無い。彼自身とかなこに断る理由も
無いが、何やら怯えた反動で威圧的に構える船員に食後を邪魔されたくは無かった。
それに―――子りぐるが怯えて切っている。

「入りますね」

と、一歩踏み入れた瞬間、厨房から何かが飛交った。
入り口のところで鈍い音を立てて落下したが――――猿の腕だった。 勿論食材の一つだろう

「それ、持ってきてね!!!」

厨房からの店長の声は落ち着き払っており、子りぐるは多少気を持ち直した様子だった。
船員はそれでも入ろうとしたが―――それを止めた音があった。
箸をおく音。
テーブルに、落石でもあったように、重く三つ。
客の3ゆっくりである。

「後になさい」
「―――いえ、ですが………」
「食事中なのが見えないのかー?」

れてぃは無言だったが、麺を一際大きな音をたててすすり上げた。
―――何か戦闘的な動物の威嚇にも近い響きがあった。

「後ほど。食べ終わった頃に―――また!!」

実際、他にも調べる部屋がたくさんあるのだろう。
心底ほっとした面持ちで、子りぐるは方を下ろしていた。





―――何が起きている?


―――何を隠している?




客のゆっくり3人は、はや誰も訪れなかったかのように食事を続けている。

「蟹豚のソテー、まだなのかー?」
「次、
「あらあら、ドラゴリーのマリスミゼル風味もあるのね。これ4杯頂くわ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!!!!」

積みあがっていく皿。
立ち込める熱気。
何度か自身も運ぶのを手伝っていた店長は、もう厨房から姿を現さなくなった。
代わりに、何度も怒声が飛交う。

「かなこ………ガララ鰐のソテー、本当に頼むか?」
「―――やめとくよ それより、このあと『プリズムリバー』に行かない?」

次から次へと運ばれる料理や、それを淡々と平らげていく3人のゆっくりを見るのは中々楽しくはあったが……
そして、子りぐるはテーブルに皿を運ぼうとして、こぼして派手に割った。

「う………腕が腕があああああ!!!」
「お皿はいいから、早く手伝ってね!!!」
「大変ねえ。―――あ、タッコングの磯部まき追加ね」
「腕が麻痺しちゃったのかー………… グドンとツインテールのカルパッチョ頼む」
「無理は良くないわね………バードンのアンデッド唐揚げ風味と、キングジョーのトルティーヤ。ゼットンのナイトメアシューターもよろしく」
「あ………!? あっ……!!?」
「―――3人目は何をしてるんだ?」

ガタガタと震えながらも、注文を受ける子りぐるを気の毒に思いつつ、気になって狭い厨房を見やるが、入り口に立った店長の背中しか見えない。
3人目は必死で調理に専念しているのだろうか?
本当に気になって席を立って近づいたら、子りぐるが不自然な歩き方でこちらへ来て、皿を落とした

「おっと……ごめんね!!!」
「な、何だ?」

明らかに厨房に入る事を拒んでいる様だ。
3人目には何の問題があるのだろう。
店長は大声を張り上げているため、声も聞こえない

ただ――――

うねうねと蠢く何かが見えた。
食材に、鰻か何かがあるのかと思ったがそうでもないらしい。
髪か何かか?
ゆっくりさなえ の髪につけられている蛇の装飾品に近いものがあるが、あれはあくまで飾りの一部で、まりさやれいむのもみあげのように
それ程可動性がある訳ではない。
やはり、ゆっくりの体毛の一部とはまた違うようだった。

これを、先ほどの船員から隠そうとしていた事は間違いないだろう。

かなこの方を見たが、頭を振って何なのかは解らない事を示している。
ただ一つ。


良い匂いがした。


かなり食欲を促進させるもので、やはりガララ鰐のソテーと、ガウチの丸焼きでも頼もうかと考えていたが、気を失いそうな子りぐるを見ていると
そんな事はできなかった。そう、先ほどの匂いである。
とは言え―――――この見せ始まって以来の注文なのだろう。それは喜ばしい事だ。

「――材料はなくなるけどね」
「いや、そんな事は流石に……」

とも言えないペースで、3ゆっくりは次々に平らげていく。
入店後、かれこれ1時間は経っただろうか。

「おまたせしました。酒乱牛のマッドカプセルマーケッツに、もち肌もやし炒め、ネオトマトのレオロメンでございまっす」
「ご注文は以上だね!!!」
「材料はそれですべてです」

咀嚼は止めずに、ゆゆこは会釈をしつつ最後のメニューを受け取った。
るーみあは、先にデザートである酒豪メロンを食べつつ、まだメニューを眺めている。

「本当に全部なのかー? このチーズ鉄火丼とポップコーン茶漬けはまだ頼んでないよ?」
「グミジュー棒も欲しいわね。ソーナンスの醤油たたきも追加ね」
「バレンタイントーストも」

子りぐると店長は顔を見合わせて、調子は崩さずに言った。

「申し訳ございません。そちらのメニューは、他のお客様へ――――」
「あら、予約でもあるの?」
「そうじゃないけど、大事なお客様が来るんだよ!!!」

店長は3人に見えないように、子りぐるの後頭部を引っぱたいたが、手遅れだった。

「いや、その」
「??別にそのお客がまた来る、って訳じゃないんでしょ?」
「――――いや、また来るんです」
「予約とかじゃないって言ってたよ」

先ほどとは違う種類の汗をたらしつつ、店長は目を泳がせている

「――――ばかだね」
「かなこ、知ってるの?」
「そうそう、最後までつきあえる店は無いのにね!!! あんたも見たことないの?」

そう。
恐らくるーみあは――――ゆっくりにしては妙に発育の良い肢体と、るーみあにしてはやや大柄ななりで思い出した。
月曜から金曜にかけて、「目覚めよ ミッシングパゥアー」 という番組に出ている。
「ルーミア教」とやらの教祖である。隠してもいないが、お供もつけないで、こんな所で何をやっているのだろう?
どこか辺境の、野生生活を頑なに続けるゆっくりですら、存在は知っている。それくらいの影響力も、まああるゆっくりだ。

「それなら、出さないのかー?」
「お金がないわけじゃないから、安心してね!!!」
「いえ………来るんですよ………」

ふと壁を見ると、写真が飾られている。その数、およそ30枚。――――本当に、店ができてから、30人目のきゃくだったのだろうか!!?
かなり優遇された高価な額に、満面の笑みの店長と子りぐる、そしてゆっくりゆうかが写っている。

「今度また来て、花作りについて話そうっていってもんね!!! 店長!!!」

しかし、材料が………

「そういう事なら、仕方が無いわね」

パンドンの串焼きを飲み込み、れてぃは少し残念そうに言った。ただ、それは食い意地によるものではなかった。

「この店の、評価をさせてもらってました」

れてぃの方は忘れたが、ゆゆこの方は、確かフリーライターだ。義理の親が、これまた有名なコラムニストのきめぇ丸で、親の七光りも
あったのだろうが、好感の持てる文章と、気さくなキャラクターが受けて、るーみあの番組にレギュラーで出ている。
食い友達でもあるのだろう。れてぃはごそごそと名刺を取り出した。

「おや………『ゆしゅらん』…………」

あんなの嘘っぱちぇだとか、闇の権力が働いているとか色々言われているが、依然としてゆっくり飲食店の、まあそこそこのステータスの一つである。
基準はあくまでもゆっくりに対してであり、審査員もゆっくりが行うのだが―――ゆっくりが安心して食事できるのなら、人間も安心できる、
という事で参考にされる事も多い。

「ええとね………素材は皆素晴らしかったわ。レパートリーも凄い。べムスターがここで食べられるとは思わなかったもの。でもね―――味付けは――
 ――少なくとも、子供やお年寄りには優しくないわね」

確かに、親子丼は辛すぎた。

「勿論、私の前にも数名審査員は来たわ。黙ってたけどね。最後に来たのが私。仲間内では、一番評価が甘いって言われているわ。――でも、
 そんな私でも、この店は……」

どこに隠していたものか、ボードを見ると――――これは本人には見せられまい。中々辛辣な結果。
店内の内装・味付け・衛生さもさることながら、店員の態度

「こっちもたくさん食べてたけど、二人ともゆっくりしなさすぎ」
「―――――」
「ゆっくりなんだから、ゆっくり作ってくれればよかったのよ」

彼は流石に立ち上がった。かなこは、今度は「バッカスホエールの湖」を注文してちびちびと飲みつつ横目で見ている。

「いや、確かにりぐる達は、ゆっくりしていなかったし、態度もあまりよくなかった。 ―――っが、あんたらもゆっくりしていなかったじゃないか」
「何か意見でもあるのかー?」
「いや、しょうがないでしょう。あれだけドカ食いしてたんだから、焦りますって」
「それはそうよね~」

名残惜しげにメニューを閉じて、3人はしげしげと頷く。自覚はあるのだろう。

「全メニュー制覇しておくのがポリシーなのよ……こっちもゆっくししなさ過ぎたわ。ごめんなさいね。でも……」

厨房を覗き

「―――何かお腹が空くのよね」
「今まで嗅いだ事のない匂いだったのかー」
「思わず、ついついたくさん注文してしまったわ」

それは感じていた。3人の暴食っぷりに呆れ、食欲を多少喪失していたが、丼物一杯と、水餃子を平らげた後でも、肉料理を頼みたくなった。
かなこは、ドリンクを先ほどから何度も注文している。
よく嗅いで見ると、海産物のそれだ。

「―――う~ん……」

かなこは、椅子から下りると、子りぐるに近づいて耳打ちを始めた。

「―――色々評価は悪かったみたいだけど……」
「このまま、ランク落とされちゃったら、この船にいられないよ!!!」
「だったら、ここで点数稼ごうね!!!」

厨房からは、またギトギトとした線状のものが蠢いていて、思わず肩をすくませた。

「あれだけの量に対応できたのは、凄い事だよ」
「ありがとう」
「奴等の胃袋を満たす事自体は凄く難しいんだよ。だから、あとちょっと料理を出して、満腹にだけさせれば、かなりの高評価がもらえるよ!!!」
「でも………」

店長りぐるはまだ俯いている。余程、そのゆっくりゆうかにまた料理を振舞いたいのだろうか?

「お店の今後を考えれば、そっちの方がいいと思いますよ……」
「それにしても、何でこんなにお腹が空くの?」
「本当に何でだろう……」

二人が対応に困っている――――隙に、彼は思い立って厨房を覗いた。

足跡(?)

食欲をそそる匂い

3人目の従業員
入れない厨房

何かを捜索に来た船員


異様に狭く見えた空間


触手



――――昼間、何かが捕獲されたと騒がれていた。 その時の野次馬達の台詞をいくつか思い出す

<見たけど、野牛だよ!!!うしさんがいたんだよ!!!>

<蛸じゃない?蛸が………>

<―――ゆっくりか?ゆっくりだったのか、あれ?>


――――――







    ノi ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄,ヘ /|  ̄ (ヽ
   | .| iヽ     _,,,.......,,,,__   L_>r-‐ァ ヽヽ
   | .| ヽ.`ヽ、,. '"  ,.- 、   `ヽ./ ./ヾ、」  | .| )))
   | .|  .`y'  ,メ、!,_!::::::!ハ ! (´_,/、      | .|
   | .|  / i, i' i,ゝ、|:::// ',!i ヽ ',. ヽ、   / /
   ヽヽ イ  ! ハ!(ヒ_]:レ':::ヒ_ン!、イハ ', iヽ ー '' /
    ヽ__ヽ、!ヽ.!!" ,__, "!、!::! i | ` ̄ ̄´
       .i !::7  ヽ _ン  ,り !:レi |
       .l |:ヘ、       /!::::/i |    )))
      ノ ノ|:::| i>.、.,__ ,..イ/:::/ !| |
     ., ' , ' |:::|ヽ::ヽ、ヽ;;;;;;;;l::::l  l| |
    ., ' , '  |:::| ヽ:::ヽ ヽ;;;;l::::l  l| |   )))
    .レ'   ノ::ノ  ヽ:::ゝ ゝ.l:::l、 ノヽ .ゝ
       ノノ    `' ´  ヽ、ニ> `'


ええと、あのその


「見たなあー」
「店長、こいつ見ちゃいましたよ!!!」
「―――――見てしまいました………」

かなこも後ろから覗き、呆然としたが、すぐさま覗こうとするれてぃ達を牽制する。
なるほど。確かにこれでは厨房も狭くなるというもの。
それにしたって………

「ばれてしまったか。まあ仕方が無いな。変に事を荒立てるタイプの人でもないようだ、あなたは」
「あのその」
「とは言え、どうしたものか。私の事を外部に漏らさないようにしてくれといっても難しいだろう」

―――これは、この、厨房にて店長達が必死に隠そうとしていた謎のゆっくりの台詞

「喋ることくらいおかしくはないはずだ。『うわっ 喋りやがるぞこいつ』なんて失礼だな」
「べ、別にそんな事言ってないですよ………」

大学の講座でも何でも、「ゆっくり生物学」など真面目にやる者はいない。それほど進んでいない(=研究がはかどらない)、
教科書も、せいぜい各ゆっくり達の好きなアーティストや食べ物が載っているくらいだ。
しかし、こんな存在に遭遇するのなら、「特殊ゆっくり大全(ドスまりさの写真が世界一多く収録されている事で有名)」でも
買っておけばよかったと思えてきた。

「あの………あなたはどういう素性のゆっくりで……?」
「それは流石に話すことはできないな。察してくれ。しかし、ここの店長と子りぐるには感謝してもしたりない。こんな私をかくまって
くれたのだからな」

話している内に、彼は、どういう理屈か食欲を促進させるあの匂いが、このゆっくりから放たれている事に気が空いた。
床に垂れていた粘膜は、十中八九このゆっくりから放たれているのだろう。

そういえば、ゆっくりの中身は確かにお菓子関係が多いとされる。

だが、ここにいる面々はそうでもないゆっくりばかり。図鑑を見ると、るーみあは「幼女」、りぐるは「虫」、ゆゆこは忘れたが、
れてぃは「お姉さん」とされている。隣のかなこは、ドーナツとされているが、それは背中の注連縄がドーナツなだけで、実際は
まだなんだか解らない。
このゆっくりは、おそらくゆっくりけーねなのだろうが、この人も「先生」とだけ書かれていた。
それにしても、近くで匂いを嗅ぐと、食欲がそそる。
先ほどの粘液―――食べてみるかとふざけたが、本当に食べられるのだろう。

多分、クリームシチューだ。

蛸だから、あの足一本ずつの中には何か炊き込まれたご飯が入っているかもしれない。
こちら側の考えを察したか、けーね先生(と呼ぶ事にした)は顔を赤らめて言う

「いや………確かに、私は今日、この船内を逃げ回っていた。ここの親切な店長にもかくまってもらった。恩義も感じているし、
 返したいとも思う。いつまでもここにはいない。 しかしだ……」
「まだ何も言っていませんよ、けーね先生」
「けーね先生、りぐる達、そんなに悪い事は考えていないよ?」
「利用したい相手を、すぐに『先生』と呼ぶのは日本人の悪い癖だと聞いた事はないか?」

厨房の外では、かなこが自分の酒と、千歳あめの御柱を振舞っていた。代えはあったと思うが、ある程度馴染んだ相手にしか
食べさせないはずだった。

「私が、こうして周りに涎を垂れさせるのは、不可抗力であってだな・・・・・・・」
「いや、店長に恩返ししたい気持ちがあるんでしたら、協力してあるってのは? いや、むしろあの御三方の食欲を促進させてしまった
 って点では、この店を更に窮地に追い込んだ訳ですよ」
「私にどうしろというんだ」
「ねえ店長………」

言葉遣いは変わらないが、子りぐるは涎を拭いている。店長の方はというと、子りぐるよりも分泌量が多い。

「仕方ないな………一本だけだぞ……?」
「ゆっくりはこういう所が話がわかるよなあ……」
「蛸は、自分の足を食べて飢えをしのぐ事がある、って聞きますからね」
「蛸ではない。私は烏賊だ」

顔を赤らめつつ、腕(?)を一本突き出した。存外それは太く、付け根付近の方は一抱え以上もあった。それだけ、彼女が大きいという事だが……
ずっしりと重いらしく、店長りぐると子りぐるは協力して切断に当たった。
けーね先生はさして痛みを感じていないようだったが、笑っているとも、怒っているともなんとも判別のつきにくい顔をしていた。
本当に何者なのだろう。

何とか一本もらった足は、中を覗くと案の定もち米が詰め込まれていた。
が、その内訳は―――万華鏡の様。

「ここからここまでが―――チキンライス?おこわもあるね!!!」
「炒飯、キムチご飯、ターメリックライス―――カレーピラフ………」

なんともはや。中身の色とりどりの世界各国の米料理に見とれていると、けーね先生はどこから取ってきたのか、ボール一杯に何かを差し出した。
―――先ほどから涎の元となっているクリームシチューであったが、どこから出したのかは聞かなかった。こちらも聞かないことにした。
ただ、驚いた事に中にはジャガイモとしめじ、牛肉らしき具が含まれているのであった。

「じゃあ……これで………」

盛り付けも美しく、輪切りにスライスして、味付けはシンプルにリンゴソースをかけ、レタスを添えて、3人は厨房からでた。

「ん?」

大きく、船内ごと揺れたのは、その時がはじめてである。
―――この船ごとが、動くなどという事がありえるのだろうか?

何が起こった?

「まだなのかー」
「はい、ただいま!」

るーみあは最初から浮遊していたので、あまり影響を受けなかったのかもしれないが、客達は暢気もいいところ。かなこもほろ酔っている。

「ええ、バイツァダストのナインインチパネル包み でございます」
「他のものはできないけど、これで我慢してください!!!」

喜色満面で、かなこも皿を覗く。れてぃとるーみは気前良く、自分の分を小皿に少しより分けてかなこに渡してくれた」

「これは………」

4人のゆっくりは目を剥いた。

「メロンじゃないのか!!?」
「へっ?」
「表面の蛸? の歯にしっとり食い込むけど上手く反発する噛み応え!!」
「ご飯はねっちりもっちり!!!」
「だけど、具の一つ一つがしゃっきり!!!」
「だけど所によってはパッサリ!!!」
「このビビンバの所なんか、口に入れた瞬間にソフトクリームみたいに溶けて消えるわ!!!」
「だけどミントライスは凄いは痛いほどの舌触り!!!」

喜んではくれている。
しかし、味に関しては、最初の「メロン」だけで、後は食感の感想だけ。
美味いのか?そうでもないのか?

「まあ………これで………」
「ゆうかさんをいつでもお迎えできるね!!!」

材料も全て使い切り、今までに無いほどの売り上げ。
全体的に評価は低めだが、れてぃのあの様子なら、そこそこの修正をしてくれるだろう。
むしろ、けーね先生に感謝してもしたりない程かもしれない。

「最初に、かくまってほしい、って言った時は驚いたよ!!!」
「でも、何でこの店に来たの?」

それは、この店があまりにも目だっていn…………いや、言うまい。
ゆイタニック号にあるまじき、薄汚れた壁と少し緊張した面持ちの客の写真を見つつ、彼は一人ごちると―――写真が、一つ、壁から落ちた。

「あれ?」

子りぐるがすぐさま拾いに行く。
彼は、少し興味が湧いて、かなこからお相伴に預かろうとテーブルを覗いた。

「どれどれ」

切れ端と、寿司飯の部分を口に入れると、確かに不思議な食感だった。噛むまでもないと思っていると、突然米や蛸であることを半端に
主張し始めるのだ。味の方の感想を言おうとした

その時

腹への衝撃で、少し床にだけ吐いた。




ついで、隣の店―――「河城飯店」にて、派手な銃声がこだました。




汚いし勿体無いと顔をあげると、足元に椅子が、目の前にはテーブルが迫ってきていた。
どういう理屈なのかと考える間もなく、体が傾いて、後方の壁にたたき付けられた。

どうやら、店ごと、しいては船ごと傾いているらしい。


ダメージに耐えかね、体を起そうとした瞬間に、先ほどのテーブルがまた腹にのしかかった。
痛い。
あまりの痛みに、絶叫しつつ一言漏らす。

「もうやだこの店!!!」

と、すぐに返す声が

「”やさかだこ”の店?」

横を見ると、けーね先生の触手が……

「けーね先生、こんな所に出てきちゃまずいでしょう」

が、正面には、必死に厨房の入り口付近の壁に触手と言う触手を使ってしがみついているけーね先生が………
改めて、自分に圧し掛かっている触手を、その先の持ち主を見る。



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「”もうや”と”やさか”が一文字もあってない件について………」


店長がつけた名前は忘れたが、あの蛸の部分か?それとも中身の米が問題だったのか!!?
食べると、すべからくこんな体になってしまうのか!!?
ガタガタと震える彼を、不思議そうに見つめるかなこ。
自分の体の変化には先に気がついてもよさそうなものだが、そうでもないのは、やはり精神にも影響があるのだろうか!!?

他の食べてしまった3人はどうなったかと横を向こうとした瞬間、今度は食器が降り注いで顔を殴った。

店内は完全に傾いてる。
みすぼらしい店だからといって、これはない。

外をみやると、早、阿鼻叫喚の図となっていて、人間からゆっくりまでが、血眼で逃げ惑っている。

どうやら本当に船が傾いているらしい。

原因は何かと考えていると

「オルトロスが出たぞー!!!!」

何か内部であったんだろうか?
人騒がせな………

かなこがテーブルをのけ世としてくれている。が、これからどうすればいいものか
店内は完全に停電となり、ゆゆこ・れてぃ・るーみあの姿は確認できない。横で転がっている店長と子りぐるに手を差し伸べようとした時――


浸水が始まった。


これ以上の恐怖があるかと思った瞬間、幸運にも意識が途切れた。

「た、TACOが出たああああ!!!」

外ではそんな悲鳴がいくつも聞こえた。
あれは、けーね先生か、それとも押し流されたかなこの事だろうか?

 ===========================================


気がつくと、波に揺られていた。
何かに乗っている。
脇には、店長りぐると、子りぐるが。
二人とも目を覚まして、おいおいと泣いている。

「お店、なくなっちゃったね!!!」
「船がしずんじゃったよ!!!」
「もう、ゆうかさんにもあえないのかなあ」

慰める言葉も見つからないが、自分がどこいるのかと確かめると―――――


ドーナツに乗っていた。


これは、間違いなくかなこの注連縄だった。浮き輪の役割を果たしてくれている。
店に入る前、

「注連縄も御柱も部屋においてくればいいのに」
「そんな事できないよ!!!」

なんて会話があった。
あの時
かなこも、こんな状況を想定してはいなかっただろう。
目頭が熱くなるのを堪え切れなかった。

「かなこ………無用心な俺のために、大事な注連縄を自分で使わないで・・・・・・・・・・・!!!」

と、歯を食いしばった時


「呼んだ?」


声は下から


「「「うわあああああああああああああああ!!!」」」


浮上し、御柱も注連縄も無いかなこ。
「やさかだこ」になったかなこ。
しかし、顔は3人の無事を見届けて満足そうだ。

「よかったね!!! このまま、注連縄につかまっててね!!!」
「お前は………無事なのか?」
「蛸になったから大丈夫だよ!!!」
「ありがとうおばさん!!!」
「おばさん、ありがとう!!!」

この後、助かった所で社会復帰できるのかどうか不安だったが、4人は固く抱き合った。子りぐると店長を、かなこは触手でギリギリと
抱き締めつつ、絞り上げていた。

「このまま、皆で帰ろうね!!!」
「うんうん」
「でも……けーね先生が…………」

辺りを見回したが、何人か板切れにしがみついている者はいても、けーね先生の姿は見えなかった。

「きっと、大丈夫だよ……」
「――――そうだね!!! 本当の、海の中のおうちに帰って行ったんだよ……!!!」

しかしだ

「ゆゆこさん・るーみあさん、れてぃさんが……」

あの3人の行く末は見届けていない。
あの中で、浮遊できるるーみあと言えども…………

「うう………お客さん……」
「大変な客だったけど………」
「戻ってきておくれよう………あんなに食べてくれたゆっくりは初めてだよう/・・・・・・・・それに・・・・・・・・」

2人の嗚咽が、再びコダマした時―――――

「あれ?かなこ腕、11本?」
「? 8本だよ」


ドーナツにまとわりついている触手の数である
覗き込もうとした時

、                                                    r;ニヽ、  「あらドーナツ うふふふ」
                                   -''"´     `'        リ | !
                                ,'´ ,. -‐ァ'" ̄`ヽー 、`ヽ     / ⌒ヽ._,ノ丿
              /ヽ._,,,...,,,__           ゝ//         `ヽ`フ 、(⌒'ー-‐'´
           ,. -‐/ @ ':,:.:.:.:.:.:.`"''::...、      / .,'  /! /!   ! ハ  ! ',ゝ  ヽ、\
           ,.':.:.:.:,'-‐r-‐‐'、_ノ_.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ.    (    ! ノ-!‐ノ ! ノ|/ー!、!ノ  ,.ゝ  `ヽ、
           ,ゝr,ァ'-‐'"´ ̄`ー-く二ヽ-、:.:.:.:.)     ヘ  ,ノレ' rr=-,   r=;ァ ir /! ノ、   Y :}_
          i´:.ァ'´, !  !   ;   i  `ヽ、>ーヽ、   (   ノ ! ///    ///  ! ヘ   (/ヽハ/.〃´.__`ヽ.
          `ソ / ハ- ,ハ  /!._L」;、  '; i`iー-r'     )  ,.ハ ''"  'ー=-' " ' ! ',ヽ.(ヽ、’・ ,ハ.〈  `ヾj
          i  ';  !iゝ、 ∨  /_ ヽ  ,ハ!    '、     人__人〈  lヽ, 个、 ヾこ彡{.’イ、.`<__丿 ・}
          .'、. i ,ハ!(ヒ_]    ヒ_ン ) ,レi  !  ';  ヽ.  ヾご..√ `ヽ._丿.! ・ト、’・`ヾ!・ ・ し'⌒ヾ、.‘_ノ
            )レヽ| ''  ,___,  '' / i ';   i _,ノ〉  ヾご..√ `ヽ._丿.! ・ト、’・`ヾ!・ ・ し'⌒ヾ、.‘_ノ
            く).ハ、  ヽ _ン   ,:' ;' .,ハ  レ'i_ノ          `ーく.〈_,r‐- 、    ̄
            ( ;'  ,ノ>、,__,,. く ! ./_/V!_r'-'
            ,ハ.:'´ .: : :: :: :. .;,: : :::ヽ,/ヽノ ヽ           ,. '"´ ̄ ̄`"'' ヽ、/ヽ、__
               /;;:;:.: :.::: : .:: : :. .: : :  :"''-,,_           /          //`ー∠ 「ポンデリングなのかー」
            /,;.,;,/ヘy:: : ::;,::: . . : : : : : : : "ヽ      /     ,      ヽ!_/ヽ>
  ィ''ー-=―――”;;:rjソ;;;;;;oi::  : :::::::.::. : : : : : :    _ i       i / i !__ ハ ハ-‐i- 「__rイ´',
  ! イ⌒"'-ー 、五rツ';;;;;;;;O从: :. :.r‐、:::. : :,;;;::: : : i';;;;|       ! i  /.ゝ、 レ' /ハ |/   .i
  ヘ ∨^ ̄三ミ''ー''rtO;;9;;ノ>ri:. : 3;)ソ:.:.:..  }ヘ: : : : !;;;l      レヘ/ i (ヒ_]    ヒ_ン ) ! |   |
    )( .:r之こ;:;:;:;:;:;_98O○oヾ、:: i!';;;ヽノ:. | ): : ノ;;;;!       | !7""  ,___,   "" | .|   |
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     ノノ     ヽ;;::::.\ ゝ、ヽ、 {;: {q ,'::::i  \\i;:i      ., ' , ' |:::|ヽ::ヽ、ヽ;;;;;;;;l::::l  l| 
   (r'        "''-ニ二ヾ i / 人,,,_二テ=ー、} ノ'!;!     ., ' , '  |:::| ヽ:::ヽ ヽ;;;;l::::l  l| |   )))
    )       r''"ヽ、  ヽヽi::i'    _,rfニ彡イ/ ii     .レ'   ノ::ノ  ヽ:::ゝ ゝ.l:::l、 ノヽ .ゝ
            )   ー=ニ,,人!  ,rシ''´    .|!__丿        ノノ    `' ´  ヽ、ニ> `'
                     V (_ノ⌒ ⌒ヽJ



「く、来るなあアアアアアアアアアア!!!」
「お客さん、お代、お代!!!」


                                                 了




  ――――少し遠くを見ると、見たことの無いれいむが、同じ様な体になって、次から次へ乗客を助けていました


  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・案外、私が知らないだけで、こういう事ってたくさんあるのかもしれません

  • キングジョーはペダン合金の塊だったような・・・・ -- 名無しさん (2012-01-09 12:33:23)
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最終更新:2012年01月09日 12:33