ゆっくり小説
みなさん、ゆっくりばかりの街と言ったらどんな所を想像しますか。
え?やっぱり町に入ったらゆっくりが皆で『ゆっくりしていってね!!!』と出迎えてくれて。
皆でゆっくり出来る素敵な場所何じゃないかって?
なるほど、解りました。
取りあえず、鼻血を拭いて落ち着いて座ってください。
しかし、今回舞台になる場所はそんな素敵な所じゃありません。
ここも、かつては全てのゆっくりがゆっくりできる素敵な町でした。
しかし・・・・あるゆっくりが台頭したことにより、それも今は昔と相成りました。
そのゆっくりの名は・・・胴体付きのゆっくり。
彼らの持つ優れた身体能力と、10本の指から生み出す素晴らしい技術の力によって
瞬く間に町は発展していきました。
・・・しかし、その凄まじい発展の代償として、生まれたものがありました。
それは、胴無しのゆっくり達との確執。
胴付きゆっくりたちは、手も足もない胴無しのゆっくり達を見下すようになって行ったのです。
結果として、その町では胴付きゆっくり達は我が物顔でゆっくりし、
胴なしゆっくりは蔑ろにされるようになって行きました。
さてさて、そんなゆっくり達の街で暮らす変り種の胴なしゆっくりが一人、
この物語はそのゆっくりが繰り広げる真のゆっくりの括劇譚。
御用とお急ぎで無い方は、ゆっくりと見て行ってくださいませ。
・・・ああそれとこれはお客様への忠告。
この小説は『銀魂』のパロディです。
性格の悪いゆっくりも出てきますし、
酷い目に合うゆっくりもでてきます、
って言うかたぶんロクなゆっくりが居ません。
その手のネタに抵抗がある方は席をお立ちになって出て行ってください。
う~☆~
ゆぶき町 大通り。
す~やすやしない町として有名なこの町にある一軒のスナック。
そのスナックの外に取り付けられた階段をピョンピョンと登るゆっくりが一匹。
ピンク色の帽子を被り、背中には二対のこうもりの様な羽が生えている。
しかし、この羽は空を飛ぶためのものではない。
一部の胴なしゆっくりたちは手足の代わりとして、もみ上げやお下げ、リボンで物を掴んだり食べたりする。
このゆっくりの羽もそう言った役割を果たす物だ。
「う~う~♪うぁっうぁっ♪」
鼻歌を歌って羽でリズムを取りながら階段を登るこのゆっくり。
その名をれみりゃと言った。
そうこうしている内にれみりゃは階段を上りきり、
ガラス戸の前に立っていた。
このガラス戸の向こうがれみりゃの職場だ。
「う~てゐさ~ん!ゆっくりおはよう何だど~。」
れみりゃは羽をガラス戸の取っ手に引っ掛けると、そのまま戸をあけて大声で挨拶した。
その時れみりゃが見たものは!
「・・・・さぁ、ゆっくりと私が隠していたどんべえの事を白状してもらおうか!」
「おぃいい?何の事ですか?私のログには何もないんだが。」
何だか険悪なムードでにらみ合う二匹のゆっくりの姿だった。
一方は黒い髪と白いウサ耳をつけた、いかにも胡散臭そうな顔をしている胴なしゆっくり。
もう一方は青い髪と桃付き帽子が特徴の、ふてぶてしい顔が特徴の胴付きゆっくり。
「・・・てゐさん、てんこちゃん、こんなゆっくりした朝から一体何してるんだど・・・。」
この二人のにらみ合いを見るのも何度目か、
れみりゃは半ば呆れ顔で二匹にそう問いかけた。
「こいつが私の取って置きのどんべえを食べちゃったんだよ!」
てゐと呼ばれたウサ耳ゆっくりがもう一方のゆっくりを見ながらそう言った。
「だからどんべえなんて食べてないと行っているサル!」
てんこと呼ばれた桃付き帽子をかぶったゆっくりがそう反論する。
どうやらこの二匹のゆっくりはズーッとどんべえの事でいがみ合っているようだ。
・・・暫くにらみ合った後、先に口を開いたのはてゐの方だった。
「・・・まぁいっか、どうせあのどんべえは腐ってたんだし。」
「・・・何?」
「いや~梅雨時期に戸棚の奥にしまっていたのが不味かったね。
ま、いっか、何だかウンウンしたくなってきたしトイレにいこっと。」
そう言っててゐは凄い速さでトイレに駆け込んだ。
・・・暫くして、てんこはお腹を押さえ始める。
すぐさまトイレに駆け込もうとするが、生憎近くにあるトイレは先ほどてゐが駆け込んだトイレしかなかった。
「おぃいいい!すいあせん早く変わって欲しいんですがねえ!」
てんこはドンドンと扉を叩く。
「あれぇ?てんこちゃん急にお腹痛くなったの?
何で、何か悪い物でも食べたの?」
トイレの中からてゐの声が聞こえてきた。
トイレの扉越しでは彼女の表情はわからないが、間違いなく彼女はニヤニヤしているだろう。
「・・・・・・!!!」
てんこの顔色がサーッと真っ青になっていく。
「悪いけど、今日に限って何だか便秘気味でね。
すぐに変わってあげる事はできないなぁ。」
「・・・私はこんな恐ろしい女を敵に回してしまった
早く謝りマス!
すぃあせんでしたぁあああああああああああああああ!」
てんこは床にめり込まん!と言わん位の勢いで土下座した。
がちゃ。
トイレの扉が開かれると、そこにはやはりニヤニヤ顔のてゐが立っていた。
「お疲れ様、トイレは自由に使っていいよ。
・・・ちなみにどんべえが腐ってたってあれ、嘘だから。」
てゐはてんこの耳元でそう囁いた。
「え?」
言われててんこはお腹をさする。
・・・てんこの顔色が普通に戻っていく。
「そもそもインスタント食品が戸棚で数日放置していたぐらいで腐ると思ってたの?馬鹿なの?」
てゐはニヤニヤと笑いながらそう問いかける。
「・・・汚い忍者。さすが汚い。」
てんこはてゐを鋭く睨みつけながらそう言った。
「・・・何やってるんだど~二匹とも・・・。」
一連のやり取りを見てれみりゃは呆れ顔でそう言った。
てゐ魂 第一話「ブラブラしているものってつい凝視したくなるね!」
書いた人:かに
さて、このてゐ、れみりゃ、てんこの3匹のゆっくり。
この3匹のゆっくりは『スナック封魔録』の2階で『万屋てゐ!』を営んでいる。
まぁ、呼んで字のごとく、仕事なら何でも引き受けます、と言う町の便利屋何だが。
・・・はっきり行って仕事なんて本当に、たまにしか来ない。
「ふにゃ~・・・。」
「う~・・・。」
「む・・・。」
だから今日もそのたまの仕事が来るまで、3匹は応接室でぐでーっとしているのである。
所長のてゐも、従業員のてんことれみりゃもそれぞれ好きなようにして時間を潰す。
・・・殆どの場合、そのまま何もしないで終了するケースが殆どなのだが。
「・・・なぁてゐ、今日も万屋系の仕事がこないんだが。」
ソファの上でたれパンダのようになりながら、てんこがそう呟いた。
「仕事が来ないのはいつもの事でしょ。」
「そうか、と頃でとぃ。」
「ん?」
「俺はこのまま、タイムアッポでもいいんだが・・・。」
「要するにもう事務所閉めて何処かに遊びに行かない?いって事?」
「hai!」
「・・・それも良いかも知れないね。」
「いや、良いわけ無いど!」
てゐとてんこのやり取りを聞いて思わずれみりゃが起き上がる。
「何だ、突然喋りだしたゆっくり。」
「いくら仕事が来ないからって遊びに行っちゃうのは良くないど!
遊びに行ってる時に誰か依頼ゆっくりが来たらどうするんだど~!」
「じゃああんた一人で留守番してよ。で、仕事全部こなしちゃってよ。」
「いやいや!仮にも第一話かられみりゃ一人で依頼に挑戦!なんてどんな超展開だど!
と言うか無理だど!れみりゃ一人じゃ何にもできないんだど!」
「いや~出来るって!れみりゃは頑張ればできる子だってけーねが言ってた。」
「たまにはソロプレイも挑戦すべきだってリューさんが言ってた。」
「そいつら、一体何者なんだど~!」
「・・・あの~。」
と、突然誰かが声をかけてきた。
・・・この事務所には今言い争っている三人以外誰も居ない筈なのだが。
見ると、そこには九本の尻尾を持つゆっくり・・・らんが立っていた。
「・・・私はランと言うてんこ。」
「・・・あれ?もしかして依頼ゆっくり?」
「お取り込み中なら帰った方がよかったてんこ?」
「いえ、とんでもないです!」
久しぶりの依頼ゆっくりを逃がすまいと、てぬは大声でそう叫んだ。
「ようこそ!万屋てゐ!へ!「ゆっくりしていってね!」」
てゐは両耳を広げ、お決まりの言葉で依頼人を歓迎した。
『ゆっくりしていってね!』
返事はすぐに返ってきた、・・・何故か自分の両脇から。
「え?」
左右を向いてみると、そこにはれみりゃとてんこの姿が。
「・・・ごめんだど~、その言葉を聞くとつい言ってしまうんだど・・・。」
「言いたくて言ってるんじゃない、言ってしまうものがゆっくり。」
二匹とも、顔を真っ赤にしている。
恥ずかしいのが手にとって解った。
「・・・あの、仕事の話に入ってもよろしいてんこ?」
てんこは3匹に向かってそう問いかけた。
うぅ~☆~
「・・・さて、早速依頼の話に移るてんこ。」
ソファに、てゐ達と向かい合うように座ったらんはそう言った。
「まぁ率直に行って、依頼はあるものの捜索だてんこ。」
「ある物?」
「らんはあるお偉い方に仕えているゆっくりだてんこ、
そのお偉いがたが大事にしているものが行方不明になってしまったてんこ。
それを君たちに探して欲しいのだてんこ。」
「探して欲しいねぇ・・・で、一体何を探しに行けば良いわけ?」
「・・・それは直接、お偉いがたから聞いてくれてんこ、
その方のところまで、案内するてんこ。」
・・・と、言うわけでてゐ達はらんについていく事になった。
事務所を出て、らんについていく三匹。
らんの後ろで3匹は、同時に視線で会話をする。
(もの探しね、こりゃ依頼は簡単に終わりそうだね。。)
(しかも、依頼人がお偉いさんで、報酬が更にアッポするのは確定的に明らか。)
(ちょろいしごとだど~!)
3匹はそういって笑いあった。
「三人とも、着いたてんこ!」
と、その時、らんが大声でそう叫んだ。
そこは、ビル街の隙間に出来た小さな空き地、
その中心に一匹の胴付きゆっくりが立っていた。
種族は金髪とヘアバンドが特徴のゆっくりありす、
しかし、そのアリスには他のアリスとは違う特徴が一つあった。
それは・・・。
_,,.. --─- 、..,_
,. '"´ ___,,,,....、,,,_ `ヽ.
,:'´,.- ''= ̄ ̄`"''ヽ:ヽ, ':,
/ /_ \ i ,ハ Y ヽ. ',
,' / / \ \ハ / ヽ _,ハ ', i
i!|| ー-||レ'-― .Ti !ハノ ,'
(((○))r=;ァ r=;ァ. イ/ i 〈
ヽ ヘハ'  ̄  ̄ " ハ〈 ハ
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/ ノ ノ ,iヽ イ/ ン' イ ノ
∬. '〈r'k' /r'7ア´ ̄`ヽ ! /_ン
┌-┐ ノ /イ Y.
(i _i rくヽ/!ノ __ ,ゝ
\ \/`/::メ:::`ヽ、_二、___イ
「あら、その胴無しのいなかもの達が私のとかいはなシャンハイを探してくれるのね。」
・・・なんか、おでこに触角のようなものが生えていた。
「・・・。」
>3匹はそれをじっと見つめた。
>3匹はそれをじっと見つめた。
>3匹はそれをじっと見つめた。
「このありす様が大事にしているとかいはなシャンハイが行方不明になったのだてんこ!
万屋達にはそれを探してほしいてんこ!」
「・・・あの、この依頼断っていい?」
てゐはてんこにそう言った。
「何でだてんこ!」
「いや、何か触覚がきもい、おもに触覚がきもい。」
「そんな事言わずに引き受けてくださいてんこ!これにはてんこの首もかかってるてんこ!」
「いや、あんた首ないし。」
「そんな事言わずにお願いしますてんこ~!」
もう半泣きの状態でてんこはてゐ達にそう訴える。
3匹のゆっくりはそれを見て顔を見合わせる。
「・・・おぃい?このクエスト本気で引き受けるんですか?
私は堪忍して欲しいんですがねぇ・・・。」
「本心では、あんな触覚つけたありすの依頼なんて引き受けたくないけど。」
「あ~でもそろそろ依頼を受けて報酬を貰って家賃払わないと
みまが怒っちゃうど~。」
「・・・確かに。」
3匹が働いている「万屋てゐ!」事務所。
この事務所は下で経営している「スナック封魔録」のママさん「みま」の所有物件なのだ。
当然てゐは毎月みまに家賃を納めなければいけない立場なのだが・・・。
てゐはこの家賃をおよそ半年ほど滞納したままなのだ。
「先月も、家賃いつになったら払うのか!って一日中玄関越しに怒鳴られたど、
れみりゃは全然ゆっくり出来なかったど・・・。」
「いい加減払わないとあのババアは寿命がストレスでマッハなのは
こっちの寿命もストレスでマッハなのは確定的に明らか。」
「・・・しかたないか。」
てゐは諦めたようにらんの方に向き直り。
「その依頼、ゆっくり引き受けるよ。」
そういうと、らんは満面の笑みを浮かべる。
「あ、ありがとうてんこ~!」
らんは頭を下げてお礼を言った。
と、そこで放置されていた触覚ありすが口を開いた。
「いなかものども!いつまでも喋っていないでありすのシャンハイをゆっくり探してね!」
そう叫ぶありすの目の前で触角がぷらぷらと揺れた。
・・・やはり微妙にうざかった。
うっう~☆~
「さあさあ胴無しのいなかものども!こんな所でちんたらしてないでしっかりシャンハイを探してね。」
触覚ありすはゆっくりが移動に使う台車「スィー」でゆっくり移動しながらそう言った。
その前方をてゐとれみりゃとてんこがピョンピョン跳ねながら移動していた。
「・・・ねえ。」
「何だてんこ?」
「・・・あの触覚黙らせてくれないかな、何かあのぷらぷら見てるとむかつくんだけど。」
「そこは我慢してくれてんこ、ああ見えてアリス様はこの街のとても偉いゆっくりだてんこ、
もし一秒でもゆっくりさせなかったらお前達が逆にゆっくり出来なくなるてんこ。」
「・・・もう既にゆっくり出来ないよ!あれ引っ張ったら取れないかな!
もしくは引っ張ったら掃除機のコードみたいにシューッと・・・!」
「どれだけあれを引っ張りたいんだど~。」
「・・・あ、それとこれ、今更聞くことじゃないと思うんだけど・・・シャンハイって、何?」
「シャンハイはシャンハイだてんこ!アリス様は珍しいシャンハイを集めて愛でるのが大好きなんだてんこ!」
「・・・まぁよく解らないけど、とにかくシャンハイはゆっくり出来るもの何だね。」
「そうよ!私のシャンハイは凄くとかいはでみんなとゆっくり出来る凄いシャンハイだから!
ああそれなのに・・・どうしていなくなってしまったの!」
後ろで触覚を振り回しながら泣きじゃくるありす。
普通にムカつくし、うざい光景だ。
「・・・ところで、あの胴付きゆっくりは何処に言ったてんこ?」
「あ、てんこのこと?」
「そう、そのてんこだてんこ!」
「ああ、てんこはある助っ人を連れてきてもらってるよ。」
「助っ人てんこ?」
「うん、ウチでかっている犬。」
なるほど、犬に匂いを嗅がせてシャンハイを追わせるのか、
確かに、その作戦はいいかもしれない。
「歩いているてゐの姿を見かけて、急遽とんずらで駆けつけた!」
と、その時、凄い速さでてんこがてぬたちの元へと駆けつけた。
「もう着いたのか!早い!」
「メイン犬来たど!これで勝つるど!」
てゐとれみりゃはてんこに向かってそう言った。
てんこは実に誇らしげだ。
「・・・今のやり取りは何だてんこ?」
「ああ、これやらないとてんこが拗ねるから、それより犬連れてきたよ~。」
「・・・何処にいるてんこ?」
辺りを見回すが、犬の姿なんて何処にも見当たらない。
と、その時。
ドドドドドドドドドドドドドドドド!
遠くから物凄い足音と地鳴りが聞こえてくる。
その音と共に遥か向こうから現れたもの、それは。
. . ,_ . /7 「l /'.7
`<ヽ, 「:l // ヽ, |:l _/"ニニン'フ .,ィつry
丶,`:-': '-..,「:| ,└''"´ ̄^`ヾご/ヽ、ノ:://:ン. //フ_
 ̄ ̄ヾ/´ 、、 ヽ ヽ/ノ:ノィ斗、/// /ゥ
ノ lヽ j /、lヽ ト、 .'l.>‐ .::: /`ハ / / / / ラ
h'´ r'"イ .ノ\| .r=ァ レ'{ }l彡" rヽ / / / /∠っ,
o,'ヽ.,l .r=- >l11`o' :ノ ) ,'))入,,/r,.´./^:~^ヽヽヾ、_ ._,,,,,_ ,/)
/゛_,.,,ニ_ ヽ'、 ー=‐' 人ルィ / ノ))))) },/ヽ'/,,-~l-、_ヽj\ィ,, ヒン,,,, !-/ノ,
," r′ レ'ヽゝ .、 ノ.:ミ三::,/ ,/爻彡"=ニフ/ ,(,,l':i'' l^/’;;- 、、,/∠ニ=,,-"´~,゚ ゙
.│ { `彡:ヽ、,、.メ.:: ::ミ≡'/ ,i"爻彡ヘ::〉z/‐"~i 〉//^!^lヽ,,_^l_"_=-";;' "
', ` .彡:: .:`,..:.::.:.:.: ::ミ ´ !/‐'''''~~ν -,t'"i/:ノ_ノ,ノ ~i=─"ニ"="="ェ
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・・・四足歩行の不気味な生物、としか言いようが無いものだった。
その生物はてゐ達の前で急ブレーキをかけて止まり、こう呟いた。
「おぉ、到着到着。」
「紹介するよ、ウチでかってる犬のきめら丸だよ。」
「これ、絶対犬じゃないてんこぉおおおおおおおおおおお!」
らんが全力でつっこみを入れた。
「何だこれ!まるで怪しい生体実験の末に生み出されたモンスターだてんこ!」
「よく解ったね、これはヤゴコロという科学者が狂気の実験の末に生み出した
最終兵器・・・。」
「え、マジだったてんこ?」
「なんてのは嘘だよ。」
「・・・ああ、そうですかてんこ。」
てんこは呆れたようなほっとした様な、そんな気持ちになった。
「まぁそれはとにかく、そこの触覚。」
「・・・ちょっと!私は触覚ではなく超とかいはなありすよ
間違えないでね。」
「そんな事はどうでも良いからこっちに来て、あんたの匂いを嗅がせてシャンハイの行方を捜すから。」
「・・・ゆっくり理解したわ。」
そういって触覚ありすはきめら丸の前までスィーで移動した。
「さあ犬コロ!私のとかいはな匂いでメロメロになりなさい!」
触覚ありすはきめら丸に向かってそう言いはなった。
きめら丸は触覚ありすの目前まで鼻先を近づけて、クンカクンカ、と匂いを嗅ぐ。
「・・・見た目は変だが、確かに動作は犬そのものだてんこ・・・。」
と、らんが呟いた次の瞬間。
パクリ。
「え?」
きめら丸は触覚ありすの触覚に噛み付いた。
そのままきめら丸は触覚ごとありすをぐるぐる降り回した。
「ああああああああああああ!」
「ありす様ぁあああああ!」
豪快に振り回されるありすの傍でオロオロするらん。
「うわああああああ!きめら丸何してるんだどぉ~!
その人は大事なお客様なんだど~!」
「見事な振り回しぶりだと感心するが、何処もおかしくはない。」
「wwwwwざまぁ。」
振り回されるありすを見て、それぞれの感想を漏らすてゐ達。
ブチっ!
やがて、触覚ありすの触角が千切れて、触覚ありすは遠心力で吹き飛ばされる。
そのまま壁に激突してヤム○ャのようなポーズで倒れてしまった。
「おぉ、カスタードカスタード。」
きめら丸は千切れた触覚をもぐもぐと食べていた。
どうやら触覚の中にもカスタードが詰まっているようだ。
「おぃい!馬鹿!やめろ!そんなもの食べたら腹痛でトイレがマッハ!」
てんこは得体の知れない触手を食べているきめら丸を止めようとする。
「まぁまぁ、毒は無いみたいだし食わせてやりゃあ良いじゃん。」
そんなてんこをてゐはどおどおと宥める。
こいつらヤム○ャポーズで倒れたありすのことなど全然気にしていない。
れみりゃとらんはというと、倒れているありすの方へと慌てて向かって行った。
「うわああああ!だ、大丈夫かだど~ゆっくりしてるかだど~!」
「アリス様、目を覚ますてんこ!」
れみりゃとらんは触覚ありすに呼びかける。
「わ、私のとかいはな触手になんて事してくれるのよ・・・
また生えてくるとは言え、すっごく痛いのよ!」
でこからカスタードクリームを流しながら触覚ありすが立ち上がる。
あれだけ派手に壁にぶつかってしかもヤム○ャポーズだったのに、外傷は触角が無くなった以外に特に無さそうだ。
「と、とりあえず落ち着いてくださいアリス様てんこ!
取りあえず、漏れ出てる中身の補充を!」
そう言ってありすに中身補充用のチューブ入りカスタードを差し出すらん。
「・・・ちゅーちゅー。」
暫くは頭に血が上っていた触覚ありすだが、渡されたカスタードを吸っているうちに落ち着いたようだ。
空っぽになったカスタードチューブを放り捨てて触角ありすはてゐ達万屋にこう言い放つ。
「・・・全く、今回の無礼は特別に許してあげるわ・・・。
でもまた同じことしたら今度は縦にスライスにいたすわよ!良いわね!」
「ハイハイ。」
いきり立つ触覚ありすの会話を適当に流すてゐ。
そのあと触覚ありすはらんの方へと向き直り、こう言い放つ。
「勿論、そんな事になったらこの万屋を紹介したあんたもスライスよ!
って言うかこの時点で今月の給料半額だからね!」
「ゆがーん!」
らんはショックを受けて地面に顔をうっ潰してしまった。
そんならんを放っておいて触覚ありすはスィーに乗り込み、移動を始めた。
「そんじゃあきめえ丸、シャンハイの捜索お願いね。」
「おぉ、了解了解。」
「れみりゃもてんこも、早くしないと置いて行くよ。」
「うわああ、待つんだど~!」
てゐ達もらんを放っておいて捜索を再開する。
・・・と、落ち込んでいるらんの傍に、てんこが近寄ってくる。
「おぃ。」
「はい?」
「そのてんこって口癖やめてくれませんかねぇ、
てんこって言うたびに自分が呼ばれている感。」
「それ今更いう事かてんこぉおおおお!」
てんこは力の限り大絶叫した。
作者かに
- おもろい -- 名無しさん (2009-07-04 21:49:26)
- あの触手の謎は? -- 名無しさん (2011-02-05 13:29:20)
最終更新:2011年02月05日 13:29