【リレー小説企画】ゆっくらいだーディケイネ 第14話

ズシーン、ズシーン……。


そいつは、地響きを立てて、森の中を歩いていた。
全長、50mはあるであろう黒いボディは見るものに恐怖を覚えさせ、鳴き声は大気を震わせる。

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そいつの正体はかつて光の巨人を倒したと言われる大怪獣、ゼットン。
紅里は森を歩いて行くゼットンを見てこう呟いた。


「いやぁ、まさか玄関開けたらすぐ異変とは思わなかったわ。」


ゆっくらいだーディケイネ 第14話 『double-action』


「お姉さん、あれがこの世界の異変なのかな?」

「間違いないでしょ、どう見ても。」

「しかしでかいぜ、どうやって戦えばいいんだ?」

「とりあえず、様子を見て弱点でも…ん?」

そこで紅里は気づいた、

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ゼットンから逃げている一人のゆっくりがいることに。

「おねーさん!あのゆっくりまずいよ!放っておいたらゼットンに潰されちゃうよ!」

「わかってるって!」

紅里はそういって、ペンダントとメダルを取り出した。


~☆~


「はぁ、はぁ、はぁ…。」

ゆーぎは焦っていた。
母のように強くなりたくて、山篭りの修行に向かったこの山、
その山にまさか、あんな化け物がいるなんて…。
速攻で逃げ出したものの、冬眠中のところを起こされたあの怪獣はどうやら自分に対して敵意を覚えている

ようだ、
こっちに向かって、執拗に追いかけてくる。
マズイ、体力も限界だ、このまま追いつかれてしまうのか?
そう思った次の瞬間だった。


フワッ。


突然、自分の身体がフワリと浮かびだした。
最初はとうとうお迎えが来たのかと思われたが、どうやら本当に浮かんでいるようだ。

「ふう、間に合ってよかったよ。」

自分の下のほうから声が聞こえてくる。
下を見て、自分が置かれている状況がやっと理解できた。
ゆーぎは飛んでいるきめえ丸のの上に乗っかっていたのだ。
ゆーぎを乗せてきめぇ丸はゼットンから離れた場所へと飛んで移動する。
そこに居たのはれいむとまりさであった。

「れいむ、まりさ!こいつをお願い!」

きめえ丸はそう言ってれいむとまりさの前にゆーぎを置いた。

「ゆっくりしていってね!」

「ゆ、ゆっくりしていってね…。」

まだ何が起きたのかイマイチ理解できないまま、ゆーぎはお約束の挨拶をする。

「よし、後はアイツの相手だ!」

きめえ丸はそういうと、ペンダントを取り出し、メダルをはめ込んだ。


「ユックライドゥ!いいいいいいく!」


ペンダントから声がしたと思ったらきめえ丸の姿がいくに代わった!
「!?ええ!?」
ゆっくりが姿をかえたのを見てゆーぎは驚きの声を上げた。


「そんじゃ、覚悟しなさいよ!ゼットン!」


行くに姿を変えたそのゆっくりは、そのままゼットンの方に向けて飛んで行った。


「へ、変身するゆっくりなんて、一体あのゆっくりは何者なの!?」

「ごそんじ無いのですか?あのゆっくりこそ世界を渡り歩き、全てのゆっくりの頂点に立つゆっくり、ゆっ

くらいだーディケイネだよ!」

「ディケイネ!?」

「とりあえず、後はおねーさんに任せて置けば安心だぜ!」


さて、いくの姿のディケイネは、ゼットンの目の前でフワフワ浮いていた。


「全く、怪獣退治なんてウルトラマンの仕事だろうに…でもま、こうなったらやるしかないか!」


そういってディケイネは、一枚のメダルを取り出した!
そしてメダルをペンダントにはめ込む!

「スペルライドゥ!イイイイイイイイク!」

それと同時に、空に暗雲が立ち込めた。


「この図体じゃ半端な攻撃は効かない、一気に攻め立てる!」


雷符「神鳴り様の住処」


ゴロゴロピッシャーン!


暗雲から落ちてきた雷が、ゼットンの身体を貫いた!

「よし!これはかなり効いた筈…エェッ!」

雷が落ちたのを見てガッツポーズを取ったディケイネ。
しかし、その直後にゼットンの姿を見て驚愕の声を上げた。

ゼットンは、雷が直撃したのにも関わらず、ケロリとした顔で直立していた。
しかも、ゼットンの身体からは、あちこち放電している。
「何だか、嫌な予感…。」
ディケイネの脳裏によぎったのは、初代ウルトラマンの最終回のシーン。
確か、あの時ゼットンはウルトラマンの撃ったスぺなんたら光線を受け止めて打ち返していたような…。
そんな事考えている内にゼットンはディケイネに向かって、両手を伸ばした!

バババババババ!

指先から発せられる大放電!
ディケイネはその電撃をまともに食らってしまう!

「し、しまった…。」

ショックで変身が解けたディケイネはそのまま地面に落下してしまった。


~☆~


「ああ!お姉さんがやられちゃったぜ!」

「おねーさん大丈夫!?」

遠くからディケイネとゼットンの戦いを見ていたまりさとれいむ。
二人はディケイネがやられたので驚きの声を上げる。
だが、それ以上にショックを受けたゆっくりがいる、ゆーぎだ。

「わ、私の所為だ…私があの怪獣を起こさなかったらこんな事には…。」

自分の所為で、見ず知らずの人が傷ついた。
それは、ゆーぎにとって実にゆっくり出来ない事実であった。

ダッ!

「あ!」

「しまった!」

ゆーぎはわき目もふらずにディケイネが落下した地点へと走り出した!
勿論、れいむとまりさはゆーぎを追いかけようとしたが…すぐにやめてしまった。
理由は二つ、ゆーぎの足が思いのほか速くて追いつけないという事。
もう一つの理由は、れいむとまりさの口から、直接語ってもらおう。

「怪獣怖い!」

「怖いぜ!」

…流石、自分には正直なようで。


~☆~


元の姿に戻った地面に落下したディケイネは、電撃でしびれてまともに動きが取れずにいた。
ディケイネに向かって、ゼットンが地響きを立てて歩いてくる。
このままでは、ディケイネはゼットンに踏み潰されてしまうであろう。

「…クソ!流石にいくら何でも、グレイトバトルの様にはいかないか。」

あれは体格差ってものを無視してたからなぁ…と、どうでも良い事を考えるディケイネ。
ゼットンがディケイネを踏み潰すまで後一歩まで迫って来た。

その時だった!

ザアッ!

ディケイネを庇うように、一匹のゆっくりがゼットンの前に立ちはだかった!
ゼットンは足を止めて、現れた一匹のゆっくりを見下ろす。

「や、やややい!怪獣!今度は私が相手だ!」

飛び出したゆっくり――ゆーぎは非常に震えた声でそう叫んだ。
「あ、あんた…。」
ディケイネは飛び出したゆーぎを見て驚きの声を上げる。

「あ、あの、デイケイネさんごめんなさい、私の為に、こんな怪我をさせてしまって。」

ゆーぎは振り向かずにディケイネに向かってそう言った。
「今度は私が戦います、その、ちょっと怖いけどあれは私の獲物というか、何と言うか…。
 とにかく、私が戦ってる隙に逃げてください!」
ゆーぎはそう言うと、ゼットンを睨みつける。
そして、大声でそう叫んだ。

「さあ!このゆーぎを恐れないならかかって来い!」

キッ!

ゆーぎの声に反応してゼットンはゆーぎを睨みつける。
睨みつけられたゆーぎは一瞬硬直してしまう、
でも、負けるものかとゆーぎはゼットンに睨み返した。

「…全く、ビビッてる癖に無茶するんじゃ無いわよ。」

と、ゆーぎの後ろから、ディケイネが話しかける。
やっと電撃による痺れが取れて何とか立ち上がったのだ。
「で、ディケイネさん!?ちょ、無茶しないで…。」

「無茶してるのはあんたのほうでしょうが、たった一人であんなのに立ち向かって…。」

「で、でも…。」

「けど、他人を守るために立ち上がったあんたの『勇気』は確かに受け取ったよ。」

「え?」

ゆーぎはそこで始めてディケイネの方を振り向いた。
ディケイネの頭上に3枚のメダルがキラキラと輝いていた。

「あんたの力、私に貸して!」

ディケイネはそういってペンダントを取り出し新たに現れたメダルの一枚をはめようとする。
…と、そこで気がついた。
「…あれ?このメダル、半欠けだ。」
そう、手に取ったメダルはキッチリ半分に欠けていたのだ。
半欠けのメダルなんて今まで無かったのでディケイネはこれは使えるのか、一瞬不安に思った。
しかしゼットンは既に動き出している、ボーっとしている暇はなさそうだ
ディケイネはペンダントに半分のメダルをはめこんだ!


「ファイナルフォームライドゥ!ゆゆゆゆゆーぎ!」


よかった、ちゃんと作動した、
ディケイネは少しほっとした。

「う、うわわわわ、私の身体が!?」

一方ゆーぎは突然自分の身体が変形していくので慌てている。
やがて、ゆーぎの身体は巨大な左手へと変わっていった。
左手はそのまま、ディケイネの身体に装着される!

「わ、私の身体どうなっちゃったの!?」

「細かい事は気にしない!さあ!一緒にあの怪獣を倒すよ!」

そういうと、ディケイネはゼットンに向かって走り出した!
ゼットンはそのままディケイネを踏み潰そうとする!

「おっと!」

ディケイネは踏みつけ攻撃をかわすと、そのままゼットンの足に飛びついた!
そのまま器用に足から腰、腰から胸、そして頭上まで一気に上っていく!

「よし!一気に行くよ!」

「は、はい!」

ゼットンの頭上まで登ったディケイネはそこから高く飛び上がる。
そして、メダルを一枚、ペンダントにはめこんだ!

「ラストスペルライドゥ!ゆゆゆゆゆゆゆゆゆーぎ!」


四天王奥義「三歩必殺」!


左手と化したゆーぎの身体が激しく輝く!
「イッケェエエエエエエエ!」
ディケイネが真下のゼットンに向かって左の拳を叩き込んだ!!
エネルギーを吸収して跳ね返す特技を持つ怪獣ゼットン。
そいつを倒す方法はただ一つ、ゼロ距離で拳を叩き込み、吸収できる限度を超えたエネルギーを一気に注ぎ

込むことだ!


「ギャアアアアアアアアアアアアア!」


自分の一度に処理できる量を遥かに超えたエネルギーを注ぎ込まれたゼットンは絶叫し、そして爆撒した!
「よっしゃあ!」
地面に着地したディケイネはガッツポーズを取った。
「や、やった…。」
爆撒したゼットンを見て、まだ左手に変身したままのゆーぎはそう呟いた。

「おねーさん!やったね!」

「怪獣を倒したんだぜ!」

「れいむ、まりさ…毎度の事だけど、今まで何処に行ってたのさ。」

「草葉の影で戦いを見守ってたんだよ!」

「決して怪獣が怖くて、今まで逃げていた訳じゃないんだぜ!」

「…逃げてたんだ…ま、離れてくれた方が余計な気を使わなくて済むから良いけど。」


「さておね~さん!異変も解決したし、次のせか…い…へ。」


と、まりさの顔が徐々に青ざめていく。

「まりさ、一体どうしたのさ?」

見ると、れいむの顔も真っ青になっている。

「れいむも、どうしたのさ!」

「お、おねーさん、う、後ろ・・・。」

「後ろ?」

ディケイネは後ろを振り向いてみた。

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「!?え、えぇえええええええ!?」

「またあの怪獣だぜ!しかも何だか前よりでかくなってるぜ!」

「そ、そういえばあの怪獣、親子で寝てたんだ!」

「ええ!?じゃあこいつさっき倒した奴の母親!?」

とにかく、新たに現れたぜットンの母はディケイネの方を見つめている。
その瞳には、子供を倒された母親の怒りが込められているように思えた。
いや、実際込められているのだろう。


ごぉぁあああああああああッ!


ゼットンの母は、巨大な火球をディケイネに向かって投げつけた!

「う、うわあああああ!」

「こりゃマズイ!」

ディケイネは慌てて後ろに飛びずさった!

ゴォアッ!

火球はそのままディケイネの目の前に着地する!
それと同時に激しい火球の落下地点から火柱が一瞬だけ上がり、ディケイネの目の前が焼け野原になった。
「あ、あわわわわわ・・・・。」
左手ゆーぎは焼け野原を見て、震えた声を上げている。
「こ、これはマジでやばいかもしれない…。」
ディケイネも、焦りを覚えている。
と、その時、ゼットンの母はれいむとまりさの方へと視線を向けた。

「え?」

「何か嫌な予感…。」

その嫌な予感は的中。
何と、ゼットンの母はれいむとまりさに向かって火球を放ったのだ!

「うわあああああああ!」

「れ、れいむ!まりさ~!」

れいむとまりさにゼットンの母の火球が直撃しようとしたその時!

ビュンッ!

れいむとまりさの横から、緑色の巨大な弾が飛んできた!

ドガシッ!

「ゆべしッ!?」

れいむとまりさは、緑のたまに弾き飛ばされた!

ゴォアアアアアッ!

れいむとまりさの目の前で、火柱が巻き起こる!
緑の弾に弾かれて火球の範囲から外れたおかげで、二人は火球に巻き込まれずに住んだ。

「び、ビックリしたぜ…。」

「さ、さっき弾幕を飛ばしたのは誰なの?」

戸惑うれいむとまりさの前に一匹のゆっくりが現れた。

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  .ノ  ノ ハ,,、;、レ' レ 、_,、ji,ノ
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 i    くハ、::::::::::::::::::::ノl ,,ノ   
 ヽ从,. `V>=‐--‐'' ノ     
    ,r-イ:::::::::::::::::::::::ヽ

「全く、あんた達も余計な手間をかけないでよね!」

「…えと、どなたですか?」

「真っ黒だぜ、変な顔だぜ。」

そんな事を呟くれいむとまりさを無視して、そのゆっくりはディケイネの方へと振り向いた。

「ゆーぎちゃん!貴方もなんで一人でこんな所まで来たの!」

「パ、パルスィ?何でここに?」

左手ゆーぎはそのゆっくりを見てそう叫んだ。

「え?あんたの知り合いなの?」

「まぁ、知り合いというか何と言うか…。」

「あんたがディケイネね!私はゆーぎちゃんのお友達のパルスィよ!」

「あ、どうも…。」


ゴオッ!


丁寧に挨拶するディケイネの目の前に、ゼットンの母のチョップが振り下ろされた!
「おわあっ!?」
思わず後ずさるディケイネ。
ゼットンの母のチョップでえぐれた地面の向こう側に、パルスィの姿が見える。

「のんびりお話している暇は無いみたいね。これを受け取って!」

そういってパルスィはディケイネに何かをを投げ渡した!
「これってメダル!?」
パルスィが渡したのはメダルだった、しかもこいつも半欠け。
すぐに、ディケイネの頭にピンと来る。
「もしかして…あのメダルはそういう使い方をするの!?」

「時間が無いわよ!早くして!」
そういってディケイネを急かすパルスィ。
「わかってるわよ!」
ディケイネはそう返事すると、ペンダントを開いた。

ペンダントには、既に半分のゆーぎメダルがはめられている。
ディケイネは、そのペンダントに更に半欠けのメダルをはめ込んだ!


「ダブルファイナルフォームライド!ゆゆゆゆゆーぎ&パパパパパルスィ!」


ペンダントから声が聞こえると同時に、ディケイネはペンダントを閉じる。
すると、パルスィの身体が激しい光に包まれた!
パルスィの身体は瞬く間に真っ黒な右手に姿を変えた!
そのままパルスィはディケイネの右側に装着される!

「これは!」

「見たことの無い、ファイナルフォームライドだぜ!」

左にはゆーぎの変身した白い左手、右にはパルスィの変身した黒い左手!
両腕をつけたディケイネは、正に、光と闇が合わさって最強に見える!
「行くわよ!ディケイネ!ゆーぎちゃん!」

「う、うんわかったよ!パルスィ!」

「今度こそ決着をつけてやる!」

ディケイネはゼットンの母に向かって突撃した!

ゴオッ!

ゼットンの母はディケイネに向かって火球を投げつけてきた!
「効くかあっ!」
ディケイネは両腕を顔面の前に突き出した!


ゴォアアッ!


火球は両腕に直撃!
しかし、両腕には傷一つ着いていない!

「う、うわ・・・・ちょっとビックリした・・・。」

左腕のゆーぎは驚きの声を上げる。
「この位、今の私達にはなんでもないわよ!」
右手のパルスィはビビって居るゆーぎに向かってそう言った。

「うぉりゃああああああああ!」

ディケイネは、ゼットンの母の前までやってくると、ゼットンの母の目前まで思いっきり高く飛び上がる!
ゼットンの母は目前のディケイネを右手で叩き落そうとする!
「なんのっ!」
ディケイネは左手でその右手を払いのけた!
右手を払われたぜットンの母は体勢を崩した、これはチャンス!

「よおしッ!行くぞぉおお!おりゃあああっ!」

ディケイネはまず右手でゼットンの母の顔面を殴り付けた!


ドゴアッ!


右頬に食らったパンチで、ゼットンの母は吹き飛ばされる!
「せりゃああッ!」
続けざまに左手でもう一撃!
ゼットンの母は2、3歩後退する!

「ディケイネさん!止めだ!」

「わかってる!」

ディケイネはメダルを取り出し、ペンダントにはめ込んだ!


「ラストスペルライドゥ!ゆゆゆゆゆーぎ!&パパパパパルスィ!」


ゆーぎが変身した左手には白いエネルギーが、
パルスィが変身した右手には黒いエネルギーが溜まっていく!
ディケイネがエネルギーの溜まった両腕を組み合わせると、二つのエネルギーが激しくスパークした!


「いっけぇえええええええええ!」


超四天王奥義「一撃必殺!」


ディケイネは組み合わせた両腕をハンマーのようにゼットンの顔面に向けて叩きつけた!


ドガアンッ!


まるで、爆発のような衝撃音がしたかと思うと、ゼットンの母の身体のあちこちから白と黒のエネルギーが

吹き出していく!


「ぁ…ぁ…ぁああああああああああああ!」


ドゴォァアアアアアアアアアアアンッ!


ゼットンの母は凄い勢いで大爆発を起こした。
「いよっしゃああああああああっ!」
ディケイネは両の腕を突き上げて、完全勝利宣言を行った。


「お姉さん!今度こそやったんだね!」

「流石だぜおねーさん!もうまりさに教えることはないんだぜ。」


と、れいむとまりさがやって来てディケイネに向かってそう言った。
「…いつもの事だけどさ、ホントに疲れた…。」
そういってディケイネは元の紅里の姿に戻った。

「それにしても、ダブルファイナル…何たら、凄かったね!」

「覚え切れてないよれいむ、しっかし、二人のゆっくりがいっぺんに変形するなんて事もあるんだな、ファ

イナルフォームライドって。」

「あ、そういえばゆーぎとパルスィは大丈夫なの?」

「そういえば、私も変身が解けたから元に戻ってると思うけど…。」


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「あの怪獣を何とか倒せてよかったわね、ディケイネさん。」




『ま、まざっとるぅうううううう!』

思わず絶叫してしまった紅里とお供二人であった。


~☆~


「な、何とか元に戻ったね、おねーさん。」

「お疲れさんだぜ!」

「つ、疲れた…。」

混ざってしまったゆーぎとパルスィを元に戻すため、また変身してファイナルフォームライド、解除を繰り

返した紅里達。
繰り返すことおよそ100回、何とかゆーぎとパルスィを元の二人に分離することに成功した。
紅里は、もうクッタクタに疲れてしまったが。


「それじゃあ私はゆーぎをスィーで御家まで送るよ。」

ゆーぎとパルスィはパルスィの持ってきた二人乗りのスィーの上に乗っかっている。

「あの、ディケイネさん、ありがとうございました。」

「ゆ!れいむ達にもありがとうを忘れないでね!」

「そうだぜ!まりさたちも頑張ったんだぜ!」

「あ、二匹とも何を頑張ってたのか解らないけど、ありがとう…。」

「さて、そろそろ私達は帰るけど…。
 その前にゆーぎちゃん!」

「え?」

パルスィに睨まれてちょっとびびるゆーぎ。

「全く、家族に内緒で一人でこんな山奥まで行って危ないじゃない!
 しかも、家族に見つかったらマズイからって朝皆が寝てる隙にこっそり抜け出して!

 しかも朝食は質素にキットカットで済ませて!

 そのくせ、昼食は豪勢に高級幕の内弁当を食べて、

 後、途中のお土産屋で家族へのお土産にキーホルダーやお饅頭を買って行ったり!

 今回は偶々私とディケイネさんが通りかかったからよかったよーな物だけど、
 今度勝手に一人でこんな事しようとしたら承知しないからね!」

「え、あ、ご、ごめん…。」

「ディケイネさんもふるさと小包の為に、冬の雪山を登ったり!

 赤い霧を晴らすために怪しい洋館の中に入り込んだり!

 月を取り戻すために迷いの竹林の中のえいえんていを目指したり!

 月の都で捕まったり!

 天上の学園で満身創意になるまで激闘を繰り広げたり!

 幽霊船の中で怪奇現象に襲われたりで大変何だから、

 余計な苦労をかけるんじゃないわよ!」


「ほ、ホントにごめん…。」

申し訳がなさそうに謝るゆーぎ、
パルスィはその直後、すぐに紅里の方を向いた。

「それじゃあディケイネさん、私達は行くから!」

「あ、そう、それじゃあ帰り道気をつけてね。」

「いつか機会があったら、また会いましょう!」


そういうと、ゆーぎとパルスィを乗せたスィーはふもとに向かって降りていった。
それを見送った紅里とれいむとまりさも、部屋の中へと戻っていく。



部屋に戻って一休みする紅里、

同じくゆっくりするれいむとまりさ。

一仕事終えた後だが、紅里とれいむとまりさの間に、何ともいえない雰囲気が漂っていた。


「…ねぇ、おねーさん。」
と、突然れいむが意を決したかのように口を開く。

「何?晩御飯のリクエスト?」

「…何であのパルスィってゆっくり、おねーさんの事をあそこまで知ってるの?」

その一言で部屋に居た全員が固まった。
初めて会ったのに、あのパルスィってゆっくりは自分達がどんな旅をしてきたのかを知っていた。
…って言うか、ゆーぎがあの山に来るまでの行動まで知っていた。
ゆーぎのことはこっそり後をつけて来たから知ってるってところだろうが、
全く別の世界から来たはずの自分達の事まで知っていたのはどういう事だ?

「…その事を考えるのはやめようか。」

「うん、考えれば考えるほど、怖くなるばかりだしね。」

「そんな事より、おうどん食べたいぜ!」

紅里達は思考を切り替えて、ご飯を作ることにした。






【きょうのでんこ】


家の前でパルスィと別れて、ゆーぎは自分の家に戻ってきた。


「ただ今!おかーさん!」

「ゆーぎ!よかった、無事だったんだね。」

「え?もしかしておかーさん、怪獣の事…。」

「何言ってるんだい?実はあんたが居ない間にご近所に変質者が現れたんだよ。」

「変質者?」

「うん、ゆっくりに問答無用で抱きついてキスをせがむ変態だよ。」

「そ、そんなのが居たの!?」

「ま、あたしが叩きのめして警察に引き渡したんだけどさ。
 朝からあんたの姿が見えないから、もしかして変質者に襲われたんじゃないかと思って。」

「あ、アハハ…そんな訳ないじゃない。」

「ま、とにかく無事でよかったよ、今日のご飯は豪勢にすき焼きだよ!」

「ホント!わーい!」



天狗ポリス留置所。

「う、うふふふふ・・・ゆっくりちゃーん。」

「おぉ、きもいきもい。」






第14話終わり











sumigiさん 設定お借りしました。

NEXT>>>第15話 No Yukkuri, no more cry ...(脚本→→601(仮))

  • あのゼットン相手に勝利を納めてしまうか…恐れ入るぜ… -- 名無しさん (2009-08-23 05:40:48)
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最終更新:2009年09月13日 23:36