第二十二話「タウンページって便利。」
忠告、
これは銀魂のパロディです。
でてくるゆっくりにロクな奴はいませんし、
酷い目に合うゆっくりもいます。
それでも見たいと言う方はどうぞ。
「…えーと、始めてみる顔ばかりだけどオタクらどなた?」
てゐは自分の周りを囲んでいるゆっくり達にそう問いかけた。
「今お前が頭の上に乗せている赤ちゃんの保護者です。」
そんな答えが帰ってくる。
「だってさ、あんた知ってる?」
今度は赤ちゃんれいむの方に問いかける。
「しりゃないよ、あんにゃれんちゅう。」
赤ちゃんれいむはそう返す。
「だってさ。」
「おまえ、赤ちゃんのいう事を信じてどうするんだよ!」
「アテに出来ないよ!」
「少なくとも、あんた達よりは信頼できると思うよ、じゃ、そういう事だから。」
てゐはそう言って、ゆっくり達の間を通り抜けようとする。
しかし、そうすると、他のゆっくり達がその隙間を埋めてしまう。
「ちょっと、何するのさ、それじゃあ通れないじゃ無い。」
てゐは目の前で通せんぼしているゆっくりに向かってそう言った。
「言わなかった?無事に帰りたかったらその赤ちゃんを置いていってね!
従わないならちょっと痛い目を見てもらうよ!」
そう言うと、そのゆっくりは口の中に仕込んでいる人工牙をむき出しにした。
恐らくセラミックで出来ているであろうそれはまるで吸血鬼の牙のように鋭く光っている。
…しかし、てゐはそんなものを見ても特に驚く様子は無い。
「…全く、そんな怖い顔するんじゃないよ…赤ちゃんが…。」
てゐはそう言いながら身体を思いっきり低く屈めて…
「泣き出しちゃうじゃない!」
そして、思いっきり上に向けて背伸びした!
ポーン!
頭の上に乗っていた赤ちゃん霊夢が実っている植木鉢が反動で空中に舞い上がる!
『えェええええええええ!?』
その場にいたてゐ以外のゆっくり全員目を丸くして赤ちゃんれいむの方を見る。
「ゆゆ~ん、おそりゃをトンジェルみちゃぃ~♪」
空中に舞い上がった赤ちゃんれいむはむっちゃ瞳を輝かせている。
しかし、下に居るゆっくり達はそれ所じゃ無い。
「ま、まずい!赤ちゃんは傷つけずに連れて来てね言われていたのに!」
あの高さから地面に叩きつけられたら赤ちゃんれいむはかなりシャレにならない事態になる。
下に居るガラの悪いゆっくり達は慌てて赤ちゃんれいむを受け止めようとあちこちに動き回る。
そう、目の前にいるてゐの事など完全に忘れて。
「うりゃっ!」
てゐはスペルカードを地面にむけて投げつける。
「エンシェントデューパ」
ズバババババババ!
地面スレスレに弾幕が展開される!
「う、うわあっ!」
「吹き飛ばされるー!」
「目が回るー!」
上空の赤ちゃんれいむに集中していた殆どのゆっくり達は弾幕に吹き飛ばされてコロコロ転がっていく!
てゐはその隙に大ジャンプ!
落下していく赤ちゃんれいむの実った植木鉢を見事に頭の上に乗せる!
「ゆゆ~ん、これはみちのたいけんだにぇ!」
「喋るな!舌を噛んでも知らないよ!」
てゐはそのまま転がっていくゆっくり達を追い越し、路地裏の出口の方へと飛んでいく!
着地してすぐに逃げ出せばこの怪しいゆっくりをを振り切ることが出来る筈…だった。
しかし、ここでてゐの予想もしていない事態が起こった!
ぐわっ!
「え!?」
それは、ゆっくりどころか人間の一人や二人、余裕で丸呑みが出来るほど大きな"口"だった。
そんな巨大な口が目の前に現れ、てゐは動揺する。
このままだと、てゐと赤ちゃんれいむはその口の中へとダイブしてしまう!
「マズイ!」
てゐはとっさに、スペルカードを投げつけた!
ただし、弾が発射される面を自分に向けて!
てゐは被弾の被害を抑えるために両耳で赤ちゃんれいむの前に壁を作る!
ズガガガガガガガガ!
スペルカードから弾が発射され、てゐに被弾する!
「ぐうっ!」
痛みは意外と大きく、てゐは呻き声を上げる。
そして、その衝撃でてゐは吹き飛ばされる!
巨大な口とは反対方向へ!
そして、てゐはシリモチをつくように地面に着地する!
「あ、あいたたたたたた…。」
痛みを覚えながらもてゐは立ち上がる。
しかし、一応弾は直撃を避けるように当てたので自身のダメージはそれほど酷くない。
赤ちゃんれいむの方も、耳でガードしたし、なるべく弾を当てないようにした為、
本体は勿論、植木鉢にも茎にも傷一つついていない。
「…あらあら、中々面白い事をするわね。
あんな方法で私の口から逃れるなんて。」
…と、突然、目の前の口が喋った。
いや、口何だし喋る事は出来るのだろうが、意外と流暢な日本語という事と、いきなり喋ったという事にてゐは驚いたのだ。
「さっきの逃げっぷりといい、守るための戦いに慣れているのね。
今まで色んな奴らを食ってきたけど、あなたのようなゆっくりは始めてよ。」
そう言うと、口が一気に収縮されていく用に閉じられる。
数秒後、てゐの目の前に立っていたのは、一匹のゆっくりだった。
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底の知れない笑顔を持ったそのゆっくりは、てゐに向かってにこやかに笑いかけていた。
「…?」
そのゆっくりをみて、てゐが最初に感じたのは強烈な殺気と、違和感というものだった。
「あらどうしたの?オーラが安定していないみたいだけど。」
そのゆっくりはてゐの方を見てそう言った。
てゐは目の前のゆっくりにこう問いかけた。
「…ねぇ、アンタ…もしかして見えてない?」
てゐはそのゆっくりにそう問いかけていた。
「…驚きね。」
そのゆっくりはちょっとビックリした表情になると、瞑っていた瞳をゆっくりと開いた。
…普通ならそこにゆっくり独特のどんぐり眼がある筈であろう所には、何もなかった。
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そのゆっくりの瞳の部分に会ったのは、真っ暗な穴ぼこだったのだ。
「うわ…。」
あまりにショッキングな光景に、てゐは言葉も出ない。
「私が視力を失っていると初見で気づいたのも、あなたが始めてよ。」
ゆっくりはそう言ってゆっくり目を閉じる。
「…ま、身のこなしを見ればその位は簡単にわかるよ。」
てゐはそのゆっくりに対してそう返す。
「フフ、中々面白いじゃ無い。」
そのゆっくりはそう言うと、その身体を脇に避けた。
「…何のつもり?」
てっきり通せんぼされると思っていたてゐはそのゆっくりの行動に驚かされる。
「フフ、私はイチゴのショートケーキのイチゴを後でとっておくタイプなのよ、
そんな赤子を連れたままで満足に戦うことなんてできないでしょ?」
そう言ってゆゆ子はその顔を赤ちゃんれいむの方に向ける。
「…ゆぅ。」
視線を向けられた赤ちゃんれいむは、脅えた表情をした。
とにかく、後からはゆっくり達が転がってくる音も聞こえてくる。
ここに立っていたら面倒な事になると思ったてゐはそのゆっくりを警戒しながらも、彼女の横を通り過ぎた。
通り過ぎる際に、ゆっくりはこう言った。
「私はゆゆこ、人食いゆゆこよ、次にあったときは…あなたが何味か試させてもらうわ。」
そう言って舌なめずりをするゆゆ子にてゐはゾッとしながらも、路地裏から表通りへと脱出するのであった。
「うわぁあああああああ!」
と、そこでてゐ達が逃げてきた方から先ほどてゐに飛び越されてしまったゆっくり達が転がってきた。
「…全く、あんなのに足を取られてるなんて、あなたたちも大したことないのね。」
ゆゆこはそう言うと、近くに積み上げられていた木箱をがたりと崩した。
ベシン!ベチッ!
「あいたっ!」「痛っ!」「痛いっ!」
崩れた木箱にぶつかって、転がっていたゆっくり達はようやく動きを止める。
「う、うう、額が痛い…。」
「あんにゃろう、後で覚えて置けよ…。」
ぶつかった部分を赤く腫れさせながらも、ゆっくり達は立ち止まる。
「よかったわね、このままだとあなたたち何処までも転がっていったんじゃ無いかしら?」
ゆっくりゆゆこはゆっくり達にそう言った。
…と、何人かのゆっくり達がきっとゆゆこを睨んでいる。
「あら、そんなに睨んでどうかしたのかしら?」
睨みつけてくるゆっくりを見てゆゆこが首をかしげる。
そのうちの一匹であるまりさが口を開く。
「ちょっとあんた!何であのガキを連れたゆっくりを足止めしなかったのさ!」
それは、てゐをわざと見逃していた事への文句だった。
「…あら、ほうっておいてもあのゆっくりは私達の元に来るわよ、
勿論子供を連れてね。」
「だからまりさたちが言いたいのはそんな事じゃ!」
ヒュンっ!
その先を言おうとしたまりさの上に一陣の風が吹き荒れる。
「…な、なんだ?」
「ま、まりさ、頭の上…。」
「え?」
訳が解らないまりさに向けて、他のゆっくり達が鏡を差し出す。
まりさは鏡で自分の姿を眺めた。
…まりさの頭の上に必ず乗っている筈の帽子がない。
って言うか、頭のてっぺんの髪の毛が無くなっててまるで河童みたいになっていた。
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「ぎゃあああ!まりさの綺麗なブロンドがぁあああああ!?」
まりさは見事にてっぺん禿になった自分の頭を見て絶叫した。
ゆゆこは口をもぐもぐさせながらこう言った。
「・・・私のやる事に口を出さないほうが良いわよ、さもなければ…
私は間食の時間を増やさなくちゃいけないから。」
それは、まりさだけではなく、他のゆっくりにもむけて言った言葉であった。
ゆゆこは口の中のものをゴクリと飲み込むと、テクテクと路地裏を出て行く。
「…と、とりあえず、他の仲間たちにも連絡するよ、『子供を連れたうさ耳のゆっくりを追いかけろ』って!」
「わ、わかったよ!」
ゆゆこが去った後、ゆっくり達は無線機を取り出して、仲間との連絡を図る。
「ひ、酷いぜ、あの帽子お気に入りだったのに…。」
そんな中、ゆゆこに反論したまりさは鏡で河童みたいになった自分の頭を見て泣いている。
「…食われたのが帽子と髪の毛だけでよかったんじゃない?」
と、そばにいたゆっくりがそのまりさに向かってそう言い放つ。
「え?」
「あの人食いゆゆこと対峙したゆっくりや人間は全員『行方不明』扱いになってるんだよ。」
「…そ、それはどういう事なんだぜ?」
「…死体が出てこないんだよ、餡子の一粒、骨の一欠も。
相手はみーんな、ゆゆこの腹の中って訳。
お残しは許しませんで、ってのが彼女の信条らしいよ?」
「…!」
つまり、下手をすれば自分はあの時ゆゆこの腹の中に…?
そこまで考えて、まりさは顔を真っ青にした。
「ただひたすらに食欲を満たす事に魅せられたゆっくり、
”人食いゆゆこ”に目を付けられるなんて、あのゆっくりは何て不幸なんだろうね…。」
~☆~
一方、こちらはスナック封魔録。
「…。」
「…。」
れみりゃとてんこは店の掃除を行っていた。
理由は簡単、みまに頼まれたからだ。
二人とも、時々立ち止まっては何か考え事をしている。
「ちょっと、考え事は店を綺麗にしてからにしてくれませんか?」
「…あ、ゴメンだど!」
「すいあせんでした。」
ことひめに言われて慌ててれみりゃは雑巾による床ぶきを、てんこははたきによる棚の埃下ろしを再開する。
「…ねぇ、てんこちゃん。」
と、雑巾に上に乗ってスケートの要領で床ぶきをしているれみりゃがてんこに話しかける。
「ん?どうした?」
「あのれいむ、連れて行かれてどうなったんだろうね…。」
「むぅ…。」
言われててんこは先ほど外で起きた出来事を思い出していた。
~30分前~
「ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ。」
「うどんげ様はようやく見つけたぞ、とおっしゃっています。」
奇妙な笑い声と変な声に驚いてみま達は声のした方へと振り向く。
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レ ヘ 7(ヒ_] ヒ_ン )ト、!| | ,,、
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そこに立っていたのは、耳の生えた胴つきのゆっくりうどんげと赤ちゃんゆっくりサイズのきめぇ丸だった。
その背後には護衛だろうか、やたらとキリッとした目つきのゆっくり達が並んでいる。
「…何だい、あんたらは。」
「………!」
れいむはそのうどんげを見るなり脅えた表情になる、
そして、こう呟く。
「お、義父さん…あいたっ!」
瞬間、れいむのデコに向かって何かが飛んでいき、命中する。
「!?だ、大丈夫かど!?」
その結果、派手に後に転んだれいむを見て、れみりゃが駆け寄る。
れいむの傍には、座薬が一つ落ちている。
うどんげが投げた座薬だ。
「ゲラゲラゲラゲラ。」
「お前に、義父さんと呼ばれる覚えは無い、と言っております。」
うどんげがゲラゲラ笑った後、ミニきめぇ丸がそう続く。
どうやらゲラゲラとしかいえないうどんげの言葉をあの小さなきめぇ丸が翻訳しているようだ。
「ゲラゲララ。」
「あの子は何処にやった?と言っております。」
うどんげはれいむにそう問いかける。
「…子供?」
「もしかして、あのれいむが子の店を見つめていた理由って…。」
,-r_'Zヽ1Yヾ_ュ-、
r'`7ヽ,イ_スTゝ‐zヘjヽ.
l`スZ_Y_い_,-ヘlイ_j、T,ゝ7
_,ト'Tヽ_ノ、 メ、7イ-rヘいKス._
ヽレv'ート、/7-、f`ナV-、ハノ、lヽィ′
,レ'Tー!7´ト、_K´Yヽノ、j-イ゙Y、
,ゝiくヽレくY_ノvヽい'ーくメゝト!、
∥'人ノ`{二XX二}`;ヘレ′
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ニニ/ / l_|_|_|_l. / l |ニニ
ニ/ / / / / / ¦ |ニニ
みま達の脳裏に、あの植木鉢のゆっくりが思い浮かぶ。
「じゃあ、あのれいむがあのこの母親?」
みま達の視線が一斉にれいむに集中した。
「…言わないよ、義父さんにれいむの子供は渡せない!」
れいむはそう反論する。
「…。」
うどんげはそんなれいむに近づくと、ガッシ!と髪の毛を掴んで持ち上げる!
「い、いてぇ!?」
髪の毛を引っ張られて、思わず叫んでしまうれいむ。
これは、かなり痛そうだ。
「ゲラゲラゲゲラ。」
「あれは私の店の後継ぎになるゆっくりだ、お前の子じゃ無い、
あの子を何処に隠した、言え。」
「…あのゲラにそれだけの意味が込められてるなんて、驚きね。」
きめぇ丸の翻訳を受けてことひめが呑気なことを呟く。
「…ことひめ、呑気な事言ってるんじゃないよ。」
すぐにみまが釘をさした。
「うぐぐ…絶対に言わないよ…。」
髪の毛を引っ張られる痛みに耐えながらも、れいむはそう反論する。
その瞳には、強い意志が宿っていた。
「…ゲラ。」
「…やれやれ、仕方ない。と言っています。」
きめぇ丸は翻訳し終えた直後に、うどんげはれいむからその手を離した。
開放されてほっとするれいむだが、その直後に後ろにいたゆっくりがそのれいむを頭の上に乗せてしまう。
「ゲラゲラ。」
「いったん家に戻るぞ、そこでじっくり問いただしてやる、と言っています。」
そう言うと、うどんげは背中を返す。
護衛らしきゆっくりも、ミニきめぇ丸も、うどんげの後についていく。
「お、下ろして!下ろしてってば!」
勿論、れいむも、護衛のゆっくりに無理矢理ついてこさせられる。
「…待ちな。」
と、そんなうどんげ達を呼び止めるゆっくりがいた。
_, ー、
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!lf-z,へ,ヘ:::::::::!>_,.{ _j!-一 、
チ´.:.:.:.:.:.ィ.:.:ヽ:.:.:.:.:`.:V1て_ 7  ̄ Y!
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,'イ.:.:.:.j-‐/ ヽ、',:.:.:`、.ハ____j. l.!
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〈 ',.:.:.:.レ'ttテュ, ,rェzァ メヽ.:. `
ヽ,:.:.メ,'` ̄ " .:.:/.:/
7‐:: -=- /.:.:/.:,'
/.:.:/.:.:i > .,., _ ´,.イ.:.:/ミマ
「あんた達、そんないたいけなれいむに何をしようというしているんだい?」
みまがうどんげ達にそう呼びかける。
うどんげはみまの方を向いてこう言った。
「…あんた、何処の誰か知らないけど、これは私達の問題よ、
部外者は大人しく引っ込んでいることね。」
うどんげがそれだけ言うと、れいむと護衛を連れて向こうへと歩いていく。
完全に見えなくなるまで、みま達はただ、何も出来なかった。
いや、迫力に押されたとか、そういう事ではなく、
「普通に喋れるんなら、翻訳要らないだろ!」
そのツッコミに思考が至るまで、時間が掛かってしまったからだ。
~☆~
「しかし、あのゆっくり達、間違いなくてゐが連れて行った赤ちゃんれいむと何か関係があるのは確定的に明らか。」
ハタキで乱暴に棚をはたきながらてんこはそう呟く。
「うん、それは間違いないんだど。」
れみりゃもそう頷く。
「…と、いう事はてゐは以前あいつらと何かあったという事でもあるな。
一体何があったんですか(気になります)。」
「う~ん、…良く考えたられみりゃ達もてゐさんの事殆ど知らないからなぁ…。」
そう言って考え込むれみりゃとてんこ。
…ちなみにこのやり取りからも解るように、まだ赤ちゃんの父親がてゐであるとこのゆっくり達は信じきっています。
「あんた達、掃除終わったのかい?」
と、そこでみまがれみりゃ達にそう話しかけてくる。
「え?えーと…。」
「だ、大体終わったど!」
本当はあのれいむの話題に夢中で掃除なんて殆ど進んでいなかったが、とりあえずそう返事する。
「そうかい、じゃあもう一つお願いしたい事があるんだけど。」
「お願い?今度は皿洗いでもするんですか?」
「違う違う、ちょっとお使いを頼まれて欲しいのさ…よいしょっと。」
みまはそう言うと、タウンページを取り出してそれを開いた。
「?何でタウンページなんか取り出したんだど?」
れみりゃはみまの行動に首をかしげる。
疑問に思うれみりゃを無視してみまはタウンページをジーッと見つめる。
「えーと…い…い…あった。」
みまはそう言ってあらかじめ口に咥えていたコインをタウンページの上に乗せる。
「みんな、私が今コインを乗せた部分に注目してくれないかい?」
みまはれみりゃ達にそう言った。
言われた通り、れみりゃとてんこはタウンページのコインが乗っかっている所に注目する。
「最高の座薬をあなたに、イオシスカンパニー」
コインが乗っかっていた所には、そんな広告がかかれていた。
「おいぃ、座薬の会社なんか見せて何のつもりですか?」
てんこがその広告を見て、みまにそう問いかける。
みまはこう答えた。
「そこに載っている社長の写真を見てみな。」
「え?そんなの乗ってるのかど?」
「載ってるよ!広告をよーく見てみな!」
れみりゃ達は広告をジーッと観察する。
みまの言う通りだった。
広告の済の方に創設者の写真が乗っかっていた。
「…あ!これって…!」
れみりゃはその写真を見て思わず声を上げた。
イオシスカンパニーの創設者として写真に写っていたのは、あの時のうどんげだったのだ。
「おいぃ!?あいつ、あんななりしてかなりの大物だったんですか!?」
てんこは写真のうどんげを見て、驚きの声を上げる。
「イオシスカンパニー…表向きは座薬を中心としたクスリの販売で大きくなったって話なんだけど、
裏ではかなりあくどい事をやっているって話を聞いた事があるんだよ。」
そう言いながらみまは何処からか小包を持ってくる。
「それは?」
「開けてみな。」
言われた通り、包みを開けてみるれみりゃとてんこ。
「…こ、これって…。」
包みの中身を見て、てんことれみりゃは顔を見合わせる。
みまはニコリと笑って、二匹のゆっくりに向かってこう言った。
「あんた達、その会社に忍び込んでくれないかい?
あの赤ちゃんの母親らしきれいむだって、放っておく訳には行かないでしょ?」
最終更新:2011年01月29日 17:54