てゐ魂44話1

このSSは銀魂のパロディです。
登場するゆっくりにロクなゆっくりは居ませんし、
ゆっくりがひどい目に遭う描写もあります。
それでも構わないと言う方だけ、お読みください。





てゐ魂 第45話「食は偉大なり。」


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「副長!姫海堂はたて、無事に帰還しました!」

いきなり崩れ落ちた塀の中から飛び出してきたどう付きゆっくりはたて。
彼女はそのままてゐ達の目前に着地した後、レティに向かって敬礼のポーズを取った。

「な、何こいつ?何でこいつが出て来たの?」

てゐはいきなり現れたこのゆっくりの存在に混乱している。
…そしてレティの方は彼女の姿をじっと見つめている。


「…あ!」



そして、レティはあることに思い出す。
今となってはもう完全に茶番と化していたお化け退治対決、
そこでノリと勢いだけでラーメン三郎にどんぶりを取りに行ったゆっくりが居た。
それが目の前にいる胴付きゆっくり、公安⑨課新入り、姫海堂はたてである。


「…お化けのせいで完全に忘れてたわ。」


レティはお化け相手に完全に取り乱していた自分を再確認し、がっくりと肩を落とした。
よく見たら新入りはたての身体のあちこちに傷が見られる。
三郎のどんぶりを取りに行く間に、亡者と化したサブリアンと激闘を繰り広げていたのは確実だった。


「かなり大変でしたが、何とかどんぶりを取ってきました。
 早く三郎店長に渡してください!」


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新入りはたてはそう言ってどんぶりをレティに差し出した。

「イヤ、あの、えーと、ウ~ン…。」

どんぶりを差し出されたレティは返答に困ってしまう。
正直、ここで三郎ネタを掘り返している場合じゃない。



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溷霾醴蠶蠶勸      ㌶  ヘヘ  ㌶       ∴ヨ繍醴蠶蠶鬮に に  庇蠶蠶∴蠶蠶蠶蠶蠶蠶
醴蠶蠶蠶蠶髟      ㌶       ㌶       ベ湖醴醴蠶蠶蠶庇 にに庇蠶蠶蠶.∴蠶蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶蠶蠶欟      ㌶        ㌶         ㌶繍蠶蠶蠶蠶蠶曲㌶㌶㌶㌶㌶㌶に㌶蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶蠶蠶歉     ㌶      ヲ 澁畄_迢艪蠶蠶蠶蠶蠶蠶甜川㌶㌶∴ ∴∴㌶㌶髏蠶蠶蠶蠶
蠶蠶蠶蠶髟      ㌶     ヲ  コ醴蠶奴繍蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶齡辷㌶    ∴㌶㌶醴蠶蠶蠶蠶
蠶蠶蠶鬮か                .ベ苛ザベ繍蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶醯己に⊇三介㌶㌶醴蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶髏鬮シ      ㌶                 尽慵蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶自辷㌶躇㌶鐘㌶躇蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶醴勸      ㌶                    氾隅髏蠶蠶蠶蠶蠶靦㌶㌶雄躍躇㌶蠶蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶醴訃      ㌶              ∴∴∴沿滋溷醴髏蠶髏髏韲譴㌶醴蠶蠶㌶蠶蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶蠶髟      ㌶      _山辷ム㌶蠡舐鑓躍醯罎體體體驩讎櫑㌶蠶蠶蠶㌶蠶蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶蠶㌢      ㌶    ㌶躍蠶蠶鸙蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶醯註珀雄醴醴㌶蠶蠶蠶曲蠶蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶蠶廴      ヲ  ㌶醴蠶欟閇憊體醴蠶蠶蠶蠶蠶蠶靦錐讒醴蠶曲蠶蠶蠶曲蠶蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶欟シ       ヲ  禰蠶蠶蠢螽螽㌶醴蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶躍蠶蠶蠶曲蠶蠶蠶曲蠶蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶監シ          ∵ヴ門夢曠髏蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶曲蠶蠶蠶曲蠶蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶蠶㌢     ヲ         ∴シ∃愬嚶髏蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶㌶蠶蠶蠶躇蠶蠶蠶蠶蠶蠶
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蠶蠶蠶鬮ヒ               ベ状隅髏蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶曲蠶蠶蠶躇蠶蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶蠶蠢鈊∴              ベ川捍軆髏蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶曲蠶蠶蠶躇蠶蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶蠶蠶鋻シ              ∴∃氾据醴蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶躇蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶蠶蠶蠢此            ∴⊇以㌶繙醴蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶躇蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶蠶蠶蠶鋻∠∴  .∴∴∠ヨ旦滋躍蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶躇蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶蠶蠶蠶蠶醢山ム沿当益錙躍蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶躇蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶


お化けの大群は未だ健在だし。
今は呆然としてその足を止めているが、次の瞬間に何をしてくるか解ったもんじゃない。
三郎も大事だが、今はお化けの方を何とかしなくちゃいけない。
そう考えたレティははたてに向かってこう言った。


「…はたて、とりあえず今はのんきにどんぶりを受け取っている場合じゃないわ。」

「えっ!?あわわわわ!」


レティの言葉にはたては思わず持っていたどんぶりを落としそうになる。
もっとも、とっさにレティがフォローを入れたお陰で
落下することはなかったが。

「す、スミマセン。」

「今度から割れ物の扱いには気をつけなさい。
 それより、どんぶりはここに置いて、あなたに次の任務を伝えたいんだけど。」

「つ、次の任務!?」

新入りはたては驚いて思わず気を付けの姿勢になってしまう。
彼女は新入り、隊長からの直々の任務なんて受けたこと無い。
緊張するのも当然だ。


「そ、それは一体どんな困難な任務なのでありますか!?」

「イヤ、別に困難じゃないわよ、ただゆーぎ所長に
 今の状況をなるべく正確に伝えてほしいの。
 ついでにその間に店長の様子も見てきてくれると助かるわ。」

「そ、その間副長は!?」

「と、とりあえず彼処にいるちるのを救出するわ。」

れてぃはそう言ってちるのの方をみた。


          r 、
         r'  l
         r'  丶
        r'      r 、
        {      .:r' l
        {    .:r'  \
        {    ::r'    ヽ
        }   ::r'     li
        {   ::r'      ぃ
        {   ::{      } l
        {   ::}      い    ィ=¬-、
        {  ::{         ヽ\  (  、 、。l
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      _     .: .::レ冖イハィ'::. :.   _
  - .. _  -= :.:´   .::;       `'::., ニ =     -
      - - :.:  .:;´          ゙::, -   ̄
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             j  ::
             ::. ; :i
                 し'

氷像の造形はさらに立派な物になっていた。
そして相変わらずちるのは氷像作りに夢中で周りの状況に気付いていない。
お化けにビビっている場合ではない、体を張って
ちるのを救出しなければいけなかった。


「じゃあ私はこの新入りさんについて行こうかな?」


てゐはそんな事を呟いた。
するとレティは凄い勢いで睨みつけて


「は?何言ってるのよ、私一人でお化けの中に飛び込めと?」

と、脅して来るのであった。


「じゃ、じゃあスグにでも報告に行ってきます、
 とりあえず、ドンブリはここに置いて…。」


新入りはたてがそう言ってドンブリをレティの側に置いたその時だった。


ドゴォオオオオオオン!


またも聞こえる破壊音。
さっきのよりも激しく、デカいその音がその場にいるゆっくりたちの鼓膜を刺激する。

「え!?」

「こ、今度は一体何なの!?」

音がしたのは、先ほどはたてが塀を破壊した場所と同じ方向だった。
見てみると今度は砂煙が舞い上がっている。
砂煙で遮られた向こうに、黒い陰が見え隠れする。

「ちょ、ちょっと、まさか新手のお化け!?」

もう勘弁してくれと、てゐ達は本気で思いながらも砂煙の方を見る。
やがて砂煙が収まっていき、現れたのは…。



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「ラァーメェン…。」

「ラァ~メェエェェン…。」


こんな事を呟きながらこっちに向かってくるゆっくりはたてだった。

「や、やっぱりお化けじゃん…。」

虚ろな目をしたはたてを見ててゐはそいつを見てお化けだと思う。

「…違うわ。」

しかし、レティはてゐの言葉に反論する。

「え?」

てゐはレティの方を見て、彼女の様子がおかしいことに気がついた。
目つきは鋭く、表情は真剣、
さっきの怯えた様子は何処に行ったのかと思えるような雰囲気だ。

「違うって、じゃあ、あれは一体何なのさ。」

そう問いかけてみた所、レティはこんな答えを返してきた。

「…墜ちたりしサブリアンよ。」

「…は?」

意味が分からなかった。
サブリアンはまだ解る、三郎をこよなく愛する者達の事だ。
そいつに何となく厨二臭い呼び名を付けた所で何が変わるのか。

「…ラーメンへの愛が歪み果てた末に暴走したサブリアンはそう呼ばれるわ。
 三郎ラーメンを食べるためなら手段を問わない亡者ども、それが墜ちたりしサブリアンなのよ。」


そして説明を聞いてもよく解らない。

「…要するにたちの悪い馬鹿って事で良いのかな。」

とりあえず、てゐはそう言う認識で行くことにした。
マニアの説明をまともに聞いても理解できるもんではない。
学ぶ事と、その学んだことを解りやすく解説するのは
別の才能だからだ。

で、その墜ちたりしサブリアン達はと言うと。


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全員、てゐとレティの方に熱視線を向けている。
熱視線なんて名前を付けても、それを受けたてゐ達が感じるのは凄まじい悪寒だが。


「な、何、何でこっちを見てるの!?」


てゐは思わず後ずさる。
そして新入りはたてが突然叫ぶ。

「副長!ドンブリです!早くドンブリを別の場所に!」

「え!?」

ドンブリと言われて思い当たるのは新入りはたてが置いたドンブリしかない。
そのドンブリを見てレティもピンと来た。

「そうか!あいつ等ドンブリに残るラーメンの匂いに釣られて!」

コッテリを極めた三郎ラーメン、その濃厚な香りは嗅覚を麻痺させてしまう程と言われている。
当然、そんなラーメンを受け入れた器にも臭いは残る。
それはもう、ピッカピカに洗っても臭いが落ちないくらいに。
その臭いが墜ちたりしサブリアン達を引き寄せているのだ。

「ま、まずいわ!速くコレを片づけないと大変なことに!」


レティはあわててドンブリをかつぎ上げる。

「はぁ!?片づけるって何処にさ!」

「何処でも行いから!ほら、あんたも手伝う!」



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         /     ゙'-、..,,,,,,,,,,,..、-'゙i    i
        ,'      / ソ::::::::::::::::::ヽ、!    |
        i   /:;:::::::::::::::;:::::::::::::::ゝ、____ノ
         〉--' /:/、__;:ィ::ハ::、_;:!:::i:::ハ::〈
        i::::::::/::::::ハ_ニ;、,レ レ、_;、ゝ::::|:Y
        ハ:::::::レヘ::i' (◎)   (◎)ハソ:::ハ
        |::::::::ノ:::l:|"   ,___,   l:::::|::ノ
        ノ:::::::::::::ハヽ、  ヽ _ン  ノ::::i:::(
       イ:::/::::::/:::イヽ>, -r=i':´イ:::ハノ
       〈rヘ:::::!::レ´   `y二」ヽレ':::〈


そう言うとレティはいきなりドンブリをてゐの頭の上に乗せてきた。
てゐが胴無しである都合上、何かを運んでもらうには頭の上に乗せるのがゆっくり界での定石である。
そして、頭の上の物を落とさずに運ぶことにかけて、
胴無しゆっくりの右にでる物はいないとまで言われるくらい、胴無しゆっくりのバランス感覚は優れていると言われている。


「ちょ、そんな急に乗せられても!」


しかし、そんな胴無しゆっくりでも、高く積み上げられたドンブリを
何の準備もなく乗せられたら、慌てざるを得ない。
実際、急にそんな事をされたてゐもバランスを崩しそうになる。

「ぬ、ぬぐぉおおおおおおお!」

とは言え、もしドンブリなんて割れ物を落として割ってしまったりしたら、
その破片が顔の周りに飛び散って非常に危険なことになる。
てゐは気合いでバランスをとり、頭の上で揺れるドンブリを落とすまいとする。
結果、何とか惨事は免れた、と思ったが…。

「ちょ、何でこっちに来るのよ!?」

バランスを取るときにふらふらと動いた結果、
同じく高く積まれたドンブリを持っているレティの方へと急接近することになってしまった。
今度は、激しく揺れながらこっちに近づいてくるドンブリに驚いたレティがバランスを崩してしまう。
このままドンブリを地面に落とすかと思われたその時。

「ど、どっしゃああああああああ!」

神聖な三郎のドンブリを割って溜まるものかという想いからか、
それとも命がけでこのドンブリを持ってきてくれた部下を気持ちをくみ取ってか、
レティはかけ声とともに落としそうになったドンブリを天高く放り投げた。

「バカ!放り投げてどうするのさ!」

もちろん、てゐはそんなレティに向かって思わずそう怒鳴りつけてしまった。
そのまま落としても、放り投げても、床に落ちれば結局割れてしまうのだから。

「だまらっしゃああああああああ!」

しかし、レティの目には諦めの文字は宿っていなかった。
叫び声とともに、彼女もまた天へと舞い上がる!


ガタタタタタタタタタ!


目に見えぬ早さでドンブリを回収し、瞬く間に積み上げていく!
まさに神業、そうとしか言いようのない光景。


スタッ。


華麗な姿勢で地面に着地したとき、
ドンブリは見事、レティの腕の中で積み上げられていた。

「お、おぉ…。」

コレにはてゐも驚きと感動が入り交じった声を届かせざるを得ない。

「ふう、三郎ドンブリ10杯、ヒビの一つ入れずに回収完了したわ。」

レティはやり遂げた顔でそんな事を呟く。
…すると、それを聞いた新入りはたては一言。

「…あれ?私の見た限りではドンブリは11杯有りましたよ?」

「…え?」

それを聞いてレティは目を点にしてしまう。
それが本当ならレティは一つ、ドンブリを落とした事になる。

「それなら、そのドンブリはどこに落ちたと言うのよ!」

レティは新入りはたてにそう問い掛ける。

「そ、そんなの分かる訳無いですよ!」

当然、返ってきたのはそんな答えだった。
…がレティの疑問の答えはてゐが答えてくれた。

「レティ、あれ…。」

てゐが指差したその先には、衝撃の光景が広がっていた。

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最終更新:2014年04月30日 17:21