【⑨⑨⑨企画】 落葉祭

「お前らぁああああ!覚悟は出来たかぁああああああ!」


妖怪の山の麓に作られた特設会場に凄い大声が響き渡る。
会場の中心にいるのは皆大好き風神録一面中ボス。
落葉の神『秋 静葉』である。


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「覚悟なんかとっくに完了してるぜぇええええ!」


それに返すは全てゆっくり。
それもゆっくりの中でも最も激しい性格の静HARD達である。
会場の周りを埋め尽くすほどの数の静hard達は、
会場中央に佇む秋静葉に声援を送っている。


「よーし!なら開会式とか選手宣誓とかめんどくさいものは無しだ!
 参加者全員!全力を挙げててっぺんを狙えぇえええええ!」

「うぉおおおおおおおおお!」

静葉の号令を受けて全ての静hardは動き出した!
身体を持つ静hardの手にはペンキ缶と刷毛が。
持たない静hardはローラー式のペンキ塗りを口に加え、頭の上にペンキ缶を載せて走っている。
そしてゆっくり達は会場の周りにある木に向かって走っていく。
その木はまだ紅葉の季節にも関わらず緑色の葉っぱを付けているイチョウの木であった。


「おりゃぁあああ!」


静hard達は一跳躍で木のてっぺんまで飛び上がる。
身体を持つ静hardは持っている刷毛にペンキの塗料を付け、
そのまま葉っぱに塗りたくった。
しばらく塗りたくった後、また缶に刷毛を突っ込んで塗料を付ける、
そしてまた塗りたくる、これの繰り返しで
緑の葉が生い茂るイチョウの木を赤く染め上げて行った。


これに対し身体を持たない方の静hardはというと、口に食わえていたローラーを
真上に放り投げ、頭の上の缶に放り込む。
そのまま全身を震わせて缶の中の塗料をローラーに染み込ませると、
また缶の中のローラーを放り投げて口でキャッチする。
そしてそのまま、塗料がべったり付いたローラーを葉っぱの上で転がして行く。
葉っぱの上を駆け回ってローラーを転がして行くその光景は、
地球の上をスーパーマンが物凄い勢いで飛び回って、
緑のイチョウの木を瞬く間に赤く染めて行くように見えた。


そんな感じで静hard達が緑を赤に染め上げて行く様子をみて、
秋静葉は満足そうな顔をする。

「ふふ、私の思惑通り、これで今年の秋からは楽できるわね!」

そういって秋静葉はガッツポーズを取るのであった。


「姉さん、一体何してるの?」


そんな静葉に誰かが話し掛けてくる。
静葉が声のした方へと振り向くと、そこに立って居たのはオレンジ色の髪をした
裸足の少女であった。


「あら、稔子もこの祭を見物に来たの?」


豊譲を司る神であり、自分の妹であるその少女、秋稔子に向かって静葉はそう言い放つ。

「ま、祭?」

稔子は彼女の言葉に驚きながら周りを見回す。
静hard達が物凄い勢いで緑の葉っぱを赤く染め上げている光景が目に入った。

「祭って、まさかこれが?」

「そう、落葉の神の、落葉の神による、落葉の神のためのお祭り。
 それが落葉祭よ!」

静葉は荒ぶる鷹の様子でそう叫んだ。

「ら、落葉祭?」

そんな名前の祭、稔子は初めて聞いた。
戸惑ってる稔子を見て静葉はアハハと笑いながら説明を始める

「いやぁー、里の人間達が何時まで経っても豊譲祭はやっても落葉祭をやらないもんだからさ、
 もう自分で開いちゃおうと思ったわけよ。」

「え、えっと、姉さんは里の人間が落葉祭をやると思ったわけ?」

「当然でしょ?私も神様なんだから祭を開くのは人の義務なわけじゃない!」

「えーと……。」

稔子は考える。
落葉というものは、決して晴れやかなモノではない。
紅葉した葉が落ちる様を見て、秋の終わりの訪れをしんみりと感じるものだ。
祭を開いて馬鹿騒ぎして祝う代物では決してない。
現に、うぉおおおおと叫んで葉っぱを紅く染めまくっている静hard達を見ても、
そんなしんみりした気分にはならない、
無駄にハイテンションになってしまうばかりである。

そしてそんな静hardをみて稔子に一つの疑問が浮かび上がる。

「なんでその落葉祭に参加してるのがゆっくりばかりなの?」

「いやぁ、一度人里の連中に落葉祭の開催を申請してみたんだけどさぁ。
 『予算が無いから無理。』って断られたのよ!?」

「そりゃそうでしょ、人間側も色々都合があるし。
 姉さん一人のために祭を開く訳には行かないわよ。」

豊譲の神、もしくは豊譲を司る神は稔子以外にも沢山いる。
豊譲祭は稔子一人だけを祝う祭ではなく、豊譲の神全員を祝う祭でもある、
しかし、落葉の神は静葉一人しかいない。
たった一人の神様のために祭を開いてくれるほど、人里の懐は寛容ではない。


「だから駄目元でゆっくり達に頼んでみたのよ!
 そしたら『面白そうだからやってみよう!』ってあっさり開いてくれたのよ!」

「…さすがノリと冗談で生きてるゆっくり達ね。」

「魂の篭った土下座が決め手だって言ってたわ!」

「姉さん、ゆっくり相手に土下座したんですかい。」


ローカルの極みとはいえ、仮にも神が土下座とはいかがなものか。
しかもゆっくり相手に。

「とにかくこうして無事に祭は開かれたのよ!
 これで私の神としての格がうなぎ登りと思わない!?」

「端から見たら、ゆっくり達が何時ものように変な事しているようにしか見えないわよ姉さん。」


ゆっくりが常人には理解出来ないことをしているのは、幻想卿じゃあ日常光景です。
妹からそんなツッコミを受けると、静葉はフッとほくそ笑む。


「この光景を見てその程度の感想しか抱けないなんて、
 稔子も神としてまだまだといった所かしら。」

「姉さん、何か私に文句があるわけ?」

「祭は此処からが本番なのよ!」


ひゅううううううううう!


稔子の叫びと共に、空から何かが落ちてくる音がする。

「え?何?」

稔子は嫌な予感がしながらも空を見上げてみる。
彼女は確かに見た。
コッチに向かって落ちてくる無数の光を。


「え、ちょっと待って姉さん。何アレ…。」



どぉおおおおおおおおおん!



稔子が静葉に何か問い掛ける前に、空から落ちてきた何かが地面に衝突した。

「きゃああああ!?」

衝撃で激しく揺れる地面に、思わずバランスを崩す稔子。
それに対し静葉の方はというと、仁王立ちの姿勢で微動だにしていない。


「何してるのよ稔子、地面にしっかり根付いてこその豊譲の神でしょうに。」


「いや、いくらなんでも限度ってモノが…
 っていうか一体何が落ちてきたのよ!」

なんとか立ち上がった稔子は、舞い上がる砂煙の向こう側を凝視する。

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砂煙の向こうに立って居たのは、何故かトランクス一丁に
鉢巻きという出で立ちの静hard達であった。
勿論そんなモノを見てしまった稔子は開いた口が塞がらない。
それでも平静を装って、静葉に問い掛けてみる。


「ね、姉さん?あれは?」

「何よ稔子、ムエタイの正装に決まってるじゃない?」

「…ムエタイって何?」

「稔子、ムエタイを知らないなんて冗談がうまくなったわね。」


何だ冗談って、姉さんの中では私がムエタイについて詳しいことになってるのか?
そもそも何で静hard達が、ムエタイの恰好をして横に一列にならんでるんだ。
稔子が色々突っ込もうとする前に、静hard達は片足を上げてムエタイの構えを取った。


『…はぁあああああああああああ!』


そしてそのまま一斉に、すっかり赤く染まりあがった木々に突撃していく!
その迫力に思わず稔子は怖じけづいてしまう。

「ね、姉さん一体何が始まるの!?」

完全に怯えている稔子の問い掛けに対し、静葉は不適な笑みを浮かべてこう言った。


「決まってるじゃない!落葉祭は此処からが本番なのよ!」


ドォンッ!


静葉の叫びと共に、その音は響き渡った。
あのムエタイの恰好をした静hard達が、赤く染まった木々に一斉に回し蹴りをhard放ったのだ。


ハラリ、ハラリ。


その衝撃で木から葉っぱが数枚、ハラリと落下して来る。

「ウム!蹴りをかました時の音の大きさといい、葉っぱの落ち具合といい、
 完璧だわ!完璧な回し蹴りよ!」

その様子を見て、静葉は涙を流して感動すら覚えていた。
そして稔子もその様子を見て静葉に問い掛ける。

「ねえ、姉さんもしかして落葉祭って…。」

「ええそうよ、落葉祭は葉を赤く染める第一部と、
 赤く染まった木に蹴りをかまして落葉させる第二部に別れてるのよ!」

静葉はゆっくりに負けず劣らずのドヤ顔でそう答えた。
木に蹴りをかまして葉っぱを落としていくムエタイ戦士達を見て稔子は思った。

(…あれ、これって姉さんが毎年やってることじゃない?)

実はその通りなのである。
葉っぱを赤く塗って木に蹴りをかまして落とす。
これは秋静葉が毎年毎年やっている落葉の儀式そのまんまなのである。

「…ねえ姉さん。」

「何かしら?」

「もしかしてと思うけど、落葉祭って、
 姉さんの仕事を静hardに押し付けてるだけなんじゃ…。」

それを聞いて秋静葉の表情が変わる。


「稔子!貴方は何を言ってるの!」

「ヒイッ!」


いきなり強く言われたモノだから稔子は一瞬怯んでしまう。


「私が静hardに祭に託けて仕事を押し付けてるだけですって!?
 そんな訳無いじゃない!ちゃんと考えがあってこんな事をやらせてるのよ!」

「そ、そうなの姉さん!?」


静葉の発言に稔子は大いに驚いた。
そんな稔子をよそに、静葉は解説を始める。


「いい、稔子?落葉の神のお仕事って本当に大変なの、
 この辺り一帯の樹木を真っ赤に塗り上げて、ひとつひとつ丁寧に蹴り落として行かなくちゃいけないのよ、
 その大変さ、理解できるかしら?」

「…まぁ、少しは。」


稔子も豊譲の神として、そういった神様としての仕事の大変さは理解しているつもりだ。

「そしてそんな事をしているのは、幻想卿の皆に秋の終わりと冬の訪れを伝えるためなの。
 私が何もしなかったら、里の人達も森の動物達も、ロクに準備もしないまま
 極寒の冬を過ごさなくちゃいけないかも知れないのよ?
 つまり幻想卿の人達が冬を乗り越えられるかどうかは、
 私の両賢にかかっていると言っても過言ではないのよ!」

「そ、それは大袈裟過ぎるんじゃないかしら?」

「大袈裟じゃないわよ!」

そう叫ぶ静葉に思わずたじろいてしまう稔子。
その隙を逃さんとばかりに静葉は更に畳み掛けてくる。

「それなのに里の連中も妖怪達も誰も落葉の有り難みを解ってくれない!」

「そ、それは当然だと思うわ姉さん。」

豊譲と違って目に見える徳が無いのが落葉という行事なのだから。

「だからこその落葉祭なのよ!」

静葉はそう叫んで拳をぎゅっと握り締めた。


「私が毎年毎年この時期になると寝る間も惜しんでやっているこの仕事を
 他の連中にもさせることで、私の苦労と偉大さを思い知らせる!
 ついでにこれだけの大人数の大規模で落葉作業をやらせれば、
 私も少しは肩の荷が降りるってもんよぉ!」

「…後半に本音が収束されてるね。」


姉の気合いを入った力説を、妹は呆れ顔で聞いていた。


ドゴオッ!ドゴオッ!


そんな事している間にも、静hard達によるムエタイキックは続いていく。
静葉はその様子を見てウームと唸り声をあげる。

「…思ったより作業は進んでないわね。」

「せめて行事とか儀式とか言ってあげようよ姉さん。」

「やっぱ、これだけの木を落葉させるには人数が足りないのかしらね…。」

静葉が用意した落葉祭の会場はステージを中心におよそ半径3キロメートル。
その範囲に生えた落葉させる木、その本数は五千を余裕で越えている。
先に始めた葉っぱ塗りの静hardも半分塗り終えた所だったし。
落葉させる方の静hardは塗る方の静hardの半分の人数しかいないせいか、
そのペースが更に遅い。

会場全ての木を紅く塗り終えて落葉させる頃には、日を跨いでしまうだろう。


「…もう少し、ゆっくりが必要なのかしら…。」


秋静葉がそんな事をつぶやいたその時だった。

「おや、静葉様どうなされたのですか?」

と、そこへ一人の静hardがやってくる。
稔子は彼女の顔を見て思わず吹き出してしまう。


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その静hardの顔には、仙人のごとき白い髭が生えていたからだ。
身体はないが、もしあったらその身体は腰の曲がったお爺さんのような身体だろう。
稔子はその姿を想像して思わず吹き出してしまった。


「あ、長老hardさん。」


静葉はその髭の生えた静hardにそう呼び掛ける。
その名前を聞いて稔子はまた吹き出してしまう。

「何やら考え事をしていたようですが我々に何かご不満でも?」

「いいえ、貴方達は私の企画した祭の内容を良く形にして居る。
 不満なんて何処にも無い。」

「ならば一体何をお悩みになっているのですかな?」

駄目だ、稔子、耐えろ、流石に三度目はないぞ。
そう思いながら稔子は静葉と長老hardのやり取りを見送った。
勿論、吹き出すのを堪えながら。

「いえ、ちょっと進行が遅いんじゃないかと思って。」

「ふむ、確かにこのままでは何時終わるか解ったもんじゃ無いですな。」

「長老、何かいい手は思い浮かばないのか…って、そこで睨むのは何故なんですか。」

「例え神様といえどhardの文字を軽視することは許されないのですじゃ。」


ブフーーー!


ヤバイ、今のは限界。
遂に三度目にして最大級の吹き出しをしてしまった稔子であった。


「ちょっと。どうしたのよ稔子?」

「ご、ゴメンナサイhardへのこだわりに思わず!アハハハッ!」

「………?」


稔子の意味不明な言動は静葉の首を傾げさせた。
…しかし、今は妹の事を気にしている場合ではない。
今気にするのは祭の問題だ。

「…長老hardさん、何か良い手は無いものかしら。」

「…フム、ここはワシに任せてもらおうかの。」

長老hardはそう言うと携帯を取り出した。
そしておもむろに何処かに電話をかける。

「あ、元気~?そうそうワシワシ、久しぶり~。」

電話向こうの相手との会話はメッチャフレンドリー。
その様子を見て、稔子はちょっと大丈夫なのかと不安になる。
そして電話を終えると、長老hardはキリっとした顔でこう言った。


「安心して下され、他のゆっくりの長老に頼んで助っ人に来てもらう事に成功しましたぞ。」

「す、助っ人?」

「静hardだけで祭を完遂出来ないのは心残りですが、
 これで静葉様の抱えている不安は解消される筈ですじゃ。」


そう言ってフォフォフォと笑う長老hard。


「良かったわ、これで祭も滞りなく進むはずよ!」

「…そうかなぁ?」


長老hardは自信満々だが何しろ相手はあのゆっくり。
絶対ロクな事にならないんじゃないかと不安に思う稔子であった。


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     くヽ_r'_ヽ 、 ,、_) ヽ ,______r'´イ´
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 バサッ  ..| ! ',.   'ー=-'   .,! ! .|  |く,-‐' ゙i, 
  __ヽ   |  |ヽ、       イノi .|,(⌒ニ'ィ,〉
,:f^三ヲ,r\. .|| .| ` ー--─ ´/ / ノ  Y /lトィヘ
ノ ニ、゙リ  ,..,,.|| .|``''ヽ,,,  ''"´   ゙''ヾミ,r/:.l:.:し′
,ィテ'J´,,..::;;゙i, .ヽiノ  ,;,, ;;; ,,;;       ,frア:.l:.:ヾ
リ:.:.:.{'"  ,ィト..〈ノ   ';;;;;;;;;;;'      ,!;V:.:.ノ:.:.:.:
:.:l:.:.:.ヾ='":.:.:l      ':;;;;;:'      ,;;/;;:.:/:ノ:.j:.:.:.
:.:l:.ミ:.:.∨:.:.:.:ヽ、    人__,,,;;;;;ノ/N/:/:.ィ:.:.:.
:.:ト:.トミ:.:ヽ:.:.:.:.:ト-―テ" ⌒ `ヾj ::;;;;}/:.:.:.:/:/ ヽ:.:
:.:ト、:.:.:.:.:ヽ:.:.:.l   ' -:十:‐' ゙l,  〃:.:.:/:.リ  ゙i:.:
:.:l:.:ヽ:.:.:.:.:ヽ:.:.l   t,,__,災_,ノl  f:.リ:.:./:.j ,イ ヾ
:.:l、:.:ヾ:.:.:.:.:〉:.:l  l,   ,;,  ,ィレ j:.:.:./:./ V



「むきゅー、私の蹴りが必要だと聞いてやって来たわ。」

  .   .       ,_ .  /7   「l   /'.7
`<ヽ,  「:l    // ヽ, |:l   _/"ニニン'フ    .,ィつry
 丶,`:-': '-..,「:| ,└''"´ ̄^`ヾご/ヽ、ノ:://:ン.  //フ_
    ̄ ̄ヾ/´  、、   ヽ   ヽ/ノ:ノィ斗、/// /ゥ 
       ノ lヽ  j /、lヽ  ト、  .'l.>‐ .::: /`ハ / / / / ラ
     h'´ r'"イ .ノ\| .r=ァ レ'{ }l彡"ィノ/}}/ / / /∠っ,, -z― 、
     {,}'ヽ.,l .r=-       >l11`o' :: / ,'))入,,/r≦z'' .::::.ーニ\
     .。レ1ヽ'、  ー=‐'    人ルィ`○ ,))))) }ニ,ン´' .:::≠:::、≠=`丶/´"^`丶、
   o′ レ~7' .、     ノ.:ミ三=メ/′爻彡"=ニフ.:::=::::, '   ヽ  ''''ニ三ヒン`  \
 ○'      `彡:ヽ、,、.メ.::::::ミ≡'ゞy 爻彡ヘ>`z::=:::/       ';, /     ヽ、ミ)
         .彡:::.:.:`,..:.::.:.:.:::::ミ     ̄ ̄ ̄`.ミ::'ノ__      / /       V"
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          |メ!川!,ハ'i   |ー´`ヽ:   .|ヽ:   / │`、,./" .r=ァヽ
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       _ノ=´レV`,i- 厶ス /`v`〉 (,,/゛ ,i´ ./
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「おぉ、助っ人助っ人。」


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 l.:.:.',      /         `'  ._    _ノ _.   ´_ -―
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  ;′ \__ハ } |Vi /リ }  l,ハi l` ー- -‐ 7‐- 、     /
  l   / ハ  ヽ l l/,.イ! ハ  ハ/ノ`ヽ   ___ { i、       /―‐-
  {!  ハl  lヽ. j/ ィヽンレ jィ'  l' /  ` ー--‐ゝ'     /
   ヽ | ハ、 ト、 )     ハ l  l ト、__/ ̄`ヽ{     /┐,. -―
      l { ヾ lヽ. _,∠_ン ハ //::::/       ハ、__  ';;;ノ|` ̄丶
     l ヽ {リ i`¨ー-、/マ∨:::::/      lー---‐ ´;;;;;|ヽー-
(:、    、 | \ヽ V\  /::::::::/ /       l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
-' ヽ.ノ)  ヽl  \` ァーヽ::::/  ,′        l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!、
二二二二二フ    /  } ¨´    l        _l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ )
ー‐r‐、 ┘    /  //    \ 、     /:::::T ー--‐ 'l、.イ
   l l       {_  ´ , ′         `}   /::::::::l       l:::}
   | l   /´i/               〈   {、:::::::l        lノ
  ,'  !  / , ′                  `'┬‐ヽ:::l         l
  r ‐- ヽ' /    i             l:::::::::V|        l
 ,{ - 、 ヽ     :、            //:::::::::::八       /

「祭の会場はここかい?」


「やっぱりロクでも無い連中が来たじゃねぇかぁああああああ!」

的中した不安に稔子は思わず叫んでしまった。

「凄いわ!なんて頼りになる連中が集まってくれたわね!」

「何処が!?私にはコイツらが来た時点で失敗フラグが経ってるようにしか見えないわよ!」

目を輝かせている静葉に稔子はそう怒鳴り付ける。


「おぉ、失礼ですね。それではまるで私達がトラブルメイカーみたいじゃないですか。」

「紳士であることで有名な私達のどこが失敗フラグだって言うのよ。」


秋姉妹の会話が聞こえたらしく、マッチョリーときめら丸が近寄ってくる。
近寄られると怖いキモい暑苦しいの三拍子である。


「いくら中身が紳士でも見た目が紳士じゃないのよ出オチ担当!」

「あら、出オチならタンコブさんの方がよっぽどだと思うけど?」

「個人的には卵てんこもマイナーながらに出オチ担当かと。」

「出オチならにちょりは外せないわよね。」

「会話に混ざって出オチ談議を盛り上げないで姉さん!
 って言うか!一番ツッコミを入れたいのは!」

稔子はそう言って三人目の助っ人を睨み付けた。


            |ヽ
            l::::l
           l:::::!
         l::::〈ヽ  ,、_ _
            ヽ::<\/  \  ̄\─- 、
           r\::|/::\lヽ ヽ   \_ \
            / , l\::::::::\!  ゝ,ィ=\__ \ヽ
         / /  |_、l\;;;;;ノl !/!ヽ\ \  ̄ \
       / イ ! ´|⌒l\   l|VィチてjゞYrヽ
   o   〃´ | |  ! /ィfハ  リヽ辷zソ  イソ_       \
──fi ─- 、  V、 |Vl ヾソ        //_\      \
ーーノハ-_//   l∨ | ヽ   、-─ vフ /、_\  , -─‐- 、 \
 ̄ ̄ ̄ /   / /ノ/`>,-二´‐''| ヽ/`/        〉 \
‐┬─'''´     / / ̄//l/ィ T //ノ7´ /     _  ヽ    ̄
 ̄`ヽ     // , -──  ! ー‐''´, イ / ̄\/ ̄    | \
_,,〈    / //        ̄ ̄ /  ヽ   \
::::::::ヽ  / / l               〈   〈\__,,ノ─''´    l \
、:::::::::∨   l   l             \  ヾY |       ヽ   ̄
-T´ ̄ヽ  ヽ  \     l        | 〉、  ヽ >──''    〉、 、_
 ヽ   \〈\__|  ̄  ヽ 、_     //,へ _/ヽ、___,ノヽ\
-─\    /` ー|       ──‐''///        \\ 〈`ヽノ ノ
─''7´\      ノ、          /'/         \   ヾ二\\
__/  / \__/ /!   l     〈〈 イ           \      r\\-
──/     / ヽ  ヽ     ヽ\\_           \   | | ''┘
_/     / /               \ヽ \   l        \ーl |──
       , イ 〈             l !  /   !、      ∨ /
    //   l\            | j/ >、  ヽ\       〈 〈/ヽ
──'' /   人 ` ー───── ''´ /::\\ \\_ _Y /二
    /  ///::::l`i::ー─┬r──‐<ヽ::::::::::::::ヽ\_\ く__/
   / /:::://:::::::| l::::::::::::::| |::::::::::::::::::::\\::::::::::::\\


「なんでゆっくりじゃなくて本人が来てるのよ!ゆっくりゆーぎはどうしたぁー!」

    <\__,へ、                 
     \ 'ゝ____ン _           ,-ァ         ∧
     7 ̄__Y,r'゙i ン \、,r' ̄|┐ 、,r',/         |::::|
     」__、,r丶 \''''''''''''''''''''''''''''''r'^\〉  ミ''''''''''''''''''''!★|'''''''''''''''''''''''ミ
       | /ヽ  ミ    ★    ミ彡;;ミ  ミ;;     |::::::|       ;;ミ
         ミ;;ミ'''彡            ;;ミ, ミ;;     ゞミ彡     .;;ミ
         ミ;;,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,;;ミ  ミ;;,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,;;ミ
         くi ,.|从 (◯),  、(◯)小!J /'レ小(◯), 、(◯) 从   \
         │(,|   ゛ ̄'-=ー'  ̄ ゛)|  /フ ('⊃ ̄'ー=-' ̄⊂⊃)ノノ(, \
          ッ`一─―rュ―ー〈    ̄/ ,〉ー―rュ―――く   ,「| ̄
          /      l:l    ヽ  / /    l:l     ヽ   |
.          (_二二つ凵.l:l と二_,)   ̄ (_二つ凵l:l .と二二_)  | 


「ゆっくりの方なら、同士とロシアに旅行中さ、
 で、ウオッカ一ダースと引き換えにアタシが代理としてやって来た。」

「幻想卿の設定無視してロシアに旅行とか、相変わらず自由過ぎる…。」

「それにしても折角の祭なのに酒の香りがしないねぇ。用意するのを忘れたのかい?」


がっくり脱力する稔子を余所に、星熊勇儀は会場をキョロキョロ見回して
祭=酒な思考回路を披露するのであった。
そんな勇儀を始めとした助っ人達に静葉はこう言ってくる。


「酒なら後で用意するわ、だから貴方達は祭を滞り無く進めてちょうだい。」


「祭を進めるって、具体的には何をすれば良いんですか?」

「何よ長老hardから聞いてないの?」

「私達、長老hardさんからここに来いと言われただけよ。」


それを聞いた静葉は「ちゃんと説明しておきなさいよ…。」とため息をついた。
そして仕方ない、と改めて助っ人達に説明を始めた。

「難しい事をする訳じゃないわ、
 あそこに居る静hard達と同じようにすれば良いだけよ。」

静葉はそう言って木に蹴りを放ち続けている静hard達を指差した。

…ゾクリ。

次の瞬間、稔子は嫌な予感を背中に感じ取った。
それは、気のせいとかそういうものでは無い、確信めいた嫌な予感だと思えた。
そう思った理由は簡単である。


「なるほど。」

「あの木に蹴りを…。」

「思いっきりぶちかませば良い訳ね。」


静葉の説明を受けた助っ人達が妖しく目を煌めかせたからだ。

「おぉ~皆やる気満々で頼もしいわね!」

三人の助っ人の様子を見て目を輝かせる静葉。

「私には嫌な予感しか感じられないわよ姉さん!」

それとは反対に冷や汗を流して不安を感じまくりの稔子。

「何よ稔子、彼等の一体何処に不安を感じる要素があるっていうのよ。」

「あの見た目の時点でアウトなんだけど…それより、根本的な部分で
 不安が残っているような…。」

「何よ、根本的な不安って一体なんだって言うの?」

「え、えーと…。」

静葉に言われて稔子は考える。
思い返すのは静葉が助っ人達に祭の内容を説明したあの時。
あの時に静葉は、大事な事を伝え忘れたような気がするのだ。


「さて、じゃあ早速行かせてもらうわよ。」

「この形態じゃあ蹴りは幾分苦手分野ですが、まぁ何とかなるでしょう。」

「鬼の底力、見せてやるとするか。」


助っ人達は関節をコキコキ鳴らして静hard達が染め上げた紅葉した木を見つめている。
…その光景を見た次の瞬間。


「…あああああーー!」


稔子は気づいた。
静葉が説明し忘れていた、重要な事に!


「み、稔子?生きなり変な声あげるんじゃないわよ!」


ビビりながら稔子にそういってくる静葉。
稔子はそんな静葉に覇気迫る表情でこういってきた。


「姉さん!落葉祭って木の葉っぱを紅く染め上げて、
 それを木に蹴りをかますことで落葉を演出する祭でしょ!?」

「そうよ、それがどうしたの?」

「多分、それ伝わってない!」

「え?」

「アイツら、多分木そのものを蹴りで薙ぎ倒せば良いって勘違いしてるわよ!」


稔子のその言葉に、静葉は目を点にした。


「ちょ、いくら何でもそこまで脳筋な奴らじゃないでしょ!」

「脳筋でしょ見た目からして!それに姉さんも静hardと同じ事をしろって
 言っただけだし、そんな雑な説明じゃあ絶対誤解しちゃうわ。」

「ざ、雑な説明って何よ!私は解りやすく説明したつもりよ。」

「そう思うんならちょっと静hardの方を見てみて姉さん。」

「…?」


言われた通り、静葉は静hardの方を見てみる。
静hard達は、相変わらず木に向かって蹴りを放ち続けている。
規則的に放たれる蹴りが、木から紅葉を落としていく。
その様子を見て、助っ人達はこんな事を言った。


「何よあいつら、あれだけ蹴りをかまして葉っぱを落とすのがやっと?」

「相手があれじゃあ張り合いが無いねぇ。」

「どうやら私達三人がトップを争う事になりそうですね。」


…勘違いしている。

すっげー勘違いしている!

このやり取りを聞けはいくら鈍い静葉でもその事が理解出来た。


「ちょっ、チョット待ちなさいアンタら!」


静葉は慌てて助っ人達を止めようとする。
しかし、そんな静葉の行動を邪魔するかのように、


「チョット待ったぁあああー!」


突然の乱入者が現れるのであった。

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   f ,   ノ   /、   `ー--;::-ニ"_,ゝ=---‐''"    ノ ヽ、 ヽ  t、、
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.   ( ,.ィ''ーr"~    ヽj  ミi      !    j'   | /       ,r"    ft 
   ノ、,ノ   ヽ,     `i  、〉、.__,人,___,..イ、,i" j''       (   ,ノ j
  ( t、    l      i  ヽf     Y    ,j,.  ,/      ) ,.イ´ ノ
  fヽ ヽ、   l      l ヽ、    .|   ノ ,. /     ,.イ '"ノ   ノ
  t i   l、.  t      l  、j`ー‐‐'`ー="レ' j'     // / ,/
  ヽ、 i、   i      l  ヽ  -ニ-  ノ  l     /,,,,ノ ,ィ/ 
    ヽ、`i  `i、     l   `i     /  ,l    /-,=、ヽv
′   ヽ ヽ、 'i,     人  ヽ    /   ノヽ   ノ''"Y,..ト-、 
      `i、,,..=,i、   / ヽ、       /=ィ i'i j"  .`=(i-/、
       ヽ ,f`i-、   /   ヽ      /.`ー=''''"t.___  (,,ノ=、 
       r-l =f,,ノゝ-''`=''フ  i、:' " ゛ ` ,i' :.    .l、  `ー=''=t_,i }}}


「マチョリ~様のの動きがおかしいと思って調べてみたら、何やら面白い事をやってるじゃないですか!」

         ,,、
   __  // ヽ,     ___
   \ヽZ>ト┴''"´ ̄~`ヽ,/ 7∠_
`<ヽ/:リ~::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ_7/:\ニン'
  ノ:::::)::::::::::::::::::ハ::ヽΛ::::::::::::::ヽ::::::::::::)
 i:::r'´r'"::ノ\:ノ  j:ノ/ Vi::::_:::ハ::::::::ハ
 ! (::::::!Y       r=ァ !イ::/::::::l::::::::ノ 
 ヘ:\トl rr=-        ノ レ':::::::ノ::::::(
   ):::∠!   ー=‐'   ∠:::::::_,イ::::::::::::)
  (::::::::.!ヽ         ̄フ l::::::,イ  `。
   \:(  `ゝ 、 _ __ - ´ ..j:::ノ= ゞ
 ○'  __ハフ  .|`彡:ヽ、,、.メ.::::::ミ≡  ヽ
    l      フ:::;;::.:.:`,..:.::.:.:::::ミ   ヽ
     !     く 彡:::::.:::::..:.:::::::.::ミ  |  l
    /)、__,.,,''´ 彡::::.:.:.:.::::::::ミ   |  〉
    ( う  _ノ  メ!川!,ハj;´     |_/
     `ー-'    /⌒\      .|
     __    /  へ  \    ノ
     へ\ __/ / / \     /
   / /〉\\_ノ 〈   <\__ノ
   ヽ y / \\   \  \
.    /ヽ/  //      \ \
    ヽ/ ヽ//       (⌒  )
              (二二)二二)


「ライバルを於いてトップ争いとは随分と失礼な事をするわね、きめぇ丸!」

         :  ∧ :
         :  |::::| :
      : /´ ̄'!☆|"´ ̄\ :
     : / /   |::::::|     \ :
   :  / ノ    |:::::::!     \__\ :
  : ∠〃 {ノノ_ハ_V   レ'、_i_l>\__> :
   : /'レ小(◯),  、(◯) 从l  \ :
     : |('/ ̄ 'ー=-'  ̄///) :
    :   ,r‐──────‐、 :
 .  :   /            ',, :  
   :  /             ', :
 . :  ├─────────┤ :
 . :   lニニニニニニニニニニニl  :  
   :  lニニニニニニニニニニl :
 .  :  ',─────────/ :
   :   }ニニニニニニニニニ{  : 
   :   jニニニニニニニニニ', :
 . :   /             '', :
  :   i   TEN G A     i : 
  :   l                l :
  :   l                 l :
  :   l                 l :
  :   l                l :
 . :   ゝ────────‐''' :


「同士よ、我々は祖国よりこの幻想卿に戻ってきた!」


新たな乱入者達はいつの間にかステージの上でスポットライトを浴びていた。
「アンタらどっから入り込んできたのよ!」
静葉は乱入者にツッコミを入れるが、乱入者も助っ人サイドももはや静葉の話を聞いてない。
お互いに笑い合って、睨み合っている。


「マチョリー様!ここでどちらが上か決着を付けましょう!」

「ふふ、勝った方がベットで上になる訳ね、こぁマッチョ!」

「きめぇ丸、キモさでは負けるけど蹴りは私の方が分があるわ!」

「おぉ、二足が四足に勝てると思ってるのですか?はたて丸さん。」

「同志よ、今宵はロシア土産のウオッカ祭だ!」

「うぉおおおおお!そいつは燃えて来たぁああああ!」


ライバル的やり取りを繰り広げる助っ人と乱入者。

「姉さんどうするの?このままじゃあとんでもない事になるわよ!」

「解ってるわよ!こうなったら…!長老hardさん!」

静葉は、長老hardの方へと振り向いた。

「ほへ?」

もう出番は無いだろうと思っていた長老hardは目を丸くする。
静葉は戸惑う長老hardに向かってこういい放つ。

「更に助っ人を呼んで!あいつらを止められる助っ人を!」

「う、ウム!解った!」

長老hardはすぐさま携帯を取り出した。
そんな静葉と長老hardのやり取りを見て、稔子は静はに心配そうな顔でこう言った。


「姉さん、これ以上助けを呼んだ所で、
 状況は雪だるま式に酷くなるだけじゃないかな…。」

「だからと言って何もしなかったら最悪のオチが待ってるだけよ!」


静葉はもはや混沌の坩堝になってるステージを見てそういった。
高まっていく闘気で、ステージは何時ぶっ壊れてもおかしくない状態だ。
早く何とかしないと恐ろしいことが怒るのは確実だ。

とにかく助っ人を呼ぶために長老hardは携帯に電話する。

しばらくして、長老hardが顔を上げた。

その顔色は焦りと困惑が混じった青色だった。


「…どうしたの?」

「…何か、他のゆっくり仲間と繋がらん、全員留守電じゃ。」

「え。」


それを聞いた秋姉妹は、猛烈な不安に襲われる。
助けが来ないことへの不安だけじゃない。
もっと何か、恐ろしいことが起こりそうな気がするという予感からくる不安も混じっていた。


『待たせたなぁ!』


そしてその不安は見事に的中した。
いつの間にか現れた切り立った崖。

   ,. --―――――---.
   ,'   ,..-‐-,ィ⌒ヽ-、.    \_,.ィ
 ≧ /          `ヽ:ィャ≦ェュ    _,.、     /7ヽ.                   .∧     ○、,
  V / / ,   i   ,ハ  ヽ.       /:::;ヘヽ,.___,:'::∠i:::/_             ○、.,_ /  ',   / `ヽ.`ヽ
   ,'  i  !/  ハ  /  ヽ    }     ,':::/´ i::| /::/ /:/   `'' 、         /´ `ヽ)!へ,/V/、    ':,_,ノト
  i   !  '_\  レ'  /_`.jノ彡    ,.'"':;::'、 |:|_/∠、r'-'、_ノ     `ヽ.      ,'   _[_`ゝ-‐''´ヽ、/     !/ ,ハ   ,
  !ヘ ,ハ ! (ヒ_]    ヒ_ン ).ミ三彡    !  \ゝ'-'"´ ̄; ̄ヽ_>-、_,ノ   i     ,'  ´             |レへ,!  /
  ミ三三ハ"   ,___,   "" ミ三シ  rゝ、‐ '" / | !  ,ハ-‐ハ`'ーrヽ、__」、    /_.7-‐ァ' ̄!二7´ ̄7ヽ、/`ヽ._!    !/
  ミ三三.l、   ヽ _ン   /メミ三シ くr'"/  /-‐!/! ,'     ! i`ヾr-r'   r' ̄7-‐'"´ ̄   ̄`ヽ、_!`ヽ、___!    |、/ヽ
   ミ彡  |  ー--ヽ  ´|  ミツ   ノ i  / --、レ'   / ̄ ハ /! ,ゝ !   !ァ'´  ゝ、 !. / ァ'/!  、`ヽ、___7、  ,ハ
       |   |   ヘ        ,:' /! ,ハ =≠     ==  レ' |/  |  ;'  ,' /(◯), V 、(◯)ハ/! ヽ. ヽ ! /
       |  |    i       /へrヽ !'7///  _____  ///7 ,'  i |L!  ! ;' '"" ,rェェェ、   "" ! /!  ハ!/
        | |     \      ,.   )ン'ト.、,   `'、__ノ   ,.イ / .ハ   `ヽ! !   .|,r-r-|    .レ' ,' ./ |‐--‐
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        イ::::::::/::ノ__,.)ノ ヾノノ、__,ト、:::::::i::}       ' _ノ i'xxx ,___, xxxx'( ヽ  \          ) i´/(! ヒ_,!    ヒ_,! !) i ヽ .,ク. _
       ,-〉、::ムイ lttテュ,o-o:,rェzァ l::i::::ノリ      ('''  (\   ヽ _ン   / ̄) ハ   )        (´( ''""ヽ"",___, ""ノ イ ,ィ' r三,-'
     /_/::::::::::/、'"         "'iイ:::〈        )r-'、| ``ー――‐''|  ヽ(/ヽy        ノ ノ ノ  ',) ヽ _ン  イ i ゝ ヘ、_ンニY`
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その崖の上に蜘魅亡霊を胞沸とさせる色々と凄い恰好をしたゆっくり達が並んで居たのだ。
その光景、正に歴代ヒーロー登場の構図である。
今回の場合は、頭にカオスという単語が付きそうだが。


「ま、また変なのが現れたぁあああー!」

「な、何が起こってるのよ!なんでこのタイミングで
 ゆっくり達が集まってくるのよ!?」


秋姉妹はもう何がなんだか解らない。
崖の上に現れたゆっくり達はその場所から会場を見下ろし、一斉に叫んだ。



『祭の会場は、ここかぁあああああああ!』



「ま、祭の会場って…確かにここは会場だけど、なんであいつらがその事を知ってるの!?」
稔子は困惑する。
この落葉祭、実は静hardと秋姉妹以外の人達は開催されることを知らない。
静葉いわく本当は大々的に宣伝したかったんだが、
予算も準備期間も殆どなかったので、泣く泣く宣伝費をカットすることになったのだ。
そんな訳で落葉祭は静hardの間だけで行われる非常にマイナーな祭となったのだが。
そんな祭ですら、ゆっくり達の中にある娯楽センサーはキャッチしたと言うことなのか。

ゆっくり、おそるべし。そんな事を思いながら、稔子が静葉の方を見てみると。

「……!」

何故か、その静葉はゆっくり達を見て涙で頬を濡らしていた。
「ね、姉さん?」
稔子は突然泣き出した姉に困惑してしまう。
そしてその姉は、涙を流しながらこう呟いた。

「この子達は…私の祭に参加するためにここに集まってくれたの?」

「は?」

姉の言葉の意味が一瞬理解出来なかった稔子。

「…あの、姉さん、まさかと思うけど今姉さんが泣いているのは、
 このゆっくり達が自分の開催している祭に来てくれたから?」

「何よ、それ以外に理由があるっていうの?」

静葉の力強い返事は、稔子を脱力させた。
…と、同時に納得してしまう。
なんだかんだで静葉は、物事の中心になったことは無い日影者の神様だ。
だからこんな風に物事の中心に慣れたという事実は、静葉にかつて無い充実感を与えたのだろう。


…例え周りに居るのがこんなカオスな連中でも、主人公になれて静葉は嬉しいのだ。


「期待してくれる奴らがこんなに居るんじゃ、私も神様として逃げる訳には行かないわ!」


そう言う彼女の手にはいつの間にかマイクが握られていた。
「ね、姉さんまさか。」
そのまさかという予感は正解だった。


「あんたらー!この私、秋静葉の祭に良く集まってくれたわねー!」


静葉はマイクを片手にゆっくり達に言い放つ。
集まったゆっくり達の視線が静葉に集まる。
何て言うか、静葉はその視線を浴びて身体の芯が痺れるのを感じとる。
まさにそれこそが快感という感覚だった。
久方ぶりの感覚!これぞ我が求めていた感覚!
答えねばならない!神としてこれに答えねばならない!

ゆっくり達が向けている期待の視線。
落葉が神秋静葉!こいつらの期待に応えて見せましょう!

「もう難しい語託はいらねえ!説明不要!オマエラ…
 全てをぶつけてゆっくりして生きやがれぇえええ!」


『ゆっくりしていってねぇえええええええ!!!』


お決まりのその叫びと共にゆっくり達は動きはじめる。


「始まったねぇ!祭はこうでなくちゃ!」

「むきゅ!筋肉ようなれぇえええ!」

「おぉ凄い凄い。」

「こぁあああああああああ!」

「はたたたたたたたたたたたたたたたたたた!」

「ボルシチぃいいいいいい!」


「みんなー!神様から直々に本気でゆっくりしろとのおふれが出たわよ~!」

「待ってましたぁあああああ!」

「こんな生温いhardじゃあ物足りないと思って居たところよ!」


「うぉおおおおお!真・落葉祭改めて開催よぉおおお!」


「おぉ、皆も静葉様も輝いておられる…この祭、開催することに間違いはなかったですのぉ。」

長老hardが物凄い大暴れしているゆっくり達と静葉を見て涙を流している。

「え、ええそうね…。」

稔子はカオスな光景に白目を剥いていた。
ふと見上げた秋の空。


ばっきいいいいいいい!


その空には物凄い音とともにへし折れた紅く紅葉した木が宙を舞っていた。




ゆっくり達が木を叩きおりまくった結果、会場一帯は不毛の荒れ地と化した。
しかも、調子にノリまくった秋静葉率いるゆっくり達は会場の外の木まで叩き折ったため、
最終的に妖怪の山の麓の森の三分の一が消滅する事態になってしまった。
しかも、蹴り飛ばした木は人里の方に飛んで行き、
人里は突然降ってきた大木の雨で大パニックになった。
秋静葉と祭に参加したゆっくり達はこの騒ぎの責任を取り、
罰として、のうかりん指導による植林活動と、人里に落ちた木の後片付けをすることになった。


それでも、やりたい事をやり遂げた静葉は、実に満足げな顔でその罰を快く引き入れた。
稔子はその顔を見てもはや言葉が出てこなかった。


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最終更新:2014年11月09日 11:39