――ええ、そうです。門番を起こして戻る途中でお会いしました。
――お嬢様のお目覚めが近かったものですから、そう長くはお相手できませんでしたけど。
――はい、図書館から一冊、冒険ものをお借りして。
――そのまま……門番の所へ持って行ったようです。
――読書とは良いものですね。
――はい、絵本を持っていたので読んであげました。
――やっぱりお可愛らしいですねぇ。子供の頃はあんな感じだったんですか?
――ったたたっ! そこ朝から塞がっていないんですから、叩かないでくださいよぅ。
――う~。え? それから?
――お屋敷に戻っていったようでしたけど……。
――ね、寝オチなんてしてませんてばばばば
――そうね。さっきまで私のところにいたわ。
――廊下の真ん中であんなの引き摺ってるんだもの。
――危なくてしょうがないから、部屋に連れ帰って相手してたのよ。
――ちっちゃな目をらんらんと輝かせてね。
――あんなにおもしろそうにしてるから、私も……。
――え?……そんなわけないじゃない。
――あんな子供向けの絵本になんて、ちょっとだけよ。ほんっの、すこ~しだってば。
――……え?ああうん、貴女の使い魔が、丁度いいところで連れ戻しに来たのよね。
――はい。そちらにいらっしゃいますよ。
――お疲れだったようですね。最後まで読んだら、あのようにぐっすりと。
――ええ、勿論お読みしました。膝に乗っていただいて。
――しかし、本を読む時って真剣そのものですよねぇ。
――頭をなでなでしてもほっぺたむにむにしてもさわさわしても反応しませんしねぇ。
――え? そそそそんなやましいことな~んて全然無いですよ!
――純粋な、そう、スキンシップです!
――し、仕事にもどりまぁ~す!
ため息一つ。
そうして静謐なる我が書楼の奥。
「前から薄々思っていたけれど……」
私は"わたし"の前に座り、その頬をつついた。
「し、あ、わ、せ、なのね。……お互いに」
「すぅ……むきゅ……」
- 上から、
十六夜咲夜
中国
レミリア・スカーレット
小悪魔
パチュリー・ノーレッジ
の順ですね。 -- 名無しさん (2009-01-03 17:59:13)
最終更新:2009年01月03日 17:59