でもんすとれーしょん

「そろーり、そろーり……。」
森の中、1頭のゆっくりれいむが、花に留まった蝶に狙いを定めていた。
「あむっ!!」
頃合を見て一口に
「ちょうちょさんまってー!!」
……とはいかなかったようだ。
ゆっくりれいむがくやしがっていると、
「おちびちゃんはまだまだだね!!!」
「おねぇちゃん、まだゃまだゃだゃね!!」
れいむの母親のれいむと、妹のれいむが木陰から姿を現した。
「ごはんぐらい、れいむひとりでとれるよ!!」
と巣から出ていった姉れいむが心配で、こっそりついて来たのだ。
「ゆぅぅぅぅ……!!」
恥ずかしいところを見られて顔を赤くしながら頬を膨らませる姉れいむ。
「お母さんがお手本を見せてあげるね!!!」
不貞腐れる長女を横に母れいむはそう言うと
「そろーり、そろーり……。」
と、別の花に留まっている蝶に近付いていくと、
「――っむ!!」
見事な体捌き・口捌きで蝶の羽根を咥え、捕らえた。
「ゆー!!すごーい!!」
「ちゅごーい!!」
そんな母を、姉と妹、2頭が目を輝かせ、羨望のまなざしで見つめていると、
「きゃっちあんどりりーす!!!」
母親は蝶を逃がしてしまった。
「ゆー!?なんでー!?」
「なんぢぇー!!」
姉は軽く困惑しつつ、妹は軽く憤慨しつつ尋ねると、母は少し微笑んだ。
「さっきのはでもんすとれーしょんだよ!!!おちびちゃん。今度は自分でやってみてね!!」
「ゆぅぅぅぅ……!」
母れいむにそう言われた姉れいむは、ちょうどさっき花に留まった蝶に狙いを定める。
「そろーり、そろーり……!!」
花に近付くと、
「はむっ!!」
一気に飛び付く。

ぽてん、と着地した姉れいむの口は、先程蝶の蝶を咥えていた。
「ゆゆっ!……やったね、おちびちゃん。」
「やっちゃねおねぇちゃん!!!」
見事に蝶を捕らえた姉れいむは、嬉しそうに、
「ゆゆ!それほどでもないよ!!」

「あ。」
「ぁ。」
「あぁ……。」

「さ、さっきのもでもんすとれーしょんだよ!!」
「うっしょだー!おねぇちゃんのおばか。」
「あぁ……今度は腹話術だね……。」

口を閉じたまま喋る母れいむに驚く、姉れいむと妹れいむを眺めるように旋回して、
先程の蝶は花の匂いにつれられて飛んで行った。

  • れいむ親子は今日もゆっくりですね。乙でした -- 名無しさん (2009-03-12 15:22:49)
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最終更新:2009年03月12日 15:22