「げぶっ、げぼほっ、ゆっぐりでぎないよぉぉ……」
「れいむが悪いんだからね! まりざはとめたんだがらね!」
息絶えたと思われたが、ゆっちゅりーが目を離した隙に命からがら逃げ出した二人。
近くの川原でしこたま水を飲んで毒を吐き出し、なんとか一命を取り留めた。
「まったく、あのぱちゅりーはゆるせないよ!」
「ゆっくりころしちゃおうね!」
邪悪な決心を固め、二人で歩き出した。
ところがいくらも行かないうちに、頭上からバサバサと羽音が聞こえた。
「うーうー、たーべちゃうーぞー☆」
ゆっくりれみりゃの襲撃である。たちまち逃げ惑うれいむとまりさ。
「ぎゃああああああ!!」
「に゛ゃぁぁぁぁぁ!!」
物陰からそれを見てため息をつくゆっくりがいる。
「まったもう、あの二人は、どこまでおろかなのかしら!」
先ほど食料を奪われそうになったゆっちゅりーであった。
ゆっちゅりーは決して慈悲深いゆっくりではないが、
れみりゃは地上種にとって共通する敵。放置すれば自分にも災いが降りかかってくる。
むきゅむきゅと姿を現して、呼びかけた。
「こっちよ、おそらをとぶ 肉まんさん!」
「ううー? おいしそぉー☆」
れいむたちより動きの鈍そうなゆっちゅりーを目にして、れみりゃは襲い掛かった。
れみりゃが頃合の距離まで飛来すると、ゆっちゅりーは傍らの木の枝を引っ張った。
それは木の枝に見せかけたレバーだった。フックが外れ、たわめられていた別の枝が
勢いよく跳ね戻る。
バシッ!
「いっだぁぁぁぁあい!」
枝は見事にれみりゃの顔面を強打した。れみりゃは吹っ飛んで泣き出す。
「うわ゛ぁぁぁぁ、ざくやぁぁぁぁ!!」
「さっ、今のうちよ! あなたたち」
「ゆ、ゆっ……?」「ぱちゅりー?」
戸惑いながらも、れいむとまりさはゆっちゅりーについて逃げ出した。
「あなたたちは乱暴ばかりするから もりのみんながめいわくしているのよ。
これにこりたら、すこしははんせいすることね!」
離れたところにあるゆっちゅりーのゆっくりポイントで、お説教するゆっちゅりー。
れいむとまりさは、しゅんとなって謝った。
「ごめんなさい……」「これからは他の人ともゆっくりするね」
「いいへんじだわ。でもあなたたちは今までわるいことをたくさんしたから
たのみんなはゆるしてくれないとおもうわ」
そう言うと、ぱちゅりーは夕日の方角を指差した。
「ここから西へまる一日あるくと、ちいさな川があるわ。
川をさかのぼったところのたきをがんばってのぼれば、ゆっくりポイントがあるの。
あなたたちはそこへいってゆっくりくらせばいいわ」
「ゆ、それはほんとうなの?」
「うそをつくぐらいなら たすけなかったわよ。
そこは他の小さなゆっくりではのぼれないばしょなの。
あなたたちなら、身体がおおきいからのぼれるでしょう」
「ゆぅ……」「わかったよ、まりさたちはそこへいくね!!!」
去っていくれいむとまりさたちを、ゆっちゅりーは見送った。
森の賢者・ゆっちゅりーには、このようにゆっくりの争いを仲裁する役割もあるのだった。
(おわり)
- 賢者ゆっちゅりー・・大賢者ゆっちゅりー・・ああ、駄目壊れそうww -- ゆっけの人 (2008-10-31 19:31:17)
- 森の神様ゆっちゅりー -- 名無しさん (2010-06-11 21:40:23)
- 森の賢者さんかっこいい -- 名無しさん (2010-11-27 17:54:02)
- かっけぇ以外の言い様がない・・・ -- ちぇん飼いたい (2012-02-28 19:49:05)
最終更新:2012年10月07日 14:19